コメントありがとうございます!
いやー、書いてるとホントきついところあるんですが、応援してくれたり、誤字指摘してくれたりは、精神的にほんと助かります。
では、本編です。どうぞ!
実技試験で評価E判定をとるとは、これでは小型の魔甲蟲一体と互角に戦うのがせいぜいだ。
なぜその程度の実力なのか、カナタがもう少し深く追求しようとしたところ、見るものを虜にする完璧な美しさを持った少女が会話に割って入る。
「ふっ、ミソラは雑魚だから、所詮その程度の実力だろう。女神なわたしとは住む世界が違い過ぎるからな。野外露出プレイのヘンタイに沈黙させられるとは情けなさすぎる。念のため言っておくがわたしの名前は……」
「知ってるよ。ってかリコ・フラメルって名前は一度会ったら絶対忘れねーよミソラと同じ魔導士科予科二年。十四歳。座学の成績はオールA、いや……宿題未提出機特別減点扱いになって、全部Aマイナスになってたな。実技試験の成績はFマイナスだったろ。そういや、Fマイナスってどういう意味だ?一三四連敗でも一応E判定だけど……」
「そういやそうだね……なにしたの?」
「Fマイナス?……ああ、実技試験のことか」
ふっと鼻で笑った後リコは貴公女のようなしぐさで髪を掻き上げる。
「その日は朝から髪型が決まらなくて受けてないんだ。もっとも、たかが凡人ごとき人間が評価する実技試験で女神なわたしの実力を把握するなど不可能だがな」
苦笑しながら爆弾発言をぶっこんできた本人を見る。
ミソラと違い恥ずかしがってはいない様子だ。……いや、そうでもなさそうだ。
「……ちょっとリコ、あんたもこいつの知り合いなの?」
「まあな。ミソラたちと同様あまり親しい仲じゃないし、親しくなりたくないな。この男は、早朝から人前で下半身を露出する男だぞ」
目を閉じミソラを見ることもなく、腕を組み無愛想に答える。
空中分解した隊の寄せ集めらしいので、あまり仲が良いわけではないらしい。
最後に今か今かと恥ずかしそうにしている少女を見た。
「きみは、レクティ・アイゼナッハさんだね?同じ双剣使いとして少し知らべさせてもらったよ。調べたといっても双剣の使い方と流派くらいのものだけど……」
「成績は……ひどいな。座学の成績はミソラと同等、実技試験は同じ相手に勝ったり負けたりしてあんてーしてねーし。唯一まともなのは、志望動機だけじゃないか」
「いえ、その、調子が上がらなくて……そのぅご、ごめんなさい」
視線を合わせることなく、オオカミにおびえる羊のようにおっかなびっくりといった調子でぺこりとお辞儀をするレクティ。しかも勢いよく頭を下げたものだから、机に額を打ちつけ、痛そうにぶつけた個所をてで抑えながら、今にも泣きだしそうな様子。
「で、最後にアキラ・サルージェ。座学、実技試験ともにSランク……お前くらいの実力なら特務にいてもいいんじゃないか?」
「いろいろとあったんだよ。面接でね」
「お、オールS……そんな頭のいい人が、うちにいていいの?」
「空戦魔導士科長直々の命だから」
「さて、自己紹介も終わったことだし、とっとと空に上がって実技訓練を……」
「――待ちなさいよっ!」
ミソラが不満そうにびしっとカナタに言い放つ。
「ヘンタイのあんたがあたしたちの教官なんて認めないわよっ!」
「お前らの資料暗記してたじゃねーか」
「ああ、あ、あたしたちの体に興味があったから、必死でそれを覚えたんでしょっ!」
「残念ながら、カナタはそんなことしてなかったよ。寮にいるときも体目当てで覚えている気配なかったよ」
「言っちゃ悪いが、子供の体に興味はねーよ。ってかあんたじゃなくて教官もしくは名前で呼べよ。俺にはカナタ・エイジって名前があるんだからな」
「~~~~~!」
