アンジュ・ヴィエルジュ ダメ人間によるメインストーリー   作:ヤドリ

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05覚醒、二人の――

 先程の激闘が無かったかのように、コロシアム内は静まり返っていた。

 一方で、感銘を受けていない人物も、この場には一人も居ない。

 

 圧倒された、途方もない差を見せ付けられた、という意味では僕もそうだ。

 試合が終わり、空中を舞っていた二人は飛行能力を抑え、ゆっくりと地に下りてくる。

 もちろん、誰かさんのように頭部から突っ込んだりはしない。

 

「すごい、です。表面上は互角の撃ち合いでしたが、明確な実力差がありました」

「もちろん。でも、あなたならすぐに追いつけるわよ、きっと。私は戦闘じゃなくて研究が本分だから、なおさらね」

 

 ソフィーナとセニアはそんな言葉を交わしていた。

 これが競い合い、互いを認め合ったという事だろうか。人間関係に疎い僕にはいまいち分からなかったが、美海の話も意外に馬鹿にできたものではないのかも知れない。

 青蘭学園側も、異文化理解の一環でこれを取り入れている、という面もあるだろう。

 

 当面、人間関係は成り行きに任せてもいい。というよりも、僕なんかよりも美海や学園側のカリキュラムの方がよほど信用できるのだ。

 それより、僕が集中すべき事柄は他にあった。

 

「強いな。しかも、手札破壊とか苦手な手合いだし……」

 

 ソフィーナが勝ち残ったという事実。仮に、僕と美海が一戦目に勝ち残れば、彼女との対決になる。そして、それは美海の目標でもあるのだ。

 はっきり言って彼女は強い。青蘭学園で教育を受けていけば、やがて薄れていく差なのかも知れないが、入学当初としては絶望的な差があった。

 

 豊富な経験、多彩な魔法。そして、総合的な実力に伴う、魔女王の片腕という肩書き。

 相手の選択肢を削るという戦闘スタイルは把握できたが、総じて高いレベルで単にそれが得意、というだけの事。

 これと言って、対策も思いつかない。思いついたとしても、美海が実行可能かどうか。

 

「よし、次は第二試合。美海とアウロラ、配置につけ!」

 

 打つような口調で、女性教師が指示を出す。そこでようやく、僕は我に返った。

 そう、ソフィーナの事より、まず一戦目でアウロラを破らなければいけない。

 

 ひとまず、傍らの美海に目配りするのだが、そこで思考が空白になった。

 

「あー……えーと」

 

 試合前になんと言葉をかけていいか分からない。

 何かアドバイス、といってもアウロラの情報は不明で、コンソールで詳しい情報が確認できなかった以上、美海自身の運用も当人に任せたほうがいい。

 要するにこの段階では、僕は役立たずで。

 

「うん、一緒に頑張ろう!」

 

 そうしている内に、美海の方から頷いてきた。やる気を双眸に湛えながら。

 かなり好意的な解釈だった。僕は何も言えずに固まっていただけなのに。

 

(案外、僕は簡単な事にも気付けないんだな……)

 

 美海ように、なんでもない事であっても声を掛けるべきだったのだ。

 たったそれだけで緊張が和らぐかも知れない。

 おそらく知識や作戦の前にある、もっと基礎的な対人能力。それが僕には欠けている。

 

 内心でかなり凹みながらも、対戦相手のアウロラに視線を向けた。

 品を備えた美貌の持ち主で、ウェーブを描いた鮮やかな桃色髪。赤の世界特有の衣装は水着と大差はなく、少々目のやり場に困る。

 美海と比べれば、かなり長身で僕とは大差ないぐらい。同年代、に見えない事もないのだが、今時の学生には珍しい落ち着いた様子が、少女というより女性的な雰囲気を醸し出していた。

 

 戦闘用の武装か、今は戦棍(メイス)らしきものを携えている。

 アウロラの表情に緊張は見られなかった。

 普段と変わらない、おっとりとした調子で美海に微笑みかけている。

 

「よろしくね。美海ちゃん」

「うん。でも、負けないからね」

「勝手は分からないのだけど……私も頑張ってみるわね」

 

 いや、頑張らなくていいです。と咄嗟に僕は思ってしまう。

 スポーツマンシップとしては真っ当なやり取りなのだが、頑張った結果、より大きなダメージを引き受ける羽目になるのは僕だ。

 

 そんな僕の内心とは裏腹に、進行役の女性教師は開戦を心待ちにしているらしかった。

 口元を緩めながら双方の様子を確認すると、片手を振り上げる。

 

「準備はいいな。ブルーミングバトル――スタート!」

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 掛け声と同時に、機器が形成したものに重ねるように、こちらもαフィールドを発生させる。一瞬にして、試合の場を不可思議な力が満たした。

 いくら僕の出来が悪くとも、これだけなら何の障害もない。入学条件を満たした段階で、αドライバーは最低限の能力を行使する事は可能だ。

 もちろん、実戦への適性があるかどうかについては、まったく別の問題だが。

 

