おススメな作品があれば、感想欄にでも乗せといてください。
では、どうぞ。
エイジ。半泣きする。
「っぐ! ヤバいって!」
「うふふ」
マジでヤバい! こんなはずじゃないんだ! こんなはずじゃっ!
「っは、っは。それやばい! それはイケナイ!」
「あらあら」
「っく! なにその舌使い! ハンパねえ!」
執拗な舌使いが凄い! オレはただ、それに蹂躙されるしかないのか!
「っ! そんなに咀嚼するなんて! 流石に、Sだ!」
「う~ん。エイジさんオイシイですわぁ」
こんなに出来るなんて! こんなに攻めてくるなんて! オレは、負けらんねえ!
「ヤバい! そろそろ本格的にヤバい!」
「あらあら。もう限界ですか?」
朱乃ちゃんの挑発が、オレを狂わせる。頭ではわかってるのに、どうしようもなく狂う。
「あら? あらあら」
「っ! そ、そんな風に握って! っは! オレを追い詰めたつもり!」
「そろそろ激しくいきますわ__」
はあっ! はぁ! 何がそろそろだ! ずっと激しいじゃんか! 激しすぎるんだよおお!
「あ、ヤバい。ア、ヤバい! アヤバイ!! 屈してしまう! 朱乃ちゃんに屈して__」
「では、フィニッシュです!」
朱乃ちゃんの言葉でスローに見えてしまう。オレが、オレの分身が、屈してしまう所を。
{ッキイィィィィン! ウィナァー! ヨ〇シー! フンフン!!}
「負けたああ! ああもう完敗!」
「お疲れ様でした、エイジさん。ふふ」
「朱乃ちゃんのT.ヨシザウルス〇ムンチャクッパス強すぎ。普通あんなのできないって」
「悪魔ですから」
いやー負けたわ。ほんと完敗。ゲーム上手すぎ。つかスマ〇ラ上手すぎ。なんなのアレ。一発もパーセンテージ溜めれなかった。
「えーと、何戦したっけ?」
「十戦ですわ」
「あ~十戦かぁ」
もう十戦もしたのか。ゲームやってると時間がたつのは早いなぁ。
「そろそろ時間ですね」
「そだね。もう待ってるかも」
朱乃ちゃんには負けたけど、全国のエキセントリックな変態たち相手には、中々の戦績を収めている。レーティングゲームのお祝いに、みんなとオレの分、一人ずつにプレゼントした本体とソフト。アレから数日の間でいい戦績にまで登り詰めた。
「でもほんとにいいの? よくわかんないけど、オレが居ると集中できないんじゃ」
「そんな事ないですわ。むしろエイジさんに見てて欲しいです」
さあ。中々な腕を持つオレが、朱乃ちゃんとの戦績をお教えしよう。
全戦☆全敗
無理っス。はい。プロかな?
