今回お借りしたのはミコトちゃん、はやて、なのは、ガイの4人です。
私の小説、センセンシャル兄貴の小説、どちらもお読みになってこちらを閲覧することを強く勧めます。
また私の小学生並みの腕前では本来の魅力を出し切れていない事も十分に想定できます。 その場合は私のみを批判していってね!
コラボ回 「One hour Freak Show」 『センセンシャル兄貴』
それはまだキリン達がなのは達の元に戻る前の話。
「よし、それじゃあ行くよ翔次君!」
「ああ、容赦するなよキリン!」
新暦75年、キリンと翔次は管理外宇宙のとある星で過ごしていた。 今日も二人は手合わせをしている。
……が、異変はこの日に起こった。
「ーーっ!?」
それは空間に開いた隙間。 まるでお菓子の袋を開けた時のような、穴だ。
「何だこれは……」
「まるでクパァしてるみたいだぁ……」(ToLOVEる並感)
その異質な隙間が果たして何者かの手によって生まれたのか、それとも超自然的現象で生まれたのかはキリン達には分からない。 ここは離れるのが安全、そう思った矢先……
「ちゃっちゃか離れまままままま!?」
キリンはその場から離れる事が出来ない。 いやむしろその隙間に吸い寄せられているようにも見える。
「キリン!?」
『マスター! 早く脱出を!』
デバイスであるミョルニルに言われて魔力を解放し、超スピード(レ)で脱出しようとする。 だがその吸い込む力の方が上なのかどんどん隙間に飲み込まれてしまう。
「キリーン!!」
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっーーーー」
その隙間に飲み込まれたキリン。 キリンの姿が視認出来なくなった瞬間、隙間もまた消える。 後に残されたのは翔次、そしてキリンのデバイスのみだった。
「キリン……!?」
『マスター!? ……マスターの魔力反応が消えた!?』
残された一人とデバイスはただ呆然と立ち尽くすだけだった。
その日、「八幡 ミコト」とその相方である「八神 はやて」は珍しく二人きりで出かけていた。 いわゆるデートと言われるものだ。 何人かの者が羨ましいと嘆いていたが……実際ここ最近ミコトとはやては中々二人きりの時間が少なかった。 それこそ大切な家族や友人達との時間が増えたという事なのだから喜ばしいことなのだが。 だからたまたま今日この日、家族は気を利かして二人きりにさせたのだ。 物陰から覗くとか、ビデオを回しているとかも一切ない。
「今日もええ天気やなぁ」
「そうだな、ここ最近は雨が降ったり止んだりを繰り返していたし。 こうした快晴は久しぶりだ」
季節は初夏、まだ春の肌寒さも少し抜けておらず、そして夏特有の暑さも少し感じる今日は過ごしやすい日となっていた。 夏の風物詩台風も数日前までは猛威を振るっていたがその台風も既に去った後。 気持ちのいい日差しが海鳴を照らしている。
「ふふ、何やこんなの久しぶりや。 二人で買い物したりするんは」
「服屋に行く度に着せ替え人形にしてくるのも久しぶりだな」
「えぇ〜だってミコちゃんが可愛いから色んなの着させたくなるだけよ?」
「オレははやての服を見たかったんだがな」
「ええの私は。 ミコちゃん、みんなが入ると嫌や言うて断るやん」
「当然だ、何で試着するだけで更衣室にまで同行されないといけないんだ……まったく」
現在時刻お昼前、これからの昼食をどうするか考える頃だった。
「はやて、昼はどうすーー下がれはやて!!」
「ふぇ?」
「そんな小動物みたいな反応をしなくていい、早くオレの後ろに!」
ミコトは気づいた。 はやての真上に謎の穴が開いたことに。 何の予兆も無しに現れたソレはミコトにとって不確定要素が多すぎるモノ。 すぐさまはやてを後ろに下がらせその穴を睨む。
「え、ちょっ、うえぇ!? 何やこれは!?」
「何かの魔法……いや何だこれは…………?」
ミコトは目の前の事象に目を見開き驚く。 目の前の穴は、ミコトの持てる知識を総動員したとしても答えの出てこない『現象』だった。 ミコトは「プリセット」と呼ばれる特殊な能力を持っている。 だがその能力を持ってしても目の前の現象を理解出来ない、類似する事柄すら思い浮かばない。 動揺を隠せないミコトは思わず固まってしまう。
「…………ッ」
「……アレ……何や……?」
はやてが声を上げて指を指す。 その先には白いモノが隙間の中から出てきていた。 そしてそれはどんどん隙間から出てくると同時にそれが人間の髪である事が判明する。
