だって他所の作品パクろうとしても、なのはが頭冷やそうしてる時いつもなのはにキレてんですもん! おかしいですよカテジナさん!
7話
「警備任務か……」
「ホテル・アグスタ……? アレか、新種のラブホか」
「違うだろ!!」
オークション会場の警備、それが今回の任務だった。 別段通常のオークションならばわざわざ機動六課が出張る必要はない。 だが今回の出品の中に『ロストロギア』があるのだ。 かつてひと騒動があった『ジュエルシード』もロストロギアの一つであり、当然強力な力があった。 だがロストロギアだからといって全てが危険というわけではない。 当然合法扱いの物もある。
だがそれでもロストロギアは強力なパワーを持った存在。 そのパワー反応をレリックと勘違いしたガジェット達が強襲してくる可能性が大いにある。 そのために機動六課が出動したのだ。
「……にしてもやっぱりズルイよ三人とも」
移動中のヘリの中、一通りのブリーフィングを終わらせた所で不満の声を出すのはキリン。 そしてキリンが指している三人とはなのは、フェイト、はやてのことだ。 三人はいつもの制服ではなく煌びやかなドレスを纏っている。
「ブーブー! オレも着たかったのにな!!」
「えぇ……あかんやろそれは」
「なんでや! めちゃくちゃドレスアップする気だったのに!」
キリンが不満なのは、自分だけドレスが着れなかったことだけだ。(?) ……当たり前なんだよなぁ。
「ふざけんな変態、お前がドレス着たら……着たら……大体の人間が騙されそうだな」
「確かに……」
「じゃあいいじゃん! 今からでも着替えられるからくれよ!」
「いや何もよくない」
因みに三人がドレスを着るのは中の警備を担当するためである。 そしてそのほかは外の警備担当。 別にキリンがドレス着る必要など皆無である。
「もぅキリン、ワガママ言っちゃダメだよ?」
駄々をこねるキリンを諭すフェイト。 その扱いは完璧に子どもと一緒である。
「だってフェイトちゃん……そのドレス綺麗じゃん?」
「うん」
「なら着たいじゃん?」(?)
「うん、その発言だけは同意するけどキリンに対しては同意しないよ?」
「なにゃ!?」
「あー、ならこの任務終わったら私の貸してあげるから……」
「フェイトちゃんの着たら胸元がガバガバになるだルルォ!?」
「嫌味かフェイトちゃん!!」
「えぇ……はやても同調するんだね……」
その後、キリンの採寸をちゃんと測ってドレスを注文することが決まった。 当然その費用は経費では落ちず、ひっそりとキリンの財布が軽くなっていた。
「はぁ……」
外での警備、キリンと翔次は二人で待機している中、翔次は一人深いため息をつく。
「どったのよ翔次君? そんなナーバスな表情浮かべちゃって」
「……お前は原作を知らないからいいことだが……ボクは知っているから複雑なんだよ」
ホテル・アグスタに六課一行が来るのはアニメの7話に該当する。 もちろんそれを把握しているのは翔次と本部に残っている心悟のみ。 そしてここから先の展開を知っているからこそ、翔次はため息をついていた。
「ホント……あぁ……どっちなんだろうな……」
「どっち?」
「テレビ版か……DVD修正版か……個人的には修正版の方がいいんだがなぁ……」
「……作画の話?」
「違う……いやそうなんだが……」
翔次がため息をついているの理由は後に分かることだ。 だから今はキリンには何も言わなくていいと考えていた。 だがあの「作画崩壊」と言われる事もある例のアレをナマで見るのはキツイと思っていた。 そんなわけで一人でテンションを下げていた。 そしてそれを不思議そうにキリンが見ていた。
「管理局の白い悪魔がぁ……」
「……?」
ティアナはスバルと場所を分けながら巡回をしながら、一人六課での自分の立ち位置について考えていた。
(さっきスバルと念話で話していたけど、うちは確かにおかしい。魔力Sランク越えが一人や二人どころの話じゃないし )
機動六課の人員のほとんどははやての人脈によって構成され、ほとんどの人間が、その道のプロフェッショナルと呼んでも過言ではない。 そして同じ新人達も並の実力とは言えない。 まだ子どもながらにBランクのエリオ、竜を使役するレアスキルを持つキャロ、荒削りながらも凄まじい成長を続けるスバル。 共に任務をこなす仲間としてとても頼もしく思う反面、ティアナは自分の実力を比べてしまう。 それも悪い方向に。
(私だけ何も持っていない、凡人、圧倒的格差、だけど私だって力はある! 誰にも負けない力と技術がある! それを証明する!)