「では、行きましょうか」
「よろしく」
そう言われてさし出された手を握ると、一緒に転移した。
「……」
「ズズッ」
「……」
「なんだよ落ち着きねーなぁ」
「逆になんで落ち着いてんだよ! 俺は裸同然なんだぞ!」
そう。今のイッセーは裸同然。体にかかる布は腰のタオルだけだ。なんでも、レーティングゲームで無茶した代償に、腕が少し龍化している。その龍の気? 氣か? まあその気をどうにかする為に、朱乃ちゃんが一肌脱ぐってさ。
まあオレも魔力で腕の形を変える方法とか、実際にここで見てたし。その気を抜かないと、ありゃダメだな。
「って言うか、なんでエイジが居るんだよ。俺と朱乃さんだけのはずだろ?」
「誘われたんだよ。じゃなきゃここに居ないさ」
儀式をしますってさ、上目遣いで頼まれたら断れないよなぁ。まぁ元々断るつもりもなかったけど。……でも儀式かぁ。イッセーの龍の気を触媒に、何か召喚でもするんかね。問おう、貴方が私の__ってか。それとも龍の気を生贄にして、ガラガラ声でカオス〇ソルジャー召喚! って選択肢もアリだな。
ちなみに、オレのおすすめはカオスだな。ガラガラ声で叫ぶんだよ。ブルーアイズ・カ〇ス・MAX・ドラゴンってな。
「お待たせしました」
「ぁ」
「フュ~ゥ」
扉から出てきた朱乃ちゃん。身を清め、水けを拭いていない布地が、肌に張り付いている。その姿に、思わず口笛を吹いて、やっと来たかと歓迎した。まぁ同じ屋根の下で暮らしてるんだ、朱乃ちゃんもオレの上半身裸を見慣れている。オレもその例に乗っている訳。最初は驚いたけどね。
「エイジさんも、お待たせしました」
「うん。よろしく」
「はい。儀式の一つを勉強なさってくださいね」
オレの返事を聞くと、イッセーの許に歩いていく。
「きゅ、急にすみません朱乃さん」
「うふふ。イッセーくんのせいじゃありませんわ」
「……」
こういった事態に陥ったのはイッセーのせいじゃない。まあこれも一つの答えだろう。誰かのせい、何かのせい、幾らでもある。でも悪いね朱乃ちゃん。オレは思う。突き詰めていくと、オレのせいだ。
足らなかった。特訓が、修行が、時間が。……言い訳がましい。結果的には勝利で事が収まったけど、もっと特訓していればこんな事にはならなかった。……かもしれない。イッセーの力をうまく引き出せなかった。オレの技量不足だ。
「さぁ。始めますわよ」
「お、お願いします__」
「……」
イッセーには悪い事をした。いつもの様に振る舞っているイッセーも、内心辛いのかもしれない。
「どうしたんですか」
「いえ……服が……」
「儀式のため、水を浴びてきただけですわ。今日は急でしたので、体を拭く時間がなくて……」
「……」
うん。まあ急いでるのは急いでる。早くその儀式とやらを見たい。グルグル回してお迎えする所を早く見たい。
でもなイッセー。こういった格好の朱乃ちゃんは、大体こんな感じ。むしろちゃんと拭いている方が俺には珍しい。ぴったりと薄い生地が張り付いて、見える所まで見えてしまうその恰好。目のやり場に困るよね。
わかるわかる。最初のオレもそうだった。
「ごめんなさいね」
「いぃ、いえ! 問題ありません! むしろぉ得した気分っい、いや、気にしないでください!」
「うっふふ。イッセーくんのドラゴンになった腕は、思いのほか気が強くて、魔力で形を変えただけでは、一時的にしか効果がありませんでした」
「そうだね。酷い時はすぐに籠手になってた」
「はい。そこで指から直接気を吸い出すことで__溜まっているものを抜き出しませんと。はむ、ちゅる」
「っうっあ」
「……」
……ん? これが儀式なの? 儀式の下準備なのかな? 指をネチッこく舐め吸っちゃってさ。イッセーなんて顔赤くして喘いでるじゃん。
「ちゅるっ__はむ、ちゅ__」
「__うっ……っうあ」
「……フー」
なんでかなぁ。オレから見える光景は、完全にしゃぶってるんだよなぁ、指を。妙にえっちぃなぁ。それにさ朱乃ちゃん。
「ちゅぷ__レロ__」
位置的にオレに向けてお尻突き出す体制になるのはわかる。うん。でもさ、見えてる。……いや、オレに見せつけてるだろ。……ダメだろ、オレみたいな奴にそれを見せつけちゃ。
「__うふ。れろ__」
「……」
確信犯だな。横目でオレをチラリと見てきた。いたずらです、どうですか? って意思が目を通して伝わってくる。
「んっんん。__ちゅるっん__」
「っぅ。ぅう__」
思わずソファにふんぞり返って上を向いてしまう。……ダメだ。なんか朱乃ちゃんとイッセーのやり取りを見聞きしてると、なんだか、あたまが、くらくらする__
自分でもわかる。今のオレは、目が据わってる。
「ぁ……ぁぁ__」
__どうして女の子の口の中って、こんなにヌルっとして、あったかくて、っすっごく気持ちいいぃぃ。 ぁぁやばい。頭の中が、ピンク色になりそうだ!
「ちゅ__ちゅる、んん」
ドライグうぅうぅ! 俺! 今、最高の瞬間を生きてるよぉおぉお!