 対象を美海に設定、同意による同調(シンクロ)を確認。この時点でプログレスの保護、最低限の力の譲渡は可能となる。

 当然ながら、リンクは不成立。よほど出足が早いチームでもない限り、リンクを行うには一定の過程を必要とする。徐々にギアを上げていくようなもので、試合を通して同調率を上げていき、臨界を超えた瞬間、大幅な強化、リンク状態が発生する。

 

 そして、対戦相手であるアウロラを確認。

 印象としては、穏やかで戦闘には向かない少女のように思えるが、いざ対峙してみれば携えた戦棍が嫌でも目に入った。

 こちらにはαドライバーが存在せず、代替として機器からの保護を受けている。

 

(未知の相手。先手を取るのも取られるのも不安……美海に任せるしかないか)

 

 僕は自分の能力を評価していない。何の教育も受けておらず、経験もないため、評価のしようもない。下手に指示を出しても、行動にタイムラグが生じるだけだ。こういった現状であれば、プログレス自身の判断と即応こそが最大の武器となる。

 

「最初の判断は任せたよ」

「任された!」

 

 即断して意図を口にすれば、美海の方も即決した。

 旋風が渦巻き、美海の足が試合場の地を蹴った。跳躍ではなく、低空飛翔。

 

 異能(エクシード)の制御に無駄は多いが、彼女の姿が霞むほどに速い。

 息を呑む間もなく、接近戦の間合いに入ると勢いを活かして蹴りを放った。

 

(素人だろうけど、動きいいな……スポーツ万能なタイプか)

 

 動作(モーション)は武道ではなく、スポーツのそれに近い。しかし、元より運動神経が良かったのか、十分攻撃としては有効な速度で、美海の足が弧を描く。

 しかし、直後に美海の蹴りは、アウロラの戦棍に阻まれていた。

 美海を通して、僕の片足にもみしりと金属の重さが伝わってくる。

 

「せいっ……!」

 

 アウロラは勢いを止めた攻撃を押し退けると、そのまま戦棍を斜め上から振り下ろす。

 この手の武術の水準で見れば、あまり速くはない。訓練していれば、もう少し綺麗な軌道を描いて、相手を打つだろう。

 しかし、蹴りから体勢を崩された美海に当てるには十分だった。

 

 咄嗟に、美海は腕を掲げて戦棍による一撃を防御する。

 同時に彼女を保護する、僕の腕にも明確なダメージが伝わった。ただ、ひたすら重い衝撃。骨まで打ち抜かれたような強烈さだ。

 一瞬だけ激痛が走り、腕の感覚が無くなり、反射的に眉を潜めてしまう。

 

 不利を認めたのか、美海は衝撃と自ら起こした風を利用して、一度アウロラから距離を取った。最初の攻防は終わり、これで仕切り直しだ。

 

「大丈夫っ!?」

 

 珍しく、焦燥に駆られた様子で美海が半ば振り返って尋ねてきた。

 プログレス自身は痛みもなく損傷もない。ある程度の衝撃、それに伴う硬直は存在するが、やはりαフィールドの有無は大きい。

 だが、ダメージが無いからこそ、かえって怖い事もあるのだ。

 自分が受けているダメージにも関わらず、他人が傷付き、しかもそれがどの程度か分からない。親しければ親しいほど、その恐れは強くなり、勝つ意思が強ければ強いほど、αドライバーは負担を隠そうとする。

 待ち受けているのは、すれ違いと疑心だ。

 

 悲しい事にこれを解消するには、意思疎通して信頼し合うしかない。

 もちろん、僕には不可能だが。

 

「平気だ。殴る蹴るの扱いは慣れている」

「それ、別の意味で大丈夫!?」

 

 つい口走ってしまったが、こほんと咳をして適当に誤魔化した。

 

 実際、ぬるいとは思う。たしかに痛みは同等だ。これは正確なもので、銃で撃たれても、火で焼かれても、αドライバーの体で激痛は再現される。

 しかし、体の損傷に関しては、フィールド越しに転化され、ある程度拡散されたもの。

 本来、プログレスが首を刎ねられたり、体に大穴を開けられるような状況になったとしても、αドライバーは酷い状態になるにせよ、結局は衝撃を受けるだけで済む。

 仮にそうでなければ、今頃ブルーミングバトルは死屍累々になっているだろう。

 

 皮膚が裂け、肉体の内々まで損傷する感覚、血が抜けて意識も身体の自覚も稀薄になっていく体験には、まだ程遠い。そして、なにより悪意も侮蔑もなく、それらを露にした張り付いたような笑みもない。

 それなら、耐えられて当然だ。僕は今以上に耐えて生きてきたのだから。

 

「接近戦は武器の差で不利だ」

「うん。それなら異能(エクシード)の攻撃、いくよ!」

 

 距離を取ったまま、アウロラに向けて美海が手をかざした。

 器用な真似はできない。ただ突風を叩き付けるだけ。あまり威力を絞りきれてはいないが、出力は新入生としては破格の規模だ。

 大気が唸り轟音を発しながら、アウロラを吹き飛ばそうとする。

 

「それなら……こう、かしら」

 

