ティンクル☆くるせいだーす GO~TO~!!動き出す地界人! 作:Ma-sA
……………………暑い。
授業が終わり、帰宅してきた俺たちに待っていたのは真夏の太陽が放っている熱線。それに伴う気温の上昇……溶けそうだ……
「おい……シン。うちわ貸してくれ」
「今、レゾンが使ってるよ」
レゾンがシンの隣でパタパタとうちわを扇いでいる。
「なんでこんなに暑いのよ…」
気温は39℃。
ここ一番の暑さらしい。
「扇風機が壊れてるし、冷蔵庫の中に氷がない……干からびるぅ……」
人間界に来た時は夜だったから心地よい感じだったけど。昼はそれとは裏腹に灼熱地獄だ。
「シン!なんとかならないのか?」
「そうよ、シン!なにかないの?」
「そんな無茶苦茶な!」
「シンはこの暑さ、なんともないみたいだね〜」
「まぁ、これくらいは慣れてるからね」
ちなみに地界は天候まで操れるので、こんなに暑くはならない。
「あっ!」
「ん?どうした?レゾン?」
「図書館に行こう〜」
「あんた、こんな暑い日に……いや、ちょっと待って。それ名案かも」
「どういうことだ?」
「なるほど、図書館は冷房が完備されてるからそれを使わせてもらおうってわけだね」
なるほど、それはいいや。
「おし、暑いけど。行こうぜ!」
こうして、俺たちは図書館に向かった。
着いた!図書館に!
「うぉーー!涼しい!!」
ひんやりとしてて少し寒い感じがするけど、暑いよりマシだ。
「シンの家とはまるで違うわね」
「ごめんとしか……言えないよ……」
「こほん」
受付で誰かが読書をしていた。
「あっ、メリロットさん〜」
「マーリー君。図書館ではお静かに」
「す、すいません」
「メリロットさん、こんにちは」
シンがメリロットさんに挨拶をする、
「咲良君、グレイブ君、オルトレインさん。今日はどういったご用件ですか?」
「いや〜……図書館に行ってみたいなぁって思って来ました」
涼みに来たなんて口が裂けても言えない…。
「そうですか。本は借りていかれますか?」
「いえ、今日はいいです」
「僕は借りたいです〜」
「わかりました。では、借りる順序を説明しますね。」
そういって、二人は別の所に行ってしまった。
「さて、シン。写真集とかないのか?」
「それなら、あるんじゃないかな?」
「お、それなら。見に行こうぜ」
「わかった」
シンと自然の風景や星などが載っている本を見た。
俺は活字が少々苦手だ。理由はだるいから。それよりかは体を動かしているほうが断然いい。だから活字の少ない、写真集などみている。
「やっぱり、この世界の自然はいいな!!」
「ははっ、ガイだってこの世界の人間じゃないか」
おっ、やばっ。口が滑った。
「いや、あっちとこっちではまるで違うっていう比喩表現かな…」
「なるほどね。そういえば、ガイの国の名前ってなんて言うの?」
「えっ?」
あれ?地界?いや、だめだ。そんなの国名じゃない。やばい…どうしよう……
「どうしたの?」
「えっ、えっ、えーっと……」
やばい…まだシンには秘密なんだよな。
「私たちは第三シャロマ王国って所から来たの」
「シャロマ王国?聞いたことないな」
「まぁ、知名度は低い所だからしょうがないわ」
セーナ助かった。
「あれ?レゾンは?」
「まだ来ていないね」
「まさか……いちゃついてたりして……」
「あんた、バカ?レゾンがそんなことするはずないじゃない。そんなのただの妄想よ」
「僕が探してくるよ」
そう言ってシンがレゾンを探しに行った。
「なぁ、セーナ。シャロマ…王国だっけ?あれなんだ?」
シンがいなくなったのを確認して俺はセーナに先ほどの事について聞いた。
「あれはどこの国から来たかっていう質問に対していう言葉なの。ほら、地界じゃあダメじゃない?」
「そんなの習ってないんだけど」
「習わないわよ。だってハヤト先生に教えてもらったんだから」
あれ?そんなこと聞いてないんだけどな…………
数分してシンが戻ってきた。
「どうだった?」
「……いちゃついてた」
「はぁ?」
「ちょっとシン。私たちにその手の冗談は通じないわよ」
「いや、本当なんだって。なんだかメリロットさんに言い寄られているように見えてさ」
レゾンが?言い寄られる?
司書さん的にはストライクだったのか?
