ラブライブ!サンシャイン!!~shiny tales~ 作:ゐろり
最後だというのに曜ちゃん成分全開です。
それではどうぞ!
たかが5月、されど5月。ついこの間まで夜なんて寒くて仕方なかったと言うのに今は蒸し暑くて仕方ない。でも今俺が暑いのは気温のせいだけじゃなさそうだ。
「か、彼方君…本当に離れないでよ?」
「わ、わかってるっての…」
えー現在進行形で渡辺氏が俺の腕に貼り付いて離れません(汗)まぁなんでこうなったのかと言うとだな…
俺と渡辺は二人で夜釣りをしてた。戻ってみると陽香が肝試しをやろうとはしゃいでて。正直お腹いっぱいで今すぐにでも寝たかったのだがなんかヤラナイトダメダヨって空気で言い出せなかった…
いざやろうということになったとき高海が「くじで決めよー!」と言うので一部の大反対(主に陽香だが)を押しきってやることに。
結果は以下を参照
一組目→櫂&陽香
二組目→俺&曜
三組目→千歌&梨子
櫂と陽香からえらく恨みがましい視線をもらう結果になった。陽香なんて最後の最後まで
「いやだぁぁぁぁぁぁ!俺は千歌が、千歌がいいんだぁぁぁぁぁぁ!彼方てめぇ!お前だけ本命と組みやがって!溶かすぞ!削るぞ!溶接するぞ!」
って言ってた。俺は金属じゃねえよ。まぁ口にこそ出していなかったが少なからず桜内と組みたい願望が櫂にもあったはず。いや、仮になかったとしても男子とは組みたくなかっただろうな
ちなみに高海と桜内はキャッキャしてた。お前ら報われねぇのな…
ただ渡辺はなんというか、ちょっと変だった。
「へっ!?あ、あぁ私のペア彼方君、ね…ふーん…え、彼方君!?本当に?…やった!」
って感じだった。やったって何。いざとなったら俺を盾にできてラッキーとか思ってるんですかね。
ほどなくして櫂&陽香ペアが出発。それに続く形で俺らも出発した。
…そして現在にいたる。というわけだ。
「そんなに長い道じゃないし怖がらなくても…」
「だってさっきの陽香の怪談!あれ怖すぎたんだよー!」
「ただのBL○CHなんだけどなぁ…一体どこに怖がる要素があったのやら」
肝試しの前に気分をあげようとか言う理由で怪談話を聞かせてきた。ま、怪談っつーかただのBL○ACHなんだけどなぜか女子陣はキャアキャア言いながらうち震えていた。
「うぅ…お、お願いだから離れないでよ?」
そう言ってさっきよりもぎゅうっと俺の腕を掴む曜。あのね、あなた小さくないのよ?むしろ割と大きいんだけど?どこが、と明記はしないが。わかるだろ?男子諸君。
「あ、当たってるんだけど…」
「え、な…何が?」
あぁ…無自覚。怖いなぁ…このまま理性を必死に保たないといけないと思うと俺が暴走しないか怖い。下手したら幽霊よりも。
「…なんでもない。それよりゴールまだか?結構歩いてるんだけど」
「確かに…お、おかしいなぁ…ハハ…」
地図通りに来てるから遭難ってことはないはず。しかしゴールが見えないのでは道が違うということだ。一旦状況を整理するために適当な草っ原に俺達は座った。
「ね、ねぇ彼方君。ちょっとお願いがあるんだけど…」
「ん?どうした?」
「…くっついても、いいかな?」
そう言って曜は俺の方に身を寄せてきた。
「は…?え、ちょ、まっおま、え?ちょっとおいおい!」
不意討ちをくらった俺は訳もわからず激しく狼狽してしまった。だってさ、好きな女の子がくっついてきてるんだぜ?これでドキがムネムネしないやつなんて果たしているのだろうか…
「ど、どどどどどうしたんだ!?」
「…怖いの。なんか、出てきたらその…怖いじゃん?だから…」
そう言ってる曜は震えていて確かに怖がっていることがわかった。
さっきは何事かと思ったがこんな理由を聞いてしまってはおちおち俺もたじろいでいられない。
「…手、繋ぐか」
「…うん」
そして俺達は互いの指を絡め合い、ぎゅっと固くその手を握った。曜の手は心地よくて、温かく、優しかった。
…この町に来てから、俺の日常はすっかり変わった。東京にいた頃の明日を生き長らえるためだけに送っていた灰色の毎日から一転、世界が変わった。
「…なぁ曜」
「…何?」
「色々、ありがとうな。お前のおかげで毎日がすっごく楽しい」
「なーに、急に?」
「…いや、なんでもない。そろそろ戻らないとあいつら心配するだろ?早く帰ろうぜ」
「…そうだね♪じゃあゴール探そっか!」
だから、この感情を伝えるのはもう少し後でいい。今はまだ進展するときじゃない。
でも、そんな時が来るのは案外遠くない気がする。
「あ、あれ陽香達じゃない?おーい!」
あのあと地図を見返したところ俺達は陽香の書いた道を大幅にずれてた事に気づいた。そして今どうにかして戻ってきた次第である。
「悪いな、結構時間掛かって」
「お前なぁ…割と心配したz…」
「本当だよ一体どこで何w…」
櫂と陽香が寄ってきて喋りだしたかと思えば急に黙り込みやがった。
そして、陽香が叫んだ。
「こんの勝ち組がぁぁぁぁ!」
「お、おう!?」
その叫び声に釣られてか、高海と桜内も来た。
「陽にぃどうしたの!?って曜ちゃんに彼方君!二人とも無事だったんだね!」
「よかったぁ…そして柊君が叫んでる理由もわかった気がする」
なんかさっきから皆心配はしてくれたみたいで嬉しいんだけど少し様子がおかしい。
「ねぇ、彼方君。なんでみんな妙に暖かい目でこっち見てるんだろ?」
「約一名オーバーヒートしてるがな」
「…なぁ、お前らそろそろ手離さないのか?」
櫂に言われてやっと気付いた。というか…手?
