オレはオレの幸せに会いに行く   作:ほったいもいづんな

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圧倒的な力とは、正義なのだろうか。


65話 正義などないか、正義しかないか

 65話

 

 

 

 

 その姿はローリでありローリではない。 丸太のような四肢、岩のようなボディ……今までのローリはどこか無機質でありながらも人間味のある雰囲気を出していた。 だがこのローリは違う。 姿形は寸尺を大きくしたものではあるが、纏っているものが違う。

 圧倒的な『冷たさ』を纏っている。 命がないことを証明するような冷たさを。

 

「ーーーー」

 

 それは言葉を持たない。 発せられる感情もない。

 あまりにも恐ろしさだけが表現されたボディに全員怯む。 特にナンバーズ達は動くことも視線を外すこともできない。 動く気配のないローリをただ見ていた。

 

 その隙を狙うものが二人ほど。

 

「ラクーケン……!」

「……ッ!!」

 

 ヴィータと翔次である。 ヴィータは推進力を高めた一撃を、翔次は卍解状態からの一太刀を。

 初撃で決めるために全力で打ち込む。

 

 だが、響き渡るのは金属音のみ。 鈍く耳をつんざく音だけ。

 

「なん……ッ!?」

「こいつ……避ける素ぶりも防ぐ動きもしていない……!?」

 

 どちらの攻撃もローリに衝突したところで静止している。 ローリはまるで意に介さない。

 そして次の瞬間には……

 

「ーーゴフォッ!?」

「カハッ……!?」

 

 二人の身体に襲いかかる強烈なローリのパンチ、もしくは蹴り。 どちらかは分からない。 分からないほどの速度で攻撃されたからだ。

 そして悶える二人をローリの巨大な手で掴み……投げた。

 

「翔次!」

「ヴィータちゃん! くっ……!」

 

 投げられた二人は地面に高速で衝突し、そのまま地面を抉りながら数メートル突き進み、やっと止まった。 その後を追うシャマルであったが、二人の姿を捕捉した瞬間、目の前で二人を巻き込む爆発が起こる。

 

「ッ!? 二人とも!!」

 

 ローリの追撃だったのであろう。 だがそれを見えたものは誰もいない。 ただただ早い何かで二人を爆撃したのだ。

 

「……ガッ……グッ……」

「うっ……ぎぎ……」

 

 かろうじてまだ生きている。 だがすでに二人は満身創痍、たった数回の攻撃によって卍解状態の翔次とヴィータがやられたのだ。

 そこにようやくシャマルが追いつき、二人を抱きかかえ戦線を離脱。 遠くに離れたヘリの所へ向かう。

 

 その時にキリンの所にいたはずのフェイトがやってきた。

 

「シャマル! 私に掴まって!」

「フェイトちゃん……助かるわ!」

 

 二人を抱きかかえているシャマルごと高速移動し、秒でヘリの中へ戻るフェイト。 その間ローリが一切の攻撃行為を行ってこなかったのは幸いか。

 

「シャマル先生、よくぞご無事で!」

「手伝ってシンゴ君!」

「任された。 ヴァイス、出来るだけ機体を安定させろよ」

「了解!」

 

 すでに運び込まれているキリンはまだ動けるため後回し。 今は明らかに重傷を負っている二人の治療に入る。

 その様子をヴィヴィオが不安そうに見ており、ジェイル・スカリエッティはずっと窓からローリを見ている。

 

「ローリ……」

「スカリエッティ、あなたはあの姿の事を知っていたの?」

「……いや、私は知らなかった。 ……それはありえないと決めつけていただけかもしれないけどねぇ」

 

 そう語るスカリエッティの表情は実に物悲しげで、何かを悼むように見える。

 

「あれはもう……()()()()()()()……かもしれない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーちくしょう。 何だったんだあのローリは。

 

 キリンの脳裏に浮かぶ、黒いローリの姿。

 

 ーーーーあれは今までのローリじゃねぇ……ローリの面を被った悪魔か何かだぜ……

 

 恐らくは最高だったはずの自分の拳をいとも容易く片手で止めたあの姿。 あれを止められてはもはや打つ手はないに等しい。

 

 ーーーーこんな時……

 

 そう考えてしまうキリンの脳裏に新たに浮かぶのは……

 

 ーーーー拳君だったら……

 

 自分の最高の友である、真条 拳の姿。 その拳のみでなのは達を守ってきた彼の姿。

 

 ーーーー……()()

 

 そして次に何かが引っかかる。 彼の姿……そして言葉に。

 

『お前の肉体はすでにこの世界の常識を遥かに凌駕している。 時が経てば自然と肉体と精神が一致していく』

 

 ーーーー……

 

『全力を出し、そしてエネルギー尽きるまで全力を維持し続けろ。 そうすれば消費した魔力だろうが何のエネルギーだろうが、それは昇華し、浄化され……『()()()()()』』

 

 ーーーーそれだ

 

『その力が『神の力』、それを取り込む事で『()()()()』に入れる』

 

「ーーそれだぁぁぁぁぁ!!」

 

 活路を見出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 得もいえぬ強大な力が空を支配していた。 卍解した翔次とヴィータが手も足も出ない相手、キリンの攻撃を容易に受け止める事ができる相手。 そんな規格外を前にナンバーズも六課の魔導師も動けずにいた。

 なのは達も例外ではなく……

 

「ハァ……ハァ……どう……しようね……」

「なのははもう限界だ、無茶はしちゃダメだ!」

 

 限界を超えた砲撃を2回、インターバルもさほどない。 すでになのはの肉体もレイジングハートも限界を迎えている。

 

「アイカ、大丈夫か?」

「うひ〜……い、今の、色んな魔法をくっつけるのはまだ使っちゃダメだってママから言われてたでごぜーます……頭がクラクラするゥ〜……」

「そっか、なら休んどき……まぁ休めるかなぁ……」

 

 アイカもまた限界であった。 アイカは母親譲りの魔力と魔法を持っているが、幼い彼はまだそれらを全て行使できるほどのリソースはない。 ゼストの回復にヴィータやなのは達を始めとする戦闘補助、そして先ほどのブレイカーの統合魔法。 すでに幼いアイカのリソースは使い切っている。 もう彼にできることはほとんどない。

 

「クロノ……例の凍結魔法で封印するってやつは……」

「無理に決まってるだろう……闇の書にだってキチンと効くかどうかもギリギリなのに、闇の書以上の化け物相手に効くとは思えん」

「だよねぇ……」

「……いよいよもって、勝ち筋がなくなってきたな」

 

 ユーノとクロノはまだ動けるものの、倒す手立てがない。 この化け物相手にどうにかなる希望すらない。

 

 だが。

 

『みんなー! 聞こえるかー!?』

 

 光明はまだある。

 

「キリン……?」

 

 通信で全員と連絡を取るキリン。 キリンはまだヘリの中におり、どうやらナンバーズとのチャンネルはスカリエッティが繋げたようだ。

 

「一体どうした? あとお前はまだ動けるんだな?」

『おうよクロノ君! 何せまだ何とかなるかもしれないからさ!』

「……何!?」

 

 キリンの言葉に全員が驚く。 今さっき一度やられたというのに、まだ戦況を打開する術があるのか? ただそれだけに驚く。

 

『たださ……これはオレ自身一回も成功したことがねぇんだ。 10回に1回……とかそんないい報告もできないくらいに上手く行く保障がねぇ』

「……まさか」

 

 キリンの説明を横になりながら聞いている翔次だけが心当たりのある()()。 理解したからこそ……より一層表情が曇る。

 

『んだから……またみんなには時間を稼いでもらいてぇ。 今度は1分とか決まった時間じゃねえけど……1秒でもいい、オレに時間をくれ』

 

 キリンから伝わってくる、あまりにもか細い希望。 だがキリンは本気でそれをやると覚悟している。 その覚悟を皆に伝える。

 

『みんなの命をオレにくれ! その代わりオレは絶対にローリをブッ飛ばす! そんであいつの本体のチップもぶんどる!』

 

 キリンの言葉に対し、誰も言葉を口にすることができない。 何と言えばいいのか分からない、しかし何か答えなくてはならない。

 だが時間がない。 キリンは言いたいことだけ伝えるとすぐに通信を切り、準備に取り掛かる。

 

「んじゃ、行ってくる! フェイトちゃんはここでみんなを頼む!」

「キリン……」

 

 何をするのか、まだ誰にも分からない。 だがキリンに満ちるこの自信は何なのか? その答えを知るのはキリンと……翔次のみ。

 翔次はシャマルの治療を受けながら、弱々しくキリンに問う。

 

「キリン……お前に……できるのか?」

「翔次君」

「お前に……あの()()が見えるのか……?」

 

 翔次は心配をしていた。 疑惑でもなく、ただ心配を。 それをキリンに成し遂げられるのかという、不安を問う。

 だがこの男はいつものように、自信満々に答える。

 

「……分からねえ!」

 

 答えは誰にも出せない。

 

「でもオレはみんなを守りたいし、あいつとの決着もつけたい。 だから、行ってみるしかねぇ」

「……キリン」

 

 キリンはそう言うと、ヘリから外にでて誰もいない空間に留まる。 ちょうど直線上になのは達、さらにその先には黒いローリが見える。

 

 ヘリの中に残ったフェイトが翔次に先ほどの言葉の意味を問う。

 

「翔次……さっきのって……」

 

 もちろん、この男も聞かざるを得ない。

 

「……本当なのか今のは」

「あぁ、心を読んだお前には筒抜けだったな」

「本当にそんな事が可能なのか……」

 

 二人の心を読み、心悟は初めて二人を疑う。 そんな事が可能なのかと、そんな事が今できるのか……と。

 

「『()()()()』に入る……そんな事が本当に可能なのか!?」

「っ!?」

「やっぱり……!!」

 

 驚くシャマル達、だがフェイトだけは一度キリンから聞いたことがある言葉。 『神の領域』に至る方法、あの時聞いた言葉を今やってのけようというのだ。

 

「神の領域……?」

 

 その言葉に当然無限の欲望たるこの男も反応せざるを得ない。

 しかも外ではもう、キリンは実行し始めている。

 

「だりぁあああああああああ!!!」

 

 いきなり魔力を解放し始める。 それも全力で。

 

「ムラサキ・キリンが魔力を放出し始めた……?」

「それが準備だ」

「……前にキリンが言ってた。 『全力を出し、エネルギー尽きるまで全力を維持し続ける。 そうすれば消費した力が神のエネルギーになる』……って」

「そんな事が……ふむ」

 

 今まさにフェイトの言葉通り、外ではキリンが魔力を解放している。 恐らくは全力、自らの肉体が傷付く程の全力。

 だが、誰もが抱く疑問をシャマルが口にする。

 

「……でもそれって、キリン君はできるの? だってキリン君は『無限の魔力』なんでしょ? 全力でだしても魔力はなくならないし……そもそも彼にとっての全力はどういうものなのか誰も知らないのよ? 彼自身でさえ……」

 

 キリン自身も抱いていた疑問。 神の領域に入るためには魔力を使いきならければならない、だがその魔力はなくならない。

 この()()を超えなければ、キリンは辿り着けない。

 

「そうだ……だから不可能だと思っていた……だが今やつにやってもらわなければいけないのもまた事実」

「……それは他のものでも可能なのではないかね? 例えば今ここにいるフェイト・テスタロッサでも行えるのではないのかね?」

「僕も同じ意見だ。 可能なのかどうとか、それ以前に可能性の高い方にかけるべきではないか?」

 

 スカリエッティと心悟の意見は最もである。 だが、それに対するアンサーも翔次にはある。

 

「確かにそうだ……だがこれら全ては拳の言葉からの受け売りに過ぎない。 つまるところ確証はあいつだけが知っている。 つまり……それを信じれるのはあの時一緒に世界を旅していたボクらしかいないということだ」

 

 このか細い希望は全て、在りし日の友の言葉。 信じ切らなければいけない言葉。

 

「文字通りこの場で全てを賭けなければならない……命も覚悟も。 それが出来るのがキリンだけだ。 今この場で、()()()()も背負えるのはあいつしかいない」

 

 拳の覚悟、それは二度となのはと会うことができなくなる覚悟。 拳の言葉を信じるということはそれを全て背負うということである。 それはなのはでは出来ない。 彼女ではあまりに大きすぎる。

 だからキリンしかいないのだ。 今この場で全てにケリをつけられるのはキリンしかいない。

 

「……しょーさんの言う通りだ」

 

 賛同したのは操縦者のヴァイス。

 

「あの人なら出来るって。 先生みたいに俺は頭は良くねぇけど……理屈じゃなくて心で分かる。 あの人なら全部何とかしてくれそうな感じするからな」

「……そうだな」

 

 もはや何が起こってもおかしくないこの状況。 全てはあの男に委ねられた。

 

「頑張れ……キリンちゃん……!」

 

 ヴィヴィオの小さな祈りがキリンに送られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だぁあああああああああ!!」

『マスター! まだまだこんなものじゃ足りないですよ!』

 

 魔力を解放し続けるキリン、それを補助するミョルニル。

 

 だがこの状況で未だに動けずにいるのは外のメンバーである。

 

「(どうする……考えろ八神はやて!)」

 

 はやては思考していた。 キリンの言葉、キリンの行動。 それらを考慮してもどうするべきが彼女には判断しかねる状況であった。

 

「う……」

 

 指示を出す? いやそんな効果的なものなどない。

 

「……ゥ」

 

 何をすればいいのか、思考のループに陥る。

 

 その時であった。

 

「ウィングロード!!」

 

 はやての目の前で飛び出したのはスバル。

 

「スバル!? あかん!! 今のローリはーー」

 

 止めようと、止まって欲しいと手を伸ばす。 だが、止まらない。

 

「止まるな私ィー!!」

「っ!」

「うぉぉおおおおおおおおおおお!!」

 

 全力全開でローリに突っ込む。 そしてその後を追う黒い影が一つ。

 

「しょうがないわねぇ……我が妹は!」

「ギンガ!?」

 

 ナカジマ姉妹、共に突貫。 ギンガはスバルと戦った時に放出していた黒い蒸気を身に纏う。

 

「『黒煙動炉(ブラックコールエンジン)』!!」

「ギン姉!」

「一点集中で行くわよスバル!」

「うん!」

 

 スバルはその右手に魔力を、ギンガは左手に黒い蒸気を集約させる。

 

「リボルバー……」

「ブラックリボルヴ……!」

「「キャノン!!」」

 

 二人の拳が巨大なローリの腹部に激突する。 だが凄まじいのは衝突の際の大きな音のみ。 ローリの身体はピクリとも動いていない。

 

 だがそんなことは百も承知。

 

「うおおおお!!」

「はああああ!!」

 

 すぐさま次の攻撃の準備に取り掛かる。 だがそれよりも早く、ローリの攻撃が届きーー

 

「ーーーー」

 

 ーー届かない。 スバルとギンガの姿はブレた映像のように全身が揺れ、そして消えた。

 間違いなく幻術。 ローリを一瞬誤魔化せた幻術。

 

「……『幻惑の銀幕(シルバーカーテン)』」

 

 クアットロのシルバーカーテンであった。 そして二人をその場から連れ出したのは……

 

「うおおおお! めっちゃ怖かったっすよー!!」

 

 ウェンディである。 ウェンディのライディングボードによって間一髪のところで二人をあの場から避難させることに成功していた。

 そしてそのままナンバーズ達……いやティアナ達やルーテシア達を含めたその場の全員の元へ向かう。

 

「よし、よくやったウェンディ」

「ぶえー! 怖かったっすよーチンク姉〜……頭掠ったっすよマジで!」

「よしよし、でもまだ働いてもらうからな」

「ヒェー……」

 

 涙目になっているウェンディを慰めるチンクの隣でスバルとギンガはシグナムに窘められていた。

 

「馬鹿者、あの場で飛び出すやつがおるか。 それも姉妹揃って……まったく」

「す、すいません……」

「姉として妹一人に行かせるわけにもいかず……すいません」

「……だがまぁ、()()()()

「え?」

 

 シグナムは黒いローリを視界に入れる。 黒いローリはこちらを見てはいるものの、襲ってくる素ぶりを見せない。 理由はシグナム達には測れないが、今はそれがチャンスであった。

 

「あの時、我々の誰一人として動けるものはいなかった。 スバル、お前があの時飛び出して行ったことで我々も足が動くようになった」

「シグナムさん……」

「……さて、何かいい案は浮かんだか? ティアナ」

 

 シグナムの言葉で全員の視線がティアナに向く。 ティアナはそれに気付くが、特に怖気付く様子もなく毅然とした態度で答える。

 

「ハッキリいって、私たちじゃ足止めにすらなりません。 でも、キリンさんが私たちを信じて頼むと言ってきた手前……無様にただやられるわけにはいかない」

 

 ティアナは凛とした声で皆に告げる。

 

「私たちに出来るのは悪足掻きだけ。 でもキリンさんに全てを託すために……1秒でも手間を取らせる悪足掻きをする!」

 

 スバルとティアナ、この二人が最後の悪足掻きを見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 膨張する魔力。 だがそれは必ず限界がくる。 無限の中に存在する有限の領域。

 

「ぐぐっ……!」

『マスター! ダメです、これでは先ほど皆様で砲撃をした時の1400万よりも下です!』

「あ、あの時はあのアイカって子がいたからスムーズだったけど……ぐぎぎっ……!」

 

 やはり限界がある。 キリンとミョルニルだけでは無限の魔力から抽出できる量は決まっているのだ。 これを全力と呼んでもいいだろうが、これではただいつものように魔力を高めているだけである。

 

「も、もっと高めないと……こんなんじゃいくらやっても意味がねぇ……!」

 

 難航している時であった。

 

「キリン」

「っ!? フェイト……ちゃん?」

 

 ヘリの中で待機しているはずだったフェイトがやってきた。

 そして彼女はそのまま魔力を放出すふキリンの方に手を伸ばす。

 

「ダメだフェイトちゃん! またキミの手が……!」

「大丈夫だよ」

『……これは!?』

 

 フェイトがキリンの手を取る。 だがフェイトの身体には以前のように魔力による裂傷や火傷が発生していない。

 思わず目を見開きフェイトを見るキリン。 フェイトは変わらず、優しげな表情で見つめる。

 

「キリンの魔力と私の魔力を同調させて一瞬の防護膜を張ってるの。 これなら私もキリンも、魔力を上げても傷付かない」

「フェイトちゃん……」

『流石フェイト様……マスターの魔法の師匠というわけです。 そして圧倒的正妻パワーというわけですな!!』

「アハハ……」

 

 両手それぞれでキリンの手を握る。 キリンもそれに応えるように握り返す。 二人を中心に金色の魔力が球体のように展開され、二人をスッポリと包み込む。

 

「時間はない、ティアナ達が何とか時間を稼いでくれているみたいだけど、なのはやはやてはもう限界に近い。 私がキリンをリードしながら魔力を開放していく」

「あぁ、一緒に行こうぜフェイトちゃん! 神の領域に!」

 

 金色の球体の中で、キリンの魔力がさらに爆発する。

 

「「ハァァァァァァァァァァァァァァァ!!」」

 

 更なる限界を求めて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すごいね……キリン君の魔力」

「さっきまでも凄かったけど……急に跳ね上がったなぁ……」

「うきゅ〜……」

 

 キリン達よりも少し前にいるなのは達はキリンの魔力の上昇にいち早く気付く。 はやては限界が来たアイカを背中に乗せ、足元に魔方陣を設置してそこに座っていた。 特に一番の疲労と限界が来ているなのははそこにヘタリ込むように座っている。

 

「……すごいやキリンさんは」

「だが……フェイトがキリンをサポートしたとしても、あの黒いバケモノには及ばないだろう」

「……じゃあキリン君は何を……?」

 

 二人が魔力を更なるステージへ上げていく。 その最中を見ていたクロノはカリムの予言を思い出す。

 

「……まさかあの時のカリムの……?」

 

 ーー『天より来たれし稲妻、金色の閃光と交わり、神の扉を開く』

 これはカリムの予言の最後の言葉である。 当時は拳に纏わることだと思っていたが、それはこの土壇場でも起死回生の一手なのだとクロノは気付いた。

 

「……だとするならば、どうやら俺たちはここでキリン達を守らないといけないようだな」

「……だな」

 

 ティアナ達の援護は行えない。 だがその意思を引き継ぎ、必ずキリン達を守ってみせると覚悟する。

 

「……もう、私たちは役に立たないね」

「せやな……さっきのブレイカーで殆どの魔力を使ってもうたし……アイカもこの感じやしな」

「……」

「とにかく今は……ティアナ達を信じよう、なのはちゃん」

「……うん」

 

 力を使い果たしたなのは。 だが静かにその拳を握りしめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 悪足掻きとは、しても意味がないのに焦って無駄な事をすることである。 当然六課の魔導師やナンバーズ達が力を合わせたとしてもキリンを簡単にあしらえる黒いローリには決して届かない。 故に悪足掻きである。

 だからそう上手くいくことはない。

 

「ーーガハッ……!」

「うわああああ!!」

「オットー! ディード!」

 

 一人二人。

 

「アアアアア!!」

「ウーノ!!」

 

 簡単にローリに倒されてしまう。

 

「攻撃が読めない……それどころか魔法による攻撃すら察知することができない……!!」

 

 達人の域にあるシグナムやゼストですら動きの端すら見えぬ状況であった。 それでも動きは止まらない。

 

「ルーちゃん!」

「うん……!」

「『ヴォルテール』!」

「『白天王』!」

 

 二人の巨大な召喚獣。 先ほどまでの戦艦の姿では周りへの被害も考えていたが、今となってはそうはいっていられない。 持てる全てを使わなければいけない。

 

「アギト、また私とユニゾンだ!」

「ったく……しょうがねぇなぁ!」

「スバル! 次は多角面からの攻撃よ! ナンバーズの連中もいくわよ!」

「命令すんじゃねぇ! ……やってやらぁよ!」

「若き竜騎士よ、行くぞ!」

「はい!!」

 

 四方八方からの同時攻撃。 ヴォルテールと白天王の広範囲攻撃の影からスバル、ノーヴェ、チンク、、エリオ、ガリュー、ゼストの一斉攻撃にウェンディ、ディエチ、ティアナ、ユニゾン状態のシグナムによる時間差射撃。

 

「ーーーー」

 

 だがそれもローリには意味をなさない。

 まず始めに攻撃を全て受け止める。 全員の全力攻撃全てを……そして一人ずつ順番に、丁寧に仕留める。

 

「ーーガッ!?」

 

 スバルの首を飛ばさんとするローリの右足による蹴り。 そしてそのまま巨大な四肢を順番に、攻撃をしてきた者へ叩き込んでいく。

 そしてスバル達を腕で薙ぎ払うように振ると、魔力が篭った衝撃の波がスバル達を飲み込み攫い……爆破した。

 

「みんな!」

「ーーーー」

「っ!」

 

 無事に済んだキャロやルーテシア、射撃組にもローリの攻撃が襲いかかる。

 まずは巨大な二体の召喚獣に向かって両手から砲撃を放ち、そのまま飲み込みながら吹き飛ばす。

 

「ヴォルテール!?」

「白天王……!?」

「気を抜くなお前たち!!」

 

 一瞬にしてヴォルテールと白天王を地に伏したことに驚かざるを得ない二人にシグナムが声をかけるも……間に合わない。

 ローリの発した透明な魔力は少しだけ光を乱反射させながら二人の元に辿り着き、爆発する。

 