 アウロラが片手を広げ、軽やかに一振りした。

 すると風は淡い輝きに染まり、そよ風程度に弱まっていく。その代わりなのか、何処からともかく花びらが現れ、風の中に散っていった。

 

 こうなっては、美海の風も害のない花吹雪に過ぎない。

 色とりどりの花が舞う光景には、戦いの場とは思えないほどの素朴な美しさがあった。

 

「わっ……綺麗、だけど」

強化(バフ)を兼ねた防御系のエクシードみたいだ。こういう、一定の概念を曖昧に、広い形で運用できるのは、赤の祈りで成立する力にありがちだけど」

 

 と考察するが、それが何の役に立たない事に気付かされた。

 現状、接近戦は戦棍で阻まれ、遠隔攻撃はエクシードで防がれている。

 

(つまり完封――こちらには決め手がない)

 

 考えるだけでも、息苦しさのようなもの感じた。

 アウロラ側の攻撃能力は未知数だが、判明している範疇だけでも守りを固めながら、ひたすら戦棍で殴られるだけで、こちらは追い込まれていく。

 一応、こちらには状況を覆す切り札が存在していたが……

 

「エクシード・リンク……」

 

 すかっ、と空気が抜けるような安っぽい感覚が僕を襲った。

 リンクを試みたが不成立だ。失敗時に何が起こるかは個人差があり、強い脱力感、精神が砕かれるような衝撃、といった例がある。戦闘の障害になるほど酷い場合もあるので、僕と美海はマシな方とも言えるだろう。

 

 失敗の感覚は共有されていたらしく、微妙そうな顔で美海は「むー」と唸っていたが、こちらと目が合うと少し慌てた様子でフォローを入れてきた。

 

「だ、大丈夫だよ。このくらいリンクがなくったって……!」

「ごめん、成功するまで試す。時間を稼いでくれ」

 

 方針だけ伝えると、プログレスの力を感じ取るべく、僕は意識を集中さえた。

 あまり美海の強がりに甘えてはいられないが、今はリンクの成功率が低すぎる。逆転にはとにかく、時間稼ぎが必要だ。

 

 もちろん、試合は続行中。アウロラ側も黙っては見ていてくれない。

 

「今度は私の番ね」

 

 アウロラがのんびりと告げたが、行動自体は迅速だった。

 先程の美海と同じ要領で、地を蹴り低空飛行によって素早く接近する。

 前進の勢いを乗せたまま戦棍を振り上げ、美海めがけて振り下ろした。

 

 アウロラのエクシードには身体を強固にする、あるいは保護する機能も含まれているらしい。

 これは防御だけでなく、身体動作において無理が利く、という形で攻撃に転用できる。

 負担を顧みず、顧みる必要すらなく放たれた一撃は当たれば無事では済まない。

 

 二通りの風が吹き抜けた。

 一つはアウロラが戦棍を振り抜いた際の風圧。

 もう一つは、美海が引き起こした風だ。直前に彼女は風で加速し、空中に逃れていた。

 

「突破口があるとしたら……接近戦で高速飛行によるヒット&アウェイ。もしくは、突風による攻撃を続けて、エクシードの限界を測るか。どっちを試すかは任せる」

 

 一応、指示らしきものは出すが、肝心の判断は美海任せ。

 自分の未熟さを痛感するが、現時点ではどうしようもない。

 せめて、リンクが行えればαドライバーとしての役割を果たせるのだが、それも不調であるらしかった。今は取っ掛かりすら掴めない。

 

「もう一度、勝負!」

「受けさせてもらうわね」

 

 風を切りながらも滑空、果敢にも美海は再びアウロラに接近戦を挑んだ。

 状況は依然として変わらず、素手で武器に挑まなければならない。一見して無謀だが……

 

(正しい。実際、アウロラさんの反応はあまり良くなかった。底が見えないエクシードの限界を試すよりは、ずっと勝ちの目がある。分析はともかく、判断力は僕より日向さんの方が圧倒的に上か)

 

 邪魔にならない程度に、再度リンクを試みるがやはり不成立。

 成功時と比べて、やはり何かが噛み合わない。わずかな時間の間でも、彼女の人柄やエクシードで理解できた事は多いはずだが、それでも絆を形成するには足りないという事か。

 

 武器の差だけ早く、美海を射程に捉えたアウロラだが、その後は不用意な大振り。

 重く強靭な一撃が石の足場を砕いたが、風を纏い宙を舞う美海には当たらない。

 敏捷さ、という点では美海は圧倒的だ。

 

「反撃、いくよ!」

 

 全力攻撃の際には、反動で後には隙が生じる。

 即座に美海は風による機動性で間合いを詰め、絶好の位置から中段蹴り(ミドルキック)を放った。

 もちろん、ただの蹴りではなく、風で身体に勢いを持たせたうえでの打撃。

 

「……っ!」

 

 軽く呻いたのは僕だ。足に平手で打たれたような衝撃が走った。

 殴れば拳が痛いように、蹴れば足が痛いのだ。その辺りもαドライバーが引き受ける、という点は同調したプログレス達の強みだ。

 

