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今回もバトル満載で行きます。次回からIS学園の話に行こうともいますので、それではObiettivo 3始まります
『サイクロン!!』
『ジョーカー!!』
白蘭の拳とダークリベリオンの腕に装備された突起物が衝突する寸前、建物内に響く2つの音。そして、それが聞こえてきたのと同時に白蘭と秋良の間に2つの影が飛び込んでくる
1つは全身を紫色で染めたドラゴンの鎧を身に纏い、体の所々に黄緑色の宝玉が埋め込まれており、秋良と同じフルフェイスの頭部には赤い瞳がギラリと輝いている。もう1つは全身を緑で染め背中から少し薄い緑色の翼を生やし、首には同じ色のマフラーのようなものが靡いており、同じく赤い瞳を持った緑色のフルフェイスのISがそれぞれ、紫色のISが秋良の突起物に黄緑色の宝玉のついた籠手をぶつけ、緑色のISは白蘭の前で両手を広げ彼を止めようと声を掛ける
「止めろ!!良弥!!」
「白蘭様もお止めください!!」
「ん?その声・・・・それにそのIS・・・・そっか。やっぱり君達にも適性があったんだね・・・・まぁ、元々、君達の為に作ったISなんだけどね。レン君、それにキサラちゃん」
そう、紫色のフルフェイスのISはレンが、緑色のフルフェイスのISはキサラが身に着けている。そう、彼等は桔梗から秋良の話を聞いた後、ヴェルデから2人の専用機を受け取り、暴走した秋良を止めようとこの建物内に飛び込んできたのだ
白蘭はオレンジ色の炎を灯した拳をキサラに当たる直前で止め、それをゆっくりと下におろす。白蘭も興奮しているとはいえ、好き好んで自分の部下を傷つけるという行為はしない
いや、むしろそれが10年後の未来で沢田綱吉と戦ったことで白蘭に大きな変化といえるだろう。そうでなければ今頃キサラはISごとその身を拳で貫かれていたことだろう
一方、暴走している秋良はそんなことを考えもしない。ただ目の前の敵を叩き潰す
それだけが彼を支配し、レンの拳に向けて容赦なく、全力で突起物のついた腕を突きだす
レンはそれを真っ向から拳で対峙する。真六弔花としての強大な炎に白蘭の大空の炎が加算された、白蘭でさえも冷や汗が出たほどの一撃を拳で受け止める。衝突の際に轟音と共に地下にあるはずの建物で地震が起きたかのように激しく揺れ、2人の間に秋良の大空、雷、霧、そしてレンの晴れの4つの炎が眩く輝く。レンはフルフェイスの縁から血が滴る秋良をみる。その表情は見えないが、レンは秋良が暗い闇の底で泣いているような感じがした。
そして、先程から絶えず垂れ続けている血。量はそれほど多くはないが、早く何とかしなければならない
「良弥・・・・俺にはお前の苦しみを共感する事は出来ない。俺やキサラみたいに一時の地獄じゃなく、永遠の地獄を味わってきたお前の気持ちを・・・・だがな!!
