『謎の白黒ヒーロー現る!?』
『その名はゼブラーマン!!』
「これは一体どう言う事かしら?」
オカルト研究部に入って暫く経ち、市川も様々な事を一誠とこなしていた頃。新聞と共に彼は部長に呼び出されて開口一番そう言われたのだった。
「...す、すいません」
「謝らなくて良いわ。私が聞いているのは、何故こんな目立つ様な事をしていたのかと言うことよ」
謝らなくて良いと言われても、目の前にいる部長は相当ご立腹の様で寧ろ謝る以外やりようがないのだが、そんなことを言えば恐ろしい目に遭うといじめられっ子の本能が告げていた。
「そ、それは...誰かが助けを求めていたからです...」
悪魔として、転生した彼は誰よりも一生懸命に稼業に取り組んでいた。それは目の前の部長もわかっている。だがそれとこれとは話が別だ。
「良い? 今回はたまたま貴方の素顔は仮面で隠れていたから一般人に正体がバレる事はなかったけど、もし貴方の正体がバレれば...」
少なくとも彼の平穏は終わりを迎えてしまうだろう。嫌、もしかしたらオカルト研究部の皆にまで迷惑を掛けてしまうかもしれない。その事を想像した市川は自分が如何に軽率であったかを理解した。だがそれでも彼は納得は出来ない。
「ですが、僕には見捨てるなんて真似は「それだけじゃないわ」部長...」
それはオカルト研究部部長...否、グレモリー家次期当主としての言葉であった。
「今回は下級はぐれ悪魔だったから良かったものの、新二君...貴方はまだ戦いにおいては未熟なの。貴方の主人として、眷属を死なせるなんて真似は出来ないわ」
リアス・グレモリーは眷属に対する慈愛が深い悪魔である。故に今回の件で彼女は市川の事を心配していたのだった。その言葉を聞いた市川はハッとなって、頭を深々と下げながら一泊おいて謝罪の言葉を告げる。
「すいませんでした」
そして部室を後にするのだった。
「...はぁ。私もまだまだね...こんな時、兄様だったらどんな言葉を投げ掛けるのかしら...」
自分以外誰もいない部屋で、彼女はそう呟くのであった。
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「はぁ...」
「そんな落ち込むなって。部長だってお前の事を心配してたんだから」
それはわかっている。確かに一誠先輩やリアス部長が言っている事は至極最もである。だけど、だからといってどうしても納得が出来なかった。
「先輩...」
そう思いながら一誠と共に散歩をしていた新二。夕方ということもあり日の赤い光が二人の姿を照らしていた。彼らが公園内にて散歩して暫くした頃、見慣れない女性が盛大に転んでいる現場を発見する。
「「大丈夫ですか? (大丈夫か?)」」
「はぅぅぅ...あ、ありがとうございます」
その少女は思わず見惚れてしまう程綺麗な金色の髪をたなびかせながらおずおずと立ち上がる。その姿に市川は少し頬を赤らめ目を逸らし、一誠は表面上こそ平静を装っているものの内心ではやましい心で一杯であった。
「い、いえ...所でどうかしたんですか?何か困っている風に見えていたので...」
「あぅ...それが...実は...」
そう、市川は金髪の少女(格好からして恐らく聖職者?)に話しかけた。
極度の人見知りで人と話す事も余り出来なかった彼だったが、オカ研に入った事によりそんなことは無くなった...というかならざるをえなかった。何せ彼は稼業をする際、基本的に一誠と共に行動しているのである。つまりは魔法少女...だと思われるナニカにも会ってるわけで...
「(なんだろ...アレに比べたらなんか...自分の悩みがちっぽけになって来て...)」
「おーい、新二? 置いてくぞ」
その事を思い出して遠い目をしていた市川は、一誠のその一言によってハッとなるのだった。
「あわわわっ!? 待って下さい先輩?!」
「(なんだろう...物凄い親近感...)」
金髪の少女はそんな市川の様子を見て内心でそう呟くのであった。
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「しっかし優しい力を持ってるんだな〜、アーシアさんは」
「私の力ではありません。主が私に与えて下さった力なのです」
彼らが言っているのは少女の能力についてだ。彼女の目的地である教会へ二人が案内している道中子供が転んで擦り傷を負ってる現場に出くわした。それを見た少女はすぐさま子供の元へと駆け寄り子供の傷を治してしまったのだ。
彼女にとってこういう事は日常茶飯事であり、生き甲斐なのだろう。その証拠に、彼女は屈託のない笑みを浮かべている。そんな笑顔を見て二人もほっこりする。なんとも穏やかな空気がこの場を埋め尽くしていた。
「「っ!?」」
だが、そんな穏やかな空気も突如終わりを迎える。一誠と市川の全身を鋭い痛みが襲いかかって来たのだった。まるで身体が焼けるような...
「あ、あそこです! 二人ともありがとうござい...大丈夫ですか?!」
「あ、ああ。大丈夫。なんともないよ」
「大丈夫...です」
その様子を見て少女は心配するが、二人はいらぬ心配をかけまいと笑顔でそう言い放つ。男には、女に絶対見せてはいけない顔があるという事を二人は若いながらも知っていたのだった。
「そうですか...もし本当に気分が優れなくなりましたらいつでもこちらへ来て下さい。私が治して差し上げますからね!」
嗚呼、この笑顔は癒されてしまう。二人は全く同じことを心の中で呟いてしまうのだった。
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翌日、二人は部長に説教をされていた。理由は言わずもがな、悪魔が教会に近付いた件である。
「さて...一誠はともかく、新二君? 私は昨日なんて言ったから覚えてるかしら?」
部長の余りの剣幕にその場にいる全員が冷や汗を流している。当然それは市川も例外ではなく...
「皆を心配させるような真似はしてはいけない...です」
「わかってるのならいいのよ、わかっているのならね?」
「「ひぃっ!?」」
彼女の説教が終わる頃には、市川と一誠の精神(ライフポイント)はゼロを振り切りマイナスまで下降していったのだった。
To be continued...