 美海の蹴りはアウロラの胴に直撃していた。

 おそらくはエクシードで強固になっているのだろうが、効いている。

 痛みは無いはずだが、ぐらりと女性らしい肢体がよろめいた。

 

 そこから先は完全に美海のペースだった。

 先程のように、攻撃を誘い、それを回避して隙を突く。

 防御に徹したのなら、機動性で回り込み、横や背後を取るか攻撃を誘う。

 

 息も吐かせない迅速な立ち回りで一撃、二撃とアウロラにダメージを重ねていく。

 蹴りに比べて、殴打は貧弱に見えたが、それでも十分だ。

 

(天才か、あいつ……僕いらなくないかな)

 

 などと不安になるのだが事実、美海の動きは戦闘経験が皆無だったとは思えない。

 それだけでなく、今も瞬く間に成長を続けてるように見えた。

 

 とはいえ、アウロラも完全に押されるだけではない。

 こちらは成長というより慣れの問題だろうが、美海の速度と攻撃に対応しつつある。

 

 ついに美海の鋭い蹴りに、アウロラは的確に反応した。軌道を読み、戦棍で防御。

 足を武器で受けられれば、逆にダメージを受けてしまう。

 

 しかし、美海の蹴りは戦棍で受けられる寸前で動きを止めた。

 寸止め、と誰もが思った直後に、美海は会心の笑みを浮かべて、アウロラに手の平を向けた。

 

「いっけえぇーーっ!!」

 

 至近距離からの、エクシードによる突風攻撃。

 風が、もはや壁となってアウロラに叩きつけられる。こうなっては戦棍も無意味だ。

 

 ぞくり、と背筋が震えた事を僕は自覚した。

 僕は最初、美海に接近戦と正面からのエクシード比べを選択として提示した。

 それは切っ掛けとしては役立ったのかも知れない。しかし、ごく短い時間で美海は僕の遥か先に到達していた。

 

 美海が試したのは両方だ。接近戦で攻め、次はそれをおとりにエクシードによる奇襲を行った。しかも、一度は敗れた出力比べではなく、至近距離からの発動速度で勝負を仕掛けた。

 短時間、それも戦闘中に、彼女はそれだけの応用と発想を行った事になる。

 僕が人生で一度も接した事がないレベルの、並外れたセンスだった。

 

「決ま――ってないか」

 

 それでも、なお足りない。

 至近距離かつ不意打ち、最良の条件で放ったにも関わらず美海のエクシードは防がれていた。

 攻撃を花に変え、無力化する力。勢いを抑えられた無害な風の中、赤や白、色とりどりの花が舞うだけだ。

 

「美海ちゃんは強いのね。私も応えて……ここから本気を出してみるわ」

 

 大人しげながらも真剣な口調で、アウロラが宣言した。

 元から穏やかな少女だ。気迫という意味では大したものでもないが、内に秘められた力は決して侮れるようなものではない。

 

 直後、紅蓮の光芒が迸り、揺らめきながらも周辺の大気を焼き払った。

 ソフィーナやセニアのものとは、また異なる熱量攻撃。

 

 αドライバーとしての体感では、熱に当てられ皮膚が焼け付くような感覚がある。

 一方で、実際に肉体が焼かれているという感触は無い。つまり、美海も無傷だ。

 

 寸前に美海は飛翔し、アウロラの攻撃範囲から逃れていた。

 エクシードで発生した攻撃は通常、長時間維持されることは無い。アウロラが発生させた灼熱の壁も短時間で消滅した。

 だが、反撃に転じる事もできない。完全に未知の攻撃手段が登場した以上、今まで取った主導権は消えたも同然だ。

 

(防御系のエクシードだけじゃない!? 炎……いや少し違うか)

 

――暁光(アウロラ)

 その名が示すとおり、暁を司る女神が有する祈りの力。

 光は時に炎と熱を伴い標的を焼く、という事なのだろう。

 

 空中に逃れた美海をアウロラが追う。彼女は美海ほど速くはないが、基本的に追撃においては追う側が有利だ。相手がどのような軌道でも、一直線に向かえばいい。

 加えて、暁光から炎を発する攻撃。遠距離攻撃が増えた以上、距離を置いても安全とは言えない。

 

 事実、美海は追い込まれていた。炎が風を呑み、戦棍が身体を打ち据える。

 当人にダメージはないが、問題はそれを引き受けた僕の方だ。

 全身が焼き付き、強烈な打撃が次々と打ち込まれ、立っているのがやっとだ。

 

 αフィールドの性質上、致命的な損傷はないが、精神はかなりの勢いで削られていく。

 戦棍の重量に打ち抜かれるたび、意識を失えばどれだけ楽か、と思う。

 しかし、その誘惑に負ければ、その瞬間にバトルの敗北も確定する。

 

「わ、わわっ!? ちょっと拙いかも……」

 

 ダメージに焦ったのか、美海も安定感を欠いていた。

 慣れない内はプログレスがαドライバーのダメージを意識せず、戦う事は難しい。

 そして、それは状況が不透明なまま焦りを生んでいく。後は負の連鎖だ。

 

