存在が強すぎて、世界がヤバイ   作:ホイホイ

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説明回です。オリジナル要素と独自解釈をぶち込んでいます。ご了承を。
あと仮面ライダー創造のネタバレがあるのでご注意。まぁ読者の皆さんは仮面ライダー好きが多いと思うので、大丈夫でしょう。

では、どうぞ。


エイジ。マスターと呼ばれる。

「粗茶です」

「感謝」

 

 あの場に居ても仕方なかったから、取り合えず落ち着ける居間に移動しようと朱乃ちゃんが言ってきた。まぁ確かに、裸二人にゴツイ奴が跪いてる状況とか、落ち着きもしないわ。

 

「いや、何でここでも跪いてんだよ」

「王の御前であり、当方の敬意の表れです」

「あ~そう言うのいいからさ、普通に座りなよ。そんなんじゃリラックスできないだろ」

「お気遣い感謝します、王よ。ですが当方は今の体勢が良いのです。ご理解を」

「う、うん」

 

 跪かれてるこっちはリラックスできねぇよ。……はぁ。何なんだよいったい。確かに元気になれ、回復してくれ、そう思ったのは確かだけどよぉ……。

 

「いきなり王よ、仕えます、とか言われても困るんだけど」

「……然らば」

「先ずはさ、いったいあんたは何者なのか、自己紹介してくれたら、オレも朱乃ちゃんも少しは構えなくて済むと思うんだけどッズズ」

「……」

 

 いやマジでそうよ。隣に座っている朱乃ちゃんもお茶を出した時もそうだ、顔には出してないけど警戒はしている。いくら敵意が無いとしても、素性も得体も知れないから誰だって警戒する。__っていうか。

 

「お茶出すのはいいけど、……飲めると思う?」

「さぁ……。形だけでもと思ったのですが……」

 

 朱乃ちゃんとひそひそ話をする。オレはあのキラッキラなフェイスに口があるとは思えないんだけど。……それと、風呂場の出入口は広いって訳じゃない。出る時装甲に色々付いてるから、それが邪魔して出れなくて、むぅって言いながらぎこちなく出ていく姿は、実際可愛かった。

 

「__了解。当方の素性並びに私がどういった経緯であの場に居たのか、説明します」

「ッズズ。うん。よろしく」

 

 さて、何者で、何であの空間に漂っていたのか、教えて貰おうかな。

 

「当方は嘗てブラッド星と呼ぶ惑星、そこに住まう者。こちらで言う惑星外知的生命体。かいつまんで、宇宙人」

「まぁ……」

「……」

 

 驚きの余り隣で口を覆う朱乃ちゃん。__なるほどね。惑星外、つまり地球外生命体か。

 

「……嘗てって事はどういう事? なんで過去形なの」

「消滅した……。いえ、狩られた、っと断言します」

「狩られた?」

 

 星の消滅。……隕石による衝突、恒星の膨張による消滅、形成する因子の乱れによる自壊。そして、圧倒的な暴力による破壊。一つの星を消滅する要因は幾らでもある。上げていくだけキリがない。……でも狩られたってのは作為的な意味合いだな。

 

「__当方の種族は快楽主義者が過半数を占め、自身が求める快楽を満たすためには手段を選ばない」

「……」

「私は嘗ての王、ブラッド星の実質支配者である王に仕え、お側に。……圧倒的に多い快楽主義の種族を、王は他を圧倒する実力で治めていました」

 

 快楽主義ねぇ。みんがみんな、大多数は欲望のままに過ごしていたって事だろ? それ、社会として成り立つのか? ……まぁ実際成り立っていたんだろ、その王ってのが上にいるから。

 

「一部のブラッド族は、種族の秘宝を使い、至高の快楽を得ていました」

「至高の……快楽……」

 

 朱乃ちゃんが静かに呟く。

 

「__消滅させる惑星のエネルギーを吸収することで新たな能力の獲得、自己進化を促し、自身を強化させていく。それが我ら種族が言う、狩るっと言う事です」

「……マジかよ」

 

 破壊するんじゃなくて、吸収。それも快楽を満たすためだろ? 秘宝ってのも気になるけど、とんでもねぇ種族だなおい。

 

