ハイスクール白x黒   作:執筆使い

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今回は一誠中心で話が進みます(主人公が全身筋肉痛の為)


第6話

 依頼者がいるであろう一軒家へと入る一誠。だが、人の気配が全くしない事、鍵がかかっていない事を不審に感じていた。

 

 

「無用心...いや違う。何かがおかしい」

 

 

 こういった事に余り慣れていない彼もこの雰囲気の異常さに気付いた様だ。そして先程から鼻に付く匂い...自分はこの匂いを知っている。それもごく最近...

 

 

「...考えても仕方ねぇ。開けるぞ」

 

 

 ガチャリ、と扉を開けた。彼を待ち受けていたのは...

 

 

「なっ!?」

 

 

 想像を絶する光景であった。確かに依頼者はそこに居る...見るも無残な死体として。元々なんの変哲もなかった彩りは彼の真っ赤な血で染めあがっていて、一際目立つインテリアとして依頼者の死体が目立つところに置いてある。知っている匂いの筈だ。これは人が殺されたときの匂い、自分が死んだとき嗅いだ匂いと同じだったから。

 

 

「一体どうなって...っ! 誰かいるのか?!」

 

 

 その光景を見て一瞬戸惑った一誠だが、別の気配が近付くのを感じその方向に声を荒げて叫ぶ。

 

 

「...やぁ〜! やぁ〜! こーれは、悪魔君ではあ〜りませんか!!」

 

 

 目の前に現れたのは白髪の男性。左手に拳銃、右手に剣?(刀身が見えないのでなんとも言えない)を持っていることから、この殺人現場を作り出したのはこの男であろう。それに気付いた一誠は彼を睨みつける。

 

 

「...前が」

 

 

「ん? どした? 悪魔君?」

 

 

 一誠は震える。左手に赤い籠手を纏い握り拳を作り出す。

 

 

「お前が殺したのかよ!! この人を!!!」

 

 

【Boost】

 

 

「なっ!? ちょま」

 

 

 瞬時に間合いを詰めて左拳で殴りかかる。彼は怒りに震えていた。どんな理由があれ、決して人がやってはいけない事が一つだけある。目の前の男はそれをやったのだ。

 

 

 バキィッッッッ!!!

 

 

 渾身の一撃が白髪の男性に突き刺さる...ことはなかった。刀身のない筈の剣から光が発生し、一誠の拳を受け止めている。

 

 

「なーんちゃって♪ 俺が殺したって言った? 悪魔君...せいか〜い! その通り!! 俺が殺っちゃいました〜!!! だってこの人悪魔を呼ぶ常習犯みたいだったし、殺すしかないっしょ?」

 

 

 その態度、喋り方、殺人を犯した動機を聞き更に一誠の怒りが増す。光の剣に触れていることなどお構い無しに思い切り拳を食い込ませる。

 

 

「ぐぅぅぅ...て、めぇだけは...」

 

 

「おいお〜い。そ〜んな事しても無駄無駄〜。神器ごしとはいえクソッタレな悪魔である君が光の武器に触ったらどうなるかぐらい...わかるだろ?」

 

 

 そう言って空いた手で銃口を向ける白髪の男性。一誠は為すすべもなくその銃口に視線を向けていた。

 

 

「俺はフリード・セルゲン! とある教会に所属している末端の悪魔払いでございま〜す! あ、君は名乗らなくて良いよ。どうせ俺に殺されるんだから! という訳で」

 

 

 引き金を引く為人差し指に力を入れ始めるフリード・セルゲン。その際に浮かべるその笑みは吐き気を催す程の醜悪さであった。

 

 

「グッバイ! 悪魔君!!」

 

 

 だが一誠も右手で銃口を掴み無理矢理軌道を逸らそうとする。光の剣の所為で全身の力が抜けているが、所謂火事場の馬鹿力だろうか。

 

 

【Boost】

 

 

 竜の手の倍加能力をもう一度発動させてある意味限界以上の力を開放する。そして右手で銃口を掴んだまま持ち上げつつ

 

 

「さ、せるか、よぉ!!」

 

 

 背負い投げを決める。流石の彼もこれには堪えたらしく肩で息をしながら表情を歪め、仰向けに横たわる。

 

 

「悪魔の癖に...中々や〜るじゃないですか」

 

 

「ぜぇ...ぜぇ...ぐっ?!」

 

 

 だが、その代償は高く付く。長時間剣に触れた事による大量の光の摂取、そんな状態にも関わらず神器を発動させた事による体力の大量消費。彼は最早立っている事さえも出来なかった。片膝をついて大量の汗を流す一誠。最早彼は限界に近い。

 

 

「今、何か凄い音が...キャアアッ?!」

 