「はむ__じゅっ__」
「__くはぁあ!__」
ぃいい! 今のはヤバい! 強く吸われて、思わず声がぁぁ__
「レロ__あらあら、そんなうぶな反応を見せられると、こちらとしても、サービスしたくなってしまいますわぁ」
「__ああそうだな。__オレも混ぜろよ__」
「っ!」
__なんだ、この甘い声。……いつの間にか後ろに居たエイジが、そっと耳元で囁いてきた。でも、なんだこれはぁ__囁かれると、あたまがボーっとする。
「エ、エイ、ジ……」
「エイジさん……」
「__見様見真似で吸ってやるよ。__そうでもしないと、収まりがつかねえ。っハアァ」
「っく! ぅあぁ__」
耳がっ、俺の耳が吸われている! い、いやだ! 男にこんな事されるのは、ぅぁあ__
「__ハアァ__ムチュル……ッチッチュル__」
「__! __!」
てて、抵抗っできない! エイジの吐息がっ、ねちっこい音が直接耳にぃ! い、いやだ! 嫌だけどっ__きもちいぃ。
「__グム……チュル__んん」
「素敵ですエイジさん……。なら私も続きを__はむっ__」
「っぅっぅあ!__」
指から伝わる気持ちよさが脳をとろけさせ、耳から伝わる気持ちよさが思考を鈍らせる! ぁぁああ! 声が抑えられない!
「っくっあぁ」
「う~んん。__ンハァア。……こんなもんだろ」
「__んはぁ。よろしいかと……暫くは、大丈夫ですわ」
「っぅう」
意識が朦朧とする。耳から口を離したエイジが少し長い舌をだすと、舌の先端に赤い玉が乗っていた。__ぼーっとするけどわかる。あれは龍の気だ。
「……朱乃」
「はい……」
エイジが舌から玉を取ると、顔を近づかせる朱乃さんに__
「口を開けて……」
「んはぁ__はむんん」
「……そう。味わって。じっくり、堪能して__」
「ん__んん」
口を開けて舌を伸ばした朱乃さん。その舌に玉を添え、玉に乗せているエイジの指ごと口に含んだ。
「こんにゃろ! こんにゃろ! こんにゃろおお!」
違うんだ! 違うんだ! 違うんだああ!!
「こんにゃ……あっ」
{ドオオンンン! ウィナァー! マ〇オォォ! ッホ!}
「嘘……だろ……。三十三戦して勝ちが四、負け越し……」
いつもの調子が、出ない。……わかってる。調子が出ない理由なんて、一つしかない。
「なんでぇあんな事したんだオレぇええ!」
あわわわわ、絶対顔が赤い! 耳まで赤いだろ! 朱乃ちゃんだけでいいだろえっちぃ事は! 確かに少し、ほんの少し興奮したけど! なんでオレもえっちぃ事したんだよおお!
「しかもイッセーに、男にだぞ? 耳をぺろぺろだぞ? それと朱乃ちゃんにも!」
むぅ……未だに思いだせる、指から伝わるアノぬんるぬるな感触。朱乃ちゃんを堪能してしまったアノ感覚……。コリコリした舌触りがとても癖になる耳。聞いていると高まるイッセーの声……。
「ぬわあああ!」
いったいどんな顔して会えばいいんだよ! それに急に、「オレも混ぜろよ」って! 唐突に甘ったるいイケボ出して、作り声で恥ずかしいにも程があるわ!