「人……?」
そして頭部が出て来た辺りでその人物が頭から地面のコンクリートに落下する。
「んほぉぉぉぉぉぉ!! 頭が割れちゃうのぉぉぉおおおおお!!」
『!?』
その汚い悲鳴に思わず驚く二人。 目の前で痛みにのたうちまわる人物を困惑しながら眺めていた。
「……はっ、あの穴は!?」
正気に戻り上空の穴を確認するミコト。 だがミコトの目にはもう穴は消えており、綺麗な青空だけが映っていた。
「一体何なんだ……」
「にゃあぁぁぁ壊れりゅぅぅぅぅ! 頭がバカになっちゃうのぉぉぉおおおお!!」
「本当に何なんだ……あの穴も、こいつも……」
ここに交じり合う二つの世界、始まりはとにかく汚かった。(小並感)
とにもかくにもミコトにとって目の前に現れたキリンは怪しくてたまらない存在だった。 透き通るような白髪、作者も忘れていたオッドアイ、そして感じ取れる異様な魔力量。 見た目からしても管理局の魔導師とは思えないその姿は警戒させるのに十分過ぎるのだ。
対してキリン、痛みが引いて起き上がり、二人を見た初めの感想は……「ファッ!? 即ハボな美少女が二人いる!? こ↑こ↓どこ!?」だった。 当然引かれた。 そら(クジラックスみたいなこと言ったら)そうよ。
ミコトはすぐにでも助けを呼びたくなったが、キリンが何をしでかすか分からない。 戦闘能力だって自分達よりも遥か上かもしれないこの状況において取るべき最善策は……などと考えていたら、だ。
「……あれ、海鳴……か?」
「(海鳴を知っている? ならこいつは……)」
「うわやっべ! 今地球に戻って来てよかったっけ!?」
目の前の男の言葉から察するに、かつては海鳴にいた人物で、しかも地球外にさっきまで存在していたと推測するミコト。 このまま勝手に色々喋ってくれれば助かると思っていた。
「えぇ……確かあと3ヶ月したらユーノ君に迎えに来てもらって……だから……あ、大丈夫か」
「ユーノ?」
「んだぁ! なら大丈夫じゃんアゼルバイジャン。 久しぶりに翠屋にでも行こっと」
「ユーノ」、「翠屋」、新たなワードを加えて高速で最善の手を模索する。 ユーノの事を知っているからには大した悪人ではない可能性が浮上してきた。 だがそれはあくまでユーノに対してだ。 ミコトやはやてにはどういう行動を起こすかはまだ未知数。 そしてあの穴の件もある。 なのでここは……
「まて貴様、翠屋に行くのか?」
「おう、財布はたまたま持ってたし……あ、君たちも行くなら一緒に行く? びっくりさせたお礼もしたいし」
「……いいだろう、我々も……先ほどの事を知っておきたい。 貴様のこともな……」
「じゃあレッツラゴーオン!!」
キリンは呑気に歩き出す。 その後ろでミコトとはやてはヒソヒソ話していた。
「なぁ、そんなに警戒することあらへんと思うんやけど」
「そうもいかない。 奴が現れた謎の穴、魔法でもない謎の現象がもし我々の近くで起きたらどうする?」
「……まぁ危険が危ない状態やな」
「まだあの男の素性も判明しない今、離れるよりは近づいて知った方がいい」
「それなら私はミコちゃんに任せるよ」
「任せろ、何があっても必ず守る」
二人はギュッと手を繋いでキリンの後ろを歩く。 警戒しているミコトに反してキリンは呑気に鼻歌混じりで歩いている。
「〜♪」
何て随分と気軽に構えていたが、翠屋に到着してその態度もすぐに変わらざるを得なかった。 三人が到着し席に着く、それまでに翠屋にいた人物の誰一人としてキリンの存在を知らないと答えたのだ。 それはキリンにとっては驚愕すぎる現実に思わず思考がどこかに行ってしまうほどのものだった。
「…………なぁ、今って何年だっけ?」
何とか脳細胞を働かせてミコトに質問する。
「……それは平成で答えればいいのか? それとも『
「新暦……そうそう、それで頼む」
新暦とは管理局が定めた年号、それを知っているとはつまり魔法を知っておりなおかつ時空管理局の存在を認知していることの裏返し。 ミコトはさらなる情報を得た。
「今は新暦66年だ」
「……嘘ん、大体9年前……?」
キリンにとっては現在新暦75年。 つまりここが過去の世界である事が判明してしまう。 過去の世界、自分を知らない人達、ここから導き出される答えは……
「そうか……分かったぞ」
「……何がだ?」
「つまりだ……ここは……『
違うだろ! いい加減にしろ!
