オレはオレの幸せに会いに行く   作:ほったいもいづんな

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strikers特有の模擬戦だー!! でも戦闘描写は苦手だから変だー!

こんなめんどくさい事したくないけど実力をハッキリさせるにはちょうどいいイベント。 初めに考えた人を素直に尊敬するけど、戦闘描写に自信がない場合は逆にムズイ。

ほら閲覧兄貴姉貴達、この小説は地雷だってことを再確認して欲しい。


3話 シャウト&ブレイク

 3話

 

 

 

 

 どうやら機動六課の本部がある所は海に面した場所みたいだ。 これならいつでも泳ぎに行けるなぁ、なんて思いながら六課部隊長室なる所に案内された。 ここがあの女のハウスね……

 

「改めて始めまして。 ここ、機動六課の隊長の八神 はやてっていいます。 お二人の話は前々から伺っていますよ」

「リインはリインフォース・Ⅱです! リインと呼んでください!」

 

 先ほど通信があったはやてちゃんと小ちゃい妖精みたいな子、リインちゃんからしっかりとした挨拶が来たのでびっくりしながら頭を下げる。 よく見ればこの部屋にはオレ達だけでなく強そうな魔導師達が数人いた。 あと犬? 多分犬だよね? それからなのはちゃん達とエリオきゅん達も一緒に来た。

 

「それじゃあ改めてオレ達からも」

 

 オレはキチンとした挨拶を始める。

 

「オレは村咲 輝凛。 キリンって呼んでくれ。 そしてこいつはオレのデバイスで……」

 

 オレは腕輪のように右腕にぶら下げていた待機状態のデバイスを起動させ、宙に放る。

 

「起きろ、ミョルニル」

 

 小さいアクセサリーのような状態で待機していたミョルニルは、オレの言葉で起動し、その姿を大きくさせオレの手に収まる。

 

『はいはーい!! 全宇宙1可愛くて賢いデバイス、ミョルニルでぇ〜す!! キャハ☆』

「二人はフ○リキュア!」

『MaxHeart!!』

『…………』(絶句)

 

 ふ、決まったな……

 

「滑ってるわこのアホ」

「何!?」

『まさかこのミョルニルちゃんの魅力が伝わらないとは……』

「揃いも揃ってボケる準備をしていたんじゃあないだろうな?」

「ボケじゃないもん! 掴みはバッチリにしとかないといけないだろ!」

「どこがバッチリだ! 合コンの自己紹介で滑ったみたいになっているだろ!」

「キミは中学生だから合コンに行った事ないだろ!」

「話のキモはそこじゃなぁい!!」

 

 くっそぅ……フ○リキュアはダメなのか? ……そもそもこの世界の人たちは知らない……!? き、気づいてはいけない真理に辿り着いてしまったのか……?

 

「あ、あは、何やけったいなコンビやな……」

「……はぁ、このボケの後に真面目にやるのは癪だが……ボクの自己紹介をさせてもらう」

 

 お、翔次君のいいとこ見てみたいなあ? なぁ?

 

「ボケんぞ……。ボクは朱澤 翔次、翔次で結構だ。 魔力はないがやれる事もある。 よろしく頼む」

「うん、よろしく」

 

 ふっつう〜な自己紹介だなおい。 ちょっと性癖暴露して盛り上げてよ。

 

「さて、何かそういう空気でそうなっているのかもしれないけど、お二人は私たちに協力してくれるって事でいいですか?」

「おうともさ! オレは元々フェイトちゃんやなのはちゃんの為に来たといっても過言じゃねぇ!」

「ボクもだ。 迷惑を掛けた分、そしてボク自身のためにも協力したい」

 

 オレ達ははやてちゃんの問いに答える。 そもそもこの二人の友達なんだろ? なら理由なんざいらねぇ、助けるまでだ。

 

「私達も二人のことは大まかだけど聞いてます。 とても嬉しい返事ですが……」

 

 ……? なぁんかチラッと壁側に立っている人達を見てる?

 

「まだ納得してない人達もいて……」

 

 はやてちゃんが目配せをしたからか、三人の女性と一匹のわんこが前に来る。

 

「紹介します、私の大切な家族達です」

「我らヴォルケンリッター、私はシグナム」

「あたしはヴィータ」

「私はシャマルです」

「……ザフィーラだ」

 

 ヴォルケンリッター……? つーか犬が喋ってる……のは普通か。(?)