『ルールー!!』

「クソッ!!」

 

 動揺し視線をキャロとルーテシアに向けていたシグナムがレヴァンティンを構え直した。

 瞬間であった。

 

「ーー何っ!?」

「ーーーー」

『他の……射撃してたやつらがもうやられてる……!?』

 

 ウェンディ、ディエチ、ティアナはすでにローリの攻撃を受けていた。 舞い上がる噴煙の中から落下していく姿を見るに、恐らくは砲撃系統の魔法をくらったようだ。

 

「くっ……! アギトォ!」

『応!』

 

 レヴァンティンに魔力を込め、ローリに斬りかかる。

 そしてその反対方向から凄まじい勢いで突撃してくるザフィーラの姿がシグナムの目に映った。

 

「テォォオオオオオオ!!」

「ぜァァァァァァ!!」

 

 熱く滾る爆炎、白金の輝きを放つ拳。 その二つに挟まれたローリは、何を思うわけでもなくそれを黙って受ける。

 

「ぐっ……!」

「ビクともせんか……!!」

 

 当然のようにダメージはない。それどころかローリは気にせずにその巨拳をシグナムに叩き込む。

 

「ーーゴフッ!?」

 

 咄嗟にレヴァンティンを盾にしていた。 だがそれをへし折りながらシグナムに拳を叩き込んでいた。そしてそのままシグナムを握り取り、ザフィーラを巻き込みながら地面に向けて投げ飛ばす。

 

「ぐっ……この……シグナム! しっかりしろシグナム!」

「……カッ……ァァ……」

「クソッ……ッ!!」

 

 地面に向かって急降下している二人に対し、ローリは手のひらを広げて照準を合わせる。 そして無数の魔力弾を発射する。

 

「うおおおおおおおお!!」

 

 無数に降り注ぐ黒色の魔力弾。 ザフィーラは当然防御魔法を展開したが、圧倒的な物量に耐え切れず破壊され、そのまま地面直撃し降り注ぐ魔力弾をシグナム諸共食らってしまう。

 ユニゾンしていたアギトはシグナムを守るために魔力を回していたが、それもすぐに耐えきれずに終わってしまう。

 ザフィーラ、シグナム、ユニゾンが解けたアギトが動かなくなったところでローリは発射をやめた。

 

 六課はもう誰も残っていない。 シャッハとヴェロッサは撃墜されたメンバーを回収しているので戦う全力とは数えない、よって残っているのはもうナンバーズのドゥーエ、トーレ、クアットロ、セイン、セッテ、そしてギンガである。

 

「あーらあら……これじゃあ全然ローリさんに手こずらせる事ができていないじゃあない……」

「むしろ、何だかわざわざ相手をしてやってる……みたいな感じね」

「その認識で間違いないだろうな……こうして攻撃を行っていない我々に対してはアクションを取っていない」

「ローリ……」

 

 再認識する、ローリの強さと恐ろしさ。 分かりきってはいたものの、匹夫の勇では時間稼ぎすら行えない。

 まだ稼げて30秒程度。 戦闘続行不可能者をだしてこれである。

 

「……まだ、手こずらせる方法はあるわよ」

「あら? もう頼みの六課は全員やられてるわよ?」

「まさか。 うちの妹達があんな簡単にくたばるわけないじゃない」

「なるほど……そういうことね」

 

 だがまだ諦めてはいない。 命をかけることをやめない。

 

「さーて……そろそろ真打ちの登場かな?」

 

 最初に前にでるのはセイン。

 

「セインお前……」

「にひひ……いつもはトーレやチンク姉、ローリに怒られてばっかだけど……今回の戦闘ではイキらせてもらうよ!」

「……OK、援護するわ」

「ありがとファースト!」

 

 セインと共にローリに向かうはギンガ。 セインを前に、ギンガが後ろから黒い蒸気を放出しながら突撃する。

 

「ウィングロード!」

「よっしゃ行くよー!」

 

 突貫する二人の後ろで、クアットロが残ったナンバーズに作戦を伝える。

 

「……セッテちゃん」

「クアットロ?」

「今タイプゼロ・ファーストとセインちゃんが先に時間を稼いでくれている。 私たちもローリさんの時間を稼ぐ……その時の少しの時間で、ローリさんを思いっきりぶっ叩いてくれるかしら?」

「……!」

「……あら? それって私達も手伝う感じ?」

「当然ですわ、ドゥーエ姉様。 トーレ姉様もですわぁ」

「うえぇ……マジ? さっきの時間稼ぎだけで私のスペックの限界だったんだけどぉ……」

「諦めろ。 どの道ここは……命の瀬戸際だ」

 

