ユリーカ十歳、デデンネと共に旅立つ   作:田中太郎丸

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タブンネ

 突如現れたその少女はモンスターボールを取り出し、中からタブンネを出して来た。

 

「タブンネ、いやしのはどう」

「タブンネ~」

 

 少女の指示を受け、タブンネの体から緑色のオーラが漏れ出す。

 

 いやしのはどうである・いやしのはどうを受けたデデンネ、ツタージャ、ジグザグマ、ポッポの傷と体力が見る見ると回復して行く。

 

「デネネー!」

「タッジャ」

 

 全快しすっかり元気になったデデンネはぴょんぴょん飛び跳ねた。ツタージャも嬉しそうな顔をしている。

 

「わぁー! お姉さんありがとー!」

「さんきゅー姉ちゃん! オイラのポッポとジグザグマ、元気になったぜ!」

「ポッポー!」

「ザグザグ!」

 

 いやしのはどうを出し切ったタブンネの頭を少女が「ありがとうね」と言って優しく撫でた。

 

「面白いバトルを見せてもらったんだから、そのお礼よ」

「いやぁ~そんな面白いバトルなんて……」

 

 キョウタが頬を赤らめて頭を描いた。

 

「私、ユリーカ! こっちはデデンネとツタージャ!」

「デネネ!」

「タジャ」

「オイラの名前はキョウタ!」

「私はアリサ。旅のトレーナーよ」

 

 アリサと名乗った少女はタブンネをモンスターボールに戻して自己紹介をした。

 

「お前、中々やるじゃねえか! ユリーカって今言ったな! 特別にオイラのライバルにしてやる!」

「ポッポォー!」

「バトルありがと! またバトルしようね!」

「デネネ!」

「へん! 今度は負けないからな!」

 

 再戦の約束をし、キョウタはポッポ、ジグザグマと共にどこかへ去って行った。

 

 その場に残ったのはユリーカ達とアリサだけだった。

 

「そう言えば、アリサはどこから私達のバトルを見てたの?」

「デーネ?」

「結構最初の方からよ。あなた達のバトル、本当に良かったわよ」

「そんなに? えへへ……。何だか照れるなぁ」

 

 ユリーカも頬を赤らめそう言った。

 

「ねえ! アリサはこれからどうするの?」

「私はハクダンシティに用事があるから行こうと思ったんだけど……ユリーカは?」

「あ! 私もハクダンシティに行こうと思ってたの! ジムに挑戦するんだ!」

「……ジム」

 

 ジムと言う単語に何故かアリサの顔が暗くなる。

 

 不思議に思ったユリーカは首を傾げた。

 

「…………アリサ?」

「え? あ、ど、どうしたの?」

「いや、何だか急に顔が暗くなったからさ」

「だ、大丈夫よ! 何ともないわ!」

「ふーん……ならいいけど。あ、そうだ! アリサもハクダンシティに用事があるなら一緒に行こうよ!」

「一緒に?」

 

 アリサは少し考える素振りを見せた後、

 

「ええ。じゃあ一緒に行きましょうか?」

「本当!? やったー!」

「デネネー!」

 

 だがこの時、ユリーカは知らなかった。

 

 今出会ったばかりのこの少女が、後に自分にどれだけの影響を与えるのか。

 

 そして彼女の抱える闇の深さに……。

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