「なるほど、パラレルワールドか」
「そうそう、タブンネ」
「はぇーホンマにうちらの世界と似た世界があるんか……」
落ち着きを取り戻しブラックコーヒーを啜りながら事情を説明する。 キリンがパラレルワールドから来た事は本人でさえも受け止め難い事実だが、ミコトもはやても理解力がある、子どもとは思えないほど大人びているためこの程度では取り乱すことはなかった。 そして目の前のパラレルワールドからやってきてしまったと話すキリンのことも多少なりとも人柄が分かって来た。
「ん〜でも他所の世界でもコーヒーの味って変わらんもんだなぁ」
キリンは自分のいた世界で何が起こったのかをミコト達に話した。 転生者、管理者の事を。 だが自分の『事情』は話さなかった。 別に面倒だからではなく、そんなに人に話しても面白くないと判断したからだ。
「にしてもどうしてキリンさんはこっちの世界に来てしまったんやろなぁ」
「ん〜多分アレでしょ。 ほんへでネタ出しちゃったし、どうせならちゃんとコラボしようって感じでしょ」
「何を言っているんだ貴様は……」
「あ、この世界はあんまりメタは無しなのか。 しっけいしっけい」
他所の作品に自分の作品の雰囲気を押し付けてはいけない。(戒め)
「……まぁ貴様の話を聞いて理由は何となくだが分かったぞ」
「うそやろ? 何その超推理は……」
「何やそのエセ関西弁は……本場の人間が聞いたらキレるでホンマ……」
ミコトはキリンの話を聞いて一つの仮説を立てた。 それは何とも突拍子の無いものだが現状もっとも現実的な仮説だった。
「恐らく、だ。 貴様は先ほどまで転生者と共にいたと言っていたな」
「イエス」
「オレの知り合いにも転生者に似たやつがいる。 一人だがな。 そいつも言っていた事があったが、この世界は色々おかしいらしい。 そいつの存在、そしてオレの存在含めて……だ。 二つの世界の共通点は共にそういった点になる。 ならばオレ達の世界とお前の世界は奇妙な繋がりがあるのかもしれない」
「……いやそれ作者どうしのメールのやりとりがあっただけだと……」
「でだ、互いに変化した世界同士が……恐らく何かの偶然で歯車が一致してしまったのだろう。 その結果二つの世界を繋ぐ『穴』が一時的に生まれた、その結果お前がオレ達の世界に来たわけだ」
「いやだからコラボしてるわけで……」
「故に、この世界での異質点であるあいつをここに呼べば何らかの変化が訪れるはずだ」
「あ、はい。 そうですね」(諦め)
頑なににメタ発言をスルーするミコトを見て説明を諦めるキリン。 ミコトはキリンを返すことに協力することにした。 あの理解不能な穴は自分達家族に何か嫌な影響を与えるかも知れない。 ならここはキリンを利用して穴をより深く理解するのが最も最良な選択だと考えた。 ミコトは現在の時刻をちらっと確認する。 現在時刻12時前。
「確か今日ガイとなのはがどこかに出かけていたな」
「せやなぁ今日はデートや言うて楽しみにしてたらしいでなのはちゃん」
「ふむ、ならそろそろ12時。 腹を空かせて翠屋にやって来るはずだ。 もう少しここで待っていよう」
指針は決まった。 後はこの世界の変態を待つだけ。 その間キリンはミコトとはやてにコミュニケーションを取ろうと試みる。
「ならケーキでも頼む? 二人とも何か腹空かない?」
「オレはいい。 どうせ後で家に帰って食べればいい」
「ミコちゃんがええならウチも大丈夫です」
「そう? 大丈夫? 女の子なんだからもっと甘いもの食べた方がいいよ? 普段何食べてるの?」
「もやしだ」
「え、何それは……」
「もやしだ。 知らないのか? もやしは食事においてもっともアドを稼げる食材だ。 もやし一つで3、4アドが稼げる」