「「うわぁぁぁぁぁ!////」」
俺達は慌てて手を離した。な、なんで気付かなかった…
「まったくぅ、彼方君と曜ちゃんったらラブラブしちゃってぇ」
「お熱いねぇ」
「ち、ちょっと!千歌ちゃんも梨子ちゃんも何言ってるの!?////」
女子はなんだか色めきたっている。まぁ普通なら色々邪推してからかわれるのが常だろう。
じゃあなんで俺は今死にかけてるんだ…?
「ちょいちょい陽香!ギブギブ!」
「うるさいぞ!貴様のその罪、万死に値する!」
「首、首はアウト!櫂、助けてくれぇっ!」
このままでは昇天しかねないので我々の中で一番マトモな櫂に助けを求めることにした。
「…彼方。お前は悪くない。」
が、様子がおかしい。
「悪いのは運命だ。所詮くじ引き。むしろ本命と当たらない可能性の方がでかいんだもんな。」
「お、おい…?櫂さん?」
「じゃあなんでお前は当たってるんだよチクショウ!」
唯でさえ死にかけてると言うのに頭グリグリ、通称梅干しを櫂から食らった。
「ギャァァァァァァァ!!」
マジで意識が飛びかけた時にこちらに気付いた女子達が慌てて止めてくれたお陰でどうにか死なずに済んだ。マジでありがとうねみんな…
「さて、じゃあ全員揃ったところで花火始めるか!」
「「「おー!」」」
陽香の掛け声と共に女子は一目散に駆け出す姿を俺と櫂は遠くから見てた。
「なーんかあっという間だったな」
「なんだよしみじみしちゃって。らしくないな彼方」
「かもね。でももう明日には帰らないと、って思うと寂しくなるもんじゃね?」
「…十分イベント堪能したくせによく言うよ」
「それを言われると弱い」
…あ、陽香がこけた。バカだなあいつ。
「…まだ時間はある。桜内に声かけてくれば?曜は俺が引き剥がしとくからさ。」
「…いや、自称チキンナイトにそこまでやられるのはなんか癪だから遠慮しとこう」
「失礼な」
そういいながら俺達は笑いあった。
「んじゃ、健闘を祈るぜ」
「おう」
こうして櫂は桜内のもともとへ行った。そして入れ替わりに陽香がやって来た。
「ようリア充(笑)調子はどうだ?」
「あからさまに嫌みを感じるんだが…」
このやろうまだ根に持ってやがる…
「…半分くらい冗談だよ。」
「残り半分本気かよっ!それより、お前は高海となんか進展あったのか?」
「んー…ほとんど。向こうはただの兄としか思ってないだろうからなぁ…」
「まぁお前がやろうとしてることは俺や櫂のそれとは比べ物にならないくらい難しい事なんだ。気長にいこうぜ」
実際そうだ。いくら血の繋がらないとはいえ兄妹は兄妹なんだ。十年以上続いたその関係から一歩先にいくというのは決して簡単な事では無いだろう。
「…だな。あ、千歌が呼んでる。んじゃあちょいと行ってきますかね!」
そう言って陽香は走っていった。
各々が花火を楽しんでいる姿を尻目にふと考えた。俺は今幸せなのか、と。
以前読んだ本には「人と人の関係とは麻薬だ。知らず知らずのうちに依存して抜け出せなくなる」と書いてあった。全くその通りだと思う。
だからこそ裏切られた時が一番怖いのだ。極端な話その裏切りを回避するために俺は今まで友達を作ってこなかった。
でもこいつらは違う気がした。この関係に依存しても怖くない気がした。そして、実際それは正解だった。
「彼方君、となりいい?」
ふと、曜が話しかけてきた。
「…おう」
それっきり、二人はなにも言わない。だがその静寂は不思議と苦じゃなかった。
空を見上げる。満点の星空だ。東京じゃこんな光景絶対に見れない。
横を見る。曜が、俺の最愛の人がここにいる。
「なあ曜」
「何?」
「俺さ、今すっげえ幸せだよ」
「…そっか」
「おう」
そして俺達は何も言わずに手を握りあう。あの無数の星々に祝福を受けた気がした。
これにてゐろり、なこHIM、伊崎ハヤテによるコラボ作品は完結です。
少しの間でしたが閲覧してくださったみなさん。ありがとうございました!
これからもSS作家サークル「ザミフォア」をよろしくお願いします!
P,Sこれはあくまでパラレルワールドなので本編には一切関係ありませんのでご了承を…