ティンクル☆くるせいだーす GO~TO~!!動き出す地界人!   作:Ma-sA

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第44話 見覚えのある横顔

 

 

「ここはプリエと言って、いわゆる食堂でね……」

リアさんが次々と学校の中を案内してくれる。

自分の学校と違うところがあったりして確かに興味が持てる。

 

だが、もうひとつ引っかかっていることがある。

リアさんのことだ。

対面してから今まで。ずっと何かが引っかかっている。なんかモヤモヤする。

 

(なんだ。一目惚れか)

いや、それは違う。確かにリアさんは……その…魅力的な人だと思う。けど、そういうのとは別なんだよ。

 

(人とは理解し難いな)

そうか?

 

「聞いてる?ガイ君?」

 

「ふぇ?は、はい!」

びっくりした〜!

 

 

 

 

あれ?俺、自己紹介したっけ?

 

「あのリアさん質問」

 

「はい、ガイ君!」

 

「何で俺の名前を知っているんですか?」

 

「そういえば〜」

 

「そうね。なんで知っていたんですか?」

 

「えっ!…え、えーと……あれだよ。事前にお姉ちゃんから教えてもらっていたんだよ」

ヘレナさんか。それならありえそう。

 

「そういえば、事前に連絡してあるって言ってたわね」

 

「そ、そーだよ。セーナちゃん」

セーナの名前も知ってる。ならそうなのかな。

 

「じゃあ、次は職員室、だね☆」

話を切って、再び案内に戻った。

 

 

本当に色んな部屋がある。教室は俺たちの学校と変わらない。

ふと壁に貼っている大きな紙を発見した。

 

「これは…」

 

「それは期末テストの順位表だね。普段ならもう剥がしてるはずなんだけど」

上から名前を見ていく。

 

「あれってシンって奴のか?」

一番上にある名前。つまり1位に咲良シンと書かれている。

 

「すごいな〜1番だ〜」

 

「そんなすごい人がホストファミリーだなんて。なんて言うか…すごいとしか言えないわ」

 

「シン君は特待生でこの学校に入学してるんだよ!」

 

「特待生って、頭が良くなくちゃいけないんですよね〜」

 

「その通り!だからテストはだいたいシン君がトップを走っているって聞いているよ」

 

「そうだよな。2位の人と3点差。もう僅差だよな」

 

「ちなみに2位の人はいつも僅差だっで言ってたんだ」

 

「2位の人と面識あるんですか?」

 

「うん。聖沙・B・クリステレスさんって言うんだ」

 

「長い名前だ」

俺みたいに後藤でいいだろうに…

 

「こら、ガイ!!」

 

「あいた!」

セーナに殴られた。

 

「で、そのクリステレスさんはどんな人なんですか〜」

 

「聖沙ちゃんはね、とってもマジメでとってもいい子なんだよ〜」

いい人か。

 

「会ってみたいな。その人に」

どんな人だろ?リアさんみたいに優しそうな人なのか?

 

「休みが明けたら会えるわよ」

 

「それもそうだな」

 

「ね〜。あれはなに〜?」

レゾンが窓から向こうにある建物を見ている。

 

「あれはね。図書館だよ」

 

「図書館!」

レゾン声が途端に大きくなった。

 

「じゃあ、次は図書館に行こうか」

 

 

 

 

 

「あれ〜??今日は閉館日だったかな?」

図書館の扉だろうか?どうやら開かないらしい。

 

「ねぇ〜。開かないなら壊そうよ〜」

 

「おい、それは間違ってもやるなよ?」

 

「あんた、時に恐ろしい事言うのね」

 

「しょうがないから一度理事長室に戻ろっか。だいたいは回ったはずだからね」

ということでとりあえず理事長室に戻った。

 

 

 

 

 

 

「あら、もう終わったの?」

 

「うん。粗方は見終わったよ。ただ図書館は見れなかったけど、お姉ちゃん何か知らない?」

 

「そういえば、メリロットが用事があるとか言ってたわね。ごめんなさい、言うの忘れていたわ」

 

「そんな〜!!」

 

「でも、今日中に戻ってくるって言ってたから。明日来るなら、貴方たちのことを話しておくわ」

 

「本当ですか〜!ねぇ、明日行こうよ〜」

俺の裾をグイグイと引っ張るレゾン。

 

「わかった。明日な」

 

「わ〜い〜!」

 

「まぁ、今日はざっとこんなもんだからこの後はシンちゃん家に行ってもらおうかしら。ハヤト、ゴトーちゃん達を連れて校門まで連れて行って」

 

「了解しました。ささ、みなさん。行きましょうか」

 

 

 

校門の前に一台の車。そして扉の前に1人誰かがいた。

 

「これはこれは。やはりあなたしたか。民子さん」

 

「リースリング遠山とお呼びください、ハヤト」

 

「これは失礼。皆さん、こちらはリースリング遠山さん。皆さんを咲良君の自宅まで送ってくれます」

 

「皆様の安全はこのリースリング遠山めにお任せを」

 

「「「よろしくお願いします」」」

 

「それでは、私達はこの辺りで。まあ後ほど会いましょう」

 

「はい。リアさんもまた!」

 

「うん!またね〜」

 

「それではこちらにお座りください」

扉をあけてくれ、右手で中に誘導してくれている。

 

 