「そんな当方の種族を治める王も、例にもれず快楽主義。……理性ある一部のブラッド族からすると質の悪い、本当に質の悪い快楽主義者でした」

「……仕えていた王なんだろ? えらい辛辣だな」

「……肯定。王自身さえも進んで巻き込み、破壊衝動のまま快楽のまま、圧倒的な力ではあるが短絡的思考と虚無的自己犠牲主義を何とも思わない、破滅型快楽主義者。……私は、止める事が出来なかった……」

 

 悔いるように、自身を責めるように、俯いているけど声質だけで伝わってくる。己の後悔が、無力さが。

 

「……ある日、王は己の快楽を満たすために動いた。__前兆はあった……」

 

 思い出すかの様に、呟いている__

 

_____

___

__

_

 

 

 

 

「アッハハハハハハ! ッッハハハハッッハッハ!__」

「なんて事を! 王よ!」

「最高だぁ! 最高だぁあ! 我らの母星は! こんなにも満ちていたのかぁあ!」

「っぐ! 地響きが!」

「__ブラッド星にまで手を出しやがって、つくづくイカレタ兄貴だよ、まったく……」

「君! 弟君!」

「……もうじきこの星は終わる。手遅れだ……。もう止めようが無い。ブラッド星と心中したくなければ、ずらかる事だな__」

「弟君! どちらへ!」

「決まっているだろ? 俺たちブラッド族の性を満たしに行くんだよ。その為には__じゃあな、もう会う事もないだろう__」

「君! 待たれよ! もしや!__」

「ヒャッハハハハハハ! そうだぁ! 最っ高にキレてる案を思いついたぁあ!」

「っぐ! もう時間が! 不敬をお許しください! 王よ! 私は次へ__」

「ぁぁあ"あ"……考えるだけでゾクゾクするぞぉお! アッハハ! 達する! 達するぅう!! アハハハハ!__」

 

_____

___

__

_

 

 

 

 

「そして私は、王の前から去ったのです」

「ヤベー奴だなおい。クレイジーにも程があるだろ……」

「話の規模が大きすぎて、驚くばかりですわ……」

 

 星を破壊するのはオレとベルクロスにもできる。でも自分の快楽のためには壊さないし、必要だったら壊す。……星のエネルギーを吸収するブラッド族。別に、よそ様に迷惑が掛からないなら幾らでも吸収してもいいよ、うん。でもよそ様ももちろんだけど、自分達が住んでる母星を吸収するとか、マジで笑えない。

 

「……弟君。……無事でおられるだろうか……」

「……」

 

 心配する様に呟いている。王の弟を気遣っているのか。……なんでだろう。その弟、めちゃくちゃ元気にしてそう。快楽を満たすために色々暗躍して、全ての元凶になっていそう。なんだか聞こえてきそうだ、不敵に笑う渋くてい~い声が。

 

「__狩られる母星から宇宙空間へ逃げ必死に離れようとしましたが、予想以上のエネルギー量にこの身が包まれ……消滅寸前でした」

「……寸前。と言う事は、生き延びたと」

「否定。消滅寸でのところで当方の力の源、アイズドライバーに駆動するボトル、ライダーアイズボトルに私の因子を宿らせ、今に繋げたのです」

「なるほどねぇ。その時に体は消えたけど、因子を介して復活はできたと」

「肯定」

 

 っていうか、体が消滅する程のエネルギーに耐えたって事だろ? そのアイズドライバーとボトルぅ。ブラッド族の王もヤベー奴だけど、いよいよ腰に巻いてる奴もヤバいだろ。それと目の前のキラキラ。君も相当にヤバい。因子か何か知らないけど、それで復活するとか意味不明すぎる。

 

「ッズズ。あんたの正体はわかった。要はえらい目にあった宇宙人ね」

「感謝」

「っで? なんであの空間にいたの? 結構特殊な空間よ? あそこは」

「あの、エイジさん。その特殊な空間とは……」

 

 朱乃ちゃんの質問はもっともだろう。この場ではオレとキラキラの共通認識だしな。

 

「んー……ちょっと危ない所かな。いろいろある空間だけど、__ほら、覚えてる? サーゼクