ハイスクール白x黒   作:執筆使い

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第9話

 

 先程までの場面とは変わりこちらは教会裏。三体の堕天使を相手にオカ研現最強の二人が戦闘をしている。

 だが、三体の堕天使を相手にして彼女らは少しばかり防戦気味であった。

 

 

「いい加減そのウザったい結界といてくださいっスよ〜、どうせあいつらじゃレイナーレ様には勝てないっスから」

 

 

「特にあの小僧...なんと言ったか、レイナーレ様が言っていた...」

 

 

 リアスと朱乃は黙っている

 

 

「ああ、話には聞いていたが本当に笑ってしまったよ!!」

 

 

「幾ら人間が愚かとはいえ...あそこまで騙されやすいとは思わなかったっスからね!!!」

 

 

 彼らは知っていた。自分達のボスからその話を聞いていたから。途轍もなく愚かな人間のことを。

 彼女らは知っていた。自分の眷属が...どんなに酷い殺され方をしたのかを。

 

 

「ほらほらぁ!! もう終わりっスか? ウザったい結界がもう破れそうっスよ?」

 

 

「結局我ら3人を相手に防戦一方とは...眷属が弱ければ主人も弱いのだな」

 

 

「さらばだ。我々に仇なす愚かな悪魔ども」

 

 

 等々結界が破れ、無数の光の矢が二人に降り注ぐ。

 だが、それらは全て最初から存在しなかったかの如く掻き消える。

 

 

「...言いたい事はそれだけかしら?」

 

 

「あらあら、良いのですか? 私達の役目はあくまで時間稼ぎでしょう?」

 

 

「ごめんなさいね、朱乃。私は未熟だわ」

 

 

 彼女...リアス・グレモリーはキレていた。彼女にとって、眷属とは家族のようにかけがえのないもの。

 誰よりも眷属の事を思い、空回りする事もあれど誰よりも眷属の為に主として纏めている。

 故に彼女は許す事が出来なかった。精神的に未熟だ、それぐらいの感情を表に出すな、等という声も上がるだろう。だが、そんなことの為に大切なものが馬鹿にされるのを我慢出来るほど、彼女は人間(悪魔だが)が出来ていなかった。

 

 

「!? 今のを消したぐらいで...」

 

 

「調子に乗るな!!」

 

 

 続けて放たれる多数の光の矢は、しかしながら無数の雷によって掻き消えた。

 それを放った本人もリアスと同様にキレていたのだった。普段通りのほのぼのとした笑みを浮かべてはいるが、堕天使でさえ怯んでしまう程の殺気を隠しきれていない。

 

 

「調子に乗るな? それはこっちのセリフよ」

 

 

「ええ...私達だけでなく、仲間まで馬鹿にしたのですから」

 

 

「愚かな奴を馬鹿にして何が悪いっスか! どうせあいつらはレイナーレ様に殺されるっスよ!!」

 

 

 堕天使の一人...ミッテルトがそう口答えするが最早彼女達は止まることをしない。それどころか一歩ずつ、確実に歩を進めている。

 

 

「確かに一誠と...新二は貴方達が言う通り馬鹿かもしれないわ。欲望や自分の意思に忠実すぎて、頭痛薬が手放せなくなった時もあった。だけどね」

 

 

 リアス・グレモリーは自らの魔力を三体の堕天使に放つ。

 

 

「同時に純粋で、貴方達とは比べ物にならないくらい...私が見惚れてしまうぐらいの真っ直ぐな熱い思いを常に持ってるのよ!!」

 

 

 三体の堕天使はそれを迎え撃つが、意味のない事だった。

 どんなに鉛筆で紙を黒く染めても消しゴム相手には意味をなさない様に、消滅の魔力に光の矢を放ったところで勢いが止まる事はない。

 それは三体を含めて周辺の木々の幾つかも飲み込み、消滅した。何も残す事は無く。

 

 

「...忘れなさい」

 

 

「ふふっ、何のことでしょうか?」

 

 

「私がさっき言った事は忘れなさい!! これは主としての命令よ!!」

 

 

 ...戦いが終わり、そんな掛け合いをする二人。消滅の魔力を扱える彼女とて万能という訳ではない。自分にとって都合の悪いことを全て消せる訳では無いのだ。

 つまり先程恥ずかしい事を口走ってしまったという事実は消えない訳で

 

 

「...それにしても一誠さん達は大丈夫でしょうか?」

 

 

「話を逸らさないで!!」

 

 

 オカ研の王は髪の色と同じくらいに顔を赤く染めながら大声でそう叫ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 一誠

 

 

 アーシアが死んだ事もある

 

 部長が別の場所で堕天使相手に戦っているのもある

 

 

 だけど俺が最も驚いているのは...

 

 

「夕麻...ちゃん。何で...」

 

 

 俺が良く知る人物が...そこに本来居てはいけない人物がそこに居たという事だ。

 

 

「誰かと思えば...ネズミが二人と、初心で間抜けだった男が一人...憎っくき白黒男は居ないみたいだねぇ」

 

 

「どうして君が...」

 

 

 信じられなかった。あの優しい彼女が、こんな非道い事をするのが...どうしても信じられず、視界が霞む。

 

 

「まだわからないかしら? 貴方が言ってる天野夕麻は仮初めの姿。その実態は貴方達悪魔を滅する者...堕天使レイナーレよ!!」

 

 

 その顔で酷い笑顔を浮かべないでくれ...

 

 

「それにしても傑作だったわ...この子ったら、自分はどうなっても良いから貴方達に非道い事はしないでって健気にお願いしてきて」

 

 

 その声で酷い言葉を吐かないでくれ...

 

 

「だからお望み通り、殺してやったわ。そしたらなんて言ったと思う?」

 

 

 やめてくれ...

 

 

「良かった...これで一誠さん達は大丈夫なんですよね? って、たかが悪魔の為に! 馬鹿らしいったらありゃしないわ!!」

 

 

「止めろおおおおおおおお!!!」

 

 

【Boost】

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人の制止を振り切り、彼は神器を発動させて殴りかかる。だがあともう少しのところで彼は踏みとどまった。

 

 

「...れねぇ。やっぱ、殴れねぇよ」

 

 

 彼にとっては生まれて初めての彼女。生まれて初めて本気で恋をした相手だった。例え目の前の堕天使が自分と自分の大切な人の命を奪った張本人だとしても、殴る事など出来るわけがなかった。

 

 逆に堕天使の攻撃で吹き飛ばされる一誠。それをあざ笑うかの様にレイナーレは翼を大きく広げている。

 

「馬鹿ねぇ。本当、救い様の無い馬鹿だわ。一誠君」

 

 

 今度は小猫と木場が堕天使に向かっていく。その際、彼等は一誠に戦線を下がる様に言った。

 

 だが、それさえも堕天使は読んでいたのだった。光の矢が二人の周囲に刺さり四方を囲む。

 そして、堕天使の呪文と共に結界となり動きを封じる。

 

 

「私は他の堕天使と違って光が濃くてね...こんな風に悪魔二人を動けなくする様な結界を張れるの。だから一誠君...誰にも邪魔されずにあの時の続きが出来るね♪」

 

 

 天野夕麻の姿に変化し演じてた口調で喋りながら、再び堕天使の姿となり襲いかかる。今この場で動けるのは一誠ただ一人だった。

 木場が光喰剣を創造し結界を破ろうとしているが時間はかかるだろう。

 

 

「戦うしか...無いのか」

 

 

 神器を握り締めながら、唇を噛み締めながら、彼は最悪の時間を乗り越えようと一歩踏み出した。

 

 

 

To be continued...

 

 

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