他の新人達とは違う空気を持ちながら、ティアナは一人心を燃やしていた。 そんなティアナの元にガジェットの登場を告げるアラートが。
「っ! 来た!」
『ティア、今のアラートは……』
「ブリーフィングで言ってたガジェットの接近で鳴るやつよ! 打ち合わせ通りフォワードで固まるわよ!」
ティアナはフォワード達と連絡を取り、すぐに合流し警戒する。
(来るなら来なさい!)
同時刻、キリンの元にもガジェット襲来の通信が来ていた。 デバイスどころか魔力を有さない翔次はキリンが連絡を受けてから状況を知ることになる。 ガジェットの襲撃があった際、キリンは隊長陣の誰かの元に合流し、翔次はフォワード陣と合流する予定になっている。
「キリン、ボクは行っている……キリン?」
「…………」
翔次が声をかけるが、キリンは周りに広がる森の中の一点のみを見つめていた。
「…………」
「おいキリン、さっさとお前も移動しろ」
「……そいつは出来なくなっちまったなぁ」
視線を動かさずにキリンは隊長陣と連絡を取る。
『おいどうしたムラサキ、何かあったか?』
「いやぁ……ちょっと熱烈な視線を向けてくる奴がいてな。 せっかくだから挨拶してくるよ」
『何? 魔導師か?』
「さぁ? 少なくとも……一般人じゃあないな」
ガジェットの登場と共にキリンは気付いた、自分に向けられた謎の視線に。 まるでこちらを観察し解析するかのような熱い視線。 キリンはその視線の主を確かめる気なのだ。
『……確かに気になる事だが、オメーの役割はあくまでここの警備だ。 深追いしてやられました〜、何てマヌケなことすんなよ』
「うっす!」
通信を切りミョルニルを機動させる。 どんな相手なのか、どれほどの手練れなのか分からない現状、警戒するにこしたことはない。
「……自分の実力を理解しているなら、やられる前にさっさと逃げろよ」
「もちろん! 二人はして学んだことだろ?」
「分かっているならいい……ボクは行くぞ!」
翔次はフォワード陣との合流地点に向かう。 「逃げる」、それは二人が色んな星を巡った経験から基づく戦場での心構えである。 叶わぬ相手に食い下がる必要はない、無理をして強敵と戦う必要はない、背を向けることは何も恥ずべきことではない。 何よりも自分達の命を大事にする、それが二人の戦場でのルールだった。
「……ミョルニル、行くぞ」
『了解ですマスター!』
キリンは電光となり、視線を送る主の元に飛ぶ。 木々の間を抜けて少し開けた場所にでる。 そこには……
「……気付かれてた?」
「疾いな……」
「おっさんと幼女……?」
一人は艶やかな紫の少女、もう一人は黒衣の騎士。 騎士は老いた風貌ではないが、貫禄のある佇まいでキリンに視線を送る。 対する紫の少女は好奇心ににた視線でキリンを見ている。
「ん〜あんただろ、オレに熱烈な視線を送って来たのは」
キリンは騎士の男を指差す。
「……そうだ、よく気付いたな。 隠密に徹していたと思っていたのだがな」
「女の勘ってやつよ」
「?」
「あ、これスルーでお願いします……」
「おかしな奴だ……だが奴が警戒する理解はまだ分からんな」
「……奴?」
男の口から出て来た第三者の存在。 それを説明してくれるのは男ではなく少女の方だった。
「『ドクター』が言っていた。 貴方はこの世界でも奇妙な存在だって」
「アーハーン? 『ドクター』だと? もしかしてそれって……ジェイ、ジェイ……ジェイソン・ステイサムだっけ?」
『ジェイル・スカリエッティですよポンコツマスター』
「そうそうそれそれ、フェイトちゃんが言ってたやつよ!」
『そろそろ名前をちゃんと覚えましょうよ……』
『ジェイル・スカリエッティ』。 それはキリンがフェイトから聞いたとある人物の名前である。 かつて自分の母親が手を出した禁断の人体生成、『プロジェクトF』の基礎を作り上げたのがジェイル・スカリエッティなのだ。 またジェイル・スカリエッティは今回のガジェット関連の事件全ての主謀者とされている。 フェイトが任務でも個人的にもずっと前から追っていた人物なのだ。
