オレはオレの幸せに会いに行く   作:ほったいもいづんな

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翔次メインの話です。 ……キリンメインの話が少ないって? だってもう掘り下げる話もないし、ぶっちゃけ頭冷やすまで大した出番はないよ? それに翔次のキャラが薄いのが問題だってそれ一番言われてるから。


11話 夜の交流イベントは逆にエロゲに少ない

 11話

 

 

 

 

 ホテル・アグスタでの任務を終え、再び六課で日々を過ごすキリン達。 先の件でさらに力をつけていかねばならないと思った全員は今日も激しい訓練をしていた。

 

「どうしたキリン! もっと魔力を上手く使え!」

「うっす! だあぁぁぁぁぁ!!」

 

 キリンは毎日誰かと模擬戦をし、求められる戦略を増やしている。 ホテルで戦ったゼストという騎士に決定打どころかまともなダメージを与えられなかった。 そして自分の自力と新たなスタイルを模索するために毎日違う相手と戦っていた。 ある日はヴィータ、別の日はザフィーラ、ある時はなのは、そして今日はシグナム。

 

「今の攻撃はよかったぞ、さぁまだまだ行くぞ!」

「オッス、お願いしまーす!」

 

 

 

 

 

 

 キリンに負けず、フォワード陣もまたさらなる飛躍を目指していた。 だがティアナ一人は前回のミスショットが引きずっているのか、どこか雰囲気が違かった。 ティアナは一人自主練に努めていた。 自主練そのものは褒められるものだが、それは余りに詰め込みすぎなのだ。 日々の訓練が終わり就寝の時間になろうと一人身体を動かし、早朝の訓練が始まるより前から一人起きひたすらに鍛練をする。 余りにも過剰な肉体への負荷、それを止めようと誰もが思う。 だが肉体を酷使する理由が故に誰も強く言うことは出来なかった。

 

「やれやれ……今日もやってら……」

 

 ヴァイスは今日も深夜に訓練を続けているティアナの元に向かう。 別に邪魔をしようと言うわけではない。 もうそれはした、でも意味がなかった。 だからヴァイスは遠くから見守ることにした、無茶が集り倒れないかどうか。

 

「ようやるよ……俺だったら……いや俺は情けないから出来もしないな」

 

 今日もヴァイスはティアナを見守る。 当然自分の業務も朝からあるので途中で切り上げてしまうが、それでも見守りたかった。 目の前の後輩が、自らを凡人と呼称する仲間が頑張っているのだ。 見守るしかない。

 

「…………おっと、そろそろ寝ないと俺がどやされちまう」

 

 気がつけばもう日をまたいでいた。 これ以上は操縦に影響がでる、自らの体調をしっかりと管理しなければ操縦士は務まらない。

 

「……あんまり無理するなよ」

 

 ヴァイスは聞こえもしない声でティアナに行った。 ティアナはその言葉どころかヴァイスの姿にすら気付いていないが。

 

「…………ん?」

 

 この日、ヴァイスは偶々いつもとは違う道順で戻っていた。 そういう気分だったからだ。 だからなのかもしれないが、こんな時間にもう一人、汗水垂らしている者がいることに気付いた。

 

「……はは、ティアナみたいな奴がもう一人いるとはな」

 

 ヴァイスはその者に話しかける。

 

「よっ、しょーさん。 あんたも自主練かい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ、しょーさん。 あんたも自主練かい?」

「……む?」

 

 誰だ? 深夜に鍛練しているボクに話しかけるのは? ……いや、ボクをしょーさんとふざけて呼ぶのはあいつしかいない。

 

「……やはりグランセニックか」

「もうしょーさん、俺のことはヴァイスって呼んでほしいっていつも言ってるじゃないっすか」

「……こんな深夜にどうしたグランセニック」

「あっ、しょーさんの意地悪!」

 

 ……ボクはお前みたいな奴の事が苦手なんだよ。 これでもボクは陰キャラだったからな? 今でもそうだが。

 

「ボクはいつもここで、この時間に鍛練している。 ……ティアナに場所を取られたからな」

「あ、そうだったのか。 ……ってことはティアナが一人自主練してんのを知っていたってわけすか」

「……まぁな」

 

 何でもいいが早いところ巣に戻れ。 ボクは誰かにこういうシーンは見せたくないんだ。 ……いや待てヴァイス、どうしたシリアスな顔をして? やめてくれ、ボクはあと30分したら終わるから。 別にティアナ程無理はしてないから心配するな。

 