 

「私たちは主を守護する存在」

「主?」

 

 主って誰だ? 偉い人?

 

「八神 はやてのことだ」

「あ、なる……」

 

 隣にいる翔次君からコッソリと教えてもらった。 ほーん、はやてちゃんの守護月天なのか。

 

「んで巨乳さん、一体何が不満なんですか?」

「シグナムだ……。 コホン、貴様らが信用に足る人物かどうかはここでは置いておく。 重要なのは実力だ」

「実力?」

 

 腕っぷしの事か?

 

「あんたらの戦闘記録は前に見せてもらった。 ……まぁ中々凄え記録だったが」

「オレ達の……あぁケンカした時か」

 

 恐らく時の庭園での記録のことだろう。 多分なのはちゃん達に見せてもらったのかな? 後はリンディさん達とか?

 

「それでだ、今現在の貴様らの実力を知りたい。 その上で貴様らの事を判断したい」

「早え話が、あたしらが納得したいだけだ」

 

 なるほどね、確かにあの時の戦いはある意味オレ達の実力を測るには少し難しい。 それに確かAMFなる物があるって話だし、こっちの力を把握しておきたいのは当然のことか。

 

「分かった、納得してくれるならやってやんぜ!」

「そう言ってくれて嬉しい」

「そうかキリン、なら頑張れよ」

「お前もだよ刀差し」

「何?」

 

 ……そら当然よ? だってキミは戦闘員でしょ? 魔力ないけど。

 

「ボクは魔力がないんだぞ? 言っておくがフォアード陣と戦っても3分で沈む自信がある」

「ガジェットを斬ったって報告があった、ってことは戦闘をしても問題ないってことだろ?」

「くっ……ボクまで巻き込まれるとは……」

「まぁまぁ、頑張ろうぜ」

 

 魔力が無かったってキミにはアレがあるし、大丈夫でしょ?

 

「そういう問題では……」

『ご愁傷様です〜プークスクス!』

「今すぐ叩っ斬ってやる、そこに直れミョルニル!」

『きゃー怖〜い☆』

 

 キミらちょっとうるさいよ〜

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、自分のデバイスの教育ぐらいしっかりしておけ!」

「まぁまぁ」

 

 オレは翔次君を宥めながら案内された訓練所に入る。 何でも訓練所は魔法の力なのか科学の力なのかは分からないけど実際の街並みとか色々再現出来るらしい。 今回は市街地みたい。 これがVRかな?

 

「んで、どっちからやるんだ?」

 

 オレと翔次君の実力、どっちが先なのかをオレが聞く。 すると答えたのはなのはちゃん。

 

「えっとね、個人の能力も測りたいけど二人はずっと一緒だったんだよね?」

「おう、流石に自家発電するときは離れたけど」

「え、えぇっと……それでね? せっかくだし二人の連携を試してみたいってことになったの」

「……タッグマッチか」

 

 タッグ……翔次君と? いやぁそれは……

 

「連携なんてした事あったっけ?」

「ないな」

「ですよねー……キミの能力上連携は難しいんだけど……」

「まぁ一々分けるのも面倒だ。 どうせすぐ個々の戦いになる、構わんだろう」

「……そりゃそっか」

 

 まぁ連携は出来なくもないけど……それより相手は?

 

「私達だ」

「おっぱいさん……」

「シグナムだ、いい加減覚えろ」

 

 どうやら相手はおっぱいさんことシグナムさんとヴィータちゃんのようだ。 シャマルさんとザフィーラはいいの?

 

「シャマルはそもそも戦闘要員じゃねぇし、ザフィーラは本質は防衛だ。 ……シャマルは確かに壊滅的な料理(兵器)を扱うがよ」

「ヴィータちゃん今ディスらなかった!? 私だって最近は身体に異常は出なくなったのよ!?」

 

 ……シャマルさんはメシマズなのか……。 今度教えてあげようかしら?