「はぇー……女子小学生の食事事情とは思えねぇ」
キリンとしては年頃の子どもにはもっと栄養のあるものを食べてもらいたいと思っていたが、流石にもやしオンリーはないだろうと信じてグッと堪える。
「どうだ村咲 輝凛、何か持ち物の中に手掛かりになるような物はあるか?」
「持ち物? っつてもオレデバイスも向こうに置いてきちまったし……財布とあと〜…………あ」
キリンが取り出したのは一枚の写真。 何故写真が都合よくあるのかは気にするな。
「これ……あぁあの時のダビングしたやつか」
「何だその写真は」
「あ、見る? これね……」
キリンは持っていた写真を二人に見せるそこには写っていたのはクロノ。
「クロノ君がコスプレした時の写真」
「へ? コスプレ?」
「…………」
それはかつてクロノが三人と魔女の手によってあられもない婦警の格好をした時の写真だった。 はやては思わず「これコラだよね?」と疑わざるを得なかった。 対してミコトは鳩が豆鉄砲を食らったかのように目を開け口が開いたままになったいた。
「いやぁクロノ君ってば中々いい素質があるからさ、ちょっと女装させたらこの通りよ」
「あちゃ〜これ見たらクロノ君ホンマにビックリするで……」
「…………これが…………クロノ? …………本当に?」
「もちろんさぁ」
「……………………ふはっ」
「ミコちゃん?」
「あははははは!! これがあのクロノ・ハラオウンだと!? あははははは!!」
ミコトは吹き出す。その姿はずっと側で生活しているはやてでさえあまり見ないほどの爆笑だった。
「これが、これがあの……ふふっ。 堅物なクロノ・ハラオウン執務官!? あははは! 可笑しくて腹がよじれる……ふふふ……!」
「おぉ……珍しく大爆笑や。 ……にしてもそっちで一体何があったんやろか……?」
「へ? いや別に似合うと思って着させたんだよ?」
「そ、そんな理由で……あいつが女装!? 情けな……ふはは!」
「いやぁあの時のクロノ君の恥じらいといったら……あぁ〜たまらねえぜ!」
「やめろ想像させるな……うくく……!」
その日、ほんの数分の間だけ起こったミコトの大爆笑は、その場にたまたま居合わせた客がTwitterで拡散し、一時期Twitterでトレンド入りをはたしたとかなんとか。 ちなみにタグは「ミコトちゃんマジ天使」が付いていたとか。
キリンのコーヒーが無くなってきた頃、ミコトが言っていた異質点「藤原 凱」がなのはと共に翠屋にやってきた。
「アレが……」
「二人共〜おーい」
はやてが二人に手を振る。 すると直ぐに二人ははやてとミコトに気付いてそちらに行く。 そして当然だが席についているキリンを見て首をかしげる。
「こんにちはミコトちゃん、はやてちゃん。 それから……」
「…………」
「ガイ君?」
ガイはキリンを見た瞬間、急に真面目な顔になる。 キリンもまた至極真面目な表情に変わる。 まるでこれから何か一騒動でも起こるかのような、そんな緊張すら漂ってくる雰囲気。
「な、なんや二人共……そんなに神妙な顔せんでも……」
「……え、え、何が起こってるの?」
何が起こっているのか理解が及ばないはやてとなのはを置き去りに、キリンは立ち上がりガイの真正面に立つ。 だがミコトだけはそれをつまらなそうに見ていた。
「…………」
「…………」
睨み合う二人、最初に切り出したのは……キリンだった。
「まずうちさぁ……屋上⤴︎あるんだけど……焼いてかない?」(野獣先輩)
「あー、いいっすねー」(遠野後輩)
「…………ん? 何? コレ?」(素)
「いやここに屋上はないです……」(マジレス)
