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全ての授業が終わり、放課後となると生徒達の行動は様々だ。教室に残って友人との会話を楽しむ者、部活にて汗を流す者、アリーナにてISの練習をする者・・・・アキラとレンも練習をしようとアリーナに行こうとしたのだが、予約がいっぱいのようで諦めることにした。男性操縦者なので、優先しようかと魅力的なことを受付の者が言ってくれたのだが、自分達のせいでずっと前から予約していた人が使えなくなるのは申し訳ないような気がしたのでやめることにし、教室に戻ることにした
「さてと、クラス代表決定戦に向けての練習が出来なくなっちまったな。どうするよ?」
「出来ないのも仕方ありませんよ。アリーナの予約は僕達が入学する以前からも予約があったわけですから。それにISに乗らなくてもやることのできる練習なら幾らでもありますよ」
ISに乗らなくてもできる練習、それは大きく分けて2つに分けられる。1つは情報の収集、自分のISの特性をよく調べ、対戦相手の情報を入手し、そこからどのようにして戦うかという戦略を練ること
そして、もう1つは戦闘技術の向上
ISは装備された武器を使って戦うため、武器の性能によって勝敗が左右してしまうが、相手が自分と同じISで同じ武装をしていたら勝敗を分けるのは戦闘能力の差。どれだけ強力な武器を持っていたとしてもその使い手の能力が低くては宝の持ち腐れというものだ。元々、桔梗のように頭脳を使って戦うことを得意とせず、どちらかというとザクロやブルーベルのように直感的に戦う秋良にとっては情報収集よりも戦闘能力の向上のほうがいいようだ
隣にいるレンも、基本的に情報収集はコンビを組んでいるキサラに任せる傾向にあるため、どちらかというと秋良と同じだ。やることは決まったが、問題はそれをどこでやるかだ。IS学園はとてつもなく広いのでそれを行う場所ならば幾らでもあるが、彼等の場合、裏社会関係者だとバレない様にするという条件も加えられる
素人が見ても分からないが、一定の領域に達している人間が見れば、その人がどんな社会で生きているのかは一目でわかってしまう。更にはこの学園にボンゴレファミリーの箒とリボーンがいるため、死ぬ気の炎も使用も制限される。そんな都合のいい場所がこの学園に存在するのだろうかと考えていると、秋良の懐にしまっていた携帯電話が着信を知らせる音を出す。これは秋良がイタリアにいたときに白蘭からプレゼントしてくれた携帯電話で、白蘭のことを神のように崇拝している秋良は自室にいるときはそれを神棚に飾っているほどだ。以前、神棚の上に携帯が落ちていると勘違いしたレンがそれを手に取った瞬間、秋良の神鉄如意で心臓を貫かれそうになったこともあったという
そんな携帯の着信に出ると、相手はイタリアにいるヴェルデからのようだった
「はい、ヴェルデさんですか?ちょうどよかったです。今、レンさんとトレーニングしようと思っていたんですが、このIS学園に中々いい場所がなくて・・・・・でも、そんな便利な場所を用意できるものなんてありませんよね?」
「おい、良弥。あんまり無理難題を言うもんじゃねえぞ。いくらダヴィンチの再来って言われたヴェルデさんでもそんなもの用意出来るわけg『あるよ』あんのかよ!?」
どこかのバーテンダーのマスターのように答えるヴェルデ。それと同時に秋良の携帯の何もついていない黒いスタラップの先端が光を放ち、そこから白い匣のようなキーホルダーが現れる
それを手に取ると、何処かの白と赤の2色に分かれたボールのように普通のサイズの匣に大きさを変化させる。見た目は黒一色でミルフィオーレのマークが刻まれた秋良が持っているものと同じものだった
『それは私が新たに開発した転送用の匣でな。送った相手の属性で開匣する仕組みになっている。因みに今回は良弥に送るものだから霧属性の炎で構成している。その中には改良した超炎リング転送装置のリングバージョンが入っている。イタリアでお前が暴走したときに白蘭が使ったものをバージョンアップさせたものだ』
ヴェルデに言われた通りに指に霧のBランクのリングをはめ、炎を灯し、匣に注入する。すると匣が開匣され、中から白一色のリングが姿を現した
『それは本気で特訓のできないであろうお前達のために開発したものだ。それに炎を灯せば異空間に転送され、誰もいない無人の世界で好きなだけ暴れることが出来るようになっている。因みにその先の空間の時間は1日がこちらの世界では1時間しか経過していない計算になる』
「すげぇな。まるで魔法だぜ」
『・・・・魔法だと?』
地雷を踏んだなと秋良はレンに向けて溜め息をつく。科学者にとって最も許さない言葉が魔法や呪いなどの非科学的なものだ。天才科学者であるヴェルデにとってそれは天敵であるリボーンに笑顔で握手を交わすのと同じ、いや、それ以上に不快なことなのだ
『あんな非科学的なものと私の研究成果を一緒にするな。そもそもこれの完成に至ったのは私の科学技術が主なもので、それに私が研究してきた死ぬ気の炎のデータなどを駆使して完成させた傑作品なのだ
それを貴様・・・・魔法などと一緒にするとは』
「ヴェルデさん。お気持ちは充分分かりましたから。白蘭様にはレンさんの今月分の給料カットするように言っておきますから「おい!!何言っt」それでは失礼します」
『待つのだ良弥よ!!私の話はまd』
強制的に通信を切る秋良。その目の前では絶望しているレンの姿。今月分の給料をカットされるということはカツ丼にかけるお金が無くなってしまうということ
それはレンとって紐なしバンジージャンプをさせられるほど絶望するものだったのだ
そんなレンを横目に秋良はレンの給料カットの内容をメールに打ち、白蘭宛に送信しようとする
「なぁ!!頼むよ良弥!!それだけは、それだけは勘弁してくれ!!」
「レンさん・・・・」
そんな姿を見た秋良は携帯を下におろす。親友が困ることを進んでやるような人間ではなかったことに感動し、涙を流すレン。これで今月も至福の時間を味わうことができる
レンは秋良に感謝した
ピッ
『メールが送信されました』
「ノオオオオオオオオオ!!!!」
そんなレンの想いは無情にも一度の機械の音で脆く崩れ去ってしまった
「お前!!今のはどう考えても送信しない流れだったろうが!!」
「レンさん。僕は真六弔花になってから白蘭様に教えて貰ったんです。面白いことには全力で取り組めと」
「最低かこの野郎!!どうすんだよ!!今月の必要カツ丼摂取量に辿り着けねぇじゃねぇかよ!!」
「なんですかカツ丼摂取量って。そんなことよりも折角、ヴェルデさんが送ってくれたんですから使ってみましょうよ」
悲しみに打ちひしがれているレンを放っておいてリングに炎を灯す。するとリングから強い光が放たれ、秋良とレンの姿は消えてしまっていた。残されていたのは空中に薄らと揺らめく藍色の炎だけだった
秋良にとってはほんの一瞬の事だったのだが、それでも死ぬ気の炎を感じ取れる人物は瞬時に察知することが出来る
現に剣道場で箒の特訓を眺めていたリボーンがその反応がした方に目を向けていた
「ん?こいつは」
「リボーンさん、どうかしたんですか?」
「ああ、僅かだが死ぬ気の炎が使われた感じがしてな・・・・でも、気のせいみてぇだな。それよりも手を止めてんじゃねぇぞ箒。まだ素振り10000回の内、5000回しかやってねぇだろうが」
「ご、5000回でもやりすぎなくらいですよ・・・・はぁ、はぁ、少しは休憩させてくださいよ」
「甘ったれてんじゃねえ・・・・・と言いたいところだが、どうやらオメェに会いに来た奴等がいるみたいだからな。少し休憩にしようぜ」