(くっ……)

 

 この状況は一度引いて立て直すが王道だが、僕達は所詮素人だ。ここまで劣勢に立たせると、単に引くことすら難しい。

 リンクさえ出来ればと思うが、あと一歩の所で、何かが噛み合わない。

 

 美海は良くも悪くも根は素直な少女だ。向こうが壁を作っている、という事はないだろう。

 では、エクシードへの理解が足りていないのかも知れない。

 風、自然現象の操作はカテゴリとしては珍しくないが、一方でエクシードは同一のものは存在しないとされている。つまり、同じ風を操るエクシードでも、そのアプローチや性質、短所や長所といった点が異なるのだ。

 つまり、美海の力には致命的に欠けた、何かが存在している。制御能力が他と比べて低いのも、この推測を補強する事実だろう。

 

 強風が吹き荒び、アウロラの炎を悉く吹き消した。

 エクシードの出力では、美海も負けてはいない。

 しかし、直後にはアウロラが風と炎の壁から突出し、美海に強烈な一撃を見舞った。

 

 こちらにダメージが来る。灼熱の如き激痛が胴体を貫いた。本来なら、数日は抜けない損傷だ。

 劣勢なようで、エクシードの撃ち合いは五分。アウロラも防御と攻撃の両立には限界がある。

 むしろ、接近戦での優劣が大きく差を広げている要因だろう。

 

 せめて、武器でもあれば(・・・・・・・)

――そう思った時、何かが重なり、何か噛み合ったような感触があった。

 

(これは……いや、これが最後のチャンスかも知れない。解釈を間違えるな)

 

 都合が良い偶然に飛びつきそうになり、直後には自分を戒める。

 確かに今の僕と美海には武器が必要だ。アウロラの戦棍のような。

 だが、単に意見が一致しただけで、リンクが成立する、という事もないだろう。

 

 前回の試合を思い出す。ソフィーナはどのように武器を作り出したか。

 そして、美海に欠けているもの。それを埋めるものは何か。

 正解を手繰り寄せた瞬間、自然と意識は定まり、口から声が漏れた。

 

「――エクシード・リンク」

 

 風が吹き抜ける。これまでの乱れた風とは異なり、安定しながらも壮烈な一陣。

 暁の炎は吹き消され、振り下ろされた戦棍は金属音と共に打ち払われた。

 

 己の手足のように大気を突き動かし、息をするように軽やかな風を身に纏う。

 美海のしなやかな手先には、透き通るような銀の細剣(レイピア)が握られていた。

 双翼のような、渦巻く風のような、鍔元の意匠が刀身に秘めた力を象徴している。

 

「これが私の力……あなたが引き出してくれた、私の可能性!」

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 それぞれの心を水面の波紋に例えるなら――通常は衝突するか一瞬交差するか、その程度のものが、重なり同じ方向に向く、というのがリンクだ。

 この状態では、互いに精神的な繋がりが発生する。

 どの程度かは個人差があるが、今回は事前のダイレクト・リンクよりも繋がりが強い。

 

(少し、怖いな……)

 

 大半は無意識レベルのものだが、リンクしたプログレスとαドライバーは普通の意思疎通を飛び越えて、互いの本質を理解できてしまう、という話を聞いた。

 そして、僕は自分の本質を他人には理解して欲しくないのだ。

 醜い所は隠したい。自分を卑下している訳ではなく、それが当たり前の社会性だ。

 

 一方で、その思考を裏切るように、胸の内が充実感で満ちていくのが自覚できた。

 他人と通じ合う、というのは、そういうものかも知れないが、僕にとっては異物感がある。

 

(今はそれよりも、目前の試合を……!)

 

 意識を試合の方に引き戻す。

 とはいえ、元からそうだが、αドライバーとして指示できる事は何もない。風を纏う美海からは揺るぎない強さが感じ取れた。それに、こちらはリンク中でアウロラ側はαドライバーすら居ない。一度、こうなれば小細工は必要ないだろう。

 

 それでも、最低限の義務は果たすべく、声を張り上げる。

 リンクする事によって、美海のエクシードについて理解できた事もあるのだ。

 

「剣だからって、あまり斬る事は意識しなくていい! それは風を束ねる指揮棒(タクト)のようなもの。だから……」

「大丈夫だよ。今はエクシードは自分の事のように分かるし、キミの想いもちゃんと伝わっているから!」

 

 想いの方は伝わらない方が嬉しい。

 美海の声は活力で満ちていた。有り余る力がリンクを通じて、溢れてくるようだ。

 

 実際は絆が薄いか、そもそも僕の資質が無いからか、出力自体は落ちているのだが、元から圧倒的に出力が高いため、未だに平均を大きく上回っている。

 そして、総力が減った分は集積すればいい。制御力の向上は出力低下を補って余りある程の利点だ。これが課題になるのは、さらに上を目指した場合だろう。

 美海の周囲の大気は、その密度を増していた。

 

「これがリンク……」

 

 アウロラも目を丸くして、美海を観察していたが、彼女にあまり長い時間は与えられなかった。

 局所的な突風が翔け抜け、美海がそれに乗って飛翔する。

 