「そうよ!!そこのハーフボイルド野郎が言った通りよ!!だから、貴方を叩き潰してでも元に戻して見せる!!それが貴方のお姉ちゃん役のキサラ・B・テンドウとしての役目だと思うから!!白蘭様、危険なのでお下がりください」
「う~ん、もう少し遊びたかったけど、ここは空気をよんだほうがいいみたいだね。じゃ、後は頼んだよ♪」
キサラの肩を1回ポンと叩き、レン達と一緒に来ていた桔梗とその肩に乗ってパソコンのキーボードを動かすヴェルデと共に安全な管制室に下がっていく
それを見届けた後、キサラはレンの援護に向かう
やはり、真六弔花、レンの体がズルズルと下がっていく。純粋な力比べで秋良に挑むのは無謀だったかと苦悶の表情を浮かべ、秋良の力を何とか押し戻そうとするが、それを嘲笑うかのようにレンの体はどんどん建物の壁へと押されていく
そこにキサラが加わり、レンと共に秋良の手を2人がかりで抑える。しかし、それでやっとレンの体が止まった程度。秋良の力を押し返すことは出来ない
真六弔花のポテンシャルは異常だと思ってはいたし、それくらいは分かっていた。何故なら彼等は白蘭がこの世界を隈無く探して選び抜いたマーレリング
レンとキサラは確かに一般人と比べればその力は遥か上の位置にいる
しかし、秋良や真六弔花のメンバー、そして白蘭は彼等のいる場所の更に上の位置にいる。そんな人間が暴走して力の制御が出来ない状態にあるのだ。むしろ拮抗したことでさえ奇跡ともいえる。それを証明するようにレンとキサラの体は再び後ろに下がり始める
どれだけ抑えている手に力を入れても、踏ん張ろうと足に力を入れても少しずつ、少しずつ下がっていく。やはり自分達のような人間が真六弔花に挑むことが間違っていたのだろうか。自分達では秋良の心を暗闇から救うことは出来ないのだろうか
死ぬ気の炎は持ち主の覚悟の大きさによって力を発揮できる。暴走している秋良は体内の死ぬ気の炎がどんどん腕の突起物に流れていき、次第にその威力を増していく。それに対してレンとキサラは自分達の無力さに絶望し始めたことで死ぬ気の炎がどんどん弱まっていく
レンとキサラはフルフェイス越しに秋良の顔を見る
何度見てもフルフェイスで見ることは出来ないが、彼の心は泣いている。自分の今やっている行為を止めようと必死に心の中で足掻くが、憎しみに囚われた本能は4体のドラゴンと共鳴し合い、目の前のものを粉々に破壊したいという破壊衝動を抑えられない。故に彼は泣いている
その証拠にフルフェイスの縁から赤い血液のほかに涙の様な液体が滴っているのが見える。自分達の弟のような存在が苦しんでいるのに自分達は何も出来ない。心の中ですまないと秋良に謝罪の言葉を送る
『・・・・きらめる・・・・ン?』
『あいつを・・・・んじゃ・・・・たんですか?キ・・・ん』
そんな時だった
どこからともなく聞こえてくる2人の男性の声。その言葉にレンとキサラは驚きを隠せない。何故ならその言葉は自分の相棒と、許嫁の声だったからだ。そして、その言葉を聞いてハッと目が冴えたような感覚がした。そして、彼等は桔梗から聞いた話を思い出した
「・・・・・織斑秋良・・・・・その名字から察し出来るように織斑千冬の実の弟の名前です」
「え!?でも、織斑千冬には妹の織斑春香と弟の織斑一夏しかいないはずですよ!?モンドグロッソで優勝した時のインタビューでも彼女は言ってましたから。自分の最愛の弟と妹の一夏と春香にこの勝利を捧げると」
「・・・・いや、俺は聞いた事があります。日本で任務があったときにネットサーフィンをしていた時にたまたま開いた掲示板のスレッドに織斑秋良の名前がありました」
レンが見たという掲示板、それは日本中の人々が最強の織斑千冬の出来そこないの弟である織斑秋良を罵倒する為だけに作られたスレッドだ。そこでは秋良が幼い頃に住んでいた街でも言われた罵倒の数々が挙げられていた。なお、現在は白蘭とヴェルデの工作によってこの掲示板自体が存在しなかったものとされている