リボーンの指さした方向にはこちらに向かってくる一夏と春香の姿。どうやら特訓をしに来たのではなくただ単に自分に会いに来たのだろう。そんな暇がこの2人にはあるのだろうか
本来ならばアリーナの使用許可を貰いに行ったりと当日までにやることは山のようにあるはずなのだが、この2人は勝つ可能性を捨てているのだろうか
「よっ、箒」
「偶然通りかかったみたいな言い方だな。道着も身につけずにこんなところに何の用だ?」
「何って久しぶりに会ったんだから少し話でも「悪いが私にはそんな時間はない」な、何でだよ!?少しの時間くらいいいだろう!?」
「だから、そんな時間はないと言っているんだ。それに、お前達は代表決定戦に向けてやることがあるんじゃないのか?」
箒とは違い、2人は代表決定戦で秋良とレン、そしてセシリアと戦う。一夏は兎も角、春香はセシリアに喧嘩を売っている出前、情けない結果を出せば、クラスでの評価は一気に下がってしまう
そして、そうなってしまったら、春香だけではなく、一夏や千冬も所詮は口だけの存在なんだとバカにされてしまう
最も、今の春香がそんなことを考えているとは思えないのだが
「ああ、そのことなんだけどな、箒、俺達の練習相手になってくれないか?」
「何?」
「私達も特訓しようと思ったのですが、私達の実力では相手を選ぶのも大変でして・・・・それで箒に頼みたいんですわ(この学園に入学して早々、私を苛つかせた男、その憂さ晴らしに付き合ってもらうわよ)」
一夏は箒ともっと仲良くなりたいと言う不純な理由で、春香は最早言葉にするだけでも腹立たしい考えを持っていた
箒は目を見ただけで察した。この2人は真剣に特訓しようと思っていない。そんな人間に付き合うほど彼女は暇ではない
「ことw「いいじゃねえか」リボーンさん!?」
「但し条件付きだがな。今からお前と箒が勝負してお前が勝ったら、お前達の願いを叶えてやるよ。だが、負けたら今後一切お前達から箒に絡むのはやめろ」
「な、何でお前に決められないといけないんd「いいではないですか一夏。あなたが勝てばいい話なんですから」春香姉・・・・まあ、それもそうか。分かった。その話乗ったぜ」
「よし、んじゃあ早速始めるか。道着に着替えるなら準備できるまで待ってやるぞ?」
「いや、そんなことしなくてもいい。竹刀だけ貸してもらえればいいよ」
その言葉に怒りを覚える箒。どうやら目の前の男は自分など剣道での正装も身につけずとも余裕で勝てると思っているようだ。これが嘗ては同じ道場で汗を流し合った人間なのかと悲しみの篭ったため息をつく
そして、碌に構えも取らずに肩に竹刀を担ぐようにして持つ一夏。一体この男のどこからこのような余裕が出てくるのだろうか。箒とリボーンは理解が出来なかった。そして、リボーンは確信した。この程度の男に箒が負けるわけがない。それに彼には恐らく箒の動きを目で追うことは出来ないだろう
そしてそんな一夏の後ろで見守る春香は箒を見下したような目で見ていた。確かに幼い頃は箒よりも一夏や春香の方が強かった。しかし、それは幼い頃の話
箒が綱吉達と出会っていなければ彼女は一夏達に勝つことは出来なかっただろう。しかし、彼女は今やボンゴレファミリーの雨の守護者の後継者とファミリーのメンバーから認められるほど強くなった。そんな彼女に才能に溺れ、碌に訓練をしてこなかった人間が勝つことが出来るのか。答えは言うまでもないだろう
一夏と箒はお互いに立ち位置につき、審判であるリボーンの合図を待つ。箒は竹刀に手をかけ、重心を低くし、一夏は竹刀を両手で持ち、教科書通りの構えで待っている
そして、リボーンの合図が聞こえた瞬間、一夏は一気に箒に詰め寄る。一夏の考えではスタートと同時に一気に詰め寄り、力で押し勝っていくという単純なもの。そして、なによりも彼が箒に絶対に負けるはずがないという自信からくる戦法だ。確かに剣道の初心者や素人が相手ならばその戦法でも楽に勝つことが出来るだろう
だが、目の前にいるのはボンゴレファミリー雨の守護者の一番弟子。そんな戦法でやられるはずもない。箒は重心を低くしたまま一夏に突っ込み、手に持った竹刀を下から一夏の顔面目掛けて振り上げる
それに合わせて力で押そうと竹刀を合わせようとする一夏。しかし、その表情は突如驚愕のものに変わる。箒の振り抜かれた手に竹刀がないのだ
「箒の手に・・・竹刀が・・・・ないですって!?」
「箒の奴・・・・あんな奴に使うまでもないが・・・・まあ、すきにやらせてやるか」
そう、リボーンが言うように箒が使った技は本来、一夏如きに使うまでもないボンゴレ雨の守護者、山本武が使う最強の流派、時雨蒼燕流だ
箒の竹刀はどこに行ったのか考えているうちに彼の胴に竹刀の鋭い一閃が入る
「時雨蒼燕流・・・・攻式五の型・・・・五月雨!!」
「ぐあっ!!」
少女から放たれたとは思えないほどの力で吹き飛ばされてしまう一夏。この場に他の人がいなくて助かった。もし、この光景を誰かに見られていたのならば自分の評価はまた一段と下がってしまうところだった。しかし、吹き飛ばされた一夏の口から出た言葉は彼女の技を罵倒するものだった
「何だよそれ!!剣道にそんな技はないだろ!!反則だ!!お前の反則負けだ!!」
「何を言っているんだお前は。リボーンさんは勝負するとは言ったが、何も教科書通りの剣道の試合をしろとは言っていないぞ」
「そんな!!大体何なんだよ時雨蒼燕流って!!お前は親父さんから教わった篠ノ之流があっただろう!?」
「確かに昔は私も篠ノ之流の門下生として頑張っていた。しかし、あの人の剣技を見た時に引き込まれてしまったんだ。それから父さんとは話をし、私は篠ノ之流から時雨蒼燕流へと変えたんだ。これはその時雨蒼燕流の奥義の1つだ」
箒の口から出てきたのはもう自分は篠ノ之流ではないということ。幼い頃から惚れていた少女との唯一の繋がりである篠ノ之流が無くなってしまい、もはや一夏と彼女を繋いでいるのは幼馴染という今にも砕けてしまいそうな脆い鎖だけだった
納得がいかない。箒は篠ノ之流であるべきなのに、そうだ。自分が箒を元に戻せばいいんだ。そうすれば箒は必ず自分の方に振り向いてくれる
そんな盛大な勘違いをしている一夏の暴走は止まらない。落ちた竹刀を拾い、もう一度箒の頭目掛けて竹刀を振り下ろす。それを片手で握った竹刀で対応する箒
「お前は俺や春香姉、千冬姉と一緒の篠ノ之流であるべきなんだ!!」
「・・・・呆れて言葉も出ないな。何故お前に私が使う流派を決められなければならないのだ?どの流派を使おうが私の勝手ではないか。貴様に流派をどうのこうの言われる筋合いはない」
「ぐ・・・・この・・・・・」
動かない。一夏の竹刀が1mmも動いていない。勿論一夏は全力で自分の全体重を竹刀にかけている。しかし、動かない。体重は自分の方が圧倒的に重いはず。なのに何故全く動かないのだろう
「当たり前だ。再会するまで碌に竹刀も振っていなかったのだろう。そんなもので私に勝てると思うな」
「な、何でそんなことわかるんだよ・・・・」
「分かるに決まっているだろう・・・・こんなに意志の篭っていない剣を振られればな!!」
「ぐあっ!!」
横に一閃、それだけで一夏の体は吹き飛ばされてしまい、道場の壁に叩きつけられ、肺の中の酸素が全て吐き出されてしまった。よろよろと立ち上がろうとする一夏の顔に触れるか触れないかのギリギリのところに竹刀の先を突き付ける箒
その姿からは幼い頃、自分達が打ち負かしてきた少女の姿はなく。1人の剣士としての姿がそこにあった
終わったなとリボーンは箒の肩に飛び乗る。箒は特訓を中断し、道場を後にしていく。一夏と春香の邪魔のせいで今日やらなければならないノルマを達成できておらず、どこでやろうかと考える羽目になってしまった。そして残された春香と一夏はこんなはずではなかったと思うしかできなかった