 

「そちらは準備は大丈夫か?」

「あたしらはいつでもいいぜ!」

 

 おっぱいさんとヴィータちゃんはセットアップし、それぞれのバリアジャケットを身に付ける。 おっぱいさんは剣を持ち、ヴィータちゃんはオレに似たハンマーを持っている。 どうやら向こうは準備万端みたいだ、ならオレも……

 

「セットアップ……ってね」

 

 言うてオレのセットアップは別にバリアジャケットを身に付けるといっても大して見た目は変わらない。 子どもの時にはバリアジャケットを身に付けていたが、今は面倒だからしていない。 と言うかオレの魔力の関係上バリアジャケットを身に付けてるメリットが存在しない。 アホほどある魔力を身体に纏い、見えないバリアジャケットと化している。 因みにミョルニルが魔力を調整して防御を固めてくれている。

 

「ボクは……このままで大丈夫だ」

「そうなの? いつも見たいに……」

「あのなぁ……ボクだってカッコつけたいんだ。 それにいきなりやると後が保たない」

「それもそっか」

 

 オレはミョルニルを構え前に出る。 合図はない、準備が出来次第始めていいとはやてちゃんが言ってたのでもう始めることにした。

 

「行くぞ……」

「来い……!」

 

 オレは足に力を込める。 スタートダッシュで一気に攻める!

 

「まてキリン、お前はヴィータの相手をーー」

「うおおおぉぉ! 巨乳死すべし、慈悲はない!」

「ーーおいキリン!」

 

 翔次君の制止を無視しておっぱいさんに攻撃を開始する。 すまんな翔次君、男には……女には譲れない戦いがあるのよ。

 

「うだりゃ!!」

「はっ!」

 

 オレは力任せにミョルニルをおっぱいさんに振り下ろす。 だが抜刀したおっぱいさんの剣がそれを受け止める。 押し切ることが出来ずオレの身体は宙に制止する。

 

「止めやがった……!?」

「速いな……だがテスタロッサよりは遅い!」

 

 おっぱいさんは剣の鍔をミョルニルの柄に引っ掛けて真横に押す。 つられて体制が崩れたオレに返しの刃を放つ。

 

「うぉっ!?」

「はぁぁぁ!!」

 

 もちろんミョルニルで受け止められるが、そのまま振り抜かれオレの身体が後ろに飛ぶ。 腕力でオレを突き飛ばしたのだ。

 

「くっ……パワーで負けた!?」

 

 オレはすぐに体制を持ち直しおっぱいさんに視線を戻す。 おっぱいさんは剣を構えこちらの様子を伺っている。

 

「……」

「参ったなぁ……フェイトちゃんより遅いのかぁ……」

 

 剣を構えているその姿に隙などない。 どこから攻めてもすぐに止められるのは目に見えている。 どうしたものかと考えているとおっぱいさんから話しかけてきた。

 

「一つ、質問なのだが」

「……?」

「さっきから疑問なのだが……何故私を目の敵にしている? 私は少なくとも貴様の様なインパクトのある人間に出会ったことはないが……」

「……ほぅ、それ言っちゃう? 言っちゃうっていいの?」

 

 いいぜおっぱいさん、教えてやるよ。 オレがおっぱいさんを目の敵にしている理由……!

 

「それはあんたのおっぱいがデカイからだぁぁぁぁぉ!!」

『!?』

「……は?」

 

 何か外野の人達がザワついているいるけど、そんなの関係ねぇ!

 

「何だそのおっぱいは! 何だその巨乳は! 女の生体舐めてんのか、この淫乱姫騎士ピンクがぁ!!」

「そうだそうだー」

「ヴィータ!? お前まで何を!?」

「こちとらな……こちとら日の本の女子、おっぱいが大きくなる遺伝子じゃねぇんだよぉー!」

「そやそやー!」

「主!?」

 

 くっそー、何が日本の女子は小さくて可愛いだ……男なんて結局胸だルルォ!?

 

「まてキリン、足や脇にだって需要はある」

「黙れマニアックな面を被ったおっぱい星人! キミこの間「やっぱり巨乳だな(真理)」って言ったの忘れないからな!」

 

 どいつもこいつも胸胸うるせぇ! だからオレたちは痩せるしか選択肢が残されていないんだよ!!

