東方麗霊想   作:和菓子屋蜜柑

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遅くなりました
今回は霊夢のターン!


Episode-Extra 紅-4

その夜は夢を見た。

あの金髪の幼い吸血鬼が笑っている。回りには紅魔館の人々だけでなく、他の幻想郷の住民もいるようで、きちんと力の制御もでき、楽しそうに遊んでいた

霊夢が抱きしめてくれたのが効いたのかもしれない

『霊夢』吉兆を知らせる夢だったかな

まさに、霊夢は俺にとっての霊夢だったと再確認し、ちょっと胸がほっこりしたところで、今日の準備を始めた

まず、朝飯の準備。白米を釜で炊く。炊いている最中に納豆(自家製)生卵、味噌汁を作り上げる

味噌汁の具材は豆腐と油揚げのシンプルな味噌汁

あと、漬け物。

 

 

ちょうど、米が炊ける頃に霊夢が起きてきた

 

 

「おはよう、昴」

 

 

ちょっと寝ぼけ眼の霊夢。

朝から霊夢は可愛かった。

 

 

「おはよう、霊夢。朝ご飯もすぐ出来るから、顔でも洗ってきたら?」

 

 

「んー」

 

 

ふらふらと井戸の方に向かう霊夢。朝は弱いらしくいつもあんな感じだ

最初のころは心配だったけど、霊夢はいつもあんなんとわかったおかげで、ちょっと心配なまでになった

霊夢が戻ってくるのを見計らい、魚を皿に盛りつける

箸とかを机に置き、作った料理を並べる

 

 

「今日もいい匂い」

 

 

「霊夢、ご飯つけるから座ってて」

 

 

「わかったわ」

 

 

顔を洗うと、霊夢は意識がはっきりする性質らしい

ご飯を装い、霊夢にわたす

 

 

「はい」

 

 

「ありがと、それじゃ、いただきます」

 

 

「いただきます」

 

 

「霊夢、今日の予定は?」

 

 

「そうねぇ・・・神社の結界の強化と・・・買い物かしら」

 

 

「買い物?」

 

 

「・・・あんたの買い物の付き添いよ」

 

 

霊夢はちょっと赤くなって言った

 

 

「ん。それじゃ、買い物を先にする?」

 

 

「そうね・・・魔理沙もそのうち来るだろうから、先に結界の強化じゃ駄目かしら」

 

 

「了解」

 

 

「ごちそうさまでした」

 

 

「お粗末様でした」

 

 

「ねぇ、昴。本当に今日、大丈夫なの?」

 

 

「何が・・・?」

 

 

「何がって・・はぁ・・・・。フランの事よ」

 

 

「約束したしなぁ・・・。」

 

 

「危なくなったら私も介入するから」

 

 

「それは、博麗の巫女として?」

 

 

「・・・ばか。昴の彼女としてよ」

 

 

わかって聞いても、きちんと答えてくれて、更に顔が赤くなる霊夢を見ると幸せに思った

大丈夫。俺は1人じゃない。

 

 

「ありがとう霊夢」

 

 

「・・・あんたわかってて聞いたわね?」

 

 

「ははは、偶には霊夢の口から聞きたかったからな」

 

 

「・・・ばか」

 

 

最後の「ばか」は消え入りそうなくらい小さかったが、それは罵倒する言葉ではなかった

 

 

「それじゃ、私は結界の強化をするわ。あ、昴そこの硯取って」

 

 

「ん。はい」

 

 

「ありがと」

 

 

霊夢は墨をすりだした

そうか、墨から作るのか。あ、俺霊夢の札作りって初めて見るかも

霊夢は器用に墨をすり、白紙の札を用意した

 

 

「・・・痛いのは嫌だけど」

 

 

「痛い?札作りで?」

 

 

