次回にはアキラの本質というか、性格がとてもよくわかるようになると思います。
にしても、作者にもわからないキャラになってしまいそうです。
訓練終了後の女子更衣室。シャワーを浴びて汗を流した後、ミソラたちはそれぞれ下着姿になって着替えをしていた。
「あーもうムカつくっ! 何で三人もいてあいつを捕まえることができないのよっ!」
苛立ちのあまり背中のホックをなかなか散れることができないミソラ。ブラジャーをうまく身に着けることができないでいる。そんな空気を敏感に感じ取ったレクティは隣でちょうど下着をつけ終えたらしく、ふとミソラのほうに貌を向け、
「そ、そのぅ……ミ、ミソラさんっ! わ、わたしの力が及ばず、ご、ごめんなさいっ!」
ぺこりとお辞儀をして見せた。きょとんとしていたミソラがはっと気づき、
「それとあのぅ……後ろのホック、止めましょうか?」
「あ、ありがとっ。そのさっきの件だけど、レ、レクティのせいじゃないわよっ! 今考えてみると、あたしも周りが見えてないことがあったし、そういえばレクティに指示し忘れてたかも」
粛々と自分の過失を認め謝る。そうだ。これこそ小隊長としてのあるべき態度なんだと、ミソラが落ち着きを取り戻そうとしていたとき、
「ふむ。確かにミソラの言うとおり、小隊長としての全体把握は不十分だったな」
冷や水を浴びせられ、ミソラがムッとリコを睨みつける。そんなリコはまだ着替え中というか、先ほどから自分の美貌に見とれている始末だった。
「ふっ、美しいという言葉は―――私のためにある」
何やら感慨そうに口にする。ただのナルシストで仕方ないのだが……。
「アキラってこの身体能力。すごくなかった?」
思い出したようにミソラが口にする。
「あれは相当の実戦経歴を持っているはずだ。でなければそうやすやすとできるものではないからな」
そう、アキラの身体能力は異常なものであり、相当量の実戦経験が必要な動きであり、いっかいの空士でもそうそうできたものではない。それをいとも簡単にやってのけたアキラはおかしいの一言なのである。
「魔砲剣術……にしてはぎこちないし」
「ま、魔双剣術はおかしなくらい洗礼されてました」
「ダガーではあったが……魔双剣を使っていたらすごいことになりそうだったな。あやつ、何を考えているんだ?」
「さあ……でも使ってない、もしくは使わない理由があるんじゃないの?」
会話をしているうちに着替えて、更衣室を後にしていた。
同時刻、男子更衣室。
アキラとカナタがシャワーを浴び、着替えていた。
「アキラ、お前スゲーな」
「何が?」
「初めて手合せしたけど、魔砲剣をあんな使い方するやつ初めて見たし、ダガーで相手の急所をとろうとする戦い方。まるでアサシンのような動きだったしな。……その動き、どこで覚えた?」
飄々とした態度で聞いてくるが、明らかな警戒心を肌で感じたアキラは、記憶のない人に聞くこともあるんだと内心思いながら答えた。
「それはぼくが知りたいよ……」
呆れ顔でそう答える。こういう回答しかできない。
「……だよな~。俺もいろいろやってみるからさ……って、その胸の古傷はなにしたんだ?」
胸を指さしながらカナタは尋ねる。
「これ……? えっと……お、もい、だせ、うぅ」
急に頭を抱えてアキラがもだえ苦しみだした。
「ど、どうした!?」
「あ、たまが、い、たい……」
思い出せそうで思い出せない。まるで鎖でつながれているように記憶の断片にすら触れない。そんなもどかしさとは裏腹に激しい頭痛がアキラを襲う。
「う……く……うぁぁ……」
気を失ったアキラは失い際に謎の言葉を発した。
「な、んで、それを……」
その言葉を最後に気を失ったアキラに服を着せ、自分も着替え、担いで更衣室を後にした。