「いくら速くても……!」

 

 アウロラが戦棍を掲げれば、炎の壁が眼前に構築された。それは敵対者を焼く炎にして、自身を守る防火壁。守護と暁光の合わせ技。

 たしかにスピードでは、狙い定めた攻撃は避けられても、すでに設置された障壁を突破する事は叶わない。迂回すれば、それはそれで隙ができるだろう。

 しかし、美海はただ速いというだけではない。

 

 風が吹き荒れ、高密度の大気が炎の壁を押し退ける。

 美海が纏い、その勢いに乗った風は障壁の役割も兼ねていた。もちろん、専門の防御には劣るが、わずかな時間だけ炎を押し留められれば十分だ。

 その間に、ただ速度で突破する。

 

 アウロラは第二、第三の暁光を放ち応戦する。

 が、美海は風の機動を曲線状に変化させ、時には跳ね除け、時には最小の動きで回避し、わずかな速度すら落とさずアウロラに肉薄する。

 

「――せいっ!」

 

 銀の刃が渦巻く風を束ねた。大気が激しく吼える。

 それが振り下ろされた瞬間には、もはや局所的な竜巻と化していた。

 

 凄まじい威力を秘めた一撃は、防御に入った戦棍を軽々と弾き飛ばしていた。

 しかも、これは軽く打てる攻撃に過ぎないらしい。

 

 第二撃。次の瞬間には刃が翻り、竜巻と共にアウロラの胴体へと叩きつけられた。

 圧縮された大気が炸裂し、不可視の爆発を巻き起こす。

 まるで木っ端のようにアウロラの体が軽々と吹き飛ばされていた。その勢いは留まる様子を見せず、コロシアムの内壁に衝突し、ようやく停止した程だ。

 

「直撃。今ので許容値の半分以上が持っていかれたな……」

「なによ、これ。まるで別人じゃないの」

「元から日向美海には下地があった。なんせ、入学試験では歴代トップの数値を叩き出したからな。多少、出力が落ちようが制御が安定化すれば……こうなる」

 

 外野の女性教師とソフィーナの声からは、やや唖然とした様子が読み取れた。

 というか、歴代トップって。もしかしなくとも、美海って相当凄いのか。

 良くも悪くも少し幼く思えるが、普通の女の子だと思っていた……

 

 それはともかく、ここで情報を拾うのは少し卑怯かも知れないが、今ので許容値の半分は削れたらしい。端末を利用している教師の発言なので正確だろう。

 

「たぶん、次で決まる」

「うん……!」

 

 本来、風の轟音で聞き取れない程度の声だが、便利な事にリンク中であれば、互いの声ぐらいは把握できる。熟達すれば、心の声で意思疎通もできるという。

 

 αフィールドの影響により、アウロラは当然ながら無傷だ。

 だが衝撃や心理的な消耗、平衡感覚への影響などはαフィールドであっても無効化には限度がある。決して万全とは言えないだろう。

 そんな状況でアウロラが選んだのは、ある程度だけ前進して待機。

 さらに言えば、相手に対応する形でのエクシードによる防御姿勢ともいえる。

 

 なんのつもりだろうか。意図がまったく理解できない――と思い掛けて、リンクの影響で思考が矯正される。対峙する美海には自然と意図が伝わったらしい。

 これは誘いだ。

 突風と守護、吹き抜けるか防ぎ切るのかの、最後のエクシード対決。

 

 相手のペースに乗るべきではない、と正常な思考が囁く。

 一方でリンクにより美海の影響を受けた一部は、全力で応じるべきだ、と背を押した。

 

 まるで自分が自分でなくなるような感覚に震える。

 何秒か躊躇いながらも、やがて僕は決断した。

 

「日向さん、ここは全力で……」

 

 最後まで言い終える必要も無く、美海はどこか嬉しげに頷いた。

 おそらく、一人では絶対に出さない答えだ。

 でも、これで構わない。僕の判断であろうと、美海の影響を強く受けた思考であろうと、二人のチームとしては、これが結論だ。後悔することは無い。

 

 美海が銀の剣を掲げれば、一層激しく彼女の周囲で風が吹き荒れた。

 アウロラが暖かな光を両手で包めば、淡い輝きが彼女の周囲に満ちる。

 

「――ウインドスラ――ッシュ!」

「――祝福の花束(フロレンティム・オーラティオ)

 

 集束された風が巨大な刃と化し、速度と重圧を伴い飛来する。

 それが暖かな光に触れた瞬間、風刃は無数の花びらに変換され、その色合いでコロシアムを染めていった。花吹雪どころか、花の洪水だ。

 

 風は吹き続け、光はその全てを無力化し続ける。

 二人のエクシードの激突は、数秒もの均衡を作った。

 

 しかし、やがて――さらに勢いを増した突風が、光による無力化を突き破った。

 無数の花と共に風の刃はアウロラに打ち付けられた。

 暴風が荒れ狂い、アウロラの身が宙に吹き飛ばされる。

 

 飛行能力を行使する間もなく、アウロラは大地に激突し……

 

「そこまで!」

 

 ここで女性教師が鋭く、決着を宣言した。

 αフィールドへの損傷が許容を突破したのだろう。美海の勝利だ。

 

 こちらのαフィールドも解除。そうすれば、自然と痛みも薄れていった。

 いつの間にか詰まっていた息を吐き出すと、手で汗を拭う。その汗は冷たかった。

 試合中の緊張とダメージによるものだ。慣れていても、やはり痛いものは痛い。

 

(まず一勝……!)