 

「まてムラサキ、そもそも貴様男だろ!」

「オレは『元女』だぁぁぁぁぉぁ!!」

『何ぃぃぃぃぃ!?』

「……あ、説明してなかったね」

「……そういえば」

 

 どうやらなのはちゃん達から聞いてなかった様子。 ……そんな大事なことを今ここでカミングアウトしてよかったかどうかは後で考える。 今はおっぱいさんを倒すことが大事だ。(使命感)

 

「オレは昔82ってサバ読んでたけど本当は79だったんだよ! なのにその巨乳は何だ! 何センチだよ何カップだよ! その胸で挟んだら突いたり開発されたりするんだろ! エロ同人誌みたいに!」

「お、おい待て、一体何の話だ! そろそろついていけんぞ」

「つまり……巨乳は敵じゃあー!!」

 

 オレは再びおっぱいさんに向かって突撃する。 恐らく速度はさっきよりも速い。

 

「先ほどよりも速い……!?」

「うおぉぉぉおおお!!」

 

 おっぱいさんは剣を両手で持ちこちらの突進に備える。 オレはそこに向かってミョルニルをーー

 

「……なんちゃって!」

「フェイント!?」

 

 振り下ろさない。 おっぱいさんに接近し、そしてすぐに軌道を変え後ろに回り込む。 そしておっぱいさんが振り返る前にその背中にドロップキックをかます。

 

「ぐっ!?」

「まだまだぁ!」

 

 オレは体制が崩れたおっぱいに追撃を放とうと接近する。 だがおっぱいさんはすぐにこちらに向き直り一閃放つ。 何て速い切り返し、並大抵の剣士じゃあこうはいかない。 だがおっぱいさん、まだオレのギアは上がるぜ!

 

「避けたーーっ!!」

 

 オレは剣の切っ先が触れる5秒前、一気に加速し上から後ろに回り込む。 流石にこれはおっぱいさんにすぐに次の行動を許してしまう。 だが攻めはさせない。

 

「(もう攻撃の体制に……!)」

「かっ飛ばすぜ……!」

 

 オレは野球のバッターの様に思いっきり振りかぶっている。 そしてミョルニルには当然魔力を込める。 それに気付いたのかおっぱいさんは攻めに転じず守りに入る。 だがそんなのは御構い無しだ!

 

「ふんっ!」

「ーーッ!!」

 

 渾身の一振りは間に入ってきた剣を物ともせずにおっぱいさんをビルまで叩きつける。 ……本当はいくつかのビルを貫通したかったがどうやらそうはいかねぇみたいだ。

 

「……しっかり防がれてら、やるなぁ」

「驚いたぞ、その豪腕」

「へ、その程度しかダメージ入ってないならもっとギアを上げるかな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄い……!」

「何て速度なの……!」

 

 外から観戦しているスバル達はキリンの動きに驚く。 パワー、スピード、どれを取っても間違いなく自分達の遥か上に位置しているのをはっきりと自覚する。

 

「シグナム相手にアレだけ動けるなんて……」

「それにまだまだ余裕があるように見える、恐らくはまだ全力ではないはずだ」

 

 静かに観察するシャマルとザフィーラ。 だがザフィーラの言葉にフェイトが反応する。

 

「実はそうでもないんだよ」

「?」

「どういう事ですかフェイトさん?」

 

 エリオはフェイトの言葉に首を傾げる。 先ほど帰還中に聞いた事だが、キリンは無限に魔力を生み出せる肉体である。 なら理論上は無限に強化し続けることが可能なはず。 だからフェイトの言葉は不思議でならなかった。

 

「キリンは確かに無限に魔力を使える、でもそれは魔力を全て運用できる時の話」

「……あっ、もしかして」

「そう、キリンって結構感覚肌だからあんまり理論を組み立てたりしないの。 だから今も何となくの自分の感覚とミョルニルのサポートで魔力を使っているの」

 

 フェイトの言う通り、キリンは魔力について大した勉強も指導もされていない。 ミョルニルのサポート無しではそもそも身体強化が行えるかも怪しい。 完全に宝の持ち腐れ状態なのだ。

 

「だから正直な話、スバルやティアナ達の方が上手く魔力をコントロール出来てるよ」

「……!」

 

 なのはの付け加えにスバルとティアナは嬉しそうに顔を赤らめる。 こんな何気無い時に自分が褒められるとは思わなかったのか、恥ずかしそうにしている。

 

「……でもシグナム相手に本当に善戦するなぁ」

「ですねぇ」

 