「……なぁ、しょーさんは……今のティアナを見てどう思う?」

「今のティアナだと? ……まぁ客観的に見れば何かに焦っているように見えるな」

「そっか……なぁ、しょーさんはティアナの兄貴のことを知ってるか?」

「……ティーダ・ランスターのことか? それなら知っている」

 

 バッチリ知っている。 そりゃ何度もアニメ見返していたし、申し訳ないが全部知っている。 描写されたところだけだがな。

 

「ティアナの兄貴はすっげぇ優秀だったらしい。 俺は直接交友があったわけじゃねぇし詳しい実力なんて知らねぇ。 でも周りに嫉妬されるくらいの天才、実力者でさ。 一度はあって見てぇとは思っていたんだ」

「……だがどれほどの天才でも死ぬ時は死ぬ、確か任務の最中に死んだんだよな」

「そう、殉職しちまったんだよ。 しかもその時の上司は殉死した奴に文句まで言う始末。 ありゃ酷かったもんだよ。 ……だからなのかもな、ティアナは仕事でのミスショットで焦っちまっている」

 

 

 ……うん、嫌だからさヴァイス。 ボクは全部知っているんだって、これまでもこれからも。 どうしたヴァイス、ボクは別に御意見番とかじゃないぞ?

 

「……なぁしょーさん、隠れて特訓してる時って何考えてんだ?」

「うん? どういうことだ?」

「ああやって身体に無理させてる時って……一体何思ってんのかなぁって気になるわけよ。 俺みたいな怠け者には想像が厳しくて……」

 

 あ? ヴァイス、お前は優秀な方だろ。 陽キャラ特有の自分の卑下はやめろ。 腹立つ。

 

「……別に何も考えていないさ」

「え……?」

 

 ボクは獄砕鳥を上段で構える。

 

「ボクはティアナほど選択肢があるわけではない。 ただただ、どうやったら身体が動いてくれるのか、どうやったら刀は答えてくれるのか、それだけを考えて振っているだけだ」

 

 真下に獄砕鳥を振り下ろす。 あ、これはダメな奴だ。 全然ダメな一太刀だ。

 

「……くっくっくっ、しょーさんはティアナと違って大雑把に特訓してるんだな」

「違う、ボクは適当に特訓しているんだ」

 

 いいか、適当と雑は違うからな? ボクは雑にはしていないぞ? 適当に適当にやっているだけだ。

 

「あははっ! どうやらしょーさんの方が上手く特訓しているみたいだな」

「……何故笑っている?」

「いや……かたや自分のミスを払拭するために必死に特訓してんのに、もう一人は適当に特訓してんだもん。 そりゃ笑うさ」

 

 あ、おい。 勝手にシリアスしといて勝手に帰るな。 何なんだお前は、作者がキャラ掴めていないじゃないか。

 

「ティアナもちょっとでもいいからしょーさんみたいに適当になってくれてもいいんだけどなぁ……」

 

 ……おい、そんなデカイ独り言を残すな。 おい、何ポッケに手を突っ込んで去っていくんだ。 ……おい。

 

「……ボクもそろそろ寝るか」

 

 ヴァイスのせいでもう身体が終わってしまった。 完全にシャワー浴びる気分になってしまった。

 

「……そろそろ『頭冷やす回』か……あれで笑ったらボク殺されるな……」

 

 昔に見たなのはMADで死ぬほど笑ったからな……取り敢えず頬筋を鍛えておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから3日くらいたったがまだ『頭冷やす回』は来ていない。 確かにアニメだと数日経った描写があったから別に不思議でも何でもないんだが。 今日もボクは深夜に鍛練。 実はボクにもそろそろ技というものが身につこうとしているのだ。 まだ霊力のコントロールが上手くいかないが。

 

「こうか? いや、こうか? それともこっちか!?」

 

 全然上手くいかない、束ねた霊圧は霧散してしまう。

 

「くっそー……このあいだのアレはなんだったんだ……」

 

 2日前に一度だけ振ったと同時に霊圧がまるで砲撃のように放出された。 それが恐らくこの斬魄刀の技、なんだろうな。 さっきからできやしないがな!!

 

「ぐぬぬ……やはり斬魄刀との対話が必要なのか? まだ一度しかしたことないがな……」

 

 どれだけ語りかけてもすごい無視されるのだ、どうしろというのだよまったく……のんきはしていられないのに……

 

「……何してるですか?」

「……リインフォース・ツヴァイ?」

 

 おいおい、何故お前がここにいる? 良い子はさっさと寝んねしろ。

 

「さっきからすっごいうるさい『声』がするんですよぉ」

「む、すまんな。 どうやら白熱しすぎたーー」

「その剣の『声』がすごいんです。 もうさっきからずぅ〜っと!」

「ーーなに?」

 

 まてまて、おいリインフォース・ツヴァイ。 お前今なんと言った? この……獄砕鳥の声をお前が聞いたのか!?

