惑星を破壊し、意図せず別次元へと渡ってしまってからはもう無茶苦茶だ。次元の狭間を漂いながら次元をこじ開けようと頑張った。が、いまいちこじ開ける要領が掴めず、別次元へのこじ開けは適当にやっていたらできるが、どうしても元の次元へと帰れないでいた。狭間に漂っているだけならまだマシ。怪物がいる。この狭間には。
最初に出会った怪物は心底気持ちの悪い奴だった。常に形態変化している様な不安定な容姿、人間の様な歯だったり獣の様な牙だったりの口部分。常時泡噴いてる様だし。なんと言っても触手よ。テラッテラしていて形が「それ」だったり「それ」じゃなかったり。もう無数に伸びている。正直に思った。キモっ!!
「グジュビヴナルシュウイオグブラウ」
無駄にデカい怪物はオレとベルクロスを認識すると、徐々に徐々に迫ってきた。遠くから見ていても分かる。キモイ触手を執拗にこちらに伸ばしている。どうやら触手プレイをご所望の様だが、丁寧にいや、荒っぽくお断りさせてもらう。
オレとベルクロスの戦い方は基本肉弾戦。パンチにキックだ。いかんせんあんなキモイのに触りたくない。なので拳圧で応戦する事にした。
「グオオオオオオオ!」
開いた手を拳にして、思い切りに拳圧を放った。轟音を上げながら突き進む拳圧が、スパンッ!と軽快な音と共にキモイ奴の一部を粉砕した。
「ュウイオグブラ!!」
今の攻撃で向こうは心底キレたらしいく、忙しく触手を動かしている。よく見ると粉砕した根本から徐々に再生していっている。 さらによく見ると再生細胞っぽいのがウネウネしていて、キモイ。細胞の形が「それ」なので尚の事気持ち悪い。
「っ!」
絶対に触りたくないという強い気持ちが、さらに強くなった。オレとベルクロスの拳圧は効いたんだ。なら一発じゃなく、拳圧のラッシュで消し飛ばす!と意気込み、某幽波紋のラッシュ宜しく物凄い速さでオラオラと拳圧を放った。
「グジュビヴナルシュウイオグブラウュビヴナルシ」
拳圧のラッシュが直撃していき、奴を粉砕していく。だが奴も再生していくので、その再生おも凌駕する程のラッシュをオラオラし続けた。徐々に徐々に削れていき、奴のコアと思わしきモノがニュルッと出てきた。そのコアを見逃さずに、狙い定めてラッシュした。
「ビョオオポッ」
拳圧がコアを粉砕すると、奴は風船を針で突いた様に破裂して消えた。……正直ホッとした。あんなキモイ奴が襲ってくるなんて思いもしなかった。次元の狭間ってのはあんな奴がいるんだなぁ。としみじみ思っていると、視界の端に何かいる事に気がつく。
簡単に言うと怪獣がいた。さっきのキモイのじゃなく、ちゃんとした容姿だ。黒くて堅そうな皮膚に長い尻尾。ドデカい翼に特徴的な三本首。ちゃんと怪獣していた。どっかで見たことある様な、無い様なそんな怪獣。そいつがオレとベルクロスを三つの顔、計6つの眼で睨み付けている。
「グオオオ!」
お!やる気か?と思ったが、よく見るとオレ達を睨んでいるのではなく、オレ達の後ろを睨んでいる様だ。なんだ?と後ろを振り返ると____
「ギャアアアアアスウウウ!!!」
別の怪獣がいた。ここから離れているが、その咆哮はビリビリと伝わってくる。
「ゴオオオオオ!」
横からの咆哮が聞こえた。まだいるのか!と内心焦ったが、どうやらもう一体の怪獣は敵意を別の怪獣に向けているようだ。
「グオオオオオオオ!!!」
咆哮の応戦ならオレ達も負けてないぞ!と意気揚々と発した。すると、予想外な事が起きる。遠くの方から数え切れないほどの咆哮が木霊した。一体、何が起きているんだ!とベルクロスも驚いているようだ。ほんの一瞬の驚きからふと気づくと、周りには星の数程の怪獣が集まっていた。ホントに何が起きているんだ!とマジで焦り始める。だがわかる。怪獣達は全部がオレ達を狙っているんじゃない。みんな敵対している。そう思って開いている手を力強く握り拳にする。暫く膠着状態が続いていたが、三本首の怪獣が口にエネルギーを溜め始め、破壊光線の様に周りの怪獣に放った。始まった。大乱闘が!