「罵倒って・・・・リョウ君は真六弔花ですよね?それなのに出来そこないって・・・・」
「ええ、それに関しては私でも非常に不愉快を隠せないことがありまして」
「不愉快なことって・・・・」
「簡単な話です。良弥、秋良の優秀な成績は全て姉の春華と兄の一夏が横取りし、逆に自分達が悪いことをした時にはそれを全て秋良に擦り付けたのです」
「「なっ!!」」
血の繋がった兄弟なのに何故そんなことが出来るのだろうとレンとキサラは驚きを隠せなかった。つまり幼い頃の秋良はテストでどれだけ優秀な成績をとってもその答案の名前がいつの間にか織斑一夏や織斑春香に変わっていたり、何もしていないのに警察に万引きしたという訳の分からない罪を着せられて交番や警察署に連れていかれたのも一度や二度だけではない
2人の兄と姉が秋良に比べて優れているのは剣道の腕だけ。それ以外ははっきり言って秋良の足元にも及ばない。それに気づいていた人も何人かはいたが、人間の心理で、大勢の人が秋良は出来そこない、一夏と春華は優秀だというと、たとえ違っていたとしてもその意見に賛同してしまう
2人はそれを使って自分達を優秀にして秋良を出来そこないに仕立て上げたのだ
「許せない!!そんなことが許されるっていうの!?」
「ええ、普通の家庭ならばそんなことが許されるわけもないでしょう。そう、
「・・・・そうか、あいつの姉は
「ええ、白蘭様の命令がなければ今すぐにでもあの3人の首を良弥のもとに届けるのですがね」
10年後の未来での戦いの後、良い意味で変わった白蘭だが、10年後の未来の時の様な残酷さが少しなくなってしまったようで、その時から仕えていた桔梗はどこか物足りない感じといった表情だ。それもそのはずだろう。10年後の未来では自分達の好きなように人を殺すことができ、建造物なども好きに破壊することが出来た。しかし、今はCEDEFから逃げながらの生活、そんな大それたことをすれば一瞬でバレてしまう
そのため桔梗、ザクロ、ブルーベル、デイジーの10年後の未来で白蘭に仕えていた者達はこの世界に少々物足りなさを感じているという
「さて・・・・こうして秋良は街の人々から虐げられ、あの時まで生活を続けました。そしてあの事件、織斑千冬の2連覇を阻止しようと起こった誘拐事件、そこで彼は自分の姉からも愛されていないことに気づかされ・・・・絶望した彼に手を差し伸べたのが白蘭様なのです・・・・そして、秋良は自分の名前の殆どを捨て、新たな人生を千花良弥としての人生を歩み始め、現在に至るというわけです」
「「・・・・・・」」
余りにも壮絶すぎる話にキサラはまだ頭の整理が追い付いていない。そして、レンはいつの間にか拳から出血するほど強く握りしめていた。それは織斑千冬達に対する怒りもあるが、もっと彼の感情を支配しているのは後悔
その話を聞けばたまに秋良とイタリアの街を歩いているときに仲良く手を繋ぎ、歩いている家族を見たときの秋良の羨ましそうな、そして悲しそうな表情をしたことも頷けるし、任務でISを装備した相手と戦った時に見せた自分を遥かに凌駕するほどのISに対する憎しみ
思えばいくらでも思いつくところはあった。しかし、自分はそれに気づくことなく今日まで来てしまった。秋良の親友になると誓ったはずなのに、その親友の心情すらも理解することが出来なかった。親友失格だなとハット帽を深く被る。それを見た桔梗は自分の背後にいたヴェルデに目配せをする
それに頷いたヴェルデはコンピューターのキーボードを動かす。すると床から2つの穴が開きそこから更に黒と緑の2機のISが姿を現す
「これは!!」
「ええ、貴方達専用にヴェルデ博士と白蘭様が作製したIS、黒色のISがレン専用のIS『ブラック・ジョーカー』。緑色のISがキサラ専用のIS『グリーン・サイクロン』です」