 

「アー...シア?」

 

 

 突如聞こえた女性の悲鳴。声がした方に視線を向けると、そこには見覚えのある人物、アーシア・アルジェントがいたのだった。

 

 

「アーシアちゃん? 結界は貼り終わったのかな?」

 

 

 フリードはゆっくりと体を起き上がらせてからそう言う。だがこういった現場に慣れていない彼女は死体と血塗れの部屋を見たショックで答えられないでいた。

 

 

「アーシアちゃーん?」

 

 

「はっ...はい。フリード神父...その人は...」

 

 

 アーシアの言葉を聞いて、神父は口を歪ませて笑い出す。

 

 

「人? 違うよ〜。そいつはね〜、愚かで、クソッタレで、醜い醜い」

 

 

 ()()()()()()

 

 

 その一言による静寂がこの殺戮現場を覆い尽くす。少女は信じられなかった。自分にあんなにも親切にしてくれた目の前の男性が...敵対する者だったなんて。だけど

 

 

「...どういうつもりですか〜? アーシアちゃん、そこを退いてくれないかなぁ?」

 

 

「例え...例え悪魔だったとしても! 一誠さんは悪い方じゃありません!!」

 

 

「げほっ...アーシア...」

 

 

 それでも彼女は神父から一誠を守るように立ちふさがった。涙目になりながらも、彼女は一誠を守ろうと必死に神父を説得している。その事実に一誠は生まれて初めて自分の弱さを恨んだ。

 

 

「だ...めだ...このまま...じゃ、死ぬぞ」

 

 

「大丈夫です。きっと、守ってみせますから」

 

 

「な〜るほどね〜...どいつもこいつも...」

 

 

 神父は俯き、そして

 

 

「クソッタレ悪魔をかばうんじゃねぇよ!!」

 

 

 バキッッッ!!!

 

 

 瞬時に間合いを詰めて少女を吹っ飛ばす。一応加減はしていたのか、少女は死んではいない。だが今のでかなりのダメージを喰らい、気絶をしてしまっている。

 

 

「後はテメェだけだな。クソッタレ悪魔君よぉ」

 

 

 光剣を振りかぶる神父。満身創痍である一誠はそれを避ける術などない。

 

 

「くそ...」

 

 

 だが、あと数センチというところでその一太刀は防がれることとなる。突如発生した魔法陣と共に一人の剣士が現れ、そして一誠の前に瞬時に移動して剣を防いだ。その後に続いて市川を除くオカ研の部員全員が魔法陣より現れたのだった。

 

 

「木場...?」

 

 

「なんとか間に合ったようだね。一誠君」

 

 

「おぉ〜、おぉ〜! お仲間ですか〜!! それも随分と大所帯で、調子に乗って!!!」

 

 

「あら...調子に乗ってるのは貴方の方じゃないかしら? 私の可愛い眷属をここまで痛めつけて、相当死にたい様ね」

 

 

 距離を置いた神父はリアスを睨みつける。形勢は逆転した様だ。流石の彼もこの人数差を相手に勝てると思う程愚かではない。その筈なのに彼は下卑た笑いを一切崩さなかった。

 

 

「部長! 堕天使らしき気配が多数近づいて来ています! このままでは形勢を逆転されてしまいます!」

 

 

 突如、副部長が叫ぶ。どうやら彼が今まで余裕だったのはこれがあったからだ。さしもの彼らでも複数の堕天使相手では無事ではすまないだろう。驚いている隙に神父は逃走をする。

 

 

「くっ...魔法陣の展開を!」

 

 

 リアスが副部長にそう指示をする。瞬時に魔法陣が形勢されると、ボロボロの一誠は小猫が肩で抱える事によって全員魔法陣の中に入る。

 

 

「部長...アーシアも...転移...」

 

 

 一誠はリアスにそう提案する。自分の仲間であろう人物にあそこまで啖呵を切っていたんだ。少なくとも無事では済まされないはず。だが、それは無理な話だった。

 

 

「ごめんなさい...これは私の眷属しか飛べないのよ」

 

 

「そ...んな...あ...ぁ...」

 

 

 突き付けられた現実。守れなかった少女。

 

 

「アァァァァァァ!!!」

 

 

 何も出来ない自分。それらから目をそらす様に彼は叫び、そしてこの部屋から消えるのだった。

 

 

 To be continued...

 

 

 






因みに主人公は部室の片付け(自分が出来る範囲)とお留守番をしています。


「...僕だけお留守番。寂しいな...あれ? こんなところにダンボールなんてあったっけ?」

ガタッ?! ガタガタガタ...バンッ!!!

「ヒィッ!? う、動いたああああああ!?」
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