「へ、変なスイッチが入ってた! 変に興奮して、変なスイッチが入ったんだ! アレはもう一人の僕なんだ! きっとそうだ! __ええい!」
コントローラーを持って、現実逃避だ! オラオラ! 全世界のエキセントリックな変態紳士淑女! いいよ! こいよ! かかって来いやああ!
{マ〇オォオ! ッフッヤ!}
「またお前かああ!__」
「部屋はここか」
インターホンを押す。聞きなれている似たような呼び鈴が聞こえる。
「はぁ」
また、チャイム鳴らして現れる悪魔なんてあるか! って言われるんだろうなぁ。はは、情けなくなる……。早く契約取らないと、上級悪魔への道は遠くなる一方だ。ハーレムライフも先が遠くなる……。っあ。扉が__
「ちわーす! 悪魔を召喚した方ですよね! ああ、おかしいと思ってますか思ってますよねぇ?」
そう言って懐からチラシを出す。
「ホントはお配りしたチラシの魔法陣から、ドロンっと現れるんスけどぉ、ちょっと諸事情でぇ__」
「まあ入ってくれよ」
「え__」
「君、悪魔なんだろ」
文句の一つ言われると思ったのに……。予想外だ。変に悪魔はこういった者だと決めつけていない人なのか……。それは分からないけど、取り合えず。
「さ、入った入った」
「ど、どうも。おじゃまします」
誘導されて、部屋に入る。やっぱり、上階だけに部屋が広い。
「適当にかけてくれ」
「は、はい。ども」
適当と言われても、ソファしか選択肢がない……。大人しく座るか。
「ぉお。すっげな」
ふかふかだ。部室のソファもふかふかだけど、ここまでじゃないな。__外国人みたいだけど、何やってる人なんだろ。ここに住んでるって事は、それなりに金持ちなんだろうけど。
「待たせたな。まあやってくれ」
「ああ、俺まだ未成年なんで」
「そうか……。こりゃしまったなぁ。酒の相手をして欲しかったんだがなぁ」
未成年の俺でもわかる。持ってきたのはお酒だ。銘柄はわからないけど、とても高そうだ。
「依頼ってそれなんですか?」
「駄目なのか」
「いえ、そちらの願いを叶えて、それに見合う対価を頂ければ、契約は成立しますんで」
「あいにく酒しかないんだ、氷水でいいかい?」
そして氷水を出されて、普通に談笑した。あんな事があった、こんな事があった。詳しく深く触れない程度の話をした。合間合間に酒の入ったグラスを傾けては笑ったりしてくれている。
「__っふはっはっは! 魔力が弱くて、召喚された人間の所へ自転車で?」
「は、はあ、まぁ」
「こりゃ傑作だあ! ふっはっはっはっは!__」
酒が入って酔ってるのはわかるけど、そんなに笑われるとムッとするが、これも契約のためだ。がまんがまん。
「で? さっき話に出てきた君たち悪魔にも親しい人間ってのはどんな奴なんだ?」
「え、そ、そうですねぇ__」
話の流れでエイジの事を言った。もちろん名前は出していない。それにしても、悪魔の事じゃなくて、人間の事を聞いてくるなんて。普通は悪魔の事を聞くと思うんだけどなぁ。……まぁ断る理由もないし、少し話すか。
「そいつ、いつもヘラヘラしてるんですよ」
「ふぅん。ヘラヘラねぇ」
「はい。能天気にヘラヘラして、みんなに接するんです。__」
エイジの事を思い浮かべながら、素直に話す。
「__ってな感じで、みんなにあだ名付けてくるんですよ」
「っぷ! あだ名、ニックネームか? マジかよ!」
「いや本当ですって。初めてあった悪魔の先輩にも、ニコニコして当たり前の様に愛称を決めて呼ぶんです」
「ふっはっはは!」
「……でも、そんな彼も、頼りになるんです」
「……へぇえ」
今起こった事の様に思い出してくる。エイジの事、エイジがしてくれた事。……っう! 朱乃さんとのアレは今はどうでもいいんだよ! ん"ん"。
「困ってる時や、悩んでる時、……そっと手を伸ばしてくれるんです」
「……」
「悪魔なのに形無しですよ。本当に頼りになる。……しみじみそう思います」
「そうか……そうか……」
グラスの中に入ったお酒を見ながら思う所があるのか、どこか懐かしむ様に微笑んでいる。……たぶん、この人もそう言った人が居るんだろうな。
「失礼ですが、もしかして貴方にもそういった人が__」
「ああ。……暫く話してないがな……」
「……そうでしたか」
やっぱりそうだった。……生きていると色んな事があるんだなと、懐かしむこの人を見て思う。
「__っはは。いやぁ楽しかったよ。で対価は何がいいんだい?」
「え、いやもう?」
「悪魔だから、魂とか……」
「ま、まさかぁ。酒の相手くらいじゃ、契約内容と見合いませんよ」
「ふーん。以外に控えめなんだな」
「うちの主は、明朗会計がモットーなんで」
数十分話した程度で契約! これは成立させないと!
