ぐだ男と野獣のクッキーkiss 作:野鳥先輩
邪ンヌなんてフレに幾らでもいるでしょ
それより合法的に小太郎君をガン掘りラしたいんですが
名案有りませんかねぇ
「――秋吉先生!」
MURが言葉を発した。理性蒸発の波が去ったのだ。今そこにいるのは紛れもなく、知将MURである。
「三浦!」
「駄目だゾ先生! 先生には向こうを助けてほしい、こっちは策がある! 先生は、俺が生きてる限りこいつらに勝てない!」
「……ッ!」
平野が意地の悪い笑みを見せた。平野の宝具『緊縛の縄』には、筋力を参照した競合による束縛の他にもう一つ。魔力を参照した競合による、対象が保有する自由意思をトリガーとするスキルを操る事を可能とする能力がある。基礎ステータスが低いMURはまんまと平野店長の支配下にはいってしまった。以後、束縛から逃れない限り『便乗』は平野の手の内にある。それは即ち、ひでを一瞬で屠り去った超火力の封印、そしてAKYSが持ちうる全ての高火力技の封殺を意味していた。
「……三浦、お前がどうにかしろ。分かったな?」
「分かってるゾ!」
AKYSは鬼気迫る顔で背を向け、駆け出した。
「……追うかゾ?」
「そんな事はしませんよ。アナタを引きずって走るのは、少々重たいのでね」
MURは忌々し気に舌打ちを打つ。
「――だがそんな心配は、すぐにしなくていいようになります」
「平野店長! 完成し、したっす!」
KBTITが言うや否やそれは展開された。四方10m程度の堅牢な鉄格子が彼らを内に取り込む。牢の内部は体中を締め上げるような湿気と、鼻を裂くような悪臭に満たされている。MURはすぐにその正体を、地下室における糞尿と血という答えを割り出すことが出来た。
「ようこそ、緊縛ショーへ」
「いらっしゃいMURさん!」
KBTITは醜悪な笑みを浮かべながら、一枚の用紙を召喚した。KBTITの保有する宝具の一つ、『
アクシードで使用された、法をガン無視した非合法なる契約書。それにサインした若者達はその後、地下室にて72時間にも渡る拷問へと身を投じる事となった。
そういった逸話が昇華し宝具化した今、それは最早同意すら不要となっていた。真名さえ著名されていればそれだけで効力を発揮するという、悪辣極まりない契約書と化している。KBTITはこれを、自身のスキルである『芸術審美 A』により最大限に活かすことが出来る。
「今日は逆さ責め、鞭責めをしよう」
KBTITが一工程で生成した光の細紐はMURの足首を絡めとり宙吊りにする。本来ならば対魔力で無力化できるそれも、『
「従順になるまでやるからなぁ?」
鞭を持った平野とKBTITが、さながら処刑の執行人のように、MURへ歩み寄った。
「アァッ……アッ……」
地面に這いつくばる野獣の口から漏れる声は微かであった。BBの変更により外傷こそないものの、その体力は既に限界まで削ぎ落されている。
「や、やめてくれよ……」
腰を抜かしその場にへたれているKMRの前に、刀を腰に差した虐待おじさんが歩み寄った。放たれる神速の居合は、KMRの胴に紅く一文字を描く。
「ぐっ……!」
「……全く困ったもんじゃい」
葛城は次々に斬撃を放つ。まるで鞭で虐めるように、執拗に。その太刀筋は最早、操る葛城自身すら見失いつつあった。
「……次で最後だ」
振り下ろされた刀が透き通った金属音を鳴らす。サイクロップスと化した野獣の左腕が辛うじて太刀筋を防いだのだった。葛城は野獣に、あしらう様に二、三の斬撃を浴びせた。野獣の鮮血が飛び散り、飛沫がKMRの頬にまで届く。
ついでとばかりに振り下ろされた刀が、今度は完全に破砕される。葛城は瞬間移動(偽)により、瞬時に距離を取った。
「……葛城」
AKYSは憤怒を顔面に浮かべながらも敢えて冷静に、その名を呼んだ。先ほどの日本刀の破壊は、彼の『魔力放出』を帯びた蹴りによるものだ。
「秋吉か」
「てめぇ……なんだその、闇討ちみてぇな剣術は! そこまで堕ちたか、葛城!?」
我慢出来ずに叫ぶAKYS。対する葛城は、笑っていなかった。
「堕ちた? 違う。俺の剣は元来こうなんだ。俺はacceedの、虐待おじさんなんだからな」
自嘲気味に語った葛城はまた瞬間移動を行う。
「戊辰――オォン!」
顔面を蹴り飛ばされ、無様に地面を転がる野獣。それだけの一撃を放ちながらも葛城は、全く隙を見せず、直立の姿勢を崩さない。
「打ってこい打ってこい!」
「わざわざ出向くものか。行けば空手の餌食だ」
葛城は止まらない。今度はKMRに標的を定め、執拗に蹴撃を浴びせていく。そのあまりの速さに、KMRの傍にいたAKYSすらも碌に追いつけないのが実情だ。AKYSの脳裏に、『炎神全開』を発動すれば追うくらいは出来るのではという推測が一瞬よぎるが、即座に否定する。これ以上の『炎神全開』は、肉体的にも今後の戦闘にすら大きく影響を及ぼすだろう。
「――オラァ!」
AKYSの一瞬の思索が、その隙を作り出してしまったといっても過言ではないだろう。
「木村!」
「え……」
満身創痍のKMRへと葛城の足が吸い込まれるように伸びていった。
――よぉ、どうしたホモの兄ちゃん。
――やめてくれよ。
――もう終わりか?