「くそっ!!何なんだよ箒の奴!!」
「一夏、落ち着きなさい。箒を当てにできないのなら私達だけでやるしかないわ(それにしてもあの女、どこであんなに強くなったのよ。やっぱりあの赤ん坊が言っていた組織っていうのが気になるわね。今度千冬お姉様に調べてもらうとしましょう。そして、もしそれが私の野望の邪魔になるのなら・・・・)」
春香の野望、即ち千冬に代わって自分が世界の頂点に立ち、世界中の人々を自分の想い通りに操ること。そんな野望が叶うと本気で思っているあたりこの女は最早手の付けられないところまで来てしまっているのだろう。とにかく箒の助力が望めなくなった以上、自分達で何とかするしかない
だが、何も心配はしていない。彼等に勝てる相手などこの学園にいるはずがないのだから、そんな下らない考えを持ち、自分達で特訓を始めた
そして、夜になり、異空間での特訓を終えた秋良とレンは食堂で夕食を取り、それぞれの部屋に戻っていく最中だった
「しかし、本当にすげえよな。相当あの空間で特訓したが、外に出てみればまだこんな時間なんだからな」
「本当ですね。でもあまり多用は出来ないみたいですね。このリングを使い続けている間、少しずつですが、僕の死ぬ気の炎が吸収されたみたいですから」
「そっか。おっと、ここだったそんじゃあな良弥」
「はい、おやすみなさい」
秋良に向けて片手を挙げ部屋の中に入っていく。それを見届けた後、秋良は自分の部屋に歩いていく。とはいってもレンの部屋からそんなに離れてはいないのだが。そしてドアの取手に触れた瞬間、微かに違和感を感じる。秋良は今日までこの部屋に入ったことはない。しかし、取手から感じる僅かな温かさ
誰かいる
咄嗟に匣とリングを取り出すが、IS学園内で無暗に匣兵器を使うのはマズイ。なので秋良は何時でも攻撃できるように右手に雷の炎を灯した拳を構え、反対の手で扉を開く
そして、向こう側にいた人物に向けて拳を振り抜こうとして――――――
「おかえりなさい。ご飯にする?お風呂にする?それともわt」
瞬時に扉を閉じた
おかしい。自分の部屋は1人部屋だったはず。なのに、中にエプロンを身に纏った水色の髪の痴女がいた。恐らくこの学園の生徒なのだろうが、同じクラスにあのような特徴的な髪の色の人物は見たことがない。ということは他のクラスの人間かまたは上級生のどちらかなのだろう
それに彼女を一瞬見ただけで感じた
彼女は人間というカテゴリーで見れば上位に位置する存在だ。現に秋良の殺気に気づいていたのかポーズを取りながらも彼女の周りにはブルーベルがやるように水で作った薄いバリアの様なものが張られていた
秋良はここに来る前にミルフィオーレで調べた生徒データと頭の中で照合し、学園内でも上位の生徒を頭の中に浮かべる。そして、1人の生徒がヒットした
更識楯無
IS学園の生徒会長を務め、プライベートでは暗部の更識家の17代目楯無を継ぎ、自由国籍を取得し、ロシアの国家代表となったなかなかのハイスペックな人間だ
そんな彼女が格好は 別として自分の部屋に訪れているのか答えは簡単。得体の知れない自分とレンを探るべくやってきたのだろう。そんなことを考えながら秋良は携帯電話を操作し電話を掛ける
『はい、こちら110番です』
「あ、すいません。今自分の部屋に裸エプロンの痴女がいr」
即座に部屋に引き込まれ携帯電話を没収された
「あ、すいません!!うちの弟が悪戯で・・・え?裸エプロンの痴女ですか?そんな人いるわけないじゃないですか!!そういう年頃なので!!はい、本当にすいません!!」
通話相手の言葉も聞かずに適当な言い訳を述べ、通話を切る楯無。そして、それが終わると物凄い黒い笑みを浮かべながら秋良の制服の襟首を両手で掴む
「何をしているのかな!?」
「いや、何って・・・・自分の恰好見てから言ってくれませんか?兎に角、一度着替えてきてください」