「・・・あの吸血鬼の兄弟を弱体化させようと思ったら、生半可じゃ駄目なのよ。いつもはその墨に霊力を混ぜながら文字を書けばいいけど、私の血を墨に混ぜて霊力を込める事で、血が霊力になじんで通常よりも強力な札になるのよ」

 

 

「・・・霊夢」

 

 

「ほら、そんな顔しないの。針貸して」

 

 

「嫌だ」

 

 

「嫌だって・・・もう」

 

 

「その傷は俺が移す」

 

 

「・・・その顔は何言っても聞かないわよね・・・。むぅ。私も嫌なんだけど、昴に傷が付くの」

 

 

「八意先生にこのくらいの傷なら瞬間で治る薬を俺はもらってるから。だからーーー」

 

 

「ああ、もう!わかったわよ!ただし、今日が全部終わった後だからね!」

 

 

「・・・今すぐ・・・」

 

 

「駄目」

 

 

「いま・・・」

 

 

「絶対嫌」

 

 

「・・・わかったよ」

 

俺はしぶしぶ針を取り出した

きちんと煮沸してあり、清潔なものだ

 

 

「ん、・・・今日頑張ったらご褒美あげるから」

 

 

ご褒美!?

 

 

「それじゃ、いくわよ」

 

 

霊夢の持った針がその真っ白な指先に刺さる

ぷつりと刺さり、血が染み出てきた

あまり深くは刺していないのか、少し指の根本から絞るようにして、墨の中に血を入れた

 

絞った事について聞くと、

普段はもうちょっと血が出やすい所にやるんだけど、あとで昴が移すなら、傷は小さくて痛くなくて早く治る場所にした・・とのこと。

霊夢の愛情が身に染みる

 

 

霊夢は傍目でもわかるくらいに、墨に霊力を入れ込んだ

・・・これが博麗の巫女の力・・・

そして、慣れた様子でいつもの札に文字を書込んでいく

 

 

「・・・よし。あと3枚・・・ん・・・でも墨残るし、書けるだけ書いちゃいましょ」

 

 

・・・あれ?なんか本人は至って普通そう

それもなんか結構適当?

 

 

「な、なぁ、霊夢。その札の文字ってなんか意味あるのか?」

 

 

「んー?一応、博麗の代々伝わる文字で、札を通して霊力を増幅させたり・・・?」

 

 

「昔からできたのか?」

 

 

「そうねぇ、初めてやったときも、なんとなくできたわね」

 

 

やっぱり、霊夢は天才だったと改めて思い知らされた

霊夢が札をちょうど最後の2枚を書くところで、縁側で盛大な音がした

 

 

「昴、悪いんだけど、あの馬鹿迎えに行ってあげて」

 

 

「ん。了解」

 

 

音のした方へ向かう

そこには、箒に跨った魔理沙が干しておいた布団に突っ込んでいる所だった

それも、霊夢の布団

・・・畜生。うらやましいなんて思ってないんだからな!?

 

「魔理沙。霊夢の布団に突っ込むな」

 

 

「ああ、悪い。でも、いつも通り襖に突っ込まなかっただけいいだろ?」

 

 

「・・・今日に限っては襖でもよかったけどな・・・ボソリ」

 

 

「んぁ?なんか言ったか?あ、そうだ。土産だ」

 

 

「いいや?何も。まぁ、とりあえず上がってきなよ」

 

 

魔理沙から風呂敷をもらう

中身を確認すると栗だった。それも大量の

・・・これでだいぶ材料費が浮く

 

 

「あれ?霊夢は?」

 

 

「ああ。霊夢なら、札を書いてる」

 

 

「札?何で?大物の妖怪退治でも入ったのか?」

 

 

「・・・まぁ、詳しいことは中で話す」

 

 

「ん、それならお邪魔させてもらうぜ」

 

魔理沙を霊夢のいる居間に案内し、お茶を入れると、ちょうど霊夢がすべて札を書き終えていた

ついでに、しっかりと道具も洗っており、机の上が綺麗になっていた

最近、魔理沙専用の茶器を魔理沙が自分で持って来たので、それと、霊夢の茶器と俺のを入れて机に持って行く

 

