突如現れたその少女はモンスターボールを取り出し、中からタブンネを出して来た。
「タブンネ、いやしのはどう」
「タブンネ~」
少女の指示を受け、タブンネの体から緑色のオーラが漏れ出す。
いやしのはどうである・いやしのはどうを受けたデデンネ、ツタージャ、ジグザグマ、ポッポの傷と体力が見る見ると回復して行く。
「デネネー!」
「タッジャ」
全快しすっかり元気になったデデンネはぴょんぴょん飛び跳ねた。ツタージャも嬉しそうな顔をしている。
「わぁー! お姉さんありがとー!」
「さんきゅー姉ちゃん! オイラのポッポとジグザグマ、元気になったぜ!」
「ポッポー!」
「ザグザグ!」
いやしのはどうを出し切ったタブンネの頭を少女が「ありがとうね」と言って優しく撫でた。
「面白いバトルを見せてもらったんだから、そのお礼よ」
「いやぁ~そんな面白いバトルなんて……」
キョウタが頬を赤らめて頭を描いた。
「私、ユリーカ! こっちはデデンネとツタージャ!」
「デネネ!」
「タジャ」
「オイラの名前はキョウタ!」
「私はアリサ。旅のトレーナーよ」
アリサと名乗った少女はタブンネをモンスターボールに戻して自己紹介をした。
「お前、中々やるじゃねえか! ユリーカって今言ったな! 特別にオイラのライバルにしてやる!」
「ポッポォー!」
「バトルありがと! またバトルしようね!」
「デネネ!」
「へん! 今度は負けないからな!」
再戦の約束をし、キョウタはポッポ、ジグザグマと共にどこかへ去って行った。
その場に残ったのはユリーカ達とアリサだけだった。
「そう言えば、アリサはどこから私達のバトルを見てたの?」
「デーネ?」
「結構最初の方からよ。あなた達のバトル、本当に良かったわよ」
「そんなに? えへへ……。何だか照れるなぁ」
ユリーカも頬を赤らめそう言った。
「ねえ! アリサはこれからどうするの?」
「私はハクダンシティに用事があるから行こうと思ったんだけど……ユリーカは?」
「あ! 私もハクダンシティに行こうと思ってたの! ジムに挑戦するんだ!」
「……ジム」
ジムと言う単語に何故かアリサの顔が暗くなる。
不思議に思ったユリーカは首を傾げた。
「…………アリサ?」
「え? あ、ど、どうしたの?」
「いや、何だか急に顔が暗くなったからさ」
「だ、大丈夫よ! 何ともないわ!」
「ふーん……ならいいけど。あ、そうだ! アリサもハクダンシティに用事があるなら一緒に行こうよ!」
「一緒に?」
アリサは少し考える素振りを見せた後、
「ええ。じゃあ一緒に行きましょうか?」
「本当!? やったー!」
「デネネー!」
だがこの時、ユリーカは知らなかった。
今出会ったばかりのこの少女が、後に自分にどれだけの影響を与えるのか。
そして彼女の抱える闇の深さに……。