――やめてくれよ……!
「アァン!?」
葛城が驚くのも無理はない。今まで何ら反撃に移る気配すら見せなかったKMRが、自身の蹴りを片手で受け止めたのだ。
「おい。お楽しみはこれからだぞ?」
強気の笑みを見せるKMRの手は軋み、音を立てているが、彼は全く気にする気配も見せない。その異常さを葛城が認識したのは、瞬間移動(偽)で拘束から逃れ、距離を取ってからの事だった。まず纏うオーラが明らかに違っている。AKYSなどとは違うものだが、確かに戦いに身を置く者のそれであった。先ほどまでのように怯える事も、迫真空手の構えを取る事すらない。
「――『創造』」
KMRの傍らから一本の槍が現れ、射出された。葛城は紙一重で躱そうとしたものの、"回避行動をとった直前に軌道を変えた"それに対応できなかった。槍は葛城の左腕へと食らいつき、肉を抉り飛ばした。
槍。それはKMRの起源である『穿ち』に由来する。本来根源に定められし彼の方向性は『穿ち』、つまりS役であるのだ。だがKMRはそれを目指さなかった。自身の起源に背を向け師匠、そして先輩たちと共に、迫真空手の道へと足を踏み入れた――はずだった。
超覚醒木村。彼はつまるところ、
「――嗚呼、良いっすねェッ!」
葛城は目を血走らせ、闘争本能を剥き出しにしながら襲い掛か――ろうとするも、すぐに立ち止まって距離を置き、転がっていた野獣に対し蹴りを放つ。その様は明らかに、何かを我慢しているように映った。
「邪剣――夜!」
息も絶え絶えな野獣は、不安定な格好から『
――そこで、彼の視界から迫真空手部が姿を消した。
「私を愉しませるんだろう?」
ギチギチと音を鳴らしながら、重厚な鉛の塊を乗せられた台車はひとりでに、緊縛対象から離れるように進む。MURの全身が縄で縛られ、計6台の台車が彼を締め上げていた。想像を絶する激痛が全身を襲ってなお、MURは屈さない。
「まだ……まだ……」
「マジむかつくなコイツ……店長、どうしますか?」
「けしからん……」
平野が握っていた鞭を手放し、MURと目と鼻の先の場所まで近寄った。そして、何の躊躇もない右腕が振るわれる。平野源五郎が撮影中に放ちまくった伝家の宝刀、一切の慈悲もないガチビンタ。それはある種宝具といっても過言ではない。先ほどまで意識を保っていたMURの意識が、脳へのダメージによって混濁する。波もすぐそこまで来ていた。
「あ……あ……」
「こいつ、笑っちゃうぜ! 最後の一発くれてやるよ!」
心地いいくらいの鞭の音が二発、牢内に反響した。
「――屑どもがァッ!」
怒気の籠った罵声と共に、刃と錯覚するほどの一閃がKBTITを襲う。
「オッス……お願いしまーす!」
瀕死ながらも全身を奮い立たせ、平野に対し『邪剣・夜』を振るう野獣。その後方には超覚醒木村が控えていた。全てを真っ先に理解したのは、MURを支配下に置いていた平野だった。
『俺が生きている限り』。全ては知将MURのこの一言に通じていた。MURが生きている限り、魔力放出と便乗によるシーソーゲームが繰り広げられるだけ。ならば空手部側はどうするか、『MURが脱落したタイミングで』攻撃を仕掛ければいいのだ。
この『調教部屋』は、外界との隔絶という効果も持つ。外から侵入しようとするのは見かけの割に限りなく難しいのだ。物理的な手段に頼るのみではまず不可能なほどに。その調教部屋への侵入経路としてMURは自身の宝具『誘惑のラビリンス』、空手部の召集宝具を用いるという結論に至った。
つまり彼が狙ったのは『自分が脱落する直前に、空手部を調教部屋内に雪崩れ込ませ奇襲する』という作戦だ。そしてそれは今まさに、実践されている。
MURはもう使えない。AKYSの超高出力魔力放出を遮る方法がない。
