ティンクル☆くるせいだーす GO~TO~!!動き出す地界人! 作:Ma-sA
「ちゃーい!」
「ん?」
「ちゃ〜い!」
「誰だお前?」
「はぁい!」
目の前に小さな子供が立っていた。
「迷子か?」
「ぶぁぁぶぅ……」
その子はポケットに手を突っ込み、取り出した……壺だ。鈍器を取り出した。
「ポケットから鈍器?」
「はぁいぃ!」
その子は飛びながらそれを振り回し俺の頭に当たる。
「いってぇな。殺す気かよ」
「はぁい!」
今度は弁慶に攻撃。
「っっ!」
言葉にならないがとりあえず何か言いたげな口が開き俺はその場に倒れこみ脚を抱えてゴロゴロと転がる。
「はぁい、はぁぁいぃ!」
さらに鈍器でタコ殴り……ブンブン振り回し、頭に当たる。
「ちゃーいぃぃ!」
これは夢なんだよな?
そう思いながらずっと子どもに叩かれ続けた。
目が覚める。うちの天井がある。ここは家か…そうだよな。
「確か……寝てたんだよな」
ゆっくり思い出していく。
日付をチラリと見る。と、ある事に気がついた。
「あれ……日付が違う?何で3日も過ぎてるんだ?」
日付は俺が戻ってきてから3日過ぎていた。
「………?」
とりあえず、降りるか。
下に降りると母さんが朝食の支度をしていた。
「あら、やっと起きたのね。もう、こういう事は先にいっておきなさいよ。さ、ご飯できてるから食べなさい。学校、遅れるわよ」
こういうこと?何の事だろう?
「なぁ、母さん。こういう事って?」
「あんた3日間ずっと寝てたのよ?」
日付が間違ってはなかったか……
「なんで、起こさなかったの?」
「起こしたわよ。でも、ちっとも起きないから病気なんじゃないかって思ったら学校から電話がかかってきたのよ」
「学校から?」
「そう、クジョウ先生から。ガイは数日間、目を覚まさないからって説明は一応聞いたわ。この事はお父さんも聞いているわよ」
「まぁ、そういう事だ息子よ」
後ろを向くといつの間にコーヒーをすすっている父さんがいた。
「いつからいたんだよ」
「先ほどからだ。俺も聞いた時は先生を半殺しにしようと思ったが理由を聞いて納得した。万一の時も大丈夫といってくれたしな」
「で、理由は?」
「数日寝てた理由か?それは今日、説明してくれるはずだ。だからさっさといって来い」
「……わかったよ」
「うむ、子どもの成長がわかるなんて親としては嬉しい限りだ」
「そうねぇ、私もとっても嬉しいわ」
……成長?
「と、とりあえず、学校にいって理由を聞いてくるよ」
そうして、俺は朝食を摂るために席についた。
少し早いが、真相を確かめたく学校に行った。
「失礼します」
そうして、職員室に入る。
「お、グレイブ。ひさしぶりだな!」
そこには筋肉隆々の担任がいた。
「先生、お久しぶりです」
「ああ、どうだったか?何かためになったか?」
「はい、いい経験がつめました」
「そうかそうか!それはなによりだ!クジョウ先生なら奥にいるぞ」
指であっちの方向を指す。
俺は指された方向に進んだ。
そこは以前プログラムの説明を受けた部屋だった。
俺はノックをする。
「はい、どうぞ」
「失礼します」
「そろそろ来ると思ってました。残りの2人を待ちましょう。きっとすぐに来るはずです」
先生の言った通り、レゾンとセーナは数分経たない内に来た。
「あれ?ガイだ〜」
「もしかしてあんたも?」
「ああ、二人と同じ要件だ」
「では、始めましょうか」
全員、席につく。
「そうですね……まずはロザリオの事からですかね」
「あのロザリオは簡単に言うと充電池の役割を担ってたんですよ」
「電池……ですか?」
「はい、容量は私の魔力を使って、最大3ヶ月程度貯めれるようにしました。充電方法ですが、常に充電してたら体に障りますので魔力の流動があった際に、発動するようにしました」
「う、うぅ〜…頭が」
やばい、頭が割れそうだ……
「ガイ君、少しだけでいいので我慢してください。それで、約2ヶ月程度貯めていたわけです。それで、セーナさんの様に朝方、体調が優れないといったようなケースが生まれるのです。それについてはすいません」
先生はそういって頭を下げた。
「先生、それならおかしくないですか?寝ている時は魔力なんて使いませんよ」
確かに寝ている時はさすがに魔力は使わない。
「もう一つ説明してませんでしたね。実は地界に住んでいるとある事が起こるんです」
「ある事ですか〜?」
「皆さん、倒れる前の事を覚えてますか?」
倒れる前…真っ白になった時か。あの時…変わった事なんて……あった。