そして、ゆっくり車は動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、失礼します」

咲良家の前で降りて、リースリング遠山さんは車を走らせ帰っていった。

 

「………これは」

 

「味があるね〜趣深いね〜」

 

「そうね。なんかいいわね」

そこは木造建築と言わんばかりの建物があった。年季はかなりありそうだ。

 

その時、扉が開いた。

「ようこそ!“グランパレス咲良”へ!」

さっき会った咲良シンってやつだ。本当、男に見えない。女装とかしたら分からなくなりそうだ。

 

 

「さ、みんな入って入って」

 

早速入り、シンについて行った。

たどり着いた所はあまりものがない部屋だった。

 

「みんなここに座って」

俺たちは言われるままに座る。

 

 

「まずは、僕の自己紹介でもしようかな」

 

「おう、頼む」

 

「僕の名前は咲良シン。君たちがこれから通う私立流星学園の2年生。こう見えて、実は次期生徒会長なんだ!よろしく!!」

 

 

「え?会長なの?」

 

「そうだよ」

 

「すごい〜成績優秀でさらに会長だなんて〜尊敬するよ〜!!」

 

「そうかな?ありがとう」

 

「じゃあ、僕たちはシンって呼ぶね〜」

 

「そうね。これから一緒に住むんだからいいんじゃない」

 

「うん。僕もそれでいいよ」

 

「それで、シン。俺たちの部屋はどこなんだ?」

 

「そうだね。部屋を決めようか。ついてきて」

そのまま二階に移動。

 

部屋が幾つかあるので俺たちはその中から適当に選んだ。部屋はだいたい似ているのでどこでも良かった。

 

部屋を決めた後は荷物を運び入れ、ふたたびシンの部屋に集まった。

 

「それにしてもどの部屋も畳だね〜」

 

「ええ!これが“和”ってやつね」

 

「まぁ、確かに落ち着いててこれもありだな」

 

「そう言ってくれると嬉しいよ。ただでさえ、年季が入ってるから手入れとかしなくちゃすぐ壊れちゃうし。いろいろ大変だよ」

 

「そうなのか。あ、シン。俺たちに仕事を紹介してくれよ」

 

「仕事?アルバイトのこと?」

 

「そうそう」

 

「そうだなぁ……それなら二つほどアテがあるかも」

 

「どんなの〜」

 

「一つは僕が会長になる前からやっていた牛乳配達の仕事かな」

 

「牛乳!!私やるわ!」

セーナがやる気満々で立候補した。

 

「き、急にどうしたんだよ」

 

「だって牛乳よ!背が伸びるじゃない!」

 

「いや、お前は飲む側じゃないぞ?」

 

「でも、毎朝1本はくれるよ」

 

「なら、この仕事は私の天職ね」

 

「次にこれはいつでもいいんだけど、夕霧庵っていうお蕎麦屋さんのお手伝いかな」

 

「蕎麦屋さん。じゃあ、接客業か?」

 

「簡単に言ったらそうかな」

それならレゾンがするより俺がしようかな。

 

「なら、それは俺がするよ。どこにあるんだ?その夕霧庵?ってやつは」

 

「じゃあ。明日、僕と行こうよ」

 

「じゃあ〜僕は〜?」

 

「えっと…レゾンだよね。実は僕もまだ探してないからレゾンの分はこれから探して来るよ」

 

「そっか〜わかったよ〜」

 

「じゃあ、これから買い物をして来るから向こうのテーブルにあるのをたべてていいよ。僕からのささやかなプレゼントだよ」

 

「本当!ありがとう」

 

「じゃあ、行ってくるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、これは……」

 

「チョコレートケーキね」

 

「じゃあ〜さっそく〜……はむっ………ん‼」

レゾンの目がカッ!と開いた。

 

「おい、どうした!」

 

「ガイ…たべてみなよ」

 

「お、おう」

一口食べる。

 

「ん……ん?これチョコじゃない。これは……」

 

 

 

 

 

 

「「大根だ!」」

 

「ウソ!これが?色はチョコレートケーキみたいだけど?」

 

「なら食ってみろって」

セーナも大根を食べる。

 

「うっ!ウソ!本当に大根だわ!なんか裏切られた感があるわ」

 

「でも〜…これ、すごく…」

 

「「「うまい!!」」」

こんなに中まで染み込んでいる大根はなかなか拝めない。

 

二口、三口で大根を食べ終えた。

 

その後、三人で畳に転がった。

 

「あぁ〜!なんかいいな畳って」

 

「そうよね」

 

 

 

 

「ねぇ、シンはリ・クリエのこと知ってるのかな?」

 

「おそらくだが、知らないんじゃないのか?知ってたら悠長にアルバイト先なんか探してくれないぜ?」

 

「そうだね〜」

 

「そこらへんはまた今度ヘレナさんに聞こう」

 

「そうね。今日の晩御飯は何かしら?初めての人間界での晩ご飯」

 

「また大根だったりな」

 

「あはは、それはそれでいいかもね」

 

「でも、今日くらいは奮発するんじゃない?」

 

「そうだといいな。まぁ、こうして待ってようぜ。なんか疲れたよ」

 

「そうね」

 

「畳に寝転がる。気持ちいいね〜」

 

そうしてシンが帰ってくるまで三人でこれからのこと話し合った。

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