「そのジェイル・スカリエッティって奴を捕まえないといけないからさ、場所とか教えてくれるとお姉さん嬉しいんだがなぁ」
「やだ」(即答)
「あ、そっかぁ……」(予定調和)
どうやらこの二人組はジェイル・スカリエッティと協力関係にある可能性が出て来た。 そんな二人がキリンを見ていた理由、それはもう明白だ。
「……大方オレのパワーを計測、ないしは確かめる為にあんな熱烈な視線を送っていたのな」
「その通り……だと言わせてもらおう」
「なるほどなるほど……」
先程からキリンに敵意の視線を送っているのは男のみ。 少女はむしろキリンに興味があるのか好奇の眼差しで見てくる。 だがキリンにも任務があり課せられた役割がある。 ここは適当にあしらい元の持ち場に戻るのが吉……
「見たけりゃ見せてやるよ!!」(豹変)
「ッ! 下がれ『ルーテシア』」
「……うん」
突然全身に稲妻を纏うキリン。 魔力を解放し臨戦態勢に入る。 それに反応し男は槍を携え「ルーテシア」と呼ぶ少女を後ろに下げる。
「ルーテシアは下がっていろ」
「でも……ドクターの手伝いもしたい」
「……なら余波の当たらぬところにいろ」
「うん、負けないでね」
騎士は槍を前に突き出す。
「我が名は『ゼスト』、尋常に勝負することを望む」
「お、ならオレはキリン。 取り敢えずあんたをぶっ飛ばしてから話を聞くわ!」
キリンも呼応するようにミョルニルを前に出す。 まるで騎士同士の果し合い。 この正当なる果し合いを見ているのは紫の少女だけだ。
『(マスター、分かっていると思いますが……)』
「(わーってるよ、このおっさん……ゼストのおっさんは強い)」
『(だったら早めに見切りをつけてくださいよ?)』
「(そりゃムズイな、だってオレは……)」
キリンはミョルニルを片手で回転させ、背負うように持つ。
「(目の前のガキを見逃すなんて出来ないからな!!)」
キリンはかつて孤児院にて働いていた。 だからなのか、それとも元々なのかは分からないがキリンの中で子どもを前に退くという選択肢は決して生まれない。 それはキリンの生き方と言っても過言ではない。
『(はぁ……ならさっさと倒しますよ!)』
「(頼りにしてんぜ相棒!)」
ミョルニルは諦めたように息を吐き、覚悟を決めてキリンと戦うことを決める。
「…………」
「…………」
お互い身を低くし仕掛ける準備をする。 キリンは目を見開き小さく口を開けている。 脱力、もっとも自然な姿勢で睨み合う。 そして動き出したのはゼストの方だった。
「ハァァァァ!!」
繰り出される突き。 その槍の先端が触れる前にキリンはミョルニルで槍を撃ち落とす。 だが一つでは終わらない。
「セァアアアアア!!」
「うおっ!?」
突く。 突く。 突く。 激しいラッシュがキリンを追い詰めていく。 どれだけ槍を叩き落とそうと、それを上回る程の速度で打ち出せば徐々に防げなくなる。
「ハッ!!」
「何ッ!?」
放たれた突きを弾こうと振り下ろされるハンマーの頭部目掛けて、突きではなく切り上げを行う。 柄の部分と頭部の絶妙な直角に刃を入れる事でミョルニルは綺麗に弾かれる。 よってガラ空きになった身体、ゼストは深く腕を引き、強烈な一撃を放つ。
「やられるか!」
槍の先端が腹部目掛けてやってくる。 それをキリンはミョルニルを持っていない左手で掴み取る。 手の平に魔力を帯びることで手が斬れることはない、よって止める事が可能。 流石に片手で止めることは容易ではないが、余りある魔力で身体を強化しそれを実現させた。
「くっ……受け止められただと……!?」
「うぎぎぎ……そんで……ガラ空きになったあんたを…………ぶっ叩くのさ!!」
右手に握られているミョルニルをゼストの頭部目掛けて振り下ろす。 だがゼストは意趣返しのように左手でミョルニルの柄を掴み止める。
「グッ!」
「……ッ!」
