東方麗霊想   作:和菓子屋蜜柑

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遅くなりました!
緑妖想と同時日にアップです


Episode-Extra 紅-5

仕込みは昨日のうちにしておいた小豆以外はだいぶ楽に済んだ

寒天を戻したり、栗の皮をむいたり、餅米を炊いたり・・その他もろもろをしながら、時間は過ぎていった

時は夕暮れ。それそろ、魔理沙が紅魔館からあの姉妹を連れてくる頃だろう

 

 

俺と霊夢は晩ご飯は少なめにし、夜を待った

 

 

「昴。辛くなったらすぐに言いなさいよ?」

 

 

「ありがとう、霊夢。わかってる」

 

 

「無理はしちゃ駄目よ?」

 

 

話をしていると、霊夢が空を見上げた

彼女の範囲結界に入ったのがわかったのだろう

まず、目に入ったのは、見慣れた白黒。次に、黒い羽、七色、その後ろに銀色

 

 

「昴-!連れてきてやったんだぜ!」

 

 

「招いていただいてありがとう。如月昴、霊夢」

 

 

「お招きいただき誠にありがとうございます」

 

 

「お兄ちゃん来たよ!」

 

 

咲夜がバスケットを俺に向けた

 

 

「今日は本当にありがとう。お礼よ」

 

 

中身を見ると、入っていたのはワインだった。あとは数種類のパンやチーズ

・・・霊夢が喜びそうだ

 

 

「あなたの好きな物がわからなかったから、こういうものだけど、大丈夫かしら?」

 

 

「ああ、ありがとう。ワインは料理にも、飲むにも使えるから助かる。あと、チーズとか、高いのにありがとう。霊夢も喜ぶ」

 

 

「そう、良かったわ」

 

 

「レミリア、フラン、咲夜に魔理沙、外は寒いから中にでも入ってくれ」

 

 

「ええ、それよりも霊夢。ちょっと話があるわ」

 

 

「もちろん、私からもよ。ちょっと昴先に行ってて」

 

 

「ん、わかった」

 

 

俺はいつもの縁側がある部屋に皆をあげた

 

 

「ちょっと、待っててくれよ。今から用意するから」

 

 

「はーい」

 

 

「私も手伝うか?」

 

 

「いや、魔理沙はフランと一緒にいてくれ。フランも魔理沙と一緒がいいだろうから」

 

 

「それじゃ、私が手伝うわ」

 

 

咲夜が手伝ってくれることになり、既に作っておいた和菓子を運ぶべく、厨房へ向かう

バスケットを厨房におき、和菓子を運ぼうとすると咲夜が話しかけた

 

 

「昴。昨日は本当にごめんなさい。あれから大丈夫だった?」

 

 

「あぁ、返ってからやばくなったけど、霊夢に慰めてもらったから、結果的にはよかったのかな」

 

 

「それもそれでどうかと思うけど、まぁ、ごちそうさま?と言うべきかしら」

 

 

「ははは、お粗末様」

 

 

「それにしれも、すごいわね・・・」

 

 

咲夜の目の前には色とりどり、数種類の和菓子があった

 

 

「作るのが途中から楽しくなってきてさ、霊夢と一緒に作ったんだ。基本、餡があればできるし」

 

 

「いいわね。私の教わりに来ようかしら。それじゃ、持ってくわね」

 

 

そういって、咲夜は近くにあったお盆を持ち、その上に和菓子の乗った皿を乗せていく

 

「そんなに置いたら・・・」

 

 

言おうとしたが、やめた

むしろ、言う必要は無かった

何故かって?あまりにも完璧にバランスが取れていたからだ

・・・紅魔館でメイド長をしているだけはあるのかもしれない

俺はそんな咲夜を見ながら、一言呟いた

 

 

「・・・メイド長すげぇ・・・」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レミリア視点

 

 

「で、どういうことなのかしら。これは」

 

 

博麗神社のテリトリーに入った瞬間にまず重圧を感じた

さらに、博麗神社の境内に入った時に更に重圧を感じた

多分、結界だろう

 

 

「・・・あんたの所の妹。私の昴になんていうことしてくれたの」

 

 

「あぁ、昴のこと?人間にしては肝が据わってるわよね・・・っつ!?」「レミリア」

 

 

 

目の前の霊夢がかつて無いほどの怒っていた。

たかが人間ごときに遅れを取るなんて思ってはいないが、本能が危険な存在だと告げていた

 

 

「あんたの妹。躾くらいできないの?いくらスペルカードルールができたって言っても、あんたらは妖怪でも最上位クラスに入る。殺気や狂気はあんたらが思っているよりも簡単に人を殺すわ。外に放つと言うことは、ソレができて当然ではないのかしら。紅魔館の主とも言えるあなたがわかっていないハズはない」