ここではやてとなのははつまらなそうなミコトの理由が分かった。 こいつら今からふざけるのが目に見えていたからだ。 冷たい視線を二人に送っているものの、汚い二人の狂宴はまだ続く。
「や っ た ぜ 。 投稿者変態臭紳士」
「8月16日、7時14分22秒」
「今は6月だよ……?」
「もうわけわからへん……」
『ピシッ、ガシッ、グッ、グッ』(真顔)
「いい加減にふざけるのもそこまでにしろ……ったく」
一瞬で互いの好感度をMAX近くまで上げた二人は固い握手を交わしていた。 いやにしても汚ねぇ好感度だなぁ……(本音)
「ほら、お陰で出てきたぞ……『穴』が」
「穴? アナ? 雪の女王なの? いつここはレリゴー会場になったの?」
「よく見ろ……ガイ、お前が来たことで再び『穴』が開かれたのだ」
「あ、ガイ君! 上!」
「あ? ……ファッ!? 何だこの穴? まるでまんーー」
「言わせないよ!?」
率直な感想をキャンセルしながらガイとなのははミコトから穴についての説明を聞く。 なのはにとっては何のことだかさっぱりだったが、ガイにとっては理解するのにそう時間はかからなかった。
「さて、簡単に説明を済ませたことだし……移動するぞ」
「え、でもこ↑こ↓に開いたから離れるのはアレじゃない?」
「いや、オレの仮説が間違ってなければ……」
5人が席を立ち、会計を済ませ(キリン持ち)店の外に出る。 すると穴はペットの犬のように後を追ってくる。
「付いて来た……?」
「やはりな。 オレ、村咲 輝凛、そしてガイの3人が揃うことで発生する穴だ。 つまり場所で発生するのではなく条件が揃えばどこでも発生する、ということだ」
「おぉ……ミコトちゃんってば天才ね!」
「ふふーん、自慢のミコちゃんですから!」
「さすミコ」
「煽てても何もでんぞ……ほら、さっさと人気のないところにでも行くぞ。 人目がつくのはマズイ」
ミコトにはすでに策があるようだ。 4人はそれを信じて歩き出す。
「イクゾー」
「デッデッデデデデ! カーン!」(ボイスパーカッション)
「何やえらい元気やなぁガイ君」
「いつもの10割増しでうるさいの……」
「あれやろ、キリンさんとの相乗効果が……」
「いやな効果なの……」
ミコトが目指していたのは海鳴が一望出来る展望公園、基本山の中なので人もあまりいない。 そして5人と穴が到着する。
「よし、それでは早速この穴にこいつを返す」
「あ、早いっすね。 てっきりここからオレ×ガイ君の撮影でも始めるのかと……」
「やめてくれよ……」(素)
「黙れ、そもそもこの穴がいつまでも開いている保証はどこにも無い。 早い所帰らないと永遠に帰らんぞ」
「あ、そっか……」
「何で心底残念そうなんですかね……」
ここでミコト、気付きたくもないことに気付く。 それに気付いた自分に嫌な思いをするが、この気持ちをこのまま持っておくのは精神衛生上良くないと判断し、キリンに問いかける。
「おい村咲 輝凛、貴様……もしかして同性愛者か?」
「そうだよ」(即答)
「はぁぁぁぁぁぁ…………」(クソデカため息)
ミコトは思わず頭を抱える。 あくまで自分達のためにだがその結果変態のために動かなければならないのか……そんな事に後悔するなかキリンはさらなる核弾頭を打ち込む。
「ま、『元女』だからホモかレズなのかは決まってるけどね」
「そうか、もう勝手に………………あ?」
ミコトは顔を上げキリンを見る。 ミコトだけでなくはやてもなのはもガイもキリンの事を見る。 自分の聞き違いであることを確かめるように。 だがこのホモにそんなことは通用しない。
「何だと……今何と言った変態……」
「……ありゃ? 言ってなかったっけ? オレが『元女』だって?」
『聞いてなぁぁぁぁい!!!』
「あ、そうだったか。 へへ、忘れてた忘れてた」