「どうぞ」

 

 

「ありがと、昴」「どうもだぜ」

 

 

俺もお茶をずずずと飲み、昨日の話をし始めた

 

 

「ーーーーということがあったんだ。それで、魔理沙に強力して欲しい」

 

 

「・・・へぇ。あのフランをか」

 

 

「魔理沙なら、フランに勝ってるし、最悪何かあっても絶対に切り抜けれるわよね」

 

 

「・・・で、さ。受けるのはいいとして、その菓子は私にも分けてくれるんだよな?」

 

 

「あぁ。それはもちろん。まぁ、作る課程でどうしても多く作るから、お土産ぐらいなら渡せるぞ」

 

 

「よし、それなら引き受けた。昴、菓子とか作るの上手いからな。霊夢がうらやましいぜ」

 

 

「昴はあげないわよ」

 

 

「ひゅう。まったくお熱いぜ」

 

 

お茶を飲み終わった後、魔理沙に時間を伝えた

 

 

 

「それじゃ、私は行くんだぜ。また、夜に」

 

 

「ありがとう魔理沙」

 

 

魔理沙が箒で再び空に戻ったのを確認し、俺は霊力式バイクを持ってきた

その間、霊夢は結界の仕上げらしい

 

境内にバイクをまわしてきたときには、もう霊夢は結界を作り終えたらしく、待っていた

 

 

「ん。霊夢。ここに乗って後ろから俺の腰に手を回すようにして。そうそう」

 

 

「・・・こう?」

 

 

「うん。それじゃ、揺れるから」

 

 

「あ、私が霊力注いどいたから」

 

 

「ありがとう。それじゃいこう」

 

 

エンジンをかけた瞬間、異変は起きた

いつもなら、地を奔るバイクが空に舞い上がった

 

 

「ほあっ!?」

 

 

驚いたけど、バランスだけは崩さない

後ろには霊夢がいるから転ぶ事だけは絶対に避けないといけない。・・・いや、絶対に転べない

なんとか同様を押さえ、そのままいつもみたいに操ると、そのまま進んでくれた。

まぁ、違うのは空に浮いている事くらいか・・・

空を進んだおかけでかなり早く着いた

里で材料を買い込み、バイクに搭載させる

 

 

「すごいわね、この乗り物。かなり早く奔るのね」

 

 

「うーん。いつもはここまででないんだけどなぁ・・・えっと、霊夢は買いたい物はない?」

 

 

「ないわ」

 

 

「そっか、なら早く帰って仕込むか」

 

 

「ね、昴。今日の仕込み私も手伝っていもいいかしら?」

 

 

「もちろん。むしろちょっと頼もうと思ってたんだ」

 

 

「昴のお菓子は美味しいから楽しみだわ。今日はちょと奮発して良いお茶いれようかしら」

 

 

俺と霊夢は荷物で一杯になったバイクに乗り、博麗神社に戻った

そして大量の仕込みをし始めた




なんか、当初予定していたものよりも長くなってる気が・・・・
あっれー?おかしいなぁ
た、多分、次回で終わるかも。終わると良いなぁ

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にとり印バイク説明(補足)
昴が乗っていた自転車を改造したもの
大幅に改造したらしくもう、自転車とは呼べない代物になった
大きさは中型バイク
燃料は霊力式
荷物を入れる場所は両サイドに付いており、結構荷物が入る(どうやら空間を咲夜さんがいじったらしい。→昴は知らない)
二人乗りが出来る。→昴は霊夢以外乗せる気はないらしいw
燃料の霊力は魔力でもok
もともとの霊力or魔力の持ち主の性質に似るらしく、霊夢なら宙を飛ぶとか・・・魔理沙なら、マフラーから星が出るとか、射命丸なら超高速で奔るとか・・・
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