「私達・・・・専用の・・・・IS」
「これも
「ええ、ヴェルデ博士・・・・先程博士が言ったようにこれに乗るか貴方達の武器で破壊するかは貴方達にお任せします。ああ、因みに白蘭様と良弥は先程、貴方達が戦っていた建物にいますから・・・・私と博士は白蘭様の安全とデータ取りに先に向かいますので・・・・よく考えて決めてください」
扉を開け、建物に向かう桔梗とヴェルデ
その歩く速度は非常にゆっくりとしているものでとても白蘭の身の安全を気にしている感じではない。というよりも彼等は確信しているのだ。大空のマーレリングを持つ白蘭が、異世界の力を身に着けたとはいえ秋良に負けるなどということはありえないのだと
だから彼等はゆっくりと歩いていける。自分の主は自分の研究仲間はこの程度でやられるほどの男ではないと確信しているから
そして、残されたレンとキサラは目の前の2機のISをジッと見つめる。かつて自分達の大切なものを奪ったIS。それが自分達の専用機として目の前に佇んでいる。本当ならば今すぐこのISを破壊したい。しかし、今の自分達ではあの状態の秋良を救えることは出来ないということぐらいは分かっていた
秋良を救う、元の状態に戻すには新しい力が必要だ。そのことをいち早く理解したキサラはグリーン・サイクロンに触れようと手を伸ばす
「キサラ・・・・お前・・・・本気なんだな?」
「・・・・正直に言えば、レンタロウの命を奪ったISになんて乗りたくもないわ・・・・でもここで
グリーン・サイクロンに触れると、キュイイインという音とともにキサラの体にフィットするように装着された。そして、すぐに気づいた。このISに宿る強い力に
これなら秋良を救える。そう確信したキサラはグリーン・サイクロンを待機状態のUSBメモリの形態にすると、レンの横を通り過ぎ、扉を出て駆けていく。その際に横目でレンを見ながら目で訴えた。先に行ってるからね・・・・と
それを理解したレンは深く被っていたハット帽を元の位置に戻し、フッと笑みを浮かべる
「・・・・なぁ、フィリップ・・・・レンタロウが愛し、そして・・・・俺が惚れた女は・・・・やっぱ強ぇな・・・・・だったら俺は大切なもの・・・・レンタロウが命を懸けて残したキサラとリョウ・・・・アキラのために・・・・俺はこの力を使う!!」
そしてレンもISに触れ、急いで飛び出していく。途中で追いついたキサラとアイコンタクトをし、首を縦に振って建物の方に走っていく
『そうだったな・・・・何弱気になってるんだよ・・・・俺達は』
『そうよ・・・・決めたじゃない・・・あの子を・・・・アキラ君を助けるって』
『ああ、全くだ・・・・あいつらに誓った言葉を破るようじゃあ・・・・』
『ええ・・・・』
『『あいつらに笑われるからな!!』』
その言葉を発した瞬間、2人のISからとんでもないほどの量の死ぬ気の炎が噴き出される。その炎の大きさは秋良の一撃の炎を軽く凌駕する。つまり、この一時だが、彼等は真六弔花クラスの炎を出したことになる。秋良は無意識に
暴走しているにも拘らず冷静な判断が出来るのは流石は真六弔花といったところだろう故に秋良は今の一撃に全力を込める。しかし、レンとキサラの方が今回は軍配が上がるようだ
『ジョーカー!!マキシマムドライブ!!』
『サイクロン!!マキシマムドライブ!!』
再び建物内に響く音
それは2人の炎が必殺技を出すに値したことを意味している。それを聞いた2人は抑えていた拳を外し、瞬時に横に避ける。秋良の体はそのまま建物の壁に向かって突進していく。しかし、秋良は状態を反転させ足の部分から2色の炎を逆噴射させることで軌道を変え再び2人に襲い掛かる
2人はその場から上空に飛び秋良に向けて足を突き出し、猛スピードで向かっていく
『マキシマムジョーカーキック!!』
『マキシマムサイクロンキック!!』