 

 勝った高揚が無い訳ではない。だが、それ以上に思考の芯は冷静だった。

 ここで勝てば、次の試合――ソフィーナとの戦いが待ち受けている。

 それはおそらく、今回以上に厳しい戦いになるだろう。

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 初戦にして、初勝利。美海がはしゃいで喜ぶのも無理はないだろう。

 さすがに僕はそういう性質(たち)ではないので、一緒になって喜ぶ気にもなれないが。

 

「よしっ……やったね!」

「そうだね。ひとまず日向さんの勝ちだよ。でも、問題は……」

 

 理深き黒魔女、ソフィーナ。次の対戦相手で美海にとっては、当面の目標。

 リンク直後こそ驚いていたが、今では落ち着いて状況を見守っている。

 

 一欠けらも警戒の色がないという事は、美海の爆発力自体には驚いても、試合では脅威という程ではない、と判断しているのかも知れない。

 そして、魔女王の片腕、という肩書きを持つ彼女の見立ては、おそらく正しい。

 彼女に勝とうと思うのなら、それだけの差を乗り越えなければいけない。

 

「違うよ。これは私の勝ちじゃなくて」

 

 ソフィーナに意識を向けていると、急に美海が首を左右に振った。

 勝ちは勝ちだ。彼女が何を言おうとしているか分からない。

 

「……?」

「私達、二人の勝ちだよ」

 

 眩しいくらいに無邪気な笑顔で、美海はそんな事を言ってきた。

 一瞬、僕は虚をつかれた。なにせ、僕に大した事が出来たとは思えない。

 

「私のエクシードの事を真剣に考えてくれた。それに、リンクが怖くて乗り気じゃなかったのに、私を助けてくれた……全部伝わっていたから。だから、感謝してるよ」

 

 明け透けに感謝の意を伝えられて、かっと赤面してしまう。

 どうせ髪に隠れて見えないだろうが、顔を当ててそっぽを向く。恰好がよい対応ではないが、他にどうして良いかも分からなかったのだ。

 なにせ、人格を否定された事は数多あっても、感謝された事は幼少にあるかどうか。

 これでは酷く居心地が悪くなるのも当たり前だ。

 

 これだからリンクは……と愚痴を言いたくなる。

 それに日向美海は普通なようで、かなりの人たらしだ。もっとも、これは大半の人がすぐに気付くような事で、単に僕が鈍いのかも知れない。

 

 とにかく、僕のような人間がいちいち取り合っていると、身が持たなくなる、という事だ。

 

「えっと、アウロラさんは大丈夫かな」

「あーっ!? 思いっきり吹き飛ばしたけど、大丈夫かな!?」

 

 話題逸らし成功。顔を背けた事を、うまく取り繕えた。

 とはいえ、たしかにアウロラの様子は気になる。αフィールドがあったので重傷はありえないと思うが、ああも派手な攻撃を受けたとなると心配になる。

 

「機器に不備はなかったから安心しろ。そもそも、素人コンビの方がよっぽど危なっかしいからな。そっちに気を配ってくれ」

「美海ちゃんはこれで初勝利になるのね。おめでとう」

 

 と、皮肉っぽいが真面目に忠告しながら、女性教師がアウロラを伴いやってきた。

 アウロラは疲労やふらつくような感覚が抜けていないのか、戦棍を杖代わりに歩いている。

 

「ありがとう。アウロラさんも凄かったし、綺麗だったよ。花がぱぁーって!」

 

 などと、和んだやり取りが続いている。

 僕は元気だなぁ、と横から眺めていたのだが、そっと女性教師がこちらに近付いて、小声で囁いてきた。

 

「試合はよくやった。が、直後のやり取りはちょっと酷かったぞ。好意ぐらいは、まともに受け取ったらどうなんだ。αドライバーなら特に」

「……そんな事いわれても」

 

 指摘されて、ぼやくしかないのだが、たしかにアレは意気地が無かった。いや、好意をまともに受け取れとか言われても、どうすればいいのか分からないのも事実だが。

 やがて、賑わいの中に、さらに一つ足音が混じった。

 

「今の試合、凄かったわよ。さすが大口叩いただけの事はあるわね」

「……あ、ソフィーナちゃん」

 

 ソフィーナが穏やかな声で賛辞を告げれば、やや緊張した様子で美海が応じた。

 視線を逸らすと、ソフィーナは腕を組んで続けた。

 

「別に、まだ貴方を認めたわけじゃないけど……次の試合、楽しみにしているわ」

 