「グオオオオオオオ!」
「ギョヨヨオヨ!!」
「グオオオ!!」
「カチカチカアア……」
「っ!」
それからと言うもの、もうむちゃくちゃだ。破壊光線が発射したと同時にそこらじゅうがおっぱじめた。山の様にデカい奴から人間サイズの奴、取っ組み合いの潰し合いだ。聞こえてくるのは闘争の音。鈍い音や軽快な音から何かのチャージ音に発射される音。一瞬でSF映画宛らいや、それ以上の事が起きている。
「グオオオオオオオ!!」
オレ達はと言うと、千切っては投げ千切っては投げと、引っ切り無しに全方位から襲ってくる怪獣を撃退している。しょっちゅう流れ弾や流れ光線が当たるが、なんとも無いから無視をきめて怪獣達を相手している。
「……っ」
「オオオオオオ」
まるで壁だな!と思うほどの恐ろしくデカい怪獣がオレ達の前に現れた。そいつはご自慢らしい巨大な腕で、オレ達をプチッと潰そうと落としてきた。その腕を避けもせず、オレ達は受け止める。なんだ!デカい割には大した事ないじゃないか!そう思ったが刹那、怪獣の胴部分に一瞬で移動し思い切りにパンチを浴びさせた。すると衝撃を受けた部分からヒビが入り、瞬く間に崩れ去った。
「グオオオオオ!!!」
勇猛果敢に単騎で襲ってくる怪獣から、連携利かせて集団で襲ってくる怪獣。今のデカい奴、等様々な怪獣が襲ってくる。いろいろ襲ってくるが、偶に人型の怪獣等も襲ってきた。人型の怪獣は、柔軟な動きで翻弄してくるし、光線やらなんやらで攻撃してくる。中々厄介な種類だが、ベルクロスなら何の問題もない。
そして次の相手は目の前の人型。フワッと軽々しく漂う様に降りてきた。人型ではあるが、エネルギー体の様だ。のっぺらぼうで、どちらかと言うと女性的なフォルムをしている。
「アアアア……!」
豪く綺麗なソプラノボイスだなぁ。と敵ながら感心する。いろんな同種の怪獣がこれまでにも襲ってきたが、こいつは初対面だな。
「アアア……」
こいつ!手の平から身体と同じエネルギーの剣を出しやがった!なるほどな……。中ボスって訳か!なら、少しはやるほ____!
「!」
「……」
マジか!ノーモーションで切り付けてきやがった!紙一重で避けたが油断はできない!あの剣は何かヤバイ!そう思いながらも人型の攻撃を最小限の動きで避け続ける。……徐々に、徐々にだが剣速が増してきている!そう思って避け続けていると、突然見覚えのある怪獣がオレ達と人型の間に乱入してきた。こいつはオレ達の攻撃を一発だが凌いだ堅い奴!こいつならあの剣を受け止めるのじゃないか?避け続けている刹那にそう思った。
だが、その考えは一瞬で崩壊した。人型が何事も無かったかの様に剣を振るモーションを続けた。オレ達はその刹那を垣間見た!堅い奴の身体を、まるで空を切るように裂いた。堅い奴は切り口から粒子となって一瞬で消えていった。堅い奴が乱入してからほんの一瞬の出来事。驚いているヒマは無い!人型の剣速は今も尚速くなっている!
