前世持ちマスターが好き勝手生きるお話   作:ひょっとこ_

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なんかこう、衝動的に。


01/初召喚のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――、」

 

 慎重に、幾分大胆に、導を置く。

 俺を見つけてもらえるように。

 来る者が迷うことのないように。

 だから。

 

「――――だから、来いっ……!!」

 

 サーヴァントの召喚をするとなると、無駄に力んでしまって仕方がない。

 初めてのことだっていうのもあるが、これは、まぁ、前世からの癖みたいなものだ。

 携帯端末を睨めつけながら、手に汗握っていた頃が懐かしい。

 あ、いや、今は召喚のほうに集中しよう。

 そして、

 

「――――ああ、もう。そんな強く喚ばなくても、ちゃんと聞こえてるってば」

 

「あんたは……」

 

 額に垂れてきた汗を無意識に拭いながら、俺は彼女を出迎えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、では改めて。……んんっ。サーヴァント、アヴェンジャー。召喚に応じ参上しました。さ、まずは契約書でも書きましょうか、マスター」

 

 アヴェンジャー。エクストラクラスだ。

 しかも、俺は彼女のことを知っている。

 真名、ジャンヌ・ダルク。が、おかしな話だとは思うが、彼の聖女とはまた別人だ。

 オルタナティブ。ジャンヌ・ダルク・オルタと言われる彼女は、彼の聖女が生前心の根底に持っていた迷いや葛藤、怒り、嘆きを表面化させ、聖女そのものの方針(・・)を反転させた結果生まれた特殊な英霊なのだ。

 まぁ、詳しく、さらに厳密に言えば少し違うのだが、本質的には同じものだ。

 けれど、いや、しかし、まさか彼女が来てくれるなんて……。

 

「思ってもみなかったなぁ……」

 

「なに? もう、早くしてよ。ここね。はい、ペン」

 

「え、ああ、おう」

 

 久樂綴、っと。

 

「はい、アヴェンジャー」

 

「ん。……ねぇ、マスター」

 

「ん?」

 

「あなたの名前、これ、どうやって読むのよ……」

 

 ややそっぽを向いて、それでも紅潮した表情は隠せないままに、ジャンヌ・オルタが尋ねてくる。

 え、なにそれかわいい。

 

「そりゃ、くたらつづりって読むんだ。くたらが性で、つづりが名だな」

 

「クタラ、ツヅリ……。……そういえば、そんな言いにくい名前だったっけ。でも、いいわ、ツヅリ。この竜の魔女が、矛となり、剣となり、あなたに力を貸しましょう」

 

 殊勝なことを言いながら、邪悪な笑みを浮かべるジャンヌ・オルタ。

 

「それは心強い。よろしくな、アヴェンジャー」

 

 実際、助かる。

 うちにはまだデミ・サーヴァントであるマシュしか戦力がいないのだ。

 

「っ、ふ、ふん、せいぜい期待しときなさいっ」

 

 言い残し、召喚サークルの設置してある部屋から出ていくジャンヌ・オルタ。

 カルデアは初めてだろうが、まぁ、部屋の外にはマシュが待機していただろうし、俺はこのまま残った聖晶石をぜんぶ使い果たすことにする。

 せっかくロマンが用意してくれたものだし、それに俺はこういうのはさっさと使ってしまいたい派なのだ。

 

「よし――――、」

 

 ジャンヌ・オルタが来てくれたおかげでかなり自信がついた。

 コツも掴んだ。二回目からは、緊張も、ない。

 

「――――素に銀と鉄」

 

 うん、頑張ろうっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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