 それだけを言い残すと、ソフィーナは踵を返して離れていく。次の対戦相手だから馴れ合いはしない、ということなのだろうが……

 僕と女性教師はなんとなく察して、ソフィーナには聞こえないように囁きあう。

 

「うわ……認める気になってないと、絶対に出てこない台詞だ」

「ああ。拗れたら教師としてどうしようかと思ってたんだが、心配無さそうだ。ちょろいというか、デレるのが随分と早くて助かるよ」

 

 なぜか揃って、安堵のため息を洩らす。

 僕には他人の人間関係を心配する資格も能力もないかも知れないが、やはり美海のやり方は少し危なっかしくも見えたのだ。でも、心配は要らないようだ。

 

「え、どういう事? 次の試合で見定める、みたいな展開だよね?」

 

 あまりに純真というか、一人だけ理解できずに美海は首を傾げていた。




 長めになり、間も空いてしまったので、分割するべきだったかなーというのと、周囲が良い子過ぎて、主人公が浄化されそう問題。
 あわよくば、黒き夜の奇跡の発売日12/20に二章に入れないか考えていたのですが、自分の執筆速度では不可能でした。

・登場人物&用語解説
アウロラ
 アンジュ・ヴィエルジュにおける赤の世界のメインキャラクター。
 記憶喪失の心優しい少女という、わりとメインヒロインみたいな設定。
 テラ・ルビリ・アウロラ、つまり赤の世界の名称の一部を名としている。
 名前からして、七女神の一人で主神格なのは丸分かりだが、誰も突っ込まなかった。
 後に記憶を取り戻し、青蘭学園で重要な役割を果たすようになるが……
 メインキャラクターの中では一人、身長が高くPVでは顔、顔、胸と狙ったとしか思えない珍場面がある。

エクシード・リンク
 αドライバーがリンクを行う際の掛け声。これは様々な媒体で確認できる。
 この掛け声と共にリンクを行い、αドライバーはプログレス達の強化を行う。
 リンクは集中できるタイミングを見計らい、任意的に行うものであるらしい。
 恰好いいポーズなどは不要(と思われる)が、リンケージの主人公、竜斗はわりと真面目に悩んでいた。

リンク失敗
 文字通り、リンクを行おうとして失敗する事。
 アンジュ・ヴィエルジュはいわゆる、めくりゲー。リンク=効果の成功判定は山札からカードをめくり、フレームで判断するため、リンク失敗は普通に起こる。
 ただし、各媒体の描写ではリンクして大逆転するのが様式美なので、リンク失敗で何が起こるのかは、あまり描写が充実していない。
 リンケージでは失敗した描写があるが、かなり極端な例(ひどい時は行動不能になる)。
 この作品では、個人差があると誤魔化しつつ、間を取ったぐらいの扱いにしている。

僕いらなくないかな
 ソシャゲなどで、たまにαドライバー(プレイヤー)が思う事。
 そういう扱いも徐々に減ってきて寂しい。
・事例A
ジョージ「アルドラ、今は腕章がないから、お前が思いを受け止めてやれ」
遥「アルドラ君、リンクして!」
αドライバー「……山場はいいんだけど普段、僕って見てるだけなんだろうか」
・事例B
 イベントにおいて、数日に渡る友情物語の終盤。
プログレス「とりあえず、最後っぽいからリンクして!」
αドライバー「え、僕ってこの場に居る設定だったの?」

美海の二人称
 基本的にはちゃん付けで、男性はくん付け。
 ただ、アウロラの初対面って凄い微妙なラインだなと、悩んだというお話。
 三周年イベントでは、アウロラちゃんでした。しかし、ボイスでは沙織、ストーリーでは沙織ちゃん、みたいなブレもあるので油断できない。
 というか、わりと適当でも良いんじゃないかと思わないでも。

アウロラのエクシード
 この段階では不明(のはず)。祈ったり歌ったりすれば、光ったり花が出たりする。
 初期の覚醒やPVでは、炎らしきものを出していたがすっかり影が薄くなった。
 一章時点での戦闘スタイルもPV由来。焼いて殴る。
 祝福の花束はリンケージ由来の技。

αドライバーのダメージ
 出番が多いはずだが、未だに謎が多い設定の一つ。アニメでは、たしか電撃のようなものでダメージが伝わる仕組み。リンケージでは怪我もするが、フィールドを解除すると治る。
 ラノベ(蒼箱庭)では激痛のみ。ソシャゲでは、腕章があるためか描写が欠しい。
 この作品では、個人差が(略)。適当に各媒体と雰囲気が近くなるように、オリジナルで理屈をつけている。

覚醒
 TCGにおけるカード群。主要キャラなら、だいたい一枚は存在する。
 基本的に覚醒=ブースト=レベル5みたいな扱い。
 ブーストはターン終了時に捨札に送られる能力なので、瞬間的な超強化、または超必殺技か。
 さらに上(?)の状態に真・覚醒や闇・覚醒がある。
 アニメでは最終盤の美海に対して、覚醒状態という台詞が存在した。

これが私の力……あなたが引き出してくれた、私の可能性!
 「覚醒 日向美海」のフレーバーに書かれている台詞。
 すごいドヤ顔している。
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