ティンクル☆くるせいだーす GO~TO~!!動き出す地界人!   作:Ma-sA

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第52話 結果と賞品の中身…

「こんにちは、お昼の九浄ハヤトでございます。今日は解説者としてリースリング遠山さんにお越しいただきました」

 

「恐縮です」

 

「さぁ、ガイ君vs聖沙さん。遠山さんはどちら勝つと思われますか?」

 

「リースリングとお呼びください!こほん!現場ですと、まだまだ両者互角なので、私も決めかねています」

 

「なるほど…。現在両者互角のペースでラスト300mまで差し掛かりました」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、……はぁ、はぁ」

 

なんだか、足が重い…。おかしいな、普通だったらもう聖沙を置いて行ってるはずだと思ってたんだが。

 

聖沙は俺と並走している。……どういうことだ。

 

「はぁ…はぁ、はぁ、ご、後藤クン。意外と……鈍足…なのね……」

 

「いゃ〜。そこまで遅くは………ないんだけどな」

(なんだ…もうバテてるのか?だらしない。)

 

ん?鬼……まさか!

 

(やっとか?女が相手だからちょっとしたハンデだ。最も、地界出身のお前が人間負けるなど、ないよな?)

 

お前……。これじゃあ真剣勝負になってねぇよ。てか、人間をなめるなよ。

 

(ふっ、人間など知れたもんだ)

 

なんでそこまで言い切れるんだ?

 

 

………なんでなんだろうな?

 

……は?お前、人間を知ってるからそんなことが言えるんじゃないのか?

 

(確かに…おかしいな…すまない。記憶に穴が空き過ぎててわからない)

 

やっぱり、記憶が抜け過ぎてるのか……。とりあえず、わからないなら、やたらけなすのはやめ………

 

 

「きゃあぁっ!」

急な声に視界を前に向けると聖沙が俺の少し前にいる。だが、体勢は後ろに傾いており、このままでは尻餅をつきそうだ。

 

と俺の視界の左上に黒い塊が見えた。

 

いや、塊というかあれは……

 

「イィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

小さな塊から羽がはえてる。てか魔族だな。ありゃ。

 

魔族は俺たちの目の前をハヤブサのごとく飛んでいった。

 

「いたっ」

俺は追いつけず、聖沙は尻餅をついてしまった。

 

「おい、聖沙!大丈夫か?」

 

俺は聖沙にすぐ追いつき、手を差し伸べた。

 

「ほら」

 

「え、う、うん」

 

聖沙は突然のことでほんのすこし動揺していたのか、直ぐに俺の手をつかんだ

 

聖沙って顔だち整ってるよなぁー。

 

(まぁ、アイツと比べるとまだまだだな)

 

…アイツって誰だよ。

 

(………)

 

昔を思い出すとこういう状態か。

 

「ご、後…後藤クン!」

 

「え?」

 

「手……そろそろ離してもらえないかしら?私は大丈夫だから」

 

「そ、そうか」

そう言って手を離す。

 

「あっ!」

俺は思い出して校門に向かって走りだした。

 

「しまった!あなた待ちなさいよ」

聖沙の声が後ろから聞こえる。これはもう勝ったな!

 

 

あと40m……20m……よし!

(ほれ、ラストだ、がんばれよ!)

 

と、校門5〜6m前で体にベンチプレスがのしかかったような重さを覚え、俺はその場に崩れ落ちた。

 

「ちょっ、ま、まち…」

 

「お先に 」

その横を聖沙が通過して。勝負は決着した。

 

 

 

 

 

「これが勝負の醍醐味。とりあえず、私の勝ちね」

 

 

「そ、そう……だな」

体中が重い……

 

 

「まぁ、途中ハプニングが…ありまくったけど、聖沙の勝ちだ。それでは…早速ご褒美タイムといこうか」

と言ったところで聖沙の顔がフリーズした。

 