「とりあえず、いってみようぜ」
シンに案内された場所は受付付近の本棚だった。
「ほら、あそこ」
本棚から覗いて見ると見た感じ、メリロットさんがレゾンに言い寄っているように見えた。
「本当だ。けど、なんかレゾン震えてないか?」
「確かにそうだね。寒いのかな?」
「……おそらく寒いのとは違うと思うわよ」
館内は冷房がかかっており、シンの部屋と比べれば涼しいといっても過言ではない。だが、震えるほど寒いという温度でもない。
「何か大事な事を忘れてるような…」
「試しに行ってみれば?」
「そうだな。よし、シン。行くぞ」
「え?それはまずくない?」
「まずくない。ほら行くぞ」
そうして俺はレゾンの元へ行く。
「レゾン。どうした?」
「皆さん、ちょうど良い所に。マーリー君の体調があまり優れてないみたいなんです」
「え?」
シンの予想通り、具合が悪くなったのか?
「レゾン、大丈夫なの?」
「今朝は普通に元気だったのに」
「………いえ、ち、ちち…違うんです〜」
「マーリー君。どうしたんですか?」
「……………………………」
「一体、何があったんですか?」
「実は…」
カードの借りる手順を説明していたみたいで。確認をとった際、反応がなかったので、再度確かめたら今度は震えて何も話さなくなったとのこと。
「以前は私がレゾンと一緒にいたけど、こんなことにはならなかったわよ?」
「私も数日前に見た時はこんな感じではありませんでした」
うーん…どうしてだろう?
そのまま沈黙が続いた。
「あっ!」
その沈黙を破ったのはセーナだった。
「ん?どうしたの?」
「ガイ、あれよ」
「あれ?………あれか」
「あれ?」
「後藤君。あれとはなんですか?」
あれといったらあれあれ。
「えっと…レゾン、もしかしてあれのことなのか?」
その言葉に続いてレゾンがコクンと頷いた。
「そっか……このこと…話してもいいか」
「……うん〜」
「わかった。シンもこの事は知って欲しい」
それからレゾンの過去について話した。救った話やその後の事も少しだけ話した。
「ってなわけだ。レゾン、間違ってないよな?」
「うん〜。あってるよ〜」
話し終えた時にはレゾンから震えはなくなって、普通のレゾンに戻っていた。
「そんな過去があったなんて……」
「それを知らずに……申し訳ありません」
「いえ〜。メリロットさんは悪くないです〜。悪いのは僕なんですから〜」
まさか、イジメの影響が残ってたなんて。そういえば、あれ以降3人でずっといたもんな。
「悪い。レゾン」
「ごめん、レゾン。私たち気づかなかった」
「僕もわからなかったんだから気にしなくてもいいよ〜」
でも、これはなんとかしないとな。
「…うん〜〜」
「でも、これは克服しなくちゃいけないよな。今後は俺たちがいない時だってあるからな」
「…うん〜」
「というわけで、メリロットさん。そこの所、どうにかなりませんかね?」
「どうと言われましても……。一度理事長に相談されてはいかがですか?」
「そうですね。わかりました。早速、ヘレナさんに相談してみます」
「それなら私から理事長に連絡をいれときますね」
「ありがとうございます」
そう言って俺は理事長室に向かった。
「いらっしゃい、ゴトーちゃん」
「こんにちは」
「メリロットから連絡は受けてるわ。それでどうしたの?」
「実はかくかくしかじか…」
「そうねそれなら今はメリロットに任せるわ」
「司書さんに?」
「そう。メリロットと少しばかり似てるからとりあえず、なんとかなるんじゃない?」
「は、はぁ…」
「あ、話が変わるんだけど。貴方達、シンちゃんに自分達の正体を明かしてないわよね?」
「してませんよ」
「そう、ならいいわ」
「言ってはいけないんですか?」
「まぁ…色々あるのよ!」
「……」
ヘレナさんの言うことはよくわからない。
「って感じだった」
「そう…。でも大丈夫かしら?レゾンだけ置いてきて」
帰り道、理事長室での事をセーナに話した。とりあえず、レゾンはメリロットさんに任せる事になった。
「ヘレナさんも何か考えてるんだろう。なら、任せてもいいんじゃないか?」
「まぁ……それでも、レゾンが心配だわ」
「それは俺も心配だけど、この先俺たちなしでいる時に困るだろ?だから今は心配するだけでいいんだって」
「そうね……わかった」
しぶしぶ了解してくれた。
さぁ〜て!今日の夕飯はなんだろうな〜〜
「今日もなんと!!もやしの炒め物だよ!!!」
「それ、三日連続じゃねぇか!!」
「もやしっ子、いや〜〜〜〜〜」
またまたもやしの炒め物でした。この生活にはなれないと厳しいな。