今すぐ葛城を頼る事は出来ない。そもそも葛城は先ほどまで、外で敵の後衛と交戦しており、この一瞬のタイムラグに対応できていない。
調教部屋での籠城戦は瓦解した。
平野は袖から縄を展開し、手近な野獣を拘束する。だが野獣はニヤリと笑い
「KMRァ……!」
「……ウォラ!」
超覚醒木村の握る槍は野獣諸共、平野を『穿った』。だがそこで、KMRの魔力は完全に底を尽く。もう一つの人格にして起源覚醒者である超覚醒木村は、その時点で表の人格であるKMRへとバトンを渡さざるを得なかった。
「……え」
そこでKMRが目にしたのは、自らの握る槍が野獣を貫いている様。意識もない内に行われた突然の出来事に、彼の脳内は白く塗りつぶされた。
絶対的優勢に生まれた一瞬の隙。それこそが
持ち前の神速で戦場へと駆け付けた葛城は、野獣が握っていた『邪剣・夜』を奪い去り、返す刀でKMRを斬り付けた。傷口から勢いよく鮮血が噴き上がる。元々極限まで追い詰められていたKMRは、その一撃を受けてなお立ち上がる気力を持ち得なかった。
『邪剣・夜』を振り、飛沫を払った葛城は膝をつき、平野を抱え上げる。
「平野店長……」
「葛城……」
「待っていてください店長。必ず勝利を――」
「……馬鹿者」
「!!」
葛城は目を大きく見開く。
「……作戦など気にするな。お前は、好きなようにやれ」
「店長……!」
それが、店長の発した最後の言葉だった。葛城は平野を地面へと置き、邪剣・夜を振るう。
AKYSの拳と自身の調教部屋に板挟みとなったKBTITは、ゆっくりと崩れ落ちた。それと同時に調教部屋は跡形もなく消え失せる。
「……お互い、最後だな。葛城」
「……あぁ」
AKYSはそこで、
次に放つのが最後の一撃。両者ともそれを言葉に乗せずとも理解したのか、凄まじい程の闘気を放つ。
「聖拳……」
AKYSの放出した魔力が全て彼の右拳へと集中する。それは純白のオーラと化す。
「邪剣……」
葛城の握る邪剣・夜が、闇夜の如き漆黒のオーラを放つ。
「――『月』!!」
「――『夜』!!」
激突は一瞬であった。互いのオーラが喰らい合い、白と黒は塗り潰し合った。オーラ同士がギチギチと物理的な音を立てるその様は、正に鍔迫り合いだった。
葛城。
なんだ。
何故、打ち合ってくれた。
――剣に。
そうか。
「――案外、気にしてたんだな」
ふっと笑い崩れ落ちるAKYS。だがその前に、葛城は地面に伏せていた。観客、そして大会進行役であるマシュも、一瞬何が起こったのか理解が追い付かなかったものの――
「しょ、勝者! 迫真空手部です!!」
一瞬の沈黙が嘘のように、観客席がどっと沸いた。
「うむ。皆聞け! 余は色々考えたが、やはりこのきたないのは余の闘技場にそぐわないと思う」
試合後。ようやく現れたネロがそう告げると、会場からはブーイングの嵐が起こった。
「という訳でだ! 終わり! 閉廷! 皆解散!」
ネロにそう言われては、カルデアとしては従わざるをえまい。こうして僅か一試合を以て、ネロ祭は他ならぬネロの手で幕を下ろしたのだった。
『そういえばさ』
「どうしたのロマン」
『いやさ。バビロンといえばバビロニアもそうだけど、大淫婦バビロンもあるよね』
ホログラムに移るロマンは満面の笑みを浮かべていた。そこでなんとなく察する。大淫婦バビロン、聖書の黙示録で登場した、古代ローマの暴君を暗喩するものとも。特にキリスト教を迫害したネロなどは正に――あっ。
≪葛城蓮の宝具が解放されました≫
≪秋吉亮の宝具が解放されました≫
なんか物騒だけどこれ闘技だから。皆普通に生きてるから
鯖だから死んでるんだけど
一番苦労したのは超覚醒木村の設定です(憤怒)