うっかりしてた、そんな様子でへらへら笑うキリンとは相反して4人はただただ驚きの声を上げるのみ。
「う、嘘でっしゃろぅ……」
「ほ、本当に……?」
「うん」
「本当に本当に本当に本当に?」
「ライオンだぁ!」
「やべぇ……こりゃマジかも……」
「今のやりとりで何を確信したの!?」
流石のガイも余りに突拍子が無いので変にボケに走ってしまう。 だがミコトだけは未だ信じきれておらず、それを確かめようとする。
「……いいだろう、お前が男か女か見極めてやる」
『……あ』(察し)
「え、何でみんな耳塞いでるの?」
ミコトはキリン以外が耳を塞いだのを確認し、『とっておき』をキリンにぶつけ返す。
「『もう☆ お兄ちゃんったらミコトに嘘ついちゃいけないんだゾ☆ そんなことしたらミコト、いじけちゃうよ?』」
「 」
ミコトの女言葉、それはこの世で最も破壊的で、最も尊い事である。 これをモロに食らった男は例外無くその肉体と魂が強制的に洗われ浄化される。 その女言葉から発せられるその圧倒的破壊力はまさに言霊的呪札の小宇宙!(?)
「や、やったか!?」
「いかんなのは、その台詞は……」
「……え、何してんすか先輩?」
『なん……だと……』(一護顔)
「……これは本当に元女のようだな。 流石のオレも驚いたぞ……こんな人間がいるとは……」
確かにミコトの女言葉は女性でさえも鳥肌が止まらないほどである。 だがしかし(だがしかし)、女の魂に男の肉体、そしてホモの精神を持ったキリンにとってクッソ似合わない台詞などクッキー☆上映会に比べれば何の苦もない。 むしろ心地よいレベルなのだ!
「これでも元孤児院勤務だし、君みたいな子どもにも沢山あったから珍しくないよ?」
「コレマジ? 元女でホモなら平気なのかよ……」
「むしろ今の録画したかった」
「やめて差し上げろ」
どうでもいい衝撃の事実が明かされたが、目的である穴はそれまでずっと沈黙を続けていた。 ぶっちゃけミコト的にはさっさと穴の中に帰れと思っていたが、キリンから聞いていた話と違い、キリンを吸引することはなかった。
「さて、そろそろ穴の性質が分かってきたな」
「性質? ダイソンみたいな吸引力だけじゃない?」
「違う、恐らくこいつはお前の世界からお前だけをこの世界に繋げるゲートだとオレは思っている」
「え、何それは……」
それはネズミ捕りのように、入ったら出ることのない穴。 その入り口はこうしてイレギュラー3人が揃うことで発生するが、だからといってそれをくぐることはできない。 そうミコトは断定する。
「それじゃあキリンさんは帰れへんってこと?」
「いや、それも違う。 出口が閉じているのなら開けばいい」
「具体的には?」
「村咲 輝凛、魔法を行使することはできるか?」
「もち!」
「ならこの穴に思いっきりぶち込んでやれ。 その衝撃や余波で穴は更に歪むはずだ。 そうすれば無理やり元の世界に戻れるはず」
方法は単純にして明解、閉じられたその出口を無理やりこじ開ければいいのだ。 そしてイレギュラーであるキリンの魔法なら穴に強い影響を与えるはず、そうミコトは推理した。
「よし、それならおもっきしぶち込んでやるぜ!」
「オレ達三人だけで穴は発生する、ならばそれほど魔力を込めなくてもいいはずだ」
「あ、だから人気の無いところまで来たんだね」
「……いや謎の穴連れて歩いているだけで人気もクソもないと思うぞ」
キリンはやや上空の穴を見る。 穴は自分が最初に見た時と同じ形をしている。
「……なぁ、なのはちゃんの魔法だと何が妥当なんだ?」
「む? そうだな……なのはの「ディバインバスター」ぐらいだな、うん」
「確かなのはちゃんの魔力は100万くらいだっけ? ……なら!」
