あの理性がない悪魔と戦ってしばらくたって、今は夏休みだ。平日も休みなのでギンタとよく修行している。今も修行中だ。
ガキーンッ!!ゴキーンッ!!
「やるな、ギンタ」
「イッセーもな」
ギンタはダガーアームで、俺はナナシがよく使っていたグリフィンランスで戦っていた。今日は小雪がいないのでいつもより激しい戦いになっている。
「休憩するか」
「そうだな」
一旦休憩することにし、俺達は持ってきていたスポーツドリンクを飲んでタオルで汗を拭く。
「そろそろ宿題しないと終わらなくなるな」
「うぅ、ギンタ、いやなこと思い出させるなよ」
俺達が話をしていると、
ズドォォォンッ!!!
爆発音がした。
「一体なんだ?」
ギンタの言う通りなんだ?こんな山奥に俺達以外の人がいるのは考えにくいけど…
「見に行くか、ギンタ?」
「おう、イッセー」
俺達は爆発音がした方に向かうことにした。その近くに行くと、何人かの魔力を感じた。この感じは悪魔だな。悪魔が3人見えてきた。俺達は草の陰に隠れて様子を伺う。
「ようやく追い詰めたぞ!」
悪魔達の目線の先を見ると、布で体を覆われた者がいた。
「早く眷属になってはくれないかな?」
悪魔の中で1番強そうな奴が言う。ドライグ、眷属ってなんのことだ?
『それは俺にもわからない。まぁ、眷属と言うくらいなら部下みたいなものじゃないか?』
ドライグでもわからないか。
悪魔の言葉に布を被っている者は反応しない。
「貴様!何か言ったらどうだ!こちとら仲間が殺されてるんだぞ!」
ガラが悪い感じの悪魔が言う。
「そんなに怒るな。確かに殺されたが、それだけこいつがやるということだ。だから、眷属にほしい」
ガラの悪い奴が1番強そうな奴のプレッシャーに冷や汗を流している。
「眷属にならなければ、消されてしまいますよ」
もう1人、女性の悪魔が言う。すると、布を被った者が反応した。
「・・・消える・・1人は、いや・・・アアアアアアアア!!!!!」
布を被った者が取り乱したかと思うと、魔力が吹き出してきた。その尋常じゃない魔力で布が吹き飛ぶ。その者は、所々ケガをしていて汚れていたが、白いロングヘアーのまるで人形のような美少女だった。しかし、この魔力は俺達に似ている。すると、少女はキーホルダーのようなものを出す。あっ、あれは!
「ガーディアン・・・クレッセント・ジャッカル・・・」
すると、額に三日月の模様がある巨大な犬のようなガーディアンが現れた。
アームだと!なんでこの子が持ってるんだ!それになんて強力なガーディアンなんだ。あと、メルヘヴンにいたときにも見たことがないアームだ。
「交渉決裂だな!なら、消させて貰うぜ!!」
ガラが悪い悪魔が少女を狙い攻撃しようと向かっていく。が、その悪魔はガーディアンが高速で動き、一噛みで食べられた。
「貴様、またしても仲間を!」
女性の悪魔がガーディアンに向けて魔力弾を放つ。しかし、ガーディアンはもろともしない。
「ギャァァァァ!!!」
健闘むなしく女性の悪魔はガーディアンの爪で切り裂かれた。
「また、仲間が減ったか。だが、その強力なセイクリッド・ギアを持ってるお前を眷属にしたらチャラだ。洗脳してでも眷属にしてやる」
あの悪魔はアームをセイクリッド・ギアだと思っているのか。
「動けない程度に痛めつけてやろう」
先ほどの悪魔達より巨大な魔力を少女を含め、ガーディアンに放つ。
おいおい、あんな攻撃、食らったら只じゃすまないぞ。
ズドォォォンッ!!!