「じゃ。アレでどうだ」
「え?」
そう言って指示された絵を見る。……ん? 暗くて見ずらいけど、描かれている人物、なんか既視感がある……。
「複製画じゃないぞ。シリーズ物なんだが、その中でも人気がある絵だ」
「え。でも結構高そうな……」
「今適当なものが無くてなぁ。駄目ならぁ魂しか__」
「ぇえじゃあ、絵で結構です!」
なんでもいい! 今は、契約が優先だ!そして__
「ありがとうございましたー」
「おう。また頼むわ」
早く持ち帰って、部長に報告だ! ご褒美とか、あるのかなぁ!
「っうう! なんだよお前らぁ! グスッ、なんでキノコ王国な奴ばっかりに当たるんだよぉ! 手加減してくれよぉ! ズルッ、お前ら全員動画でも配信してる自信ニキかよぉ!」
全世界の変態たちに、半泣きレベルでボコボコにされた。お前ら強すぎなんだよぉ……。勝てねえんだよぉ。__あれちょっと待てよ。……ひょっとして__
「オレ、弱すぎ……?」
勘弁してくれよぉ。オレがちょっと勝てる様になったからって、本気だしてくるなよぉ。
「……はぁ。……今日はもう止め。このままやっても強くなる訳でもないしなぁ。……もういい時間だし」
朱乃ちゃんはいつ帰ってくるんかね。結局、イッセーにアレをした後、恥ずかしさの余りにオレはそのまま帰ってきたし。まぁ遅いのはいつもの事だし、帰ってきたら茶でも淹れ__あっ。
「この気配は……茶でも淹れよっと」
今日は転移で帰ってくるのか。なんともタイミングがいいな。
「よし」
部屋から出て、お茶を淹れに行く。居間にある急須を傾けていると、魔法陣が展開され転移してきた。
「お帰り。お疲れさん」
「はい。ただいま」
「ん?」
巫女服……。って事は、何かあったな。
「はい、どうぞ」
「いただきます」
「……その服装って事は、何かあった」
「__ん。はい。はぐれ悪魔の討伐を依頼されました」
「……」
はぐれ悪魔ねぇ。転生で悪魔になったけど、手に入れた力に溺れて主を亡き者にして、お尋ね者になった悪魔ねぇ。いつか聞いた話だけど、なんとも怖い事だな。悪魔も大変だ。
「確か手遅れになると、怪物化していくんだっけ?」
「はい。その例に漏れず、容姿は人型ではありませんでしたわ」
なんとも悲しい事だな。その悪魔が原因であれ、主が原因であれ、なんであれ、結果が哀れなら悲しいよ。……きっと、助けてくれる悪魔がいなかったんだ。辛いのに、苦しいのに、誰も手を伸ばしてくれなかった。いや、そもそも居ないんだ、手を伸ばしてくれる存在がいないんだ。
「どうにも後味が悪いよねぇ……」
「……そうですね」
「……」
「__ん。……どうしました?」
「……んぃや__」
つい朱乃ちゃんをジッと見てしまう。不意に思った。こういった悪魔に関する悪い事があると、みんなは大丈夫なんだろうか、と。
部長ことリアスが主なら問題ないだろう。誰が見ても良い眷属関係だ。もちろんオレもそう思う。……だけど、もしどうしようなく理不尽が襲い掛かったら、この関係は崩れる、……かもしれない。
「……」
「エイジさん……?」