誰か超覚醒木村をむっちゃ活躍させて、武器イメージを固定させろ。あくせよ!(GR並)
【真名】KBTIT
【クラス】キャスター
【性別】男
【属性】混沌・悪
【ステータス】
筋力 B 耐久 B+
敏捷 B 魔力 B
幸運 D 宝具 EX
【スキル】
陣地作成 C:調教部屋を製作可能。
道具作成 C
高速詠唱 C-:詠唱文が噛み噛みになり無駄な分量がかさむ。詠唱は厨二の特権。
被虐の誉れ B:タクヤさんはマゾ。でもタクヤさんのマゾじゃ売れないからS役やってるってどっかのホモが言ってた気がする(うろ覚え)
芸術審美 A:多くの芸術家であるKBTIT一族と同一視されたことに由来。特に英霊の宝具や言語には強く、宝具を見ればほぼ間違いなく真名を見切る事が可能。
【宝具】
『
杜撰な契約書。対象の真名をKBTITが記入するだけで効果が発動する。調教部屋内において、対象の対魔力を無効化する。
『卍解・
卍解と名乗ってはいるが、その形状は始解である斬月そのもの。また彼が纏う死神装束も始解した黒崎一護のそれである。筋力、敏捷が1ランク上昇、代わりに耐久の+補正が消え、更に1ランク下がる。『瞬歩』など、この状態でしか行使できない術も保有している。
【真名】平野源五郎
【クラス】ライダー
【性別】男
【属性】混沌・悪
【ステータス】
筋力 C+ 耐久 C
敏捷 B 魔力 A
幸運 A 宝具 EX
【スキル】
対魔力 C
騎乗 B
店長権限 EX:陣地作成には劣る速度で調教部屋を作成出来る。また調教部屋内にいる時、全能力を1ランク上げる。
専科百般 B
ストーキング D:キモオタ平野時代の技能。
【宝具】
『緊縛の縄』
自身の筋力ランクで相手の筋力と競合、勝利した場合対象一体を拘束し支配下に置く。更に自身の魔力ランクで相手の魔力ランク+対魔力ランクと競合。勝利した場合、対象の保有するアクティブスキル全てを対象を通して利用できるようになる。
『陰茎引きし台車』
対象に括りつけた紐を、重りを乗せた台車が一人で引く。対象の痛覚が操作され、その痛みは陰茎への苦痛に等しいものとなる。ただあくまで精神ダメージであり、強力な物理的ダメージはこれだけでは期待できない。
【真名】木村直樹
【クラス】ランサー
【性別】男
【属性】中立・悪
【ステータス】
筋力 C(B) 耐久 B
敏捷 B(A+) 魔力 A
幸運 C 宝具 EX
【スキル】
対魔力 A+:魔除けとしての側面もあるとされる、ガーゴイルと同一視されたことに由来。
迫真空手 C
魔力生成 A:自分で法外な魔力を生成する事が可能。ストックするなり、バイパスを作って他の者に回したりと融通が利く。超覚醒木村は使用しない。
創造 EX:投影魔術とは似て非なるものだが、結果は大体同じ。莫大な魔力を消費し、創造されたものは数分後には塵に帰る。超覚醒木村の場合は『穿つ武器』しか生成できないという縛り付き。
【宝具】
『起源覚醒人格・展開』
『穿ち』の起源に覚醒した人格、超覚醒木村へと肉体を明け渡す。魔力が底を尽きた場合、超覚醒木村の人格は強制的に引っ込む。また超覚醒木村は創造した槍に、『敵を穿つ』という因果逆転の呪いをかけることが出来るがこれまた莫大な魔力を消費する。
宝具
『邪剣・
葛城蓮がアサシンのクラスで現界した場合、本来持ちえない剣技。だが自身のアサシンとしての剣術にケリをつけ、剣だけは正々堂々と振るう事を決めたことで解放された。漆黒のオーラを刀身から湧き出した後に放つ、正面からの刺突。発動時は筋力が2ランク上昇、敏捷が1ランク下降する。
『聖拳・月』
キャスターのサーヴァントの枠に収まりきらず発現しなかった、秋吉亮必殺の右。今回の戦闘で魔力放出を駆使し疑似的に再現した結果、利用が可能となった。