お互いがお互いの武器を受け止める、まるで鍔迫り合いの様に小さく揺れ合う二人。 一瞬足りとも力の抜けないこの近接距離で二人はさらに力を込める。
「ッツァァァァ!!」
「イデ!?」
ゼストの方がやや押す力が上だったか、それを止めるためにキリンの左手はさらに力を込める。 だが自らの握力のせいで刃は魔力の壁を突き抜け左手を傷付ける。
「どうする!? このままだと左手がズタボロになり、やがてこの槍が貴様を貫くぞ!」
「うぐぐぅぅ……! だったら……こうすりゃいいんだ!」
「ッ!!」
キリンが放ったのは頭突き。 自らの額をゼストの鼻っぱしに突っ込む。
「……鼻が……!」
凄まじい音に寡黙な少女も思わず声を出す。 今はバリアジャケットによって守られていたために痛みだけで済んでいるが、本来なら鼻の骨が折れ、濁流のように血が流れていただろう。 だがそれでも痛みはゼストの力を緩めることになる。
「オォォォォラァァァ!!」
「ぐっあ!?」
キリンはゼストを蹴り飛ばす。 身体をくの字に曲げゼストは空中に飛ばされる。 すぐに体制を立て直すも眼前にはすでにキリンの次の手が。
「デバイスを投げた!?」
追撃。 ではないとすぐにゼストは気付く。 「これは囮なのだ」、すぐにそう思った。 だが魔力を帯びているそれは何をしでかすか分からない。 ゼストはどこかに弾くのが一番だと思い自分の真上に弾き飛ばす。 だが……
「ツォリャァァ!!」
「!?」
キリンが生身で突撃していた。 再び腹部への攻撃、左膝を叩き込む。 そして間髪入れずに身体を捻って回転させ、地面に向かって蹴り落とす。 まるでサッカーのオーバーヘッドキックのように。
「ゼスト……」
地面にクレーターを作りながら叩きつけられる。 その衝撃はバリアジャケットによって軽減はされているものの、確実にゼストにダメージを蓄積している。 そしてキリンはミョルニルを回収し、ダメ押しの如く追撃を行う。
「そして追撃を食らっとけ!!」
「ッ!!」
まるで大車輪のように高速で回転しながらゼスト目掛けて落下する。 その衝撃はクレーターをさらに巨大化させる。 だがその中心にはキリンしかいない。
『マスター上です!!』
「ーー遅い!!」
綺麗に躱していたゼストはキリンの真上から槍を突き刺そうとしている。 恐るべき回避能力。 これは何度も戦闘を経験した者が行える回避行動、並みの魔導師には難しい。
「…………ニッ!」
「……何?」
だがこのキリンという人間もまた、並みの存在ではない。 地面に打ち付けたミョルニルを中心に黄色の円が広がる。
「ーー『
黄色の円から雷が上空に向かって伸びる。 それはまるで雷の柱のように地面から生える。 まさにそびえ立つ柱、天に向かって揺れることなく佇んでいる。
「驚いたなぁ、今のを避けるんか」
「……」
雷の柱が消えるとキリンは上空で攻撃から免れたゼストを確認する。 どうやら紙一重のところで躱したようだ。 ゼストのバリアジャケットの端のところが黒く焦げていた。
「……恐るべき戦闘能力だ。 デバイスに頼らず、己の肉体すらも武器にし、恐れず向かってくるその姿は管理局でも中々見ないぞ」
「……大したダメージを受けていないのにベタ褒めされてもなんだかなぁ……」
キリンは未だ余裕を崩さないゼストを見て思わず笑う。 シグナムやヴィータレベルの力を持っている相手なのにどうしてか頬が緩んで仕方ない。
「なぁ〜〜んかさぁ〜〜…………燃えてきたぞ…………!!」
「ふっ……」
キリン、今日初めて出会った強敵相手に、まるで絶世の美女と出会った時と同じ興奮を感じている。
村咲 輝凛、御多分に洩れず強敵との戦闘を心から楽しむのであった。
次回もホテルです。 次回は翔次君達がメイン……になるといいよね!(希望的観測)
そういえばホテルの回の作画酷かったなぁ……シグナムのシーンとかはやてとヴェロッサの絡みのシーンとか。
今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。