史上最悪の第5次聖杯戦争   作:あきちゃま

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感想欄で指摘された部分を訂正しました。



可能性

 人というのは数多の可能性を秘めている。

 行動の一つ一つが自分の未来を決定付けるものであり、選択肢は無数に存在し、同時に可能性も無数に存在しているのだ。

 しかし同時に、唐突に生じる所謂避けられない運命というものは存在している。

 

 もし運命というものがあるなら、とある少年が青い槍兵に一度は命を落とし、二度目の命が散るのも運命なのだろう。

 そして、騎士王が聖杯を求めて少年を助ける。

 

 だが、それを指を咥えて見ている彼ではない。

 確かに彼は英霊として、いや、神と崇められる程の偉業を成し遂げた真っ当な英霊なのだろう。

 しかし、彼はただの神ではない。

 

 邪神へと至った彼には反英霊としての側面もある。

 いや、長きに渡って外道へと堕ちていた彼はまさしく反英霊であり、邪神というべきであり、英霊としての側面を持つと言った方が良いのかもしれない。

 

「邪魔じゃわいのう」

 

 彼は騎士王の横入りをする。

 本来なら不可能な召喚の横入り、しかし邪神へと至った彼に不可能な事は一つしか存在しないのだ。

 

「カッカッカッカ!久しぶりの死合いじゃわい!風林寺のじっさまよりも強者がいればいいがのう!」

 

 そう、これは一つの可能性の話だ。

 運命さえ凌駕してしまう可能性の先にある"何か"の話だ。

 

 

 

 ◇

 

 

 衛宮士郎は蔵へと逃げた自分が幸運だったと知ることになる。

 いや、召喚される人物を考えたのなら必ずしも幸運とは呼べないが、少なくともここで死ぬ可能性は潰えたと言っても過言ではない。

 

「カッカッカ!エキストラクラスアヴェンジャーとして召喚された!小僧!現界の褒美に極上の死合いというのを教えてやろう!」

 

 そこに現れたのは自分よりも小さい人物。

 しかし、彼はこの人物がさっきまで襲ってきていた槍兵よりも格上だと感じるのだ。

 

「お、お前、そうだ!そんなことより逃げろ!ここは危ないぞ!」

 

 正義の味方、そう在るべしと彼は切嗣に誓っている。

 その鎖はこの危機的状況でも全くの問題もなく発揮される。

 

「逃げろ?我相手に逃げろと言うのか!カカカカカカカカカカ!これだから無知とは面白い!」

 

 アヴェンジャーは何も言わずに槍兵を見つめる。

 そしていつの間に取り出したのか、柿を皮ごと食べ始めた。

 

「ふむ、サーヴァントとして呼ばれたからには死合うのが道理じゃが、我も久しぶりの果物に目が奪われるわいのう」

 

 青い槍兵はいつものような軽口は叩かない。

 否、叩けないのだろう。

 

「ほう、我の実力が図れるくらいにはやれるか、カカカカ!どれ、品定めをしてやるかのう」

 

 瞬間、アヴェンジャーは13人へと増えた。

 衛宮士郎には一人一人が本物に見えるが、青い槍兵はそれが分身だと察する。

 

「ったく、令呪の縛りで本気を出せねぇっつーのにこんな大物に当たるなんて、お前、一体何者だ?」

 

「カカカカカ!武人なら口で語るより拳で語るもnじゃわいのう!」

 

 13人のアヴェンジャーは同時に殴りかかる。

 そして青い槍兵は自身の信頼する槍にありったけの魔力を込める。

 

「その心臓貰い受ける! 『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』!」

 

 魔力の込められた槍を投げられ、13人のアヴェンジャーは瞬く間に死んでいく。

 一殺必中の槍の名は伊達じゃないのだ。

 

 そして、13人全てが消えた。

 

「なんだと…?どこへ消えやがった!」

 

「後ろじゃわい!」

 

 13人全てが死ぬ事そのものが異常であった。

 そう、彼は人の身でありながら神へと至った人物であり、この程度の事では死なないのだ。

 槍兵が槍を投擲した瞬間、アヴェンジャーは土に潜ってその身を守っていたのだ。

 如何に因果逆転一撃必殺の槍であろうと、地面に刺されば人を刺す事は不可能である。

 

 槍兵は仕方なく近接戦を仕掛ける。

 彼はランサーとして呼ばれたせいで槍兵としての側面が強いが、そもそもその身は父である太陽神ルーより引き継いだ肉体だ、本来であれば肉弾戦でも負ける事はあまりない。

 

「カッカッカッカ!弱い弱い弱すぎるわいのう!英霊とはこんなにも弱いものか!」

 

 槍兵はなす術もなく袋叩きにされていた。

 まさしく異常な出来事である。

 

「ぐふっ、クソっ、まさかこんな田舎でこんな強敵に会えるとは」

 

「我はまだ本気も出してないがのう、クーフーリン」

 

「チッ、宝具を解放したせいで名前までバレちまったか」

 

 その瞬間クーフーリンが消える。

 そう、令呪による転移だ。

 

「本来であれば食べ残しはしないが、別の果実があるようじゃわいのう」

 

 彼は槍兵には眼もくれず、徐々に近付いてくる弓兵を見据える。

 その姿はまるで、果物の品定めをするかのごとく。

 

「カッカッカッカ!我は人の限界を捨て、神と戦うまではこの戦いは辞めないわいのう!」

 

 

 ここに史上最悪の第5次聖杯戦争が開幕する。

 

 

 

 ◇

 

「ランサーが死んだ…だと…?」

 

「ほう、あの槍兵を倒す程の英霊が召喚されたか、綺礼よ、この度の聖杯戦争面白くなってきたではないか!」

 

「死んでねぇよアホ!」

 

 冬木の地にあるとある教会で、彼らはそんな会話をしていた。

 

 クーフーリンは自分をここまで追い詰めた英霊を倒す事を決意し、王の中の王は槍兵を打ち負かす程の英霊に興味を持った。

 

 そして、神父は察する。

 

 

 

 

 

 今まで以上の愉悦が観れる、と。

 

 

 

 

 

 




自害せよランサー(挨拶)


はじめまして、あきちゃまというものです。
今回はふと思いついたネタをその時のテンションで投稿しました。
ですので、続きません(絶望)

もし、みんなからの評判が良かったら続けるかもしれないです。
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