オレはそれを望まない。断固として否定する。襲い来るものならオレは戦う。……もう家族みたいなものなんだよ、リアスと眷属は。これからも眷属は増えていくと思う。その悪魔も思うだろう。居心地のいい場所、あたたかいと。__それは壊させない。
「__朱乃」
「はい」
「オレは守るよ」
「ぇ……」
その思いで胸がいっぱいになる。テーブルの上に置かれている朱乃の手を、重ねずにはいられない。
「__っ!」
「守ってみせる。君を。みんなを__」
「__ぅ」
本当にそう思う。__例え相手が神でも悪魔でも、死神でも魔神でも、超常的存在でも、ノドスでも、理不尽を振りかざすなら許さない。喜んでオレとベルクロスが相手をしよう。
「__少しクサイ事言っちゃったかな。ッハハ。恥ずかしいセリフを聞いたからって、そんなに顔を赤くしてさ」
「そ、そういう訳じゃ__」
「でもホントだよ。守る。オレ、我がままだから」
「エイジさん……」
……あっ。ずっと手を重ねてたまんまだ。こういう所なんだよオレの悪いクセ。熱が入るとすぐ手を握る。反省しないとなぁ。
「ふぁぁあ……眠たくなってきた」
「ぁ__」
思わず出たあくび、手を放して口に持っていく。もう寝みぃわ。スマ〇ラやり過ぎて夢にでも戦ってそうだな。
「じゃあオレ寝る__どした?」
「……」
顔を赤くして、手をさすっている。なんで__あっ。やっぱ悪いクセだな。強く握ってしまったか。悪い事したなぁ、痛かったろうに。
「ごめん、痛かった?」
「いいえ。……いいえ。痛くなんかありません。うふふ。頼りにしてますよ、エイジさん」
「う、うん。任せてよ」
なんか面と向かって言われると、恥ずかしいな。__ん? 恥ずかしい事ばかりだなオレ。どうなってんだ。
「私もお風呂に入ってから就寝しますわ」
「そう。ゆっくりと疲れた体を癒して熟睡できる事、それがいいね」
「……エイジさんもご一緒しますか」
「お風呂? ハハ、いじわるな冗談は止してよ。オレ以外の奴が聞いたら本気にするよ? それにもう先に入ってる。残念だった?」
「そうですねぇ。残念です。次は、先に入っていない時が、狙い時ですね」
「はいはい。ふぉああ__おやすみぃ……」
「はい。おやすみなさい」
まったく。朱乃ちゃんの冗談にはビックリさせられる。まっ、そういった事を言えるくらいは、あんまり疲れていないのかな。
「ふぅ」
部屋に戻り電気を消して、布団に入って瞼を閉じる。意識が遠のく間に、垣間見る__何故だろうか。知っている様で知らない記憶の断片がよぎる。
ベルクロス。寝ているお前が見せるのか……?
星々が煌めいていると思わせる程の相手。
倒しても倒しても、無限に立ちはだかる相手。
経つ度に概念を捨てていかなければならない相手。
そして辿り着いた。いや、まだ途中だ。
進化達が襲いかかる。魔神達が襲いかかる。
倒した。倒した。倒した。
もう同胞はいない。もう、自分だけだ。
そして__認識された。
進化そのものと、終焉に。
ベルクロス。お前は__
フラグを立てたんで、スペシャルゲストをお招きできますねぇ。
全裸待機で感想待ってます。
アディオス!