「ruuu……」
「アア……」
あれから長い間避け続けている。いったい、どれ程の速さなのか。あの剣速は。今に至っては、剣を振った余波で周囲で乱闘している怪獣達を真っ二つだ。とんだ怪物だよ、こいつは。
だが思う。こんな守りの戦いをしていていいのか?と。あいつの剣にビビってていいのか?と。いや、そんなはずない。いいわけない!
「!」
オレとベルクロスは攻めの戦いだろ!
「!!」
細いちんけな剣にビビるわけにはいかないだろ!
「!!!」
いいわけない!いいわけないんだよ!なあ!ベルクロス!!!
「グオオオオオオオオオ!!!!」
「ッ!?」
それはもう渾身の一撃を、人型ののっぺらぼうにカウンター全力パンチをかました。最高のタイミング、最高のポジショニングで完膚なきまでにかました。パンチを受けた人型は一瞬のうちに光の粒子となって消えた。
「グオオオオオ!!」
まったく。ベルクロスに申し訳なく思う。完全にオレに難ありだな。人型の剣にビビってしまった。ノドスとして、まだまだ青二才だな。……っフ。自虐しているのを見かねて励ましてくれるか。ありがとうな、ベルクロス。お前に似合うノドスに必ず成長してみせるよ。
この次元の狭間はどうなっているのか。倒しても倒しても怪獣が湧いてくる。今もこうして光線が飛び交う中怪獣を蹴散らしているし、すぐ隣で怪獣同士が光線射ちまくりでおっぱじめている。おうおう!互角どうしの戦いを繰り広げていて、思わず魅入ってしまうなぁ。と、襲ってくる怪獣達を蹴散らし、そう思いながら見ている。
長い間戦い続けて、緊張感が無くなっている証拠だな。これは。人型との戦いからは、これといって強い奴は現れていない。聞こえが悪いけど、有象無象ばかり。もっと歯ごたえがある奴はいないのか。と思っていると、気付いた。気付いてしまった!この星の数ほどにいる怪獣達の中に!視界の端で見えてしまった!奴だ!奴が居るぞ!
「グジュビヴナルシュウイオグブラウ」
忘れもしないあの容姿・牙・泡そして「それ」。なぜか全体的にモザイクがかっているが、遠くの方からでも詳細に見て取れる。いつか現れると思ってたけど、遂に現れたか……。何故だろうか。モザイクの周りは、この大乱闘している空間にしては怪獣一匹たりともいない。……わかった。避けられているんだ。怪獣達に。モザイクだけど、なんだか可哀想に思えてきたなぁ。
「!?」
アレは!強敵の人型!戦った人型とは別種の様だ。どうやらターゲットはオレ達じゃないみたいだな。どんどん遠のいていく。いったいどいつがターゲットなんだ?向かう先を見て見ると___
「グジュビヴナルシュ」
そいつだけは止めておいた方がいいと思うぞオレは。ベルクロスも同意見だし。モザイクだしな。だが無情にもオレ達の思いは人型に届かない。勇猛果敢に突撃していく人型。
「アアアア!」
「イオグブラウウウ」
突撃している人型は、遂にモザイク圏内に入ってしまった。人型の実力ならモザイクに後れを取らないはず。けれど一向にモザイクから出てこない。……まさか。
「アアア…アア…」
モザイクから出てきたと思ったら、女性的なフォルムにモザイクが巻き付いているじゃないか!これは、ダメだ……。
「ア…アアア……」
聞こえてくる筈のない人型の悲しい声が、聞こえたような気がする。すまない。助けてやりたい。けどオレ達、ダメなんだよ、モザイク。今は耐えてくれ!人型!きっと助けに行ってやる!それまで、強く生きろ!
「!!」
オレ達の戦いは、これからだ!
「グオオオオ!!」
ハイスクールD×Dの二次なのに
ハイスクールD×Dしていない!
申し訳!
感想まってま~す