 

 

怒っている事が、完全にわかった。昨日の昴のことだろう

やる気のない、いつもの霊夢(博麗の巫女)ではない

 

 

「・・・悪かったわ。あそこまでフランが殺気と狂気を振りまくとは思っていなかったし、昴も咲夜に声をかけられてすぐに元に戻ったから、そんなに重要だと思っていなかった。」

 

 

「・・・外に出す前にきちんとコントロールさせる事は約束できる」

 

 

「私の名に誓うわ。必ず」

 

 

「そう、それならいいわ」

 

 

目の前で圧倒的存在を放っていた霊夢が一瞬にて、いつもの霊夢に戻った

 

 

「はい。レミリア。あんたには渡しとくわ」

 

 

霊夢が渡してきたのは1つの札

書かれている札からは血の匂いがした。多分、霊夢のだろう

そして、この札を持つと身体の重圧が取れた気がした。

 

 

「あんたの所の妹がもしも暴れたときのために強力な結界をはらせてもらったわ。あんたには有事の際には動いてもらわないといけないから、それ、渡しとくわね」

 

どうやら、この札を持っていると、結界の効果が薄まるらしい

フランは・・・まぁ、昨日のこちらの不手際もあり、これは仕方ないだろう。私よりも強いフランは多分、動きづらい程度にしか思っていないだろうが、私にはとてもありがたい。

 

 

「それじゃ、昴がそろそろ、お菓子を準備出来てるだろうから、行きましょ」

 

 

私はこのとき、本気で霊夢を怒らしてはいけないと悟った

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

机の上に並べられた和菓子

栗饅頭、亥の子餅、紅葉の形のねりきり、サツマイモのきんつば、栗きんとん、松茸の形をした饅頭、栗羊羹、おはぎ

 

 

「わぁ、きれい~。これ本当にお菓子なの?」

 

 

「そうだよ、多分そのうち霊夢立ちが来るから、もう少し待っててね。今、熱いお茶入れてくるから」

 

 

「お茶って、緑色の?」

 

 

「そうだよ。和菓子には緑茶が合うんだ」

 

 

俺は再び厨房へ向かいヤカンに水を入れ、火にかける。

 

 

「昴、そろそろお茶の温度いいわよ」

 

 

霊夢が後ろにいた。

勘で緑茶に適温な温度教えてくれた。そう、霊夢は勘だけで最高級のお茶を入れてくる

 

 

「ん、そうか。ありがとう。霊夢」

 

 

「いいわよ、それじゃ行きましょうか?」

 

 

「ああ」

 

 

人数分の湯飲みと急須などを持ち、俺は部屋に戻った

戻ると、フランとレミリアが騒いでいた

話の内容はこうだ

 

 

「こっちのおまんじゅうの方が栗が大きい!」

 

 

「こっちの饅頭の方が栗が多く入ってるわ!」

 

 

「・・・あれ?昨日見た人と同一人物か?オーラ?カリスマが壊れていないか・・・」

 

 

なんか、違う人を見ているような感じになった

 

 

「お嬢様もはしゃぎたい時だってあるわよ。だって妹様と一緒ですもの」

 

 

咲夜が隣に立っていた。それも音もなく

どうして、幻想郷の住人はこうも音もなく近づいてくるか・・・。最近はだいぶ慣れてきたけど、やっぱり心臓にわるい

 

 

「レミリア!フラン!ほら、とりあえず座って!」

 

 

霊夢の一喝が入るとレミリアがカリスマブレイクしている事に気がついたのか、「ハッ!?」とした表情になっていた

 

お茶を入れ、それぞれに渡す

「それじゃ、どうぞ」

 

 

フランが緑茶に口をつけた

 

 

「お兄ちゃん・・・苦いよ・・・」

 

 

「そうだな。ちょっとフランには苦いかもしれないな。それじゃ、どれでもいいから、菓子を食べて見てくれ?」

 

 

「それじゃ、これがいい。魔理沙と一緒!」

 

フランが取ったのは松茸の形をした饅頭。

もちろん、魔理沙はもう勝手に和菓子を食べ始めている。まぁ、魔理沙も始めに取ったものが松茸の饅頭だったからだろう

 

 

ぱくりと一口。

 

 

「わぁ。おいしい!口の中の苦みも消えたよ!」

 

 

「そう、本当は抹茶とかでやるんだけど、こういう楽しみ方もいいだろ?口の中に甘みが残ってるから、今お茶を飲んでみて?」

 

 

「ずずず・・・・。あれ?さっきよりも苦くない・・・」

 

 

「だろ?だから緑茶に和菓子はいいんだよ」

 

 

「そうね、私もあんまりこういう菓子は食べないし、グリーンティは苦手だから飲まないけど、こういう食べ方なら偶にはいいかも」

 

 

どうやら、レミリアもお気に召したようだ

 

 

「咲夜はどうだ?」

 

 

「昴。後でレシピ教えて貰ってもいいかしら?この餅米がたまらない硬さで・・・」

 

 

咲夜はおはぎを食べており、更に自分でも作ってみようと考えているようだった

・・・・ワーカーホリックか?

