存在が強すぎて、世界がヤバイ   作:ホイホイ

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どうもみなさん。またちょくちょく書いていきます。
PCが壊れても問題ないご時世のせいで更新できないんだ!(言い訳に甘え)

PCを買ったんで、またよろしくお願いします。


エイジ。ほっこりする。

{ダハア!! っハアッハアハッア。ンククッ! ……ダメージィ! 久しく忘れていたぞお"!}

「そうかよ! なら忘れないようにもう一発イクかあ!?」

{ハアッ、っっッフ! ……ン"! ……もう一発? もう一発だと? 何を調子づいている! もう貴様の攻撃など効くと思うな! だが褒めてやろう。我に一撃を与えダメージを負わせた事を!}

「……」

 

 ディゾルブの奴余裕ぶってオレを褒めてるけど結構ボロがきてるぞ。オレがくらわせた場所が明らかに凹んでる。それと体に広がるようにヒビが入ってる。撤回するわ。あいつピンピンして無えわ。

 

{ククク。選ばせてやるノドス=エイジ。跡形もなく殴り消え去るか光でチリ一つ残さず消え去るかをな}

「は? バッカじゃねーの? オレがディゾルブ。お前にやられるタマかよ!」

{……そうか。欲が強いな。どうやら両方らしい。……覚悟しろ!}

「それはこっちのセリフだ!本気でいくからなぁ……」

{フンッ! ならばノドス=エイジ。我についてこれるか? っ!!}

 

 そう言って奴は残像が残るほどのスピードでオレの横を通り過ぎる。オレと並ぶ瞬間に横目で目が合ったけど意外と綺麗な目をしてたゾ。振り向くとピンクの流れ星が縦横無尽にむちゃくちゃに動いてる。

 

「……まったく」

 

 なんでわかんないかなぁ。自分の腹見て見ろよな。オレが与えた一撃、見えてなかったぽいじゃん。そんでスピード勝負だ?マジかよ。……まあオレを舐めててルンルン気分でやってたのに、意外な一撃くらって目が覚めったって感じかな?

 

「う~ん」

 

 きっとそうなんだろな。まあオレの憶測だけどね。___お! 何時まで経ってもオレが行かないからしびれを切らして突っ込んでくるぞあいつ! しっかたねーな! 付き合ってやるよ!

 

{っ! ……ほう。ついてこれるか!}

「あたぼーよ!」

 

 オレの横を通る一瞬。目と目だけじゃなく顔も合っちゃうピンクとオレ。その刹那に物理法則無視の加速。息をつかぬ間にディゾルブと同じ速度で並走する。きっと遠い所から見るとオレ達、青とピンクの流れ星に見えるだろうなぁ。いいぞおい。お願い事してもいいゾおい。

 

「今度はオレからいくぞ! オラッ!」

 

 そういって回し蹴り。一応挨拶のつもりだけど、本気で蹴る。

 オレを包む青が奴の首を捉え、それを防ぐように腕でガード態勢をとるディゾルブ。けどそんなの関係ない。だって___

 

{___!!!}

 

 防いだ腕ごと蹴り抜く! 当たり前だよなぁ? ニヤつくよなぁ! 本気で蹴ってるもん。言っとくけど本気の蹴りは伊達じゃねーぜ! 蹴り抜く自信しかない。速さも威力もハンパじゃないんだよなあ!

 

「っふ!」

 

 吹き飛んでる奴を追うように、オレもすぐさま加速する。防御体制のままのディゾルブ。よく見るとオレの蹴りを防いだ腕は、細かく砕けひび割れている。

 

{っ!}

「っむ!」

 

 吹き飛びながら全身のレンズからビーム撃ってきやがった! 一発、また一発と各レンズから細かいビームが襲う!

 視界を埋める程のビームの嵐。それを避けずモノともせずに突っ込む。一切合切ビーム攻撃が効かないオレ。これを見たディゾルブは驚愕する様身体が動いてる。

 

 

 

 

 

 

{我の予想を超える強さと胆力。滾る! 滾るぞおお!!}

「そうかっよ"お"!!」

 

 縦横無尽にぶつかり合う。脚が、拳が、身体全体が。接触するたびに発生する衝撃は、そこを歪ませる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っふう。……ひと段落ついたか」

 

 書類整理や部下の報告、指示に視察。上に立つ者としての責務をある程度片づけた。こうして寝室にある深々としたソファーに腰を下ろすのは、随分と久しぶりな気がする。

 

