緑妖想と一日遅れになってしまいました
今回は結構甘いです。最後が甘いです。
なんだ、この白い粉は・・・
ペロッ
さ、砂糖か!
「お兄ちゃん、誰?」
咲夜の後ろには日に受けてもいないにもかかわらず、きらきらと輝く金髪。背中から出ている翼はまるで宝石のようなものが付いていて、幻想的。
「君が、フランちゃん?」
「うん。お姉様、この人だれ?」
「フラン。この人は霊夢の旦那よ」
「霊夢の?」
「・・・まぁ、将来的にはそうかな。初めまして、フランちゃん。俺は博麗神社に住んでる如月昴。」
「私はフランドール・スカーレット。フランでいいよお兄ちゃん」
「フラン。この人がフランと遊んでくれるって言ってるのよ」
「そうなの?」
「ああ」
「お兄ちゃんは簡単に壊れちゃう人?」
「壊れる・・・?」
「妹様。彼は私と同じ人ですので、簡単に壊れてしまいます。」
「そっかぁ。それなら、殺し合いごっこは駄目だね」
その瞬間、何か背筋に冷たいものが奔ったような気がした
鋭いナイフを首筋に当てられたような
すごい、嫌な気
冷や汗がすごい。だらだらと嫌な汗が背中を伝う
「大丈夫。今の妹様は狂気の状態に陥っていないから。落ち着いて。」
耳元でささやかれた声。それは咲夜の声だった
いつの間に移動したのかわからないが、俺の後ろに立っており、ぎりぎり聞こえる声で助けてくれた
俺はその声でなんとか自分を取り戻した
「ねぇ、お姉様。このお菓子は食べていい?」
「ええ、どうぞ.フラン」
フォークでぶすりとイチゴのショートケーキを刺し、口一杯に頬張る
その姿はまるで小動物のように見えた
「・・・フランは甘いものが好きなのかい?」
「うん。甘い物、好き」
(ふむ。甘いものか・・・)
「なぁ、咲夜。この館では和菓子とか甘いものは出たりする?」
「和菓子ですか・・・。ほとんどでないですね。基本は洋菓子です。」
「そっか。ふむ。なぁ、フラン。明日、博麗神社に遊びに来ないか?」
「霊夢の家に?」
「ああ。そうだ」
「お外・・・怖い」
「もし、神社に遊びに来てくれたら、俺が普段ここで食べられないような美味しいお菓子をつく手上げる。ご褒美として、遊びに来てくれた友達に」
「お菓子・・・・」
「怖いなら、誰かと一緒に来ればいいから。」
「・・・そのお菓子は美味しい?」
「ああ。霊夢のお墨付きだぞ」
「それなら、安心ね。霊夢は甘い物には目がないから」
レミリアが言った
「神社に遊びに・・・ねぇ。ふむ。明日は満月だったかしら。それならフラン。一緒に行きましょう?」
「・・・咲夜も一緒は駄目?」
「いいよ。一緒で。来てくれる?」
「頑張る・・・」
こうして、第1回、博麗神社への遊びに行く計画が立てられた
約束は満月の夜。つまり明日の夜。
咲夜に見送られ、俺は門まで帰った。
「・・・明日、フランを連れてくることは可能かい?」
「・・・かなり甘い物が好きな妹様の事だから行くと思うけど、彼女の引きこもりがネックよね・・・。正直わからないわ。それにそっちの霊夢はどうなの?」
「・・・帰ったら交渉してみる。」
「ありがとう。明日、楽しみにしてるわ」
「あ、そうだ。咲夜。フランが幻想郷の住民で懐いている人間はいるか?
「そうね・・・。魔理沙に一番懐いているかしら」
「そうか。それじゃ、魔理沙にも協力してもらう。明日、出る時間はわかるか?」
「そうね・・・だいたい、日が沈んだころだから、19時。19時に出るわ。そっちに到着するのは19時30といったころかしら」
「わかった。それじゃ、明日出来ることはする予定だから。」
霊力式バイクに霊力を注ぎ込み、急いで神社に戻る
ヤバイ。霊夢の晩ご飯作ってない
結果から行くと、既に霊夢は神社に戻っていた
「おかえり昴?どこ行ってたのよ。もう夜よ?昴みたいな人間が外を歩いてると危ないわよ」
「ただいま、霊夢。ごめん!今から晩飯作るから!」
「あ、偶には私が作ったけど」
!?
なんだと!?
霊夢が晩飯を作ってくれた!?
「昴より下手かもしれないけど・・・」
「いや、食べる。今すぐ食べる」
「そ、そう?それじゃ温めるわね」
霊夢が作ってくれたものは焼き魚、凍み豆腐、味噌汁、白米だった
「「いただきます」」
俺がここに住むようになってから、基本、ご飯は一緒に食べる。
いつもは俺が霊夢を待っているのだが、今日は霊夢が待っていてくれたようだ
凍み豆腐を一口。あっさりとしていて、なおかつよく味が染みている。人参も良い甘みを出している
味噌汁は白味噌の味噌汁。俺が好きな味噌にしてくれたのか。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
「なぁ、霊夢。相談が有るんだけど・・」
「なに?」
食べ終わったところで、今日の事を霊夢に話した
「ふーん。フランがうちに遊びに来たいと・・・」
「あぁ。いいか?」
「甘いもの作るんでしょ?だったら一緒に作った方がいいんじゃないの?魔理沙は、どうせ昼に来るからそのときにでも交渉すれば?」
「ありがとう。霊夢に駄目だって断られたらどうしようと少し悩んでたんだ」
「わ、私が昴の珍しい相談を断る訳はないでしょっ」
霊夢の顔が真っ赤で可愛い。うん、ヤバイ。
ゆっくりとちゃぶ台の真正面に座っていた位置から霊夢の隣に移動して、そのまま抱きしめた
「霊夢、ありがとう」
「す、すばるっ!?」
腕の中にいる霊夢は小さくて、いい匂いがして、やわらかくて・・・・
とても幸せな気分になった。最初こそばたばたと抵抗していた霊夢は次第に抵抗がなくなり、腕の中にすっぽりと収まった
安心した瞬間、身体が震えてきた
今更忘れてきた恐怖を思い出す。
「霊夢。霊夢。」
「ちょっと、どうしたのよ?」
「今日、死ぬほど怖かっただけだから、もう少しこのままでいてくれ・・・」
「・・・しょうがないわね・・・。もう。」
フランのあの無邪気とも言える殺気をただの人間である俺が受けて、あの場でよく失神しなかったと思う。いや、失神もできない、最上位とも言える人間に対し圧倒的な者
本当に咲夜がいてくれて助かった。
霊夢はいつもあんな事をしているんだろうか。あんな者たちと対等に生きているのか
「ほら、落ち着いて?」
もぞもぞと腕の中から抜け出し、今度は霊夢から俺を抱きしめてくれた
トクン、トクンと霊夢の心臓の音が聞こえる
次第にゆっくりと震えが止まり、なんとかいつもの俺に戻ってきたような感覚になった
「紅魔館に行ってきた事と、レミリアの頼みからして、フランの殺気に当てられたんでしょ。それをここまでなんとか押さえてて、私を抱きしめた瞬間にあふれ出したってとこかしら」
「あ、ああ」
「人間になれている妖怪は基本、人間を威圧しないように普段は力をセーブしているの。だから、殺気を普通は放ったりしないし、対峙しても大丈夫なの。でも、フランは多分、妖怪だらけの紅魔館で住んでいる事と、力が強すぎるせいで、制御が出来ていないのよ。よく、耐えたわね・・・」
「・・・・もう少しだけ、このままで・・・・」
「・・・。いいわよ。」
俺はそのまましばらくそのままでいた
霊夢の温かさに甘え、ゆっくり、自分を取り戻し霊夢の腕から抜け出した
抜けだす時にちょっと名残惜しかったのは、まぁ、うん。しょうがない
「元気になった?」
「ああ」
「明日、一応、対策はしておくし、レミリアが来るなら保護者の責任として、鉄拳制裁してやる」
「あ、ありがとう」
「それじゃ、今日はもう遅いからお風呂入って早く寝ましょ?明日は準備するんでしょ。明日、私何もないから買い物も付き合うわ」
「そっか。何から何までありがとう」
「いいのよ。昴だから。あ、その代わり、明日昴のバイクだっけ?あの河童からもらったやつ。あれの後ろに乗りたいかも」
「ははは、仰せのままに」
このあと、霊夢が風呂に入っている間、俺は米が茶碗について乾いてしまったものを取るのに必死になって取り、食器を洗い、風呂に入り明日何を作ろうかを考えながら眠りについた
今日で20になりました。
新生和菓子屋蜜柑をこれからもよろしくお願いします
紅魔館編に入って霊夢の出番が減ってたので、出して見たらもの凄く甘くなりました
うへへ。反省も後悔もしない
これからも、楽しく、時間があるときに更新を続けようと思っています
今まで応援してくださった方々、これからもよろしくお願いします