 はやてとツヴァイはキリンとシグナムのぶつかり合いを感心しながら眺めている。 現にはやての言う通りキリンはシグナム相手に良く戦っている。 時々荒削りな動きになるが、有り余る魔力を使って上手く体制を崩さずに動き回る。

 

「でも……あちらさんは苦戦しとるなぁ……」

 

 はやてが視線を移す先には刀を抜いた翔次がヴィータ相手に押されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……くそっ……」

「オラオラ、その程度か?」

 

 肩で息をするボクとは対照的に余裕な態度で挑発してくるヴィータ。 片手で軽々と持ち上げる彼女のデバイスはボクに何度も重い一撃を入れてきた。

 

「ふぅー……」

 

 ボクは一つ深呼吸をしながら考える。 ボクの斬魄刀の能力は直接的な攻撃をしてくる彼女相手には厳しい。 向こうでドンパチしているキリンとシグナム達はいよいよ魔法系の攻撃を行い始めてる。 どちらかと言えば『()()()()()()』の方がボクはやりやすい。 ……いやそもそも身体能力的なところですでに負けているのだが。

 

「何かいい案はでたか?」

「お生憎、君に勝てるビジョンは見えてこないな」

「あの高速移動はどうした? 弾切れか?」

「……『瞬歩』か」

 

 瞬歩とはBLEACHにて登場する高速歩法のことだ。 アレは極めれば恐らくフェイト・テスタロッサの全速力よりも速いはず。 だがボクの霊圧は大してデカくない。 故に能力が限定されているヴィータ達相手には奇襲程度にしか役に立たない上に一度見られたらもう対処されてしまう。 ……ボクに勝ち目はもうないのでは?

 

「キリンの奴はシグナム相手に結構善戦してるが……シグナムもそもそも本気だ。 流石に本気の魔法を使い始めたら一気に勝負が決まる」

「……何だと?」

 

 おいヴィータ、今何と言った?

 

「まぁでもキリンの奴も一撃くらいじゃやられないかもしれないが、シグナムの炎は強力だからな」

「ほう……そうかそうか、『それはいい事を聞いた』」

「……何?」

 

 ボクはキリンに向かって叫ぶ。

 

「キリン!!」

 

 何とかなるぞこの勝負!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーキリン!!

 

 翔次の呼ぶ声に反応するキリン。 何事かと思わず振り向き翔次を見る。 すると翔次はキリンにハンドサインを送っていた。

 

「……!」

『危ないマスター!!』

 

 それを確認したキリン、だが背後から迫るシグナムが攻撃体制に入っていた。 ミョルニルの声に反応しすぐ様シグナムに向き直り防御の構えを取る。 だがシグナムの剣には炎が纏われており、その込められた魔力が巨大だと気付く。

 

「油断したな、紫電一閃!!」

「ぐぉわぁぁ!?」

 

 ミョルニルで受け止めるも衝撃はそのままキリンを襲う。 衝撃で吹き飛ばされたキリンは翔次の近くに叩き落される。 被害は甚大、だがまだ動ける。

 

「いてて……何て一撃だ……」

 

 すぐ様立ち上がると側に駆け寄ってきた翔次がキリンに声をかける。

 

「キリン、無事か?」

「キミのせいで被害と甚大だけど……行けるよ」

 

 二人は何かを確認し合う。 それを見ていたシグナムとヴィータは何か作戦を立てられていると察知し、行動に起こす前に潰しにかかる。

 

「何を考えているのか知らねえが」

「その前に決着だ!」

 

 背中合わせに立っているキリンと翔次、シグナムはキリンに、ヴィータは翔次に向かって突撃する。 ちょうど一本の線で真っ直ぐに位置するこの状況、キリンと翔次は武器を構えているだけ。

 

「動かない?」

「もしかして同士討ちをさせるつもり……?」

 

 動かない事が何らかの策であることは誰の目にも明らか。 だが二人は動かずに何かを待つ。 そんな二人に迫るシグナムの炎の剣、ヴィータの鉄槌。 もうすぐそこまで迫ってきた……その瞬間!