ミソラが口をとがらせて追い払おうとするが、うまく言葉が出ない。ムカッっとしてミソラが何か言い返そうとしてふと脳裏に引っかかる言葉があることに気付く。
「……そういえば、カナタ・エイジどっかで聞いた名前ね」
そのあと何度かカナタの名前を口に出していたミソラだったが、突然がたっと椅子を倒す勢いで立ち上がり、
「―――あんた、もしかして裏切り者のカナタ・エイジっ!」
「そのぅ、お知り合いなんですかミソラさん?」
リコは何やら気づいた様子だが、レクティとアキラは、きょとんと首をかしげる。
「知り合いなんてもんじゃないわよっ!S128特殊部隊(ロイヤルガード)のエースじゃないの。≪黒の剣聖(クロノス)≫なんて称号もらいながら、特殊任務とかすべてサボってるっ!」
「ふむ、Sランクへの昇進がかかったランキング戦をさぼったといううわさや、特務でありながら任務や訓練に参加してないという噂なら私も聞いたことがあるな。なんでも任務中に事故にあって以来、臆病風吹かれたとか」
「いろいろとあったんだね。カナタも」
「まあな」
「それで、そんな裏切り者のあんたが、いまさらなんであたしたちの教官なんかするのよっ!」
びしっと容赦なく指をさし言い放つ。本来ならあってはならないこと、教官として毅然と対応して上下関係を示すところなのだが、
「文句は空戦魔導士科長に言えよ。俺はお前らを指導するように頼まれただけだからな」
しれっと口にされ、ぐぬぬっとカナタをかみ殺さんばかりの勢いでミソラが睨みつける。
「結構無責任なセリフだよ、それ」
「一応事実だし、それに、お前らにも興味あるからな」
「やっぱりそういう目で見てたんじゃないの。このヘンタイっ!」
「子供の体に興味はないって」
「その子供にヘンタイ紛いのしたのはどこの誰よっ!」
ミソラのセリフをあっさり流して、何やら真剣なまなざしで、生徒たちと向き合う。
「お前らEランク小隊ランキング戦で勝ったことないだろ。これまでの成績十戦中十敗。スゲーひどい成績だけど、お前ら悔しくねーの?」
「ば、馬鹿にしないでっ!」
あからさまな挑発がわかるほどの、したたかさを持ち合わせていないようで、貌をしかめながら、ミソラたちが、カナタを見る。
「別に馬鹿になんかしてねーよ」
「ははは……」
確かに馬鹿にはしてないんだが、結構きわどい挑発なんだけど……。
そう心の中で思いつつ、カナタを見やる。
「ただ悔しくねーのかって聞いてるだけじゃんか。ちゃんと努力してんかよ?」
「悔しいに決まってるでしょ。あたしははやく空戦魔導士になりたくて、うずうずしてるってのに……何よその言いぐさ1あたしたちが努力していないみたいじゃないのっ!」
「うむ、君の発言は不適切だ。わたしはこれでも女神の生まれ変わりと幼きころから嘔合われていた存在だ。凡人がするという努力が必要なほど、実力は不足してないぞ」
「わ、わたしも……。努力を怠っているつもりなんかあ、ありません」
以外っていうのは失礼だけどやる気はあるんだ……。
アキラは三人を見やる。
そこにカナタがみんなに告げる。
「なあお前らってさ、今の自分で満足しなくてもっともっと強くなりてーだろ。そのためにどんな努力するって覚悟あるか?」
「あるに決まってるわよ。あたしが目指すのは空戦魔導士――浮遊都市の守護者なのよ。人の命を守るのが役割なんだから、守れる強さを手に入れるために最善を尽くすべきでしょ」
「そっか。ならちょうどよかった」
不意にカナタのほうが吊り上り、不敵にほほ笑んだ。睨みつけていたミソラが一瞬ひるむ。
「な、何がいいのよっ?」
「やる気のあるお前らに俺が指導を施すってことだよ。ま、想像してみろよ。お前らが自分たちより強い敵を打ち破り、魔甲虫相手に活躍する姿をさ」
力尽きました。
次回をお楽しみにっ!!!