「どうぞ」

「ああ。すまないな。……先に寝ていても構わなかったが」

「いいえ。夫の帰りを待つのが妻の務め……の、一つかと」

「……」

 

 氷が入ったグラスを傾けながらグレイフィアに目を配る。その顔はどことなく赤く火照り、瞳が潤っている。

 ……なるほど。先に一杯やったのか。どうりでウイスキーの香りと混ざりあうように甘いグレイフィアの香りが。

 

「随分と。……お疲れのご様子で」

「フフ。そうでもないさ。本当に疲れていたら、ウイスキーなんて飲まずにそのままベッドだ」

 

 そう言って再びグラスを傾ける。ウイスキーは香りを楽しむものだが、グッと一息で喉を通す。濃縮した香りが一気に込み上げて鼻に通る。それを感じながらグレイフィアを見つめたら、待っていたとばかりに跨ってきた。

 

「なんだ。随分と積極的じゃないか」

「……なんだか、切なくて」

「フフフ。そうか。切ないか。……今日はいい夜だ。窓から差す薄明かりがそう感じさせる」

「……」

「こんないい夜に妻を独りに、切なさを感じさせる夜に……させてしまった」

 

 悲壮感を漂わせる様なセリフ臭い言葉を並べながらソファーから腰を上げる。首に両腕を回し両足で腰を固めているグレイフィア。外では絶対に見せない格好、熱い視線。それを感じ高鳴る期待を馳せながら飛び込むようにベッドに降ろす。

 

「ん……ん」

 

 十にも満たない子供が悪戯をするかの様な口づけを、期待が増す様に接吻する。もう必要ないグレイフィアの服を丁寧かつ乱暴に解いていく。

 

「っ……?」

 

 胸元がさらけ出すと恍惚としたグレイフィアが、両手で私の頬を撫でてきた。

 

「今日は少し乱暴……です……」

「そうだな。だが私をそうさせたのは、他でもない君じゃないか」

 

 そう言いながらグレイフィアの耳を甘噛み。吐息を感じさせる様に首筋を接吻。そして下唇をついばむ。

 

「チ……ックッフフ」

「んんっ……相変わらず好きなのね。くちびる」

「ああ好きさ。もっとも。好きでたまらないのは君の方じゃないか。そこが弱いのは既に知っているさ」

 

 砕けた言葉。外では滅多に言わない夫婦としての会話。お互いスイッチが入っている。はち切れんばかりの期待を感じずにはいられない。だがそれは、私以上にグレイフィアが感じている。生きとし生けるものの期待が、布越しでも分かるくらい充満している。

 

 そう感じ取とり辛抱たまらない私は衝撃を覚える。

 

「っ!?」

「ふふ! たまにはこういうものも……いいわぁ」

 

 首に腕を回されたと思ったら、形勢逆転。上にいた私は、不意の強い力と共に下になった。恍惚とした表情の彼女は、否応なしに私の服を乱暴に引きちぎる。

 

「はぁ……うっふふ! っん___」

「___。___。___はぁ」

 

 舌を突き出しながら、くちびるから離れていくグレイフィア。……なるほど。どうやらこっちも本腰をいれないといけない様だ。

 

「フフフ。___っ!!」

 

 決して快楽ではない感覚。突然感じた得体のしれない違和感。それは今のムードをも壊す程。

 

「……っ」

 

 グレイフィアも強く感じたのだろう。目が見開いている。一瞬見つめあうと、同時に窓を見る。___あれは。

 

「グレイフィア」

「はい。お任せを」

 

 そらにある歪みを見ながら指示を出す。二つ返事で意図が伝わった。心のどこかに良い妻だと思いながら窓に近づく。

 すると歪みに亀裂が入り、ぽろぽろと砕けていく。そして現れた。落ちてきた。あれは!

 

「エイジ!」

 

 気が付いたら窓を乗り出し向かっていた。エイジのもとに。

 

「どうも胸騒ぎがする」

 

 そう胸騒ぎ。裸で落ちてきたエイジ。そのエイジが何かを鷲づかみながら現れた。……急がねば!

 

 

 

 

 

 

 

 

 落下の衝撃でクレーターと化した中心にエイジはいた。今すぐ話しかけたかった。だがそれはできない。今エイジは、対話している。

 

「……」

{___我は、負けたのか}

 

 頭の中に響く声。驚きはしたがすぐに理解した。この者はこうして意思疎通するのだと。

 

「……うん」

{ハハ。そうか。……そうか}

 

 粒子のようなものが体からフワフワと天に上がっていく。その様子をエイジと私は静観し、彼は自らの手を見る。

 

{幾度もこの光景を見てきた。……同族が、仲間たちが、この様に消えていく。}

 

 懐かしむ様、悲しむ様、少し笑いながらそう呟いた。……彼の重苦しい言葉で、記憶から溢れ出てくる。私は目をつぶらずにはいられなかった。

 

{心のどこかで思った事がある。最後というのは一体どういうモノなのかと。……ハハハ! なかなかどうして心地いい}

「そうかよ。……そりゃあよかったな」

 

 いつもの様なお気楽な返事ではない。どこか思うところがあるのだろう。

 

「……」

{ノドス=エイジ。胸を張れ。この我を屠ったのだ。}

「……胸を張っても、だーれも褒めてくれやしない。張ってもしょうがないさ」

{ハハハ。いやはや。負けた。大いに負けた。言い訳はせぬ。だが建て前は言っておく。___本気を出す直前に勝負を決めてくるのは……いささか不格好ではないか}

「しょーがねーだろ。星やらなんやらを融合させまくりやがって。あんなの撃たれたら色々消えるゾ。それに___」

 

 ___星を融合。……どうやら途轍もない強者なのか、彼は。消えようとしている今の彼からはとても想像できない。もしそれが本当なら、相手がエイジではなく私だったら___。いやよそう。もう済んでいる。

 

{ノドス=エイジ。最後にもう一度言っておく}

「お前の仲間のことか」

{そうだ。我と出会った事を嘆くがいい。同族達はくる。必ず}

「この野郎嬉しそうにいいやがって」

{ノドス=エイジとそこの者をみて、そしてこの世界に触れてどういった世界に住んでいるのかは容易にわかる。ッハハハハ! ここは面白い! ここは我々の好物で溢れている!}

「そっか。……安心しなよ。襲ってきたらオレが相手になる」

{ならば同族も喜ぶだろう。我を倒したも者が戦うのだから。……さて。そろそろ因果の果てへ征こうか}

「ああ。……じゃあな」

{そこの貴様も……楽しめよ____}

 

 私に向けて言ったであろう最後の言葉。消えゆく最後に笑っていた様な気がした。

 さて、どうしたものか。

 

「……ゼックン」

「ああ」

「わかると思うけどさ。マズイことしちゃった」

「そうだな」

 

 悲壮感漂うものいいで語るエイジ。その背中はどこか覇気が無いように見えた。

 

「やっちまったなーオレ。……まあとりあえず」

 

……仕方ないことだろう。先の事があったのだから。だがそんな雰囲気も空気も___

 

「ゼックン。オレ腹減っちゃった!」

 

 振り返った笑顔で晴れる。 さっ。また忙しくなるな。

 

 

 

 

 

 

 

「今向こうは夜だ。夜道には気を付けろよ」

「うん。大丈夫っしょ。ジャペンだぜジャペン。すこぶる治安はいい……はず!」

 

 あれから数時間後、駒王町へ戻るエイジを見送っている。一通りの経緯は聞いた。別空間、別次元へのロード。そこで接触したノドスという種族。そしていつか訪れるノドスの進軍。問題は増す一方だな。

 

「さて、では手を」

 

 駒王町へ送るために手を差し出した。だがそれは断られてしまう。

 

「いや。その必要はないよ」

「? ではどうやって帰るつもりだ」

「ふふん。こうやってねっ!」

 

 そう言って半歩横にずれた。するとどうだろう。

 

「……まったく。エイジ。君には驚かされるばかりだ」

「コツ。掴んだんだよね。こうやってヒビを作るの!」

 

 空間にヒビが入り、エイジの半歩ずれた体が溶け込んでいる。

 

「エイジ。大丈夫なのか。先の事がある。そこを起点にまた何かが来るのじゃないか?」

「大丈夫だよ。結構試したからね、あの場所で。そもそもあそこがヤバい所なだけだし。もちろん成功例はある。ゼックンの所に行けば事情を分かってくれると思ってここに出たんだし。」

「そ、そうか。……リアス達の所に顔を出せよ。さっきも言ったが、数日間エイジが顔を見せないと連絡があった。もっとも、心配はないと伝えたが」

「まかせて。元々そのつもりだし。っていうかあの空間、こことの時差があったんだな。ディゾルブと戦ってたから気付かなかったなぁ」

 

 ディゾルブ。彼か。……エイジが戦っていた時間は数時間程度。だがこちらは数日。その空間、ロードにもいずれは着手することになるだろう。否応なく。

 

「ではまたな。エイジ」

「おう。じゃあねー」

 

 ニカッと笑いながらヒビに入るエイジ。入りきると何事もなかったかの様に空間が修復した。

 

「……ふぅ」

 

 さて、ノドスの件は悪魔だけの問題じゃない。たとえ他の勢力が知らんふりをしていても、戦禍は免れないだろう。フフフ。星を融合だと? とんでもない能力だ。ふざけてるようにしか思えん。……悪魔だけでは対抗できない。天使と堕天使いや、この世界に住む者たち全員が一致団結しなければ。だが。

 

「……不可能だな」

 

 団結など夢のない話だ。不可能だ、無理だ、そう思っている悪魔も少なからずいる。だが私は不可能を可能にしなければならない。叶うからこその夢だ。実現しなければ。そのためには全力を惜しまない。

 

「……楽しめ」

 

 ディゾルブが私に向けた言葉。その言葉のせいなのだろうか。いずれ来るノドス達をどこか楽しみにしてしまっている。まったく、問題が山積みだと言うのに。

 

「まだまだ魔王として甘いな」

 

 そう自己嫌悪しながらこの場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやー悪いことしたなー。ゼックンに、っていうか皆に迷惑かけちゃうからな。オレとベルクロスがいなかったらそもそもノドス達来ない説あるからなマジで。オレのせいなんだよなぁ。もちろん責任取るよ。襲ってきたら相手になるから。なんならベルクロスを表にだすもん。強ーいベルクロスが相手なんだ、相手のノドスも泣きっ面に蜂かもな。

 でそのベルクロスなんだがまだ寝てる。いつ起きんのかね。っと。リアスンに顔出さないとな。お! いたいた。じゃあ飛び出そうか。エイジ! イきまーす!!

 

 

「ぃやっほーい!」

「っ!」

「なに!」

「え!」

 

 出た瞬間何かが体に当たったなぁ。まあ痛くないし気にしないでこ。

 

「ただいまリアスちゃんに朱乃ちゃん。いやー心配かけちゃったね。ごめん。おっ!朱乃ちゃん巫女服似合ってんじゃん」

「……」

「……あらあら」

 

 突然の登場で開いた口が閉まらないリアスン。そして間をあけてアケノンが困り顔をした。いいねぇその反応。オレってばサプライズ好きだからね。

 

「え、エイジ!」

「おう! 帰ってきたゾ。っで?こんな木々並ぶところでなにしてん___」

 

 ってなんか魔法陣的な奴が浮いてんだけど。それに___あ"!

 

「堕天使のおっちゃんじゃん! おひさ!」

「っ!」

 

 槍投げおじさんと痴女とロリがいる。黒い翼広げて警戒されてるわ。ロリと痴女は苦虫を嚙み潰したよう顔してるけど、おじさんはまたプルプルしてる。

 

「……まさかドーナシークの報告にあった英雄エイジ!」

「マズイっすよぉ! 本物なら勝ち目がないっす!」

 

 勝ち目?もしかして何か当たったのって、おっちゃん達の槍かよ。こいついつも槍投げてんな。

 

「ん?」

 

 って事はリアスちゃん目掛けて投げたのか? おいおい。穏やかじゃないなぁ。

 

「なんとなくわかった。喧嘩はいかんぞ喧嘩はぁ」

「エイジ! どいて。事はもうあなたが思うような喧嘩ではすまされないの」

「んだそりゃ」

 

 もの凄い剣幕で迫られた。美人の怒った顔はほんと怖いのな。

 

「わーかったわかった! そう怒んなよ。当事者同士で話し合って。な」

 

 そう言って巫女服アケノンのもとに寄る。困り顔のアケノン。オレも困り顔でひそひそ話をするように近づいて、小声で話した。

 

「ちょ何があったの。親の仇みたいな顔で睨んでんだけど。怖いんだけど」

「いろいろと、一言ではとてもとても」

「そうっぽいな。じゃあ落ち着いたら事の経緯をだな___」

 

 突然、轟音と共に黒い羽根が後ろから吹き抜ける。一瞬感じたゼックンと同じ感覚。リアスンの怒りが爆発したのか。

 

「恨みつらみだな。リアスちゃんどっか行ったし」

「あらあら。こんなに散らかしてしまって。うふふ」

「どっから出したんだよその箒。ドラ〇もんかよ」

 

 どこからともなく出した箒で、手際よく掃除するアケノン。集められる羽根を見ながら思った。おっちゃん達は相当悪いことをしたんだなと。あのリアスちゃんが問答無用で消すんだぜ? ……もしかしたらおっちゃん達とも友達になれたかもな。