キリンは魔力を解放する。 迸る魔力はキリンの身体を包み、金色の魔力が雷のように嘶く。
「これは……!」
「ふぅちゃんと同じ魔力光……!」
「でもこれって……」
「取り敢えず……30万ってところかな!」
キリンは右手に魔力を溜める。 そしてそれを穴に向かって放る。
「見よう見まね……フォトンランサー!!」
まるで野球の投球のように穴に向かって魔法弾を投げる。 穴は魔法弾が近づくにつれてその歪みが増す。 が、穴に衝突することなく空に抜ける。
「ありゃ? すり抜けた?」
「……驚いたぞ、まさかフェイトと同じような魔法を……」
「ん〜? まぁフェイトちゃんから魔力の扱い方習ったし、ある意味師匠だしな。 ……にしても今のでダメなのか」
「もっと強力な魔法やないとダメなんかな?」
「……いや、違うな。 恐らくもっと歪みを生ませてからじゃないと意味がないのだろう」
「……どれくらい?」
「……収束砲レベルだ」
「な、なのはのジェノサイドーーじゃなくてスターライトブレイカーレベル? 幾ら何でもそれはやばいって!」
なのはのスターライトブレイカーレベルとなれば生半可な魔法ではダメだ。 だからといってなのはがやればいいとはミコトは思ってなかった。 なのははこの世界においての基準点、例えどれほどの魔法を放とうとも逸脱してはいないのでこの穴には意味がないと考えていた。
「あとは……もっと魔力を高めて歪みをさらに歪ませることが出来れば……」
「あ、ならそれでいこう」
「……まて、さっき30万といったな? お前がどれほど魔力を持っているかは知らないが100万では足らんのかもしれんのだぞ」
「ん〜大丈夫でしょ」
キリンは気合いを入れるように腕を回す。
「オレの魔力……無限だし」
「…………は?」
「離れてろよちびっ子共、今からキリンお姉さんの本気見せてやるからよ……!」
キリンの言葉を受け遠くに離れる。 そして四人の目にはキリンの姿が映る。
「はぁぁぁぁぁああああああ!!」
『!?』
噴出する魔力が爆風を起こす。 舞い上がる砂煙、だが止まることのない魔力の嵐がそれをかき消す。
「ちょっちょっ、魔法なんか!?」
「違う……ただ魔力を高めているだけ、それだけなんだ!!」
「えぇっ!? でもあんな風にはならなかったよ私!」
目の前の現象はおおよそこの世界の魔なら大きく逸脱している、三人の少女達の言葉では語ることなどあまりない。 だがガイのみがこの現象の心当たりがあった。
「ぐぅぅぅぅああああああ!!!」
「おいおい嘘だろ……これじゃあまるでドラゴンボールか何か……!」
だがガイにしてみれば魔力でそれを行なっている事それ自体がおかしいのだ。 本来の魔力の使い方とは大きく外れたそれはもはやどの言葉を持ってしても説明出来ない。
「うぅりりりりりりりゃりゃりゃ!!!!」
「まだ跳ね上がるのか!?」
「も、もうとっくに私の魔力量を超えている……!!」
噴出する魔力はキリンの長い白髪を持ち上げ、更に激しさを増す。 もはや嵐や台風のように激しく吹き荒れる魔力、そしてその衝撃は歪みにようやく届く。
「っ見ろ!」
「あ、穴が……!」
「大きく歪んでる!」
穴は徐々に大きさを広げている。 そしてその穴の中心に、そんの僅かだかこことは違う空の色を見せている。 そう、開いたのだ。 光明が、天岩戸を開いたように。
「今だ! 穴に向かって魔法を放て!」
「よっしゃー! 魔力334万、ぶち込んでやる!」
キリンは左手に魔力を込め、穴に向かって拳を握りその手を伸ばす。
「飛んでけぇぇぇぇぇぇ!!!」
突き出された拳から放たれる砲撃、その光は穴に直撃、まるで壁にでもぶつかったように辺りは激しく揺れる。 そしてその壁を突き破り砲撃は穴に消える。