 

「ここだぁぁぁぁぁ!!」

「ーー天に飛び込め、『獄砕鳥』!!」

 

 二人は身体を右に回転させ、お互いの位置を入れ替える。 それによりシグナムの剣を受け止めるのは翔次の刀、ヴィータの鉄槌を受け止めるのはキリンのミョルニルだ。

 

「入れ替わった……!?」

「そうだ、これはタッグ戦。 戦いにくいのなら……勝ち目が薄いのなら……相手を入れ替えればいい話だ!!」

 

 鍔迫り合いをしながら言葉を発するのは翔次。 そう、翔次は受け止めているのだ、シグナムの剣を。 だがその剣には炎が纏われていたはず、それが消えているのだ。

 

「(打ち消された……!? 相殺された……!? 一体何が起こった!?)」

「油断したな……!」

 

 突然消えていた自身の魔法に驚いたシグナム、そしてその隙を突かれ鍔迫り合いから蹴りを繰り出され両手に当たる。 下からの衝撃で必然的に剣を持っていた両手はその勢いにつられ上に上がってしまう。 これで()()()()()()だ。

 

「しまっ……!? (何だ……奴の刀が……!?)」

 

 ここでシグナムは気付く。 翔次の刀がいつの間にか姿を変えていることに。 もしやそのせいで炎が消えたのか? そう思案するもその間に翔次はもう両手を引き、突きの体制に入っている。

 

「ッラァ!!」

「ぐっ!?」

 

 胴にモロに突きをくらったシグナムは身体をくの字に曲げ後方に突き飛ばされる。 突きをくらった箇所はクッキリと刀の形状が映し出されている。

 

「シグナム!?」

「油断したな!!」

 

 一撃を入れられたシグナムに驚き声を上げるヴィータを肩で突き飛ばす。 ヴィータはシグナムの心配をしつつキリンの動きに警戒する。

 

「……ようやくだ、()()()()なら大丈夫」

 

 シグナムの背後には遠くの方に観戦しているはやて達がいる、ヴィータの後ろには瓦礫やらビルやらがあるだけ。

 

「耳塞いでろよ……!」

「何かが来る? ……なら打たせねえよ! ラケーテンハンマー!!」

 

 ジェット噴射のように魔力を噴出させて回転しながらキリンに加速しながら突撃する。 回転によって高められた遠心力と加速を合わせても、とんでもない威力であることは見て取れる。 だがその攻撃が届く前にキリンの攻撃が始まる。

 

「……ォォォォォォォオオオオオオオオッ!!」

「なっ……うわ!?」

 

 

 

 

 

 

 突然響き渡るキリンの咆哮、それがまるで質量を持つかの如くヴィータを吹き飛ばす。 吹き飛ばされたヴィータは空中で静止しようと試みるも、勢いを止められずビルに突撃する。

 

「なっ……!?」

「今何が……!?」

 

 突然の反撃にどよめく外野。 だがなのはとフェイトはキリンの攻撃を知っていた。

 

「今の攻撃見えた……?」

「……魔法陣は発生してないのに……!!」

 

 ティアナの言う通り、通常魔法を行使する際は必ずと言っていいほど魔法陣が発生する。 だが今のキリンにそんなものは見られなかった。 通常ではありえないその光景をフェイトは解説してくれる。

 

「今のは魔法じゃないよ」

「え、なら今のは……」

「魔力そのものを飛ばしたんだ」

「!?」

 

 なのはとフェイトは見たことがある。 かつての夜、雲を吹き飛ばすほどの咆哮。 そしてその咆哮は闇の書ですら利用してくるほどの強烈な一撃。 しかし普通では考えられない攻撃に他の者達はただただ唖然とするだけだ。

 

「……人間かホンマ……」

「まぁキリンはかなり特別だから……」

「でも翔次君のアレは……見たことない」

 

 なのはの言葉に皆が翔次の刀を見る。

 

「恐らくアレが翔次君のオリジナル……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔次の一撃をくらったシグナム、その一撃はバリアジャケットを貫通するほどの威力だったが、シグナム自身はその衝撃でダウンする事ははなかった。 立ち上がったシグナムは翔次に問う。 その武器のことを。

 

「……気になることは幾つかあるが……あえてこう問おう。 それは何だ?」

 

