オレはオレの幸せに会いに行く   作:ほったいもいづんな

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取り敢えず年内最後のオレシリ



40話 最終決戦、開幕

 40話

 

 

 

 

 キリンとゼストの戦いから一夜明けた戦艦アースラ内。

 ゼストとの攻防による傷の手当てを受けていたキリンは医務室にて何故かお説教を食らっていた。

 フェイトに。

 

「もう! どうして勝手に行ったの!」

「あ、はい……すいません……」

 

 昨日意味不明な告白をしあった二人、一夜明ければ溜まっていた鬱憤が爆発していた。 主にフェイトの、だが。

 

「しかも……しかも……なのはにだけ言って……むむむ」

「あっ!? それは……そのぉ……」

「むぅ〜!」

「(ってかなのはちゃん普通に言ってるんかい!)」

 

 若干の裏切りに合っていた。

 

「……あの〜フェイトちゃん? ど、とうすれば許してくれますか?」

「……じゃあ」

 

 不幸にもフェイトに外出がバレてしまったキリン。 金髪巨乳執務官から言い渡された示談の内容とは……

 

「フェイトちゃん……?」

「その……」

「?」

「ちゃん……ちゃん付けやめてくれたらいいよ」

「……?……??」

 

 わりかしよく分からなかった。(小並感)

 

「呼び捨て……ってこと?」

「だって彼女だもん、呼び捨てで呼んでよ」

「えぇ……それはオレのポリスーに反すると言うか……」

「いいから、さんはい」

 

 何やら強引に言いくるめられた(言いくるめられてない)キリンは渋々従うことに。 これが彼女特有のワガママだと思えば可愛く見えるのでまぁ対して嫌でもなんでもないキリンは大人しく呼び捨てで呼んでみることに。

 

「あー……フェイト?」

「……」

「あ、あれ? フェイトー? どしたー?」

 

 ……今まで、自分の名前がどう呼ばれても大して気にしなかった。 そんな生娘にして少女のまま成長したフェイトにとって、彼氏からの呼び捨てという月まで吹き飛ぶ衝撃を受け止めるなど……あまりにもあまりにも……

 

「ッッ〜!?」

「フェイーー」

「いいいいいいつも通りでいいから!」

「へ?」

「もももうキリンの事は許してるから! いいよ! うん、いつも通りで! いきなり呼び方を変えるのも変だしね! ね!」(滑舌ソニックフォーム)

「あ、うん」

 

 赤く染めた顔を隠すように両手で顔を覆う。 あのまま言われ続ければ腰が抜けて立てなくなると察したフェイトは心の内で(なのははよく拳に名前で呼んでほしいって言えたなぁ……)と親友の乙女心に関心していた。

 

(しばらくは頭に残るかも……)

 

 そう思いつつ、不思議そうな顔をしているキリンをチラリと見る。 名前を呼んでくれた男は何の恥ずかしさも違和感もなさそうにしていた。

 

(でもいつかは……)

 

 生まれて初めての感情が心を満たした。 そしてこれからもそれは生まれるのだろうと思うとフェイトは小さくはにかんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 医務室での検査も終わり、特に異常は見られなかったキリンはその事をはやてに報告するためにドッグへと向かった。

 その時。

 

「うお!? アラート!?」

「しかもこれは緊急時の……キリン、走るよ!」

「よしきた!」

 

 いつかの時のようにアースラ内を走る。 そう遠くはない。 二人ならば数分でドッグに辿り着く。

 そして……辿り着いたその先でいつかの時と同じように外部からの通信が、強引な形で表示されていた。

 

「てめぇは……!」

 

 キリンとフェイト……だけではない。 アースラ内にいる全ての魔導師がドッグに集結し、同じものを見ている。 同じ男を見ている。

 その男は……

 

『ご機嫌よう……機動六課の魔導師方』

「ジュリー・アンドリュース!!」

『ジェイル・スカリエッティです、バカマスター』

 

 モニターに映っているのはイギリス生まれの女優ではなく、今回の事件の黒幕にして元凶、ジェイル・スカリエッティ本人であった。

 嫌味ったらしい笑みを浮かべながらスカリエッティは話し始める。

 

『今日これより、私の計画は最終段階へと到達する』

「最終段階……だと?」

『この世界に復讐を……と言いたいところだが、もう私にとってそんなものは二の次にもならない』

 

 スカリエッティは非常に楽しそうに愉快な顔をしながら演説をしている。 この裏で密かに逆探知を試みるが、ジェイル・スカリエッティには意味のない事であった。 逆探知対策はしっかりと取られていた……

 ーー訳ではなかった。

 

「八神司令……!」

「うん、分かっとる。 随分と自信満々のようやな……!」

 

 このジャミングの元を、普通に辿れてしまった。 冷静に考えれば罠なのだが……これはスカリエッティの自信から来ているものだ。

「来るならこい」、とスカリエッティは挑発をしているのだ。

 

『今の私の一番の目的……』

 

 煽り精神たっぷりのスカリエッティは自らの目的を、遊戯王さながらの顔芸で告げる。

 

『それは……()()()()()()()()()()()()()()()を確かめることだ!』

「ゆりかごの……!」

「……カリムが言ってた事がこれか……」

『君たちも知っているだろう? ローリの事を』

「……あ?」

 