 どれだけの打撃を与えても、どれだけの魔法を放っても、今のローリには攻撃にすらならない。 だが、クアットロは学習した。 人間の持つ力を。

 

 それに全てを託した。

 

「さぁて……行くよローリ!」

 

 すでにセインはローリに接近している。 そのセインをすでにローリは視認している。

 当然、敵意を持って向かってくるセインに対し、その巨大な拳を放つのだが……

 

「ーー『ディープダイバー』」

 

 すり抜ける。 いや、すり抜けた、と言った方が正しい。 セインの固有能力、ディープダイバーは無機物に潜行する能力。 レリックではあるものの、無機物100%であるゆりかごと同化したローリも当然無機物100%。 こうなってしまっては速度は関係なくなる。 意外や意外、セインはローリに対しての答えの一つなのである。

 

「ーーーー」

「ビックリしたね……機械だからビックリするのかは知らないけど、今が隙になってるのは事実だよね!」

 

 当たったわけでもなく、すり抜けたローリの攻撃は明らかな隙となる。 一瞬の隙ではあるが、今のギンガならば十分。

 

「ブラックリボルヴキャノン!」

 

 黒い蒸気を纏った拳がローリの胴体部分の中心に直撃する。 だが当然効きはしない……だがそれでいい。

 

「ふっーー」

 

 ローリからの攻撃をセインがギンガを掴む事で『すり抜ける』。 そして潜行し、ローリの背の方から出る。

 これがセインだからこそできる、少人数になったからこそできるとっておきの作戦。 ティアナが託した作戦の1つである。

 

「ブラックリボルヴ……!」

 

 ローリの背に向けて放つ、第二の攻撃。

 

「ガトリング!!」

 

 両手によるラッシュ。 黒い蒸気を纏っている今のギンガであれば少しの時間に数十発の拳を放つことは容易。

 そして再びセインによる潜行。

 

「私たち案外良いコンビかもね、ファースト」

「違うでしょ、私の名前はギンガよ。 そう呼んでくれるなら考えてあげてもいいわ」

「そういうことなら……次は顔面にでるよ、ギンガ!」

「分かったわ!」

 

 ローリの顔面部分から出てくる二人の影。 ローリはまだ動いてないように見える。 そしてギンガの用意している攻撃は、両の足。

 

「ブラックリボルヴ……バリスタ!!」

 

 ドロップキックのように、引き絞った両足でローリの顔面を蹴り抜く。 だがここで異変に気付くセイン。

 

「……何これ……光ってーー」

 

 自分達の目の前に広がっている小さな光の粒子。 いくつもの光がギンガとセインの目に映り……爆ぜる。

 

「ーーガハッ」

 

 ギンガに顔面を蹴られるよりも早く、ローリが目から発射していた。 一つ一つが強力な魔力の塊であった。 その爆発を防ぐことも予期することもできなかった二人はそのまま噴煙の中から地に落ちる。

 

 その時であった。

 

「ハァァァァァァ!」

「ッ!!」

 

 噴煙の奥からトーレとセッテが突貫していた。

 しかし余りにも分かりやすい攻撃はいとも容易くローリに落とされる。

 ローリは右腕を上げ、そして下に向けて振り下ろす。 その瞬間、巨大な魔力波が二人を襲い、まるで重力に絡まれたように動くことができずにそのまま地に落ちる。

 

「くっ……ガッ……! 魔力だけで我々を動けなくして地面に落とすとは……!」

 

 そして落ちていく二人に向かって左手から魔力弾をそれぞれに放つ。 動けない二人はそれを受けるしかなく……

 

「でもこれで……」

 

 だが。

 

「ーー可愛い妹への道は作れたわ……!」

 

 セッテだったはずのその姿がドゥーエに変わった所で着弾、爆発する。 そう、陽動であった。 何故? それは全てセッテのため。

 

「ローリ!!」

「ーーーー」

 

 ローリの顔の近くにセッテが現れる。 クアットロのシルバーカーテンによる認識阻害、ドゥーエの変装能力とトーレの捨て身の突貫を合わせた三人によるセッテのための道。

 

「ローリ! 私だよ……セッテだよ!」

「頑張って……セッテちゃん……!」

 

 クアットロにはある仮説があった。 何故、ローリはゆりかごから普段のローリの姿を模したのか? それはどこかデータの中で未だローリの意識データが消えていないからなのではないか? そう仮説した。 でなければ現にあのような人の形をしているメリットなどない。

 だとするならば、そこにローリを救う活路があるのかもしれない、と。

 

「私……ローリともっと一緒にいたいよ……もっとみんなと一緒にいたい。 ローリが死んじゃうなんて……私は嫌……イヤ!」

「ーーーー」

「ローリ……私ね? ローリのこと、好きだよ。 ずっと一緒にいたいの……私は……」

 