 翔次の刀はその形状を大きく変化しており、刀身が細い日本刀から刀身が太い西洋剣に変わっている。 だがその見た目はとても異様だ。 何故なら『()()()()』のだ。 全体が丸みを帯びた長方形の板のような、まるで斬ると言うよりは叩くために作られた形になっている。 そんなものは刀とも剣とも呼べない。 だからこそシグナムは疑問でならない。 何故その武器でバリアジャケットを貫通出来たのかが。

 

「……あぁそうか、これの説明もしないといけないのか」

 

 翔次は手に持つ刀だったものをシグナムに見せながら説明する。

 

「この刀達のことを「斬魄刀」と呼び、そしてこれはその中のボクだけの斬魄刀、『獄砕鳥』だ」

「ほう……随分と物騒な名前の割には優しい見た目だな」

 

 シグナムの言う通り、獄砕なんて字が付いているのにも関わらず何も斬ることがないその形は優しいと呼ぶに相応しい。 だがその能力はシグナム達魔導師には優しくはなかった。

 

「……こいつがこの形になった時、確かに刃はなくなる。 だがその代わり、『この世にある異能を全て斬る』事が可能になる」

「異能……我々の魔法か」

「厳密には違うが……今はそれでいい」

「なるほど、だから魔法によって発生した私の炎も、この騎士甲冑も斬る事が出来たのか」

「でもこいつはそんなに万能じゃない。 例えデバイスを斬ってもデバイスは一種の技術の塊、進化した科学の結晶だから斬ることは出来ない。そしてこいつは斬るだけで『連鎖はしない』。 デバイスの魔法攻撃を斬っても身体強化された肉体までは斬ることは出来ない」

 

 そう、獄砕鳥の能力はあくまで斬ること。 無力化とは異なり触れるだけで全体を無効化は出来ない。 獄砕鳥が触れた部分しか斬ることが出来ない。 だから直接攻撃を中心に戦う旧ベルカの魔導師相手には相性が悪い。

 

「そしてヴィータの獲物はハンマー、斬魄刀で戦うには相性が悪い。 だから同じ獲物を持つお前に相手を変えたのだ」

「ほぅ……剣で戦う私なら勝てると……? 面白い!」

 

 シグナムは笑う。 今まで様々な魔導師と戦ってきたが、こんなに変な奴に出会ったのは初めてだった。 自らの種を明かした上で自分に勝つつもりでいるこの男が、面白くてたまらなかった。

 

「ようやく貴様も、キリンも本気になったようだな」

「ボクは結構一杯いっぱいだけど……奴はムラがあるからな」

 

 翔次の後ろにいるキリンは、自分の咆哮を受けたヴィータが直ぐに立ち上がった事を確認し魔力を身に纏う。

 

「……今のでもへっちゃら?」

「へっちゃらなわけあるか!? めちゃくちゃビックリしたぞ!」

 

 噴出するヴィータは所々バリアジャケットが汚れ破れている。 ヴィータは舌打ちをしながらキリンに話しかける。

 

「こんなすげえ攻撃……何でシグナムには使わなかったんだよ?」

 

 ヴィータとキリンの間の地面は大きく抉れ、まるで巨大な動物か何かが這いずったような溝が生まれている。 それはキリンの咆哮の跡、そしてその跡はヴィータの遥か後方のビルにまで続いている。

 

「だって、打てるタイミングの時いつもおっぱいさんがみんなを背にしてるんだもん」

「……! なるほど、意外とよく見えているんだな。 確かにこいつが急に飛んできたら、なのは達は大丈夫だがウチの部下達は危ないからな」

「そういうこと……そしてヴィータちゃん、これからは気兼ねなく打てるぞ!」

 

 キリンの魔力が激しく迸る。 それを見てヴィータはニヤッと笑う。 こいつはまだまだやれる……と。 ならそんな奴相手に手は抜けない、ヴィータは気合を入れ直す。

 

「そうか……なら鉄槌の騎士の本領、見せてやるよ!」

「来な! 言っておくが……」

 

 背中合わせの二人は同時に武器を構え叫ぶ。

 

『本当の勝負はこれからだ!!』

 

 ここからが第二ラウンドの始まりだ。

 




戦闘描写疲れたもぉん!! チカレタ……

色んな人の作品を真似したって、元々のスペックが死ぬほど低いからツライ。 翔次君の斬魄刀に関してはおいおい詳しく説明していきます。

あとヴィータちゃんのイベント最後走れなかった……ツライ……

今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。
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