 

「よくお話しているキリンさんやミョルニルは楽しそうですけど……こんなにミスマッチな対話しているのは初めてです」

「おいおい……おいこらロリ枠、お前はいつのまにサードアイに目覚めたんだ? いつの間に古明地ファミリーになったんだ?」

「む、誰がロリ枠ですか! ……私は偶に、本当にたま〜に『モノの声』が聞こえるんです」

 

 ……ん? ちょっと待てよおい、いつの間にそんな機能が付いたんだお前。 アレか? 毎回被弾して帰って来て挙げ句の果てにOVAの主役にもなったのにまだ自らのキャラを濃くするのか?

 

「今日はたまたま『声』が聞こえる日みたいです」

「……『A's』編で何があったんだお前……」

 

 まぁいい、それで? 獄砕鳥は何て言ってるんだ?

 

「さっきから……『違う! 違う!』って」

「『違う』? 何がだ?」

「えぇっと……『私の振り方がおかしい!』……だそうで」

「あぁ? 何だそりゃ?」

 

 振り方がおかしいって……ボクは侍でもなけりゃ剣道すらやったことないぞ。 正しい振り方ってなんだよ。

 

「もっと……『私と自分に問いかけてみろ!』……って」

「獄砕鳥と……ボクに?」

 

 おい……何だそれは? 獄砕鳥になら分かるが……ボクにも問いかける? 意味が分からんぞ。

 

「問いかける……」

「……もしかしてもっと自分の身体に聞いた方がいいのかもしれませんね」

「……!」

 

 自分の……そうか!

 

「…………」

 

 ボクは今まで斬魄刀との対話が必要だと思っていた。 だが肝心の自分自身の声を聞いていなかった。 斬魄刀で戦う、しかし斬魄刀を振るうのは自分の肉体。 肉体と斬魄刀のシンクロ、ボクは今まで自分を蔑ろにしていたんだ。 だから意識するのは己の身体、身体がどれだけ斬魄刀と一心同体になれるかどうか!

 

「……フッ!」

 

 試しに横に一振り、駄目だ。 全然噛み合っていない。 違う、どこに向かいたいんだ、『ボク達』は?

 

「…………お、こっちか!」

「わぁ……!」

 

 斜め下からの切り上げ、それは今までにないくらい……いい一閃。 まるで身体の先まで意識が集中している。

 

「喜んでますよ! もう大喜びです!」

「……ハハッ」

 

 分かる、ボクも嬉しい。 まるで今初めて、獄砕鳥と一つになったようだ。 この感覚はなんだ? まるで……ボクそのものが獄砕鳥のようだ。 ボクはひたすら獄砕鳥と共に舞う。 楽しくて楽しくてたまらない、だがこの喜びはリインフォース・ツヴァイの奴のおかげだ。 ボクは舞うのをやめて礼を言う。

 

「ふぅ……礼を言うぞリインフォース・ツヴァイ」

「どういたしまして! ……ふわぁ〜……」

 

 ……む、いつの間にかこんな時間か。 リインフォース・ツヴァイはまだまだ子ども、まだ8歳くらいか。 もう寝た方がいい。 ……いやデバイスに睡眠が必要なのかは甚だ疑問だが。

 

「もう寝るといい。 ボクは……ボク達はもう大丈夫だ」

「それならリインは安心して寝れます……あふぅ……もう限界です……お休みなさいぃ……」

 

 あ、まてリインフォース・ツヴァイ! ここで寝るな! はやての部屋に行け!

 

「もう動けないですぅ……」

「あぁ〜もう! 分かった! はやての部屋まで送ってやるから!」

 

 ボクは小さいリインフォース・ツヴァイを両手で持ちはやての部屋まで届けに行った。

 

 後日、『翔次がはやての部屋に夜這いしに行った』とかそういう噂が流れ、木村の奴によって真偽がハッキリするまでヴォルケンズにボコボコにされた。

 




何かサモンナイトとかの夜イベントみたいだぁ……(直喩)

次回ようやく頭冷やされるティアナ、果たしてキリンと翔次と心悟はどのように行動するのか! ……どうしようね……(予定は未定)

今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。
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