 

 

「ああ、いいよ。もちろん。俺のレシピでよければ。魔理沙・・・は、まぁ・・・予想はしてた。喉に詰まらすなよ?」

 

 

「もごごごご!もぐごごごぐ」

 

 

多分、訳すと「美味いんだぜ!霊夢のやつが羨ましいぜ」って言ってる

 

 

「ほら、魔理沙。お茶」

 

 

「もごご-!」(サンキューな!)

 

 

「霊夢。霊夢は緑茶でよかったのか?」

 

 

「こんな中で一人だけ日本酒なんて飲めないわよ。それに・・・後で付き合ってもらうし・・・ね?」

 

 

「・・・もちろん」

 

 

あの異変後、霊夢は素直になった

もう、可愛すぎる

そんな中、時間は過ぎていく

 

 

 

「お兄ちゃん!ありがとう!美味しかったよ!」

 

 

フランは夜だからなのかすごい元気だ。と、いうかまぁ、吸血鬼は夜の眷属っていうから夜行性なのか

 

 

 

「昴。今日は本当にありがとう。なにか困ったことがあったら紅魔館に来てちょうだい」

 

 

レミリアも思った以上に美味かったらしくご機嫌だった

 

 

「昴!お菓子作りに困ったら来ても良いかしら?」

 

 

俺と咲夜は料理友達になった。これから、博麗神社のおやつに少しだけ洋菓子が増えたのは別の話

 

 

「ね、ねぇ。お兄ちゃん。えっとね・・・」

 

 

「どうしたんだフラン?」

 

 

「あのね、お菓子が無くてもいいから、また遊びに来ちゃ駄目かな?」

 

 

「・・・!?。もちろん!歓迎するよ」

 

 

「お姉様!帰ろう!私帰って勉強と修行する!」

 

 

「ど、どうしたの?いきなり」

 

 

「神社に強い結界が張ってあるのは私のせいでしょ。あと、昨日、お兄ちゃんに会ったときに殺気と狂気をそのままにしてお兄ちゃんを恐がらせちゃったから・・・・」

 

 

フランにはわかっていた

自分が姉よりも強大すぎる力を持っていて、それをコントロールできていないことを。そして、その力は周囲を恐がらせてしまう事

それを紅魔館(家族)以外は受け止めれないことを

だからフランは引きこもった

 

 

「昨日のお兄ちゃんの声は普通だったけど、目の奥が恐いって言ってた。本当は今日も恐がらせちゃうと思って来たくなかったけど約束だからきたの。お兄ちゃんは昨日と違ってしっかりと私と向き合ってくれた!咲夜たち以外に初めてなの!」

 

 

「フラン・・・」

 

 

「フラン。なぁ、確かに昨日、俺はフランが恐くて仕方なかった。俺は霊夢や魔理沙、咲夜と違ってただのちっぽけな人間だから。最初はフランのことをレミリアに頼まれたんだ」

 

 

「お姉様が・・・?」

 

 

「君を見て、何とかしようと思ったんだ。そんな綺麗な翼を持っているのにさ、室内じゃ輝けないだろう?吸血鬼だから日の光は駄目でも、月の光に浴びて綺麗に輝けばいいだろうって思ってさ。俺は少しのきっかけになれただけだよ」

 

 

「お兄ちゃん・・・」

 

 

「だからさ、今度会いに来るときにはさ、また、美味しい物作って待ってるから頑張って外に出てみよう・・な?きっと、力の制御ができるようになれば俺だけじゃなくてもいろんな所に行けたり、いろんな事を知る事ができるんだから」

 

 

「うん!」

 

 

こうして、煌めく翼を持つ吸血鬼は館に帰っていった




終わると思った?残念。まだ後日談が残っているよ!


・・・どうも、和菓子屋蜜柑デス
なんか、最近小説を書くとなんでこう、長くなるのか不思議。
前まではだいたい2000前後だったのに、最近は3500と言う・・・。
書きたいことが多すぎる!
後日談は咲夜によるフランの近状報告と霊夢のご褒美です
豪華二本立てをお楽しみに!
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