「あら?お姉さんの恰好に欲情しちゃったのかな?」
「あ、すいません。さっきのものなんですけど、今痴女に襲われs」
没収された
その後、制服に着替えた楯無はテーブルにつき、ココアを飲む秋良の前でカツ丼を目の前に置かれた状態で椅子に座っていた。まるで少し昔の刑事ものに出てくる取り調べのように
「あの・・・・何でカツ丼?」
「え?悪いことをした人はこうすれば何でも喋るってレンさん言ってたんですけど・・・・」
「いつの刑事ドラマよ!?普通こういう時は飲み物渡すんじゃないの?」
「え?でもレンさん言ってましたよ?カツ丼は飲み物だって」
「それを言うならカレーは飲み物でしょ!?何でこんな固形物の塊を集結させたものを飲めるのよ!?」
「それで何しに来たんですか?」
「いきなり話を戻さないで」
疲れた様子でここに来た目的を話す楯無それは秋良が予想していた通り自分達を調べるためだったようだ。それもそのはず自分達はCEDEFから逃げているので自分のデータをヴェルデによって滅茶苦茶に書き換えられているために、裏社会の人間が見れば一発で怪しいと思われてしまう
彼女もその1人で、最近、急激な成長を見せる企業の幹部クラスの人間が来るということで、話を聞きに来たようだ。しかし、秋良はその話を聞きながらずっと考えていた
どこかで会ったような気がすると。しかし、思い出そうとするが全く頭に出てこない
「さて、ここまでは更識家当主としての話。ここからは個人的な話・・・・あなた・・・・これを見て何か思い出さない?」
そう言って楯無が秋良に見せたのは青い石のついた指輪。彼女はそれをチェーンで繋げて、ネックレスのような形で身に付けていた
「その指輪がどうかしたんですか?」
「これはね、私が子供の頃、ある男の子から貰った大切な指輪なの」
「う~ん・・・・すみません。僕には何のことだか」
「そう・・・・ゴメンね急にこんな話しちゃって・・・・それじゃあ、部屋に戻るわね・・・・カツ丼、ありがとう」
彼女が座っていたイスの前には空になったカツ丼の丼があった。いつの間に完食したのだろうか。それにしても、去り際にみた彼女の寂しげな表情
彼女は誰なのだろうか
恐らくは織斑秋良だった頃に会ったことのある子なのだろうと予想するが、全く思い出せない。彼女のことが気になるが、今はクラス代表決定戦に向けてやることをやろうと眠りにつく
秋良、レン、春香、一夏、そしてセシリア
5人はそれぞれクラス代表決定戦まで思い思いの方法で訓練をし、いよいよ決定戦当日を迎えた。今回はバトルロイヤル方式のため一方のピットには一夏と春香、そして千冬が
もう片方のピットに秋良、レン、セシリアがいた
「さて、あっという間でしたね」
「そうだな。にしてもオルコットさんと一緒のピットになるとはな」
「仕方がありませんわ。このアリーナは2つしかピットがありませんし。それに正直、あちらのピットには行きたくありませんでしたから」
「何でだ?」
「あの織斑一夏という男、私の体をジロジロと厭らしい目で見ているようでしたから。全く、同じ男でも良弥様とは大違いですわ」
女性は異性からの視線に敏感であると聞くがまさか気づかれているとは一夏も思わないだろう。そしてそんな元兄の姿にため息をつきピットからアリーナに出ようと歩いていく。そして秋良は4色のリングを、レンは懐から紫色のUSBメモリを取り出す。そして展開する
「こい、ブラックジョーカー!!」
全身を黒い竜の鎧が纏われ、フルフェイスのマスクを装備し、先に専用機、ブルーティアーズを展開していたセシリアと共にアリーナに出ていく。それを見届けた後秋良のリングから白い光が放たれ、竜の咆哮が秋良の脳に響いてくる
「その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!!
