※訂正:なぜギルガメッシュの一人称を間違えたのでしょうか
彼は大きな力がぶつかり合っている事に気付いた。
自分の主人に聞けば、己は聖杯戦争という聖杯を巡って殺しあう儀式において暗殺者として呼ばれたらしい、なんだそれ。
確かに、彼は人生最大の暗殺を行なった事があるし、それによって世界に一時的とはいえ平和を築き上げた事もある。
だが、己の本体が今世を楽しんでいるのにそこに英霊として呼び出された。なるほど、意味がわからん。
「ったく、勇者なんてやってた俺が今では女にこき使われる門番か、皮肉なもんだね」
彼は一瞬だけ黄金の目を浮かばせ、空中に向かって一発の突きを放つ。
側から見れば何をやっているかわからないが、見るものが見れば分かる事、令呪という絶対の縛りを破壊したのだ。
「さて、折角戦士として召喚されたわけだし、女にこき使われるなんてだっせぇし、ここはカッコよく勇者ってことを知らしめてやるかね」
そう言って彼は家々の屋根を飛び越えていった。
SNSに投稿されているとも知らずに……。
◇
邪神が放った奥義、真拳
神秘の秘匿とは一体なんだったのか、そう思った遠坂凛であった。
戦いの結末は、ギリシアの神を6回も殺すというものであった。
しかし、邪神もヘラクレスの一撃が掠り、少なからず傷を負っていた。
「よもや、我に傷を付けるとはのう。
これだから死合いはやめられないのう!カカカカカ!」
邪神は嬉しそうに、楽しそうにそう宣言する。
ヘラクレスという超級の英雄と戦えたことだけではなく、生前は風林寺のじっさまですら付けられなかった傷─とはいえ、彼との戦いは死合いというよりは技の見せ合いに近かったのだが─を邪神に付けた事そのものが喜びであった。
そう、これだけの被害を出し、宝具の撃ち合いによって自らの主人が魔力不足で大変な目に合っていようと、邪神には関係ない。
拳魔邪神、シルクァッド・ジュナザードとはそういう人物であり、彼が紛れも無い邪神である事の証明である。
一方、ヘラクレスの狂化は解けかかっていた。
邪神という自身と同格、もしくは格上との戦いを通じ、彼から常に殺気と邪気を浴び続けていた所為なのか、それとも邪神はそれを狙ってずっと浴びせ続けていたのか、真偽の程は知り得ないが事実としてヘラクレスの狂化は解ける直前である。
「……。全く、生前は神に翻弄され続けた人生だったが、この聖杯を賭けて戦う戦争でも異国の神に翻弄されるらしい。
それも邪神ときたものだ、これが笑わずにいられるか」
そして、彼の狂化スキルはEにまで低下する。
一夜限りの奇跡だろうか、それともこの瞬間だけの奇跡だろうか。
一つ言える事は、ヘラクレスは己の最も信頼する大技を最大威力で放つ事が可能ということだ。
そして、血肉踊る戦いを求めるアヴェンジャーがその事に気付かないはずがない。
真拳
しかし、この奥義を使えるのは自分だけではなく、言うなれば武術家の最終到達点とでも呼ぶべき奥義だ。
そして、これから発するのはそれを越える大技である。
生前、あと一歩のところで放つ事のなかった己の持つ最大にして最終奥義である。
「我は神故、お主の命を貰うわいのう」
「無論、ただであげるわけにはいかないですよ」
ヘラクレスからは殺気と闘気が発せられる。
邪神からは殺気と邪気、そして闘気が全て発せられる。
「
「
瞬間、今まで以上の衝撃が周りに発せられる。
先ほどが純粋な技と技のぶつかり合いであるのなら、今回はヘラクレスの技と無数の邪神がぶつかり合っていた。
瞬間、無数の分身がヘラクレスを袋叩きにしようとする。
勿論、彼らの放つ一撃一撃は彼の奥義そのもののようなものであり、避けるもしくは奥義発動前に潰すのニ択しかない。
さらに、一人一人の分身が真・呼吸投げを行うため、自身の危機察知能力は既に麻痺している。
だが、ヘラクレスはそれを一人ずつ殺していく。
そもそもこの技は、殺しても生き返るような化け物を殺すために生み出した故、このような敵には有効であった。
そこに突然と真・呼吸投げとは全く関係のない、予知すら不可能な一撃がヘラクレスを襲う。
ヘラクレスはその時、この技の構造を知る。
この技は、ジュナザードの分身とジュナザード自身の二人─正確に言えば分身の数は13人であり、1人減ってもすぐ増えるというまさしく無限─で行われ、ジュナザードの回避が不可能に近い突きを避けたとしても、彼の分身によって殺されるというものだ。
「素晴らしい……」
邪神は心臓を貫く。
最後にギリシアの神からの一言が気に食わないが、それを差し引いたとしても素晴らしい武人であったことは変わらない。
「地獄で我の奥義を受けた事を鬼に自慢してくるが良いわいのう」
神々の戦いは、邪神が制した。
周りに多くの被害を出しながらも、死人はサーヴァントだけという奇跡のような結果であった。
もしこれがギルガメッシュやカルナといった超級であれば、これだけの被害で済むはずがない。
「楽しいのう!聖杯戦争とはこれほどまでに楽しいとはのう!」
邪神は笑う。
その笑い声は主人たちにも伝わるが、まるで地獄の底にでもいるかのように感じたのだ。
◇
「なるほど、人類最古の英雄ってわけか。誰が勝てるんだこいつ」
「雑種如きが、
この日、冬木市は重大な損害を受ける。
冬木市「やめてええええええええ!!!」
どうも、あきちゃまです。
激アツな戦いをお送りできていればいいなと思います。
ですが、この物語はここでおしまいです。
これ以上続けると、作者が忙しすぎて死にます、過労死です。
か、感想欄でベタ褒めされてもあなたの為に続けるんじゃないんだからね!
というわけで、評価が高かったら続けるかもしれないですが、基本的には続けません(絶望)
それではまたいつか。