 セッテの呼びかけで、ローリが何のアクションも起こさない場合、それはもはや手の施しようのない事実が現実となる。

 涙を流し、ローリに言葉を伝えるセッテ。

 

 だが……

 

「ーーーー」

 

 ローリはその目を赤く光らせる。

 

「……ロー……リ……」

 

 そして、赤い閃光がセッテを撃ち抜く。

 

「セッテちゃん!」

 

 赤い閃光の中から力なくセッテが落ちていく。 目尻に涙を浮かべ、共に落ちていく。

 

「ローリさ……うっ……うっ……うああああああああ!」

 

 セッテの姿を見たクアットロは弾けるようにローリに向かう。

 

「ふざけるな……ぶっ殺してやる!!」

 

 激情の魔力弾。 を放つ前にローリの巨拳に捕まる。 両手ごと掴まれたクアットロは無力にもがくしかない。

 

「クソッ……ふざけるな……セッテちゃんの言葉すら……届かないっていうの!? ふざけるなぁぁぁ!!」

「ーーーー」

 

 クアットロの言葉にもアクションを見せないローリは、クアットロを地面に向かって投げ飛ばし、追撃の魔力弾を放つ。

 眼前にまで迫った攻撃を前にクアットロは何もできず……

 

「ーーバカ

 

 そのまま爆発に包まれる。

 

「ーーーー」

 

 これで空に佇むのはローリのみとなった。 遠くの視界に映るなのは達、そしてその奥にいるキリンとフェイトを確認しーー

 

「ーースバルゥゥゥゥ!!」

「うおっしぁぁぁぁぁぁぁ! ウィングロード!」

 

 まだ、終わっていなかった。

 

「ランスターの弾に……私の弾に……!」

 

 やられていた。 だが、それも作戦の内。 やられても気合いと根性で立ち上がり、全員がやられた所で最後の悪あがきをする。 スバルとティアナというコンビだからこそできる、『悪あがき』。

 

「私達の思いに、撃ち抜かないものはない!!」

 

 銃口から発射されるティアナの魔力弾。 そして共にウィングロードを走りローリに向かうスバル。

 

「ーーーー」

 

 だがローリはそれを冷徹に対処する。 まずは狙撃手であるティアナから。

 手の平から赤い魔力弾をティアナとティアナが撃った弾目掛けて放つ。

 

「……ニッ!」

 

 だが、ティアナの弾は動ける。 渾身の一発はローリの魔力弾を避け、スバルの元へ。 その代わり、ティアナはローリの攻撃に直撃する。

 

「あとは任せたわよスバルーー」

 

 地面が大きく光り、揺れる。 だがスバルはもうそちらを向かない。

 

「任せて!」

 

 ローリの前まで来たスバルは拳を強く握り締め……構える。

 

「これが私とティアナと……みんなの思いを込めた……一閃!」

 

 スバルは照準を……ティアナの弾に合わせる。

 そしてその弾の、本来なら雷管部分に当たる場所に、渾身の一撃を放つ。

 

「リボルバーシュートォォォォ!!」

 

 放たれた最後の弾丸。 ティアナの頑強な弾にスバルのリボルバーを合わせた拳と弾の合わせ技。

 

「ーーーー」

 

 ローリは右手でティアナの弾を受け止める。 握りつぶすことが簡単なサイズ差、だのにローリはそれを握りつぶすことができない。

 

「うおおおおおおおおお!!」

 

 弾丸を拳で押し続けるスバル。 持ちうる全ての力をこの瞬間に込める。

 

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ーーーー」

「アぁっ!!!」

 

 そしてついに……その拳が、ティアナの弾が、これまでの皆の思いが。

 ローリの右手を撃ち砕く。

 

「……ニッ」

 

 これまで無駄と思われていた皆の攻撃。 そんなことはない。

 ダメージが現れないだけであって、ダメージそのものは確実に蓄積されていた。

 そしてそれをスバルの拳とティアナの弾が撃ち抜いた。 これでようやく一発ではあったが……これほどまでにないくらいの悪あがきが成就した。

 

「ーーーー」

 

 だがこのローリという存在はそんか感慨深さすら意味がない。 砕かれた部位から無数のワイヤーを伸ばし、すぐに分離したパーツを繋ぎとめ修復し、強化する。

 鋼鉄の冷徹さ、今一度スバルに見せつける。

 

「……クソ」

 

 小さく悪態をついたスバル向かって放たれる右の拳。 避けることもできない拳に打ち抜かれたスバルはそのまま吹き飛び、なのは達を横切り、キリン達を横切り、ヘリを横切り……後方にある山にぶつかり、そのクレーターの中心でようやく止まった。

 

 これで、前線にでていた全員が戦闘不能になってしまった。

 

「ーーーー」

 

 次の標的は、なのは達。

 




次回、ここにあまねく全ての正義に、今その覚悟を問う。

今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。
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