 

 

「では参りましょうか」

「ん? うん」

 

 いつの間にか掃除を終え、制服に戻った朱乃ちゃん。差し出された手を握ると転移が始まる。視界がクリアになる前に聞こえてきた。

 

「前代未聞だけど、やってみる価値はあるわね。これ。なんだと思う?」

「チェスの…駒」

 

 リアスちゃんの声が聞こえる。さっきとは違って優しく、穏やかなトーンだ。もう一つの声はあっけにとられた声。……聞いたことある声だなぁ。

 転移が終わると同時にアケノンが言う。

 

「正しくは、ビショップの駒ですわ」

「朱乃さん。それと___」

 

 聞き覚えのある声だと思ったら、ストーカー対象のイッセーくんじゃん! しかもいつの間にか悪魔になってるし。……それとこの感じ、……イッセーくんから発する力。知ってる気がする。

 

「……っ」

 

 涙を流すイッセーくん。その傍らに女の子が寝ている。……この子……生命が感じられない。

 そっか。この子のために戦ったんだ。イッセーくんは。

 

「ビショップの力は、眷属の悪魔をフォローすること。この子の回復能力は、僧侶として使えるわ」

「部長……まさか」

「この僧侶を、悪魔へ転生させてみる」

 

 え"え"え"!! 転生!? マジかよ! カミでも無いのに転生できんのか! オレの時は声だけで誘導された感じだゾ。まぁその自称神が誰かにお願いしてオレを転生させたっぽいけど。……いやいや。オレの話はどうでもいいんだよ。

 

「では。我、リアス・グレモリーの名において名ず。汝、アーシア・アルジェントよ___」

 

 転生するための詠唱が始まった。唱えるに連れてリアスちゃんのパワーが上がってく。アケノンの隣で静観してるけど、流石に緊張感があるな。

 ん? 女の子、アーシアちゃんの胸元に置いてある駒が体に溶け込んでいく。

 

「……ふう」

「部長。アーシアは」

「黙って」

 

 ……アーシアちゃんのパワーが、生命を感じられる。これは、成功したのか?

 

「……ん」

「っアーシア」

 

 おお! 転生してんじゃん! ちゃんと悪魔じゃんこの子! むくりと起き上がれる程には体力回復してんのか。

 

「あ、あれ?」

「ぶ、部長!」

「私は悪魔をも回復させる力が欲しかったから、転生させただけ。後は貴方が守ってお上げなさい。先輩悪魔なんだから」

 

 そう言いながらこっちに歩いてくるリアスちゃん。まったく、そのしたり顔。素直じゃないんだからぁ。

 

「イッセーさん。あ、あの。私」

「っ!」

 

 そうだよなぁ。ハッピーエンドじゃん。そりゃ抱きしめたくもなるよ。オレも抱きしめたいもん。イッセーくんとアーシアちゃんを。っま。そんなことはしないさ。今日のヒーローはイッセーくんだ。

 

「さぁ帰ろ。アーシア」

 

 そうだな。みんなもほっこりしてるし、ここに居る用事はもうない。

 

 

 

 

 

 

 

「で? この数日間どこにいたの? お兄様が釘を刺してるから、駒王町のどこかにはいると思ったのだけれど」

 

 ハッピーエンドからの尋問だよ。今絶賛居候中のここ、朱乃ちゃん家で質問を受けてる。けどちょっとキレてんだよなリアスン。質問じゃねーよもはや尋問だな。

 

「粗茶です」

「ありがと朱乃ちゃん。ズズ。ふぅ。……どっから話ぉかな?」

 

 オレたちにお茶を配り終わると、リアスちゃんの隣に座る朱乃ちゃん。二人ともオレの返答を待ってる。

 

「まあとりあえず、さっきゼックンに会ってきた」

「そう。お兄様はなんて? 怒られたかしら」

 

 怒られただけで済んだらどれだけいいか。問題を増やしちゃったんだよなぁ。

 

「サーゼクスに伝えといてって言われてる。言っとくけど、これから言う事はまだ他言無用ね」

 

 愛称ではなく名前で呼ぶ。この一言で二人の真剣味がます。オレもマジのトーンで言ったからな。

 真剣な顔して、中身のある口調でしゃべる。

 

「……三陣営だけでは勝てない。全陣営、全勢力、全神話の敵が来る!」

「っ!」

「っ!」

 

 まあオレのせいなんだけどね。

 

 

 

 

 




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