爆発が起きる。煙が晴れるとそこには誰もいない。
「おや、消し飛ばしてしまったか。しかし、あれで消えてしまってはそれだけのこと。代わりの者をまた探さなけ・・・」
その悪魔が言い終わることはなかった。少女を背中に乗せたガーディアンが悪魔を切り裂いたのだ。
あのガーディアン強い。ドロシーのトトと同等かそれ以上か。
「ギンタ、どうする?」
「どうするっていわれてもな」
俺達が困惑していると、
「そこに隠れている者、姿を現せ」
あのガーディアンが喋ってきた。俺達は言われた通りに草むらから出る。
「汝らは、我が主の敵か?」
「敵じゃない。俺は兵藤一誠」
「俺は虎水ギンタだ」
「敵でないならば、一体なんだ?」
敵じゃないけど、初対面だしな。
「ただの通りすがりだ。お前こそ何者だ?」
「我はガーディアン、クレッセント・ジャッカル。汝らもアームを使うようだな」
「そうだ。その少女は何者だ?」
「それは言えぬ」
謎のアームを使う少女とその犬みたいなガーディアン。謎が深まるばかりだ。
「ジャ・・ジャッキー・・・」
少女はガーディアンの上から降りた。
「主よ、どうされた?」
「ジャッキー、こいつらは敵?」
「敵ではないと申しています。敵意も感じません」
少女はヨロヨロと立っている。魔力の使いすぎだ。
「嘘、さっきの奴らもそう言って襲ってきた。ジャッキー、こいつらを倒して」
「し、しかし・・・」
「やって!」
「・・・承知しました」
すると、クレッセント・ジャッカルから俺達に向けての殺意が放ってきた。
「待て、俺達は戦うつもりはない!」
「すまぬな。主の命令だ」
くそっ!やるしかないか。
クレッセント・ジャッカルは高速で俺達に襲ってきた。
「グリフィンランス!!」
「ダガーアーム!!」
俺とギンタはそれぞれアームを展開して、爪の攻撃を防御した。それにしても、速い。一瞬も油断出来ない。
「
『Boost!!』
全力でいかなければやられる。
「でりゃぁぁ!!」
グリフィンランスで斬りかかる。しかし、動きが速い。全て避けられる。
「バッポバージョン2!バブルランチャー!!」
ギンタは爆弾のシャボン玉を打ち出す。
ボンッボンッボンッ!!
爆発が起きるが、どうやら全て避けられたようだ。
『Boost!!』
2回目の倍加。でも、俺達は別に戦いたい訳じゃない。少女の方を見ると、ドンドン魔力が減っていっている。このままじゃ少女の命が危ない。
「お前!主が死んでもいいのかよ!」
「汝らを倒す。それが主の望みなら」
くそっ!こいつの説得は無理か。なら、少女を説得するしかないか。
「ギンタ、少しこいつの相手を任せる」
俺はギンタに近づき触れる。
『Transfer!!』
「イッセー、何するつもりだ?」
「あいつを説得する。時間を稼いでくれ」
「へっ、わかったよ。行くぜバッボ!バッボージョン6!長靴を履いた猫!!」
「フニャァァァ!!!」
ガーディアン同士の戦いが始まる。ありがとう、ギンタ。俺は少女に近づく。
「く、来るな!こっちに来るな!!」
少女は俺に怯えるかのように後退りする。
「何もしないよ」
俺はアームも神器も消して近づく。
「来るな!あいつらだって優しくしておいて襲ってきたんだ!騙されるか!」
少女は近くにおいてあった木の枝を拾う。それでも俺は少女に近づく。
「やぁぁぁあ!!!」
少女は木の枝を上から叩き込んできた。いつもなら避けられる。けど、
ドガッ!
俺は頭に攻撃を受けた。
「来るな!!!」
そのあとも何度も殴りかかってくる。それでも、俺は避けずに攻撃され続けた。
「な、なんで避けないの」
少女はさらに殴り掛かろうとする。俺は少女を抱き締めた。
「そんなに怖がらないで。何もしないよ。魔力をこれ以上使うと君の身がただじゃすまない。攻撃をやめてくれ」
「う、うわぁぁぁぁ!!!」
少女は泣き出した。この少女の目は見たことがある。チェスの駒に怯えていた人達と同じ、人のことを怯える目だ。しばらくして、意識を失ったのか少女は俺に抱きつくかのように眠った。
「イッセー、その子どうする?」
クレッセント・ジャッカルはすでにアームに戻っていて、そのアームを手にするギンタが聞いてきた。
「とりあえず、俺の家に連れて帰るよ。ちょうど親はいないからな」
「そうか。だけど、その子は汚れているだろ。さすがに女の子を着替えさす訳には行かないから小雪を呼ぶよ」
「悪いな」
そ、そういえば、俺はこんな美少女を抱き締めたのか!!!
「イッセー、顔がやらしいぞ。さっきまでかっこよかったのに」
いかん、顔に出てたか。あと、一言余計だ。
「じゃあ、帰るか。アンダータ!この3人を俺の部屋まで!」
俺は少女を抱き抱えてアンダータを使い帰ることにした。
今回でオリキャラが登場ですね。
一体彼女は何者なのでしょうか。