「ちょっ、ちょっと…後藤……クン?やっぱり賞品はなしでいいわよ!お互いなんだかんだあったわけだし……」

聖沙は冷や汗をかきつつ拒否反応を示している。

 

「まぁ、ものは試しだし……」

 

「え、ちょっと!待ってってば」

 

俺は懐からシンからもらった牛乳を取り出そうとした……

 

 

が、取り出したのはリボンが丁寧に結ばれた箱だった。

 

「あれ?」

 

「箱?これが賞品?」

 

「いや、賞品はシンの牛乳」

 

「咲良クンの?!い、いらないわよ!そんなの!」

 

「そっか…」

 

 

 

すると、俺の手が振動しているかのような感覚があった。

 

 

「ねぇ、その箱……動いてない?」

聖沙にそう言われ、

手元をみると確かにカタカタと震えている。

 

 

「これ……あれだろ。びっくり箱。そうそう、うんうん」

そうやって俺は上の蓋が外れないように抑えながらリボンを解いた。

すると“シン君へ”と書かれた文字が見えた。

 

「やべ、間違えて持ってきゃったのか」

あれ?そんなことはないと思うんだけどな……牛乳…懐に…う〜ん〜。

 

「それ、咲良クンのプレゼント?」

聖沙もその字を見ていた。

 

 

「らしいな」

俺は力を緩め蓋から手をどかした。

 

 

 

すると蓋がいきなり飛び出した!

 

 

 

 

 

中から……パンダのぬいぐるみが両手を広げて勢いよく出てきた。

 

「………………」

出てきたまま、その場で止まっている。

 

 

「………………!!」

一瞬、このパンダに俺は違和感を覚えた。なにか、何かマズイと。

 

(…こいつ)

俺は蓋を拾い上げ…

 

 

思いっきり蓋を塞いだ。

パンダは何事もなかったように箱の中へ。

 

「…後藤クン。さっきのパンダの………ぬいぐるみ、だったわよね?」

 

「聖沙、悪い……賞品はまた別の形でいいか?」

 

「え、別にいいけど、それより!箱の中にはバンダのぬいぐるみが入っていたわよね!!」

聖沙の目が輝き始めていた。なんか、こっちも危険だ!

 

「悪い!聖沙!また今度!」

 

俺は急いで家の方向に戻る。

 

「ちょっと………」

聖沙の言葉は最初しか聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!…ただいま!」

 

「お、ガイ。おかえり。ってその箱は?」

 

「シン……お前のプレゼントみたいだ。セーナ!レゾン!散歩にいかないか?」

 

そういうと、二人が顔を覗かしていた。

 

「え?今から……あんたさっきランニングから……」

 

「いいから、いこうぜ!」

俺はシンに箱を投げた。

 

「うん〜いいよ〜。シン、散歩。行ってくるね〜」

 

 

「うん……行ってらっしゃい」

シンは箱を持ったまま俺たちを見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガイ…どうしたの〜」

息を整えた俺にセーナが質問した。

 

「実はさっき、とてつもなく莫大な魔力を感じたんだ」

 

「え?ガイ。それどういうこと?」

 

「俺がさっき持ってた箱を開けたとき、一瞬だけど感じたんだ。これは“ヤバイ”って身体が信号をだしてたんだ」

 

「本当なの?!それ。じゃあ、あの中には……魔族が?」

魔族…あり得なくもない。

 

「ん〜………じゃあ〜シンがあぶないんじゃないの〜?」

 

…………あっ。

 

 

俺は皆と顔を合わせる。

「「本当だ!!」」

 

 

 

 

 

「「シン!」」「シン〜」

俺は扉を急いで開けた。

 

 

 

「あっ、おかえり、みんな!」

 

そこにはシンと先ほどのパンダがいた。

 

パンダは俺たちを見上げ、そして右手をビシッと俺たちの方へ向けて一言発した。

 

 

「よぉ!」

 




以上、パッキーの登場でした!
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