今回は、二本立てです
それでは、ゆっくりしていってください
「魔理沙、はい。今日は助かったよ」
魔理沙が気にいってた松茸の和菓子と栗きんとんを箱に詰め、ふろしきに包んで魔理沙に渡した
ついでに霊夢は現在部屋で片付けをしている。俺は魔理沙の見送りといったところだ
「おお。サンキューな昴!今日はこのままアリスん家に行くぜ!ちょうどいい手土産も出来たことだしな」
「そうか、じゃあ、アリスによろしくな。・・・アリスの家に行くなら、これも持っててくれ」
魔理沙に渡したのは、完全に一人用の分。これじゃ、足りないだろうからとりあえず、全種類1つずつ入れた箱をまた渡した
「おお、何からなにまでありがとうだぜ。それじゃ私は行くぜ」
「それじゃ、またな」
魔理沙が箒に跨りふわりと地から浮き上がる
「良い夜を!」
・・・・。魔理沙のやつ、思い切り気を利かせてくれたみたいだ
恋色の魔法使いの異名は伊達じゃないってか
俺は魔理沙の気遣いに感謝しつつ、霊夢が待つ部屋に戻った
戻ると片付けは終わっていた
「霊夢、片付けありがとう」
「いいわよ、そんなことくらい。それより・・・ね?」
霊夢は片手にお猪口、片手に酒瓶を持っており、その言葉が何を意味するかを簡単に予想することが出来た
「どこで飲む?」
「屋根・・・っていいたいけど、今日は縁側にしましょ。せっかくお菓子もあることだし」
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霊夢視点
「それじゃ、乾杯」
「乾杯」
互いに付け合った酒を呷る
霊夢が今日、出した酒はどうやら辛口の酒だった
「あー・・・うまい」
「そうとうお疲れのようね」
「そりゃ、一日がかりで餡練ったり、その他のもろもろの準備してからな。あ、霊夢手出してくれ」
「・・・はぁ。覚えてたのね」
正直、忘れてて欲しかった
でも約束したし・・・しょうがない。
指を見ると、もう傷は見えないくらいに小さくなっており、少し赤くなっている程度だった
・・・これなら、昴に移しても大丈夫そうね
「はい」
「それじゃ、いただきます?」
昴の手が私の手に添えられ、能力が発動された
ふんわりときれいな光が手を包む
この、きれいな光に包まれているときって、すごい気持ちがいいのよね。ぷかぷかするっていうか、あたたかいというか・・・
「よし」
昴は能力の発動をとめた。私は自分の指先を確認すると、赤くなっていた傷口は消えていた
私の傷を請け負う昴はあんまり見たくない。異変を起こした前の事を思い出すから。
あの一件から私は傷を負うことが無くなった。いや、無くしたと言ったほうがいいのか
なんだか、すごい嫌な気持ち
そんな気持ちを振り払うように、私は自分で酒を継ぎ足し一気に呷った
珍しく、昴はぐいぐい飲んだ
いつもはそんなに飲まないのに
もしかしたら昴もあの異変の前の事を思い出しているのかもしれない
私は、ぼーっと月を見上げ、昴が作ったお菓子をたべながら、酒を飲んでいると、昴は限界だったのか、うっつら、うっつらと船を漕ぎはじめた
いろいろ、限界だったのかもしれない
「ほら、起きなさい、昴」
「だ、だいじょぶ。霊夢。」
酒の力でもあるんだろう。物凄く眠そう
動けそうにない昴を無理やり立たせ、私は昴を部屋まで連れて行こうとした。
昴の部屋は私よりも後に出来たため、わたしの部屋よりもここからは遠い
考えた私はある結論に達した
「ほら、昴。もう少しだけ歩きなさい」
無理矢理手を引き、私の部屋に連れ込む。
急いで畳んであった布団を引き終えると、几帳面な昴はそのまま倒れこんだ。
眠気と酒気で意識もほぼなかったんだろう
すうすうと寝息を立てている彼の姿からは、いつもの柔らかい笑みが見れた
「とは言うものの・・・どうしようかしらね、この状況」
現在、私の部屋で、私の布団で昴は寝ている
・・・本当にどうしようか
たしか客人用の布団があった気がする
居間にもどり、探す。
昴がきちんと干して畳んでくれていたおかげですぐに見つかった
布団を運んで、昴の隣に布団を敷いた
一応、お風呂は沸かしてあったみたいだから、お風呂に入って、寝巻きの浴衣を着て、昴のとなりに敷いた布団に潜り込む
「・・・」
昴の手を取り、握ると昼間よりも少し温かい体温が感じられた
その体温を感じながら、私は瞼を閉じた
翌日、昴が無言で驚いて、固まっていたのを、起きた私が発見する事になるのだが、それはまた、別の話
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メイド長の日記
博麗神社へお嬢様と妹様が行って以来、妹様は変わった。また、その妹様の変化に伴い、お嬢様もお変わりになられた
紅魔館の中でも最上級に作られている妹様の地下室。
そこで訓練はいつも行われている
「フランっ!もっと押さえて!」
「うううううう!もう・・・ちょっと!」
連日行われている訓練は、妖気を押さえる訓練。
それは目に見えて変化しているようだった
人間の私が近づくと、正直身体が辛かったが、今はだいぶ楽になってきている
「お嬢様、妹様、休憩になさいましょう」
声をかけても、妹様は訓練を辞めない
疲労を浮べながらも笑う姿は、今まで見たこともないようないい笑顔をしていた
「お姉様。先に休憩していて?」
前なら、休憩と聞くと、すぐに訓練を辞めていたのに、あの日から妹様はそれをしなくなった
正直、根を詰めすぎてしまいそうで、心配だ
「フラン。あなたが休憩しないなら、私ももう少し付き合うわよ」
お嬢様もあの日から妹様とよく一緒に居るようになった
そのせいか、最近は一緒の部屋で寝ることもよくあるみたいだ
姉妹仲が良いのはいいことだ
休憩をなさらない様子なので、その場で再びお茶とお菓子に向けて時間を止める。
訓練を見ていると、地下室のドアが開いた
そこから現れたのは、美鈴だった
「あら、あなた門番は?」
「今は休憩中ですから、ナイフを構えないでください」
ちっ。まぁ、サボっていないならいい
「それで、どうしたの?」
「妹様の様子を見に来たんです。私の気が、少しでも感覚をつかむきっかけの1つになればいいなって思って」
「ふふふ。妹様も喜ぶわ・・・ってあら」
再びドアが開く
入って来たのは、パチュリー様と小悪魔
「あら、結局みんないるじゃない。」
「そうみたいですねぇ」
「パチュリー様」
「フランは頑張ってるみたいね。・・・私もなにか手伝えばいいと思ったんだけど・・・まぁ、本の知識なんだけど」
「あ、みんな!」
妹様が、美鈴、パチュリー様、小悪魔に気づく
「どうしたの、みんな?」
「妹様の為に、集まってくれたのですよ」
「わぁ・・・!ありがとう!」
妹様がいう。ああ、やっぱり暗い顔でうつむいているよりも、彼女はあの翼みたいに胸を張って笑っていた方が似合う
「パチェ、美鈴ありがとう」
「いえ、私が好きでやっていることですから」
「親友でしょ?」
お嬢様も素直にお礼が言えるようになった。紅魔館の主として良い傾向だと思う
でも、そろそろ、止めないと。
妹様の体力も考えて、このくらいが・・・
「妹様。今日のお菓子は和菓子ですよ」
頑張っている妹様を見て、何か出来ないだろうかと考えた結果、私は博麗神社に出向き、緑茶の入れ方を霊夢から、和菓子の作り方を昴から教わっていた
今日は、だいぶ上手く作れるようになったため、お出ししてみる
「わぁ・・・咲夜ありがとう!」
まだ、昴のようには上手く作れないが、それでも私も妹様の為に出来ることはやっていきたい
皆から「良い甘さ」と評価をもらったが、まだまだである。あの味には到底敵わない
あの一件から紅魔館では妹様を中心に結束力が強まった
まだ、妹様もコントロールが出来ていないが、この館の住人の強力があれば、きっと、近いうちに達成できるだろう
そのときに見る笑顔が楽しみだ
私もそのときを見るために、また、和菓子の練習でもしようかな
これにて、紅魔編は完結です
ちょっと、最後が悩んだあげく、あんな感じになってしまったのですが、どうでしたか?
次回はちょっと小ネタを挟んで、行きたいと思ってます