史上最悪の第5次聖杯戦争   作:あきちゃま

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またオリキャラ(?)登場です。
というか、今回のキャラは割とシャレにならないあのお方です。
消される…!!


老魔法王

 彼は突如召喚された。

 自分のクラスはかなり特殊なクラスであり、魔力の拠り所であるマスターを必要としない唯一の例外クラスだ。

 無論、キャスターであるメディアのような魔力を自分で調達できるという意味ではなく、聖杯そのものより魔力を供給されているためマスターが必要ないのだ。当てはまるクラスはルーラー以外に存在しないだろう。

 

 だが、彼は存在そのものが異常である。

 ルーラーというクラスそのものが異常であるが、そもそも彼はルーラーと呼ばれるような存在となるような善行はあまりないと思っていた。それどころか、今回の召喚に至っては生前の持っていた力ではなく、ネットが普及した現代だからこそ日本中へと知れ渡った存在なのだ。

 言わば、存在と実際が全く合っていないのである。

 

「そもそも、私はまだ存命なのですが」

 

 彼は極端に異常なルーラーであった。

 

 世界中に信徒を持つ宗教の一つである十字教。その十字教において最大の権力を持つ教皇、つまり彼は老魔法王その人なのである。

 これにはアンリマユも苦笑いするだろう。

 

 聖杯がアンリマユに汚れてしまったからこそ、老魔法王と呼ばれた彼のような悪の側面─実際には十字教の最大権力者であるため、そんな側面はネットで作られた架空のものである─が存在していたのではないか。

 彼はそう結論付けた。というよりそうしなければやっていけない。

 

「とりあえず、初日にも関わらず聖杯が既に完成目前なのが気になりますし、柳洞寺に行くべきでしょうね。まあ、橋を越えた東側が何やら騒がしいのも気になりますが」

 

 サーヴァントが暴れているのであれば、彼は自身の令呪と能力を持ってそのサーヴァントを駆逐しなければならない。

 本来であればそんな力は持ち合わせていないのだが、何が起きたのかネットそのものからの信仰から英霊へと至ったという指一本で隕石を破壊するよりあり得ない状況によって力を得ている。

 

 

 

 ◇

 

「なんだ、これは……」

 

 老魔法王が見たものは、聖杯などという名前からは想像もつかない穢れきったこの世全ての悪(アンリマユ)

 こんなものに願いなど叶える力はない。どんな願いも最悪の結果を持って叶えられるに決まっている。

 もしかしたら、彼がルーラーとして召喚された理由はこの聖杯に残る最後の聖なる意思が聖杯を排除するために呼んだのではないだろうか。彼はそう考えた。というより考えねばやってられなかった。

 

 半世紀以上前に起きた、黒き軍団が世界を暴れ、東亜では太陽を模した軍団が大海原を暴れた。あんな地獄を再び起こさんとするのがこの聖杯であるのであれば、ルーラーである彼はこれを破壊しなければならない。しかし、どうやって?

 

 自身の持ち得る力を全て使って破壊する。

 ───その結果、この聖杯の汚れた魔力が溢れ出れば冬木どころか日本は草木も生えぬ魔界へと変わってしまう。

 

 キャスターに頼んでみる。

 ───キャスターがこちらの言う事を聞くとは限らない。それどころか対魔力が高ければ私の持つ令呪すら通じない可能性だってある。

 

 ───結論は、監督役へ報告して聖杯を解体するしかない。聖堂協会とはいえ、教皇であった私の指示に従わない筈はない。というより従わない場合は監督役でもなんでもない。

 まあ、実際には監督役なんて言葉で収まる人物ではないのだが。

 

 彼が聖杯を調べていくと、キャスターのルール違反が徐々に明らかになってくる。どうやったら勇者なんていう異世界の英霊を召喚できるのだ。

 そして同時に、この聖杯の魔力がたった3人の英霊だけでその容量を満たそうとしている事実、ギルガメッシュの3人分、ヘラクレスの2人分、勇者─工藤勇人─の1人分という壊れ具合だ。

 自分のルーラーとしての魔力によってあと2人は倒されればならない事が考えられるが、異常すぎる。というかギルガメッシュなんてバグを呼び出したのは、一体どこのバカ(セカンドオーナー)なのか。

 

 異常事態どころか最悪の事態に近い。

 たった3人の魔力のみで聖杯は完成しようとしているが、まだまだサーヴァントは4人─彼は知らないが実は5人─も残っている。聖杯は注がれる魔力を耐えられず、あの穢れた魔力を垂れ流す。それも器が壊れていなければの話なのだが。

 

「はは、ははは、これは夢かなにかか?」

 

 彼は老魔法王などと呼ばれてはいるが、本来なら英霊には至らないただ"普通"の信徒─聖人─でしかない。

 現実逃避がしたくなったとしても致し方のないことである。

 

「あら、まさかとは思ったけど本当に侵入者がいるなんて。彼を倒したのはあなたかしら」

 

 そこへキャスターがやってくる。

 メディア、裏切りの魔女であることが彼にはルーラー特権で理解できるが、その事実はただひたすら彼に絶望を押し付けた。

 

「裏切りの魔女ですか……これでキャスターに聖杯の制御を依頼するという線は完全になしですね。

 そもそもルール違反をしている時点であまり乗り気ではなかったですが」

 

 いきなり裏切りの魔女呼ばわりされた彼女は不機嫌となる。

 確かに裏切りの魔女と呼ばれているのは間違いないし、その事実は例え何があっても変えられない。

 しかし、そこにはあの自由奔放どころか人間以上に人間らしい事をやらかすギリシアの神々に翻弄されたというエベレストよりも高く、というか天元突破するのではないかというような深い事情があるのだがしかし、ルーラーである老魔法王はそんなこと知らない。

 

「はぁ……ギルガメッシュやヘラクレスというルーラーですら制御できるか分からない方々がいないだけマシですかね」

 

「え?は?え?」

 

 キャスターは驚愕した。

 というよりするなという方が無理だ。

 生前見たことのあるヘラクレスだが、あれを倒したのは恐らくギルガメッシュだろう。というより彼を倒せるのが最古の王であるギルガメッシュ以外に思いつかない。だが、その考えは自分でへし折られる。

 ヘラクレス、彼以外にギルガメッシュを打倒し得る存在なんて全く思いつかないからだ。

 というかギルガメッシュなんて召喚したバカ(セカンドオーナー)は一体どこのどいつだ!冬木市が更地になるじゃない!なんて彼女は思ってしまう。

 

「ふむ、とりあえずこれから監督役へと連絡しに行こうと思うのだが、キャスター君は手伝ってくれますまね?というより手伝え」

 

 彼は命令形へと口調を変えながら令呪を見せびらかす。

 彼女の宝具であれば令呪の縛りも意味を成さないが、相手はルーラーである。恩を売っておいた方が絶対に徳であると彼女は思うのであった。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 聖杯は完成する。

 その時は着々と迫ってきていた。

 

 

 




お久しぶりです。
なんとか結末まで思いつきました。
FGOの方ではジャンヌオルタのピックアップですね。
私は見事2万を溶かして遂に出ませんでした。死にたいです。

というわけで続きません(絶望)
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