「うおぉっ!?」
「なんて衝撃……ッ!!」
衝撃に堪える四人、キリンは直立不動で砲撃が消えた穴を見続ける。 そこには……
「どうだ……穴は……」
「あぁ、キッチリこじ開けたよ!」
小さかった光は大きくなり、穴全体に異なる景色を映し出す。 誰もが確信する、キリンは帰れるのだと。
「これで帰れますね!」
「おう、一時はどうなるかと思ったけどな」
「そうか、ならさっさと帰れ。 いつ穴が塞がるか分からないからな」
「ミコちゃん、ちゃんと挨拶しないとダメよ?」
「……分かっているさ」
今すぐにでもキリンは帰るべき、そう全員思っている。 だから全員別れの言葉をキリンに短くだが伝える。
「気を付けて帰ってくださいね!」
「さよなら! サラダバー!」
「向こうの私達にもよろしくお願いしますね!」
なのは、ガイ、はやてが次々と別れの言葉を言う。 そしてミコトも言葉少なめだがキリンに言う。
「……息災でな」
「あ、恥ずかしんかミコちゃん?」
「違う……断じて違うからな……」
「ニョホホ! ありがとうなみんな!」
キリンは手を振りながら穴に飛び込む。
「バイバイ、また会おうな!」
キリンは穴に消え、そして穴も共に消えた。
後に残された四人は町の中に戻るために歩き出す。
「何だか不思議な人だったね」
「あぁ、まさか淫夢民かと思ったら女の人だとは思ってもなかった」
「……その淫夢って何? ……あ、やっぱり教えなくていいよ(危険察知)」
「淫夢ってのはなぁ……」(無視)
「言わなくていいよ!?」(回避不能)
ガイは久しぶりに元の世界のノリで話せる人間に出会えて嬉しかった。 だがなのはは知らなくていい淫夢を知らされ、ちょっと嬉しくなかった。
「キリンさん、『また』って言うとったで」
「……それはつまりまた同じような穴が発生すると言っているのだろう? それはゴメンだ」
「なら……次はあんな異変やなくて、普通に会いたいなぁ」
「……それならまぁ……及第点だな」
はやては自分が出会ったことのない人間に出会えて嬉しかった。 ミコトもまた、自分の女言葉に倒れない存在に会えたのは素直に嬉しかった。 そしてミコトはまたキリンに会うかも知れない、そんな予感と期待を持って帰路に着いた。
穴に飛び込んだキリンは元いた星に戻った。 そこには翔次と待機状態のミョルニルが待っていた。
「ただいま翔次君、ミョルニル」
『おぉ! お帰りなさいマスター!』
「やれやれ、無事帰ってきたようだな」
「あ、そうだ。 さっきは翔次君ありがとうね」
「……ふん」
キリンは知っていた、穴の向こう側から翔次が活路を開いてくれていた事に。 元の世界にも穴は開いていた、そこに亀裂を生みキリンの手助けをしていたのだ。
「それで、どこに行っていたんだ?」
「あ、そうだ聞いてよ! なんとなんと、実は……」
この事件から数日後、キリン達はユーノに案内されてミッドに辿り着く。
今回の二つの世界を繋いだ事件は何の記録にも残らないが、五人の記憶には色濃く残されていくだろう。
これにて『
「終わり! 閉廷! 君もう帰っていいよ!」(終劇)
コラボ終わり!(げっそり)
もうさ、早いとこセンセンシャル兄貴の小説読んでさ、私の小説はスルーでいいんじゃない?
今回コラボが無事(?)遂行されましたが、私とコラボしてみたいという人はメールでも送ってください。 そちらの作品をチェックしてイケるかイケないか判断します。
それでは最後まで閲覧してくださった方々、ありがとうございました! センセンシャル兄貴もありがとナス!
誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教え下さい。