「あれですか?オーラみたいなやつですか?」
「そうです!それです。それが地界人の体の性質なんです」
「どういうことなんですか?」
「仕組みはよくわかりませんが、地界人は他の世界の住人と比べると体が丈夫、強靭なんですよ。ただしこれには条件がありまして、地属性でないといけないのですよ」
「地属性ですか?それは守護属性がですか?」
「そうです。私の考えですが、この世界に生を受けた瞬間からそのオーラのようなものが長い年月をかけ形成されていきます。そしてだいたい15歳前後からオーラの強化が始まり、1年程度で強化が完了します。その強化対象は地属性限定というわけですよ。ちなみにセーナさんは光属性なので対象に含まれていません」
「ええっと…つまり私の魔力は体を包んでいるだけということですか?」
「まぁ、そんな感じです。魔力は体内で生産させてオーラは一定の量をキープするため減少すると補うため身体から魔力が放出されます。その時、ロザリオの力により魔力が充電、言い換えると中に吸収されてしまうのです」
「オーラはどうやって減っていくのですか〜?」
「自然に体から離れていきます」
「なるほど〜」
「ダメだ……頭が…」
俺は机に伏せた。頭痛がすごくてやばい……
「あっ、そういえば、なんで俺たちは長い時間寝ていたんですか?」はっ、と顔を上げて質問する。
「私、それが聞きたかった」
「僕もだよ〜」
「そのことですか」
先生は中指でメガネを上げる。レンズが白くなる。
「ロザリオはつまり電池だということはわかりましたか?」
「「「はい」」」
「実は地界人……というか魔力を行使できる者に言えるのですが、私たちもロザリオと同じ役割があるのですよ」
「それは授業で習いました〜〜。確か人それぞれ、大まかに魔力容量が決められていて僕たちはそれをLevelで決めていると習いました」
「そのとおりです。さて、ここで問題です。容量を超える魔力を一気に流し込むとどうなるでしょう?」
「う〜ん……おかしくなる?」
「ガイ君はそれ以上難しい言葉を使うと大変なので正解でいいです。体に異常がおきます」
「え?それは学校としてどうかとおもいますが〜」
学校のプログラム上、生徒に死の可能性があるというのはおかしくないだろうか?
「大丈夫です。莫大な量を流し込まないと死に至ることなどありません。続けますよ。容量を超えると身体がビックリして発熱、吐き気、気だるさなどが発症します。これは体が元の魔力量に戻そうと作用するからです。この時、体に少し変化があるのですよ」
「変化ですか?」
「はい。それは魔力の容量が増えるということなんです」
「そうだったんですか!」
「イメージ的には底を無理矢理押して容器を大きくした感覚ですね」
「なるほど、それで私たちのLevelを上げるということですね」
「そういうことですよ、セーナさん。これが私の最後の“スパイス”です」
「それで僕たちの身体は今、どうなっているのですか〜?」
「ただ魔力の容量が増えているだけですよ?」
「わかるんですか?」
「はい。私、魔力制御は得意ですから」
よくわからない先生だ。
「先生、それでプログラムは…」
「はい、無事に完了しました。大会が楽しみしですね。やはり大会で直に力を実感してもらいましょうか」
「え?」
「いやですね、本当は近々、模擬戦をしようと思っていましたが、気が変わりました。楽しみはとっておきます」
「えぇーそんなぁ……」
「話は以上です。質問はありますか?なければ私は仕事に戻ります」
とりあえず、おれは話を整理しなくては。
「ありませんね。では、私はこれにて失礼します」
そういって、先生は仕事に戻っていった。
整理しよう。ロザリオは魔力を貯める電池。修行中などで少しずつロザリオ内に蓄積。そしてため終えた後、一気に身体に流し込み自身の魔力を強化した。といった感じかな。それならなんでロザリオなんだろ?先生の趣味かな?もしかして先生は天使とか?それはないだろ、うん。
「あんた、なにぶつぶつ言ってるのよ」
「いや、もしかしたら先生、天使なのかなぁって」
「それはないんじゃない〜?だって天界はそもそも物質がないんたよ?」
「でも、うちの両親は天界出身だよ?」
「んん〜…わけがわからないな」
「まぁ、そのことは気にしなくてもいいんじゃないかな〜?」
「そうか?まぁいっか」
「ガイ、レゾン!早く!授業遅れるわよ」
「おう、早く行こうぜ!」
「うん〜」
さぁて、もうすぐ大会だ。
じきに大会に突入する予定です。
感想などお待ちしてます。