 ロスト・ロギアを操る、それだけではスカリエッティの狂気は収まらない。 いや、彼らの狂気は止まらない。

 

『ローリは埋め込まれた機械の性能を100%以上引き出す事が可能なのだよ……今回は彼の協力もあって、ついに実現できた!』

「……まさか!」

『歴史上、聖王オリヴィエが操った最終兵器『ゆりかご』に彼を()()()()事で! 我々はオリジナルを超えるゆりかごを作り上げたのだよ!!』

『!?』

 

 ジェイル・スカリエッティの恐るべき計画は、ローリの存在が加わった事でさらに奇異すべきものとなった。

 いくら太古最大のロスト・ロギアだとしても、時代が経てばその力は必然的に弱まってしまう。 だがローリという『異物(転生者)』が混ざる事でそれは史実通り……今それ以上の存在となってしまう。

 ゆりかごは長きに渡った古代ベルカの戦乱を終わらせた最終兵器。 一つの時代に終止符を打つ程の兵器が今、現代にて蘇り、しかもパワーアップまでしていると言うのだ。

 これほど管理局にとって恐ろしい事はない。

 

『だが……だがしかし』

 

 そう、『管理局にとって』の話だ。

 

『君たち機動六課は私が最も警戒すべき組織、存在、強敵。 よってこうして宣戦布告しに来たんだ』

 

 この時のために作られた機動六課はスカリエッティが最も危惧すべき存在。 真っ先にトドメを刺さなければならない敵である。

 

『私、ナンバーズ、そしてゆりかご! 全てを持って君たちを……排除する!』

「ッ!!」

 

 モニターには新たに戦闘機人であるナンバーズの姿、そしてナンバーズと共に侵攻するギンガの姿が映った。 そしてゆりかごの中にいる……ヴィヴィオの姿も。

 

「ギン姉……!!」

「ヴィヴィオ!!」

『これが、私の最終戦力! 君たちを必ず消し去る、私の『信念(欲望)』のために!!』

 

 スカリエッティの宣戦布告。 それを受けて黙っていられるほど……ショックで動けなくなるほど……機動六課はヤワではない。

 

「舐めてんじゃねぇぞスカリエッティ」

 

 そう言ったのはキリンだった。

 

「宣戦布告だぁ……? 随分と舐め腐りやがってよぉ……」

 

 今この場にいる……いや、病院で入院している機動六課の仲間全てを代表してキリン言う。 『舐めるな』と。

 

「こちとら『喧嘩』だぞ? 最初からテメェの計画をぶっ壊す為にやってきたんだ……主にはやてちゃんとかが」

『マスターは何もしてきませんでしたもんね』

「黙らっしゃい」

 

 余計な茶々を入れつつも、しっかりとスカリエッティを見据える。 この男は勘違いをしている、それを言いたいのだ。

 

「……せやなぁ、キリン君の言う通りや」

 

 だからこの先は『機動六課の隊長』が言うのだ。

 

「私たちは、アンタが犯罪者やから捕まえるんじゃない。 アンタが誰かを不幸にするからや」

 

 八神 はやてにとって管理局で仕事をすると言う事は一種の罪滅ぼしでもある。 しかし、このジェイル・スカリエッティという男に対しては違う。 この男の引き起こす事件は違う。

 

「……あんたの所為で、多くの六課の職員……いや管理局の人間……いや! ミッドチルダの人間が犠牲になってるんや!」

 

 はやての心に生まれたのは、怒り。 生まれて初めて誰かを許すことが出来ないほどの怒り。 はやての偽りなき『声』。

 

「アンタの理想も、信念も、力も、計画も! 全部私たちが止めてみせる! 私らを……にゃめるんやないで!!」

 

 舐めるな、その一言を欲望と混沌が渦巻くジェイル・スカリエッティにぶつけたかったのだ……カッコよく。

 

「(今はやてちゃん噛んだ?)」

「(はやて今にゃって)」

「(え、何今のは……もしかしてミッドのスラングか何か?)」

「(はやてェ……)」

 

 何かこう……盛り上がり所で妙にフワッとした感じになってしまった。

 ちなみにはやては今メッチャプルプルしながら顔を赤くする作業をしている。

 

 しかしこれを受けたジェイル・スカリエッティ、これを謎の優しさでスルー

 

『いいだろう、ならば早くゆりかごに乗り込むといいよ?』

 

 このグダグダした空気を一変する言葉を放つ。

 

『何せまだローリはまだ完全に同調しきっていない。 今のうちにコアを破壊できれば君たちの勝ちかもしれないだろう……? それでは始めようか……!!』

 

 そう言い残しスカリエッティはジャックした通信を切る。 最後に告げられた言葉も気になる所だが……今はそんな事は些細なものだ。

 みなの心は一つになっている。

 

「よし……それじゃあみんな……!」

 

 はやては皆に背を向けながら膝を丸くして顔を抑える。

 

「もうちょい待っててくれへん……?」(顔真っ赤)

『恥ずかしさがマックスになってるー!?』

 

 やはり決めのシーンでの噛みは精神的に辛かったようだ。

 ちなみにこの後しっかりと気合を入れた。

 




年明けたら戦って戦って戦うからな!
もう熱戦烈戦超激戦よ。(文章力が足りているとは言っていない)

何にせよ良いお年を。

今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。
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