現れろクリアウィング!!」
その言葉と同時に彼の体を白い鎧が包み。胸、手、足、そしてフルフェイスの顔の部分は青く染まり、腰には4枚の黄緑色の菱形状のパーツ、そして背中には同じ黄緑色の翼が生え、瞳が黄色に染まり、秋良とクリアウィングが1つとなった。そして秋良はその翼を羽ばたかせアリーナに出ていく
其処には一次以降を終えたであろう一夏と春香が待っていた。一夏は専用機、白式の武装の雪片弐型を両手で剣道の竹刀を構えるように持ち、春香の専用機、黒椿の武装、2本の雪片二型を黒く染めた以外は性能が全く同じ剣、家具土を左右の手で持ち、構える
『準備万端といった感じですね』
「秋・・・・良弥!!俺達が勝ったら全部話してもらうからな!!」
『別にあなた達に話すことは何もないんですけど・・・・うちの企業の理念としてどんな相手でも全力で叩き潰すというものがありますので・・・・手加減は出来ませんからね』
「当たり前だ!!寧ろこっちが手加減してやろうか?」
『・・・・・その言葉、終わった後も言えるか楽しみですね。それよりもレンさん、まだ一時移行が済んでいないんですか?』
『ああ、そろそろだとは思うんだけどな(それに気になるのはヴェルデさんが言っていたサプライズってやつだ。こいつが一時移行したときにそれが起こるって言ってたけど・・・・いったい何なんだ?』
そして、アリーナ内に響き渡る麻耶の声、そして試合開始のブザーが鳴り響き、ギャラリーの歓声が最高潮に達した。一夏は雪片弐型を構えながら猛スピードで秋良に向かっていく・・・・が、目指した場所には誰もいなかった
何処に行ったんだとキョロキョロ辺りを見回すと背中に何かが触れた感じがした。その方を見ようとした瞬間、彼の体は猛スピードでアリーナの壁に轟音と共に衝突した
歓声の湧いていたアリーナが一瞬で静かに静まり返ってしまった。そして、一夏の背後に突如現れたクリアウィングを身に纏った秋良は一夏に向けて振り抜いた拳をゆっくりと下におろした
その背後から移動してきた春香が家具土をクロスし、秋良の背後から振り下ろそうとする
「もらいましたw「テメェの相手はこっちだよ!!」くっ!!」
刀身が秋良に触れようとした時、下にいたレンが春香に向けて銃を放つ。その方向を見て冷静に躱そうとした春香だったが、彼女を通過する少し前に弾道が急に生きているかのように不規則に変化した
「何!?急に弾道が!?」
避けることが出来ず、銃弾を受けた瞬間の爆発に巻き込まれた春香は煙の中に飲み込まれた。次の弾を放とうとしたレンのISから一時移行の準備が出来たことを知らせる音声が流れる。それを了承するとレンのISが黒い光を放つ。そして、光が消えると、殆ど形状は変化していないのだが、背中に空中移動できるようにブ-スターの様なものが装着され、空中移動が可能になった
これがヴェルデの言っていたサプライズなのだろうかと考えていると。どこからともなく声が聞こえてきた
『やれやれ・・・・ようやく僕の声が聞こえるようになったみたいだねレン』
『っ!?そ、そんな!!何でお前が!!』
それはイタリアにいたときに暴走した秋良を止めようとした時に聞こえてきた声と同じものだった。気のせいだと思っていたし、もう二度と彼の声を聞くことは出来ないと思っていた。しかし、このISから彼の声が聞こえてくる。自分の大切な半身である
フィリップ・L・ファングの声が
『ヴェルデ博士から聞いていただろう?これが君へのサプライズだよ。あ、因みにキサラには僕の代わりにレンタロウがISのコアと同化しているからね』
『え!?レンタロウも!?』
キサラの許嫁であるレンタロウの意識もISコアと同化され、フィリップはブラックジョーカーにレンタロウはグリーンサイクロンのコアとして登録された
また共に戦うことにできることに喜びを隠しきれないレン。しかし、今は戦いの真っ最中だ
『おいおい、感動の再会はまた後にした方がいいよ』
『あ、ああ!!そうだな!!じゃあ、久しぶりにあれ・・・・いくか、相棒!!』
『いいだろう』
『さあ行くぜ!!織斑一夏、織斑春香―――――』
『さあ―――――――』
『お前達の罪を・・・・・数えろ!!』
ついに始まったクラス代表決定戦
フィリップとの再会を果たしたレンは2人の力で春香を圧倒していく。そして秋良のドラゴンの餌食にあった一夏は瞬殺され秋良とセシリアの一騎打ちに
秋良に襲い掛かるブルーティアーズの円舞曲
そして、ついに明かされるイギリス代表候補生、セシリア・オルコットのもう1つの顔
次回Obiettivo 7お楽しみに!!
今回まさかの刀奈ヒロイン化してしまいましたが活動報告のご意見を参考にしてメインヒロインは箒でサブにセシリア、シャルロット、刀奈にしました。
レンのヒロイン候補は・・・・ご想像にお任せします
次回もお楽しみにお待ちください