『反逆のライトニング・ディスオベイ!!』
3人の技が衝突し、再び鳴り響く轟音。そして、視界を覆うほどの煙
白蘭、桔梗、ヴェルデはどうなったのかと目を凝らす。そして、煙が晴れるとそこには気絶した秋良を抱きかかえるキサラと彼に向かって声を掛けるレンの姿があった
そう、2人は取り戻すことが出来たのだ自分達の大切な親友を
そして、そのあとは大変だった
「おい!!良弥隊長が倒されたそうだぞ!!」
「何だと!!何処の腐れマフィアだ!!うちの隊長に酷いことをしたのは!!」
「きっとショタ好きのIS乗りのクソ女が隊長を暗闇に連れてって・・・・・・この腐れ外道があああああ!!!!」
「落ち着け隊員A!!外道はお前だ!!」
「お前ら!!そんなことよりも良弥隊長の弔い合戦だ!!ありったけの武装をしていくぞ!!」
「おー!!!!」
「ヒャッハー!!Let's partyだぜー!!」
気絶した秋良を治療室へ運んでいるときにその様子を秋良の部下に見られてしまったようで。真六弔花の秋良が、自分達の隊のリーダーがやられたと聞いて彼等の部下は武装を施してイタリアの街に出てヒャッハーするところだった。普段から親身に自分達に接してくれる秋良はまさに自分達の全てを賭けても守りたい存在
その秋良がやられてしまった
隊員の中には白蘭が開発した直径30kmを跡形もなく消し去る強力な爆弾、揮散の大圏や核弾頭を発射する大型のバズーカ、アトミックバズーカを装備した者もいて、ミルフィオーレ全員で食い止めたり
レンとキサラの攻撃で壊れてしまった秋良の専用機を見たヴェルデが、やりすぎだ!!とレンとキサラに怒ったりと盆と正月と新学期が一度に来たような忙しさだった
そして、何より大変なのが
「放してください!!」
「だから落ち着けって言ってるだろ!!」
「そうよ白蘭様だって気にしないでって言ってくださったんだから!!」
「僕の気が収まらないんです・・・・・かくなるうえは・・・・・この神鉄如意で切腹を!!」
「「ヤメロ!!!!」」
このように違う意味で暴走してしまっている秋良を取り押さえることだった。白蘭を崇拝している秋良にとって今回自分がしでかした行為はまさに神に対して牙を向けたようなものだ。そんな大罪を犯した自分が生きている資格はないと一生懸命神鉄如意の先を伸ばして自らの腹部に突き刺そうとする。秋良の願いを叶えるべく少しずつ伸びていく神鉄如意を力づくで戻そうとするレン、神鉄如意から少しでも離そうと秋良を引っ張るキサラ
それをおもちゃを買ってもらえなくて駄々をこねている子供の様な秋良。非常に混沌としていた
それを少し離れたところからニヤニヤと笑みを浮かべる白蘭と他の真六弔花のメンバー、桔梗、ザクロ、ブルーベル、デイジーがいた。ここにいるメンバーならば世界に喧嘩を売っても余裕で勝ててしまいそうだ
「さて、良弥君達、盛り上がってるところ悪いけど、少し僕の話を聞いてくれるかな?」
「は、はい!!」
白蘭の言葉に慌てて神鉄如意をしまい、レンとキサラとともに白蘭の前で忠誠の姿勢をとる。すると白蘭は桔梗に目配せをし、それに頷いた桔梗はレンと秋良の前に白いアタッシュケースを置く。秋良とレンは何だろうと思ったが、白蘭の指示でそれを開くと、そこにはある学園の制服とパンフレットが入っていた
そこにはでかでかとIS学園と書いてあった
そして、秋良のケースにはその他に何か鎖の一部分が入っていた。それを手に取ると鎖の欠片は黄色い光を放ち、秋良の腕に巻き付いた。驚いた秋良はそれを外そうとしたが、全く外れない。おまけに心なしか体にうまいように力が入らない
「それは君の力を一定まで下げることのできるものだよタルタロスっていうんだ♪そして、そこにあるようにこれから君とレン君にはIS学園に行ってもらうよ・・・・僕がこの世界でやりたいことの実現に向けてね」
「白蘭様がやりたいこと・・・・ですか?」
「そう。桔梗ちゃんには事前に言ってたんだけどね。この機会に君達にも教えておこうと思ってね。僕がこの世界でやりたいことは・・・・この世界を破壊して新しい世界をつくることだよ」
世界を破壊して創り直す
言葉でいうのは簡単だが、それを一般人の前で口にすれば頭がおかしいんじゃないのかと言われてしまう。しかし、秋良を除く真六弔花のメンバーはやっとかといった感じでニヤリと笑みを浮かべるが、秋良とレンとキサラは白蘭が何を言っているのかが理解できなかった
「白蘭様・・・・世界を破壊するっていうのは」
「勿論この腐りきった女尊男卑の社会をだよ。だってさぁ、つまんなくない?女ってだけでISも扱えないクソ人間が威張っているなんてさ。だからそんな腐った社会を破壊して僕が新しい世界を創るんだ。男と女の差別のない、そして、争いのない平和な世界をね」
平和な世界そして、女尊男卑のない世界
それはISが広まってから秋良が常に願っていたこと。しかし、幼い頃はそんな世界が実現するはずがないと諦めていた。しかし、目の前にいる自分の主、そしていくつもの
そして、それはレンとキサラも同じだった。もし、そんな世界が出来れば、自分達の様なISによって大切な人を失うこともなくなる
「その実現のために、良弥君とレン君にはIS学園に行ってもらいたいんだ。男性でも扱えるISのテスターとしてね」
「白蘭様、レン君と良弥君は分かりましたが・・・・私は?」
「うん、キサラちゃんにはイタリアの代表候補生になってもらおうと思ってね。こうやって地下で活動し続けても問題ないんだけどね。万が一を考えてイタリアの政府を僕のものにしておこうと思ってね。そのために君にはイタリアの代表候補生になってもらうよ。心配しなくてもイタリアのほかの代表候補生のデータ見たけど君なら余裕だと思うから安心してくれていいよ。そして、イタリアの代表候補生になってから改めてIS学園に行ってもらうよ」
「分かりました。私の力必ず代表候補生になって見せます・・・・良弥君、レン君そっちはしばらく任せるからね」
「分かりました。キサラさんも頑張ってください」
「こっちは俺と良弥に任せて思いっきりやってこい」
「それでは行きましょうかキサラ。ヴェルデ博士、提出書類などの作成を手伝ってください」
「いいだろう。行くぞキサラよ」
「はい」
立ち上がり、ヴェルデを肩に乗せた桔梗とともに部屋を出ていく。白蘭の力を以てすれば代表候補生に彼女を入れることなど造作もない事。しかし、イタリアの代表となるためにはそれに値する力を持っているかを試す必要がある。そのために白蘭がイタリア政府に要求したのは全ての代表候補生と彼女を戦わせるというもの。本来ならば代表候補生というのは長い間厳しい特訓に耐えることのできた者の中でも一握りの者しかなることが出来ない
そんなことを政府が納得するはずもないのだが、白蘭は政府の上層部の不正の情報をヴェルデのハッキング技術を使って入手しており、それを使って上層部を脅し、そのあり得ない条件を無理矢理許可させたのだ。こうしてキサラは秋良達が旅立ってしばらくして、イタリアの代表候補生になることになった
そして、IS学園に入学する秋良とレンに課せられた任務はただ1つ
自分達のISの力を使って良い宣伝広告塔になること。そうすることでISのデータも取れるし、男性でも扱えるISを発表する際に良い宣伝材料になる
「つまり、君達の仕事はそのISを使ってもうちょっと後で発表する商品の宣伝広告をやってもらうよ。あ、そうだ。さっき良弥君の手首に巻き付いた鎖の説明をしないといけないね。その鎖、タルタロスは君の能力を封印するために施した道具だよ」
「僕の力を・・・・封印ですか?」
「そう、君自身も分かってると思うけど、君も含めた真六弔花のスペックは一般人、それもただの学生なんかとは天と地ほどの差がある。だから少しでも彼等に近づけるために君にはBランクまで力を下げさせてもらったよ。当然、その状態でマーレリングは使うことは出来ないから日本に行くときはほかのランクのリングも一緒に持って行ってね。あと、その封印は切ろうと思えば君の神鉄如意でも簡単に切れるから。ただ、それが切られるとその時の情報が全部僕の所に来るようになってるから気を付けてね」
「はい」
「それじゃあ、レン君はここまでで何か聞きたいこと、あるかい?ないなら君への話はお終いだよ。良弥君にはもう少し話があるから。入学の日にちとか分かったらまた知らせるから。それまではいつも通りにしてていいよ」
「分かりました。じゃあ、良弥。先に行ってるからな」
「あ、はい」
良弥の頭に手をポンと置き、白蘭と真六弔花に頭を下げ、部屋から出ていく
彼はミルフィオーレの任務がないときは私立探偵として働いている。そして、キサラはその秘書として共にいろいろな事件を解決してきた。今日も、溜まっていた依頼を消化していこうと自分の探偵所に向かって歩いていく
そして、残された良弥は白蘭と1対1で話すことになった。真六弔花は白蘭の指示で自由な時間を過ごすために各々部屋から出ていった
「あの、白蘭様、お話というのは」
「うん。君のISについてもう少し話しておこうと思ってね。そのISは君の死ぬ気の炎を抑えるための拘束具にもなっているんだ。正直に言って君の死ぬ気の炎の量だけで言えば桔梗ちゃんよりも遥かに多い。それを少しでも抑えるためにそのISを作ったんだ。でも、今回みたいに怒りに身を任せればその拘束具に封印されている異世界のドラゴン達が暴走を始める。そのドラゴン達も嘗ては悪魔の眷属と言われていたドラゴン達だからね・・・・だから、怒るなとは言わないんだけど、君に課すもう1つの任務は感情をちゃんとコントロールすること」
「感情をコントロール・・・・・」
そんなことは出来ているつもりでいた。しかし、今日の出来事を見ればそれが出来ていなかったことは明白だ
今回は白蘭達がいたので何とかなったが、これから行くIS学園にはレンしかいない状況、そんな時にまた暴走を始めたら、今度こそ誰かの命を奪うかもしれない。そうなってしまってはいい広告どころか世間からのバッシングを浴びてしまう。それを防がないといけないと考えた秋良は白蘭の言葉に首を縦に振った
こうして秋良は誘拐されてから久しぶりに日本へ帰ることとなった
秋良のISに宿った異世界の4体のドラゴン。それをコントロールし、白蘭の悲願、世界の破壊と創造を達成し、平和な世界を築くべくIS学園に向かう。そこには自分を地獄に叩き落した存在の人間がいる。そんな中で秋良は感情をコントロールすることが出来るのか。まあ、白蘭はそれが厳しいと判断してストッパー役としてレンを一緒に派遣させるわけなのだが
そして、秋良が抱えていた任務を自分達が代わりにやらないといけなくなったので、白蘭は部屋を出ていった真六弔花に連絡を取りながら自分も部屋を出ていった
IS学園入学の日が決まり、秋良とレンを校門で待ち受けていたのは嘗ての姉であり自分を地獄に落とした元凶の織斑千冬
そして、教室に行けば自分をさんざん利用して人気者となった愚兄、織斑一夏と愚姉の織斑春香
二度と再会することはないと思っていた3人と再会し、秋良の心に宿ったドラゴン達が彼の感情を読んで怒りの雄たけびを上げる
そして、再会する幼馴染
ボンゴレファミリーの一員として方に黄色のおしゃぶりを持つアルコバレーノ、リボーンを連れた彼女に、10年後の未来で敵対関係にあったボンゴレに彼はどう接していくのか
そして、もう1人、再会する金色の髪を持つ美少女、イギリス代表候補生、セシリア・オルコット
話していくうちに彼女もマフィア関係だと知る秋良
果たして彼はどのような学園生活を送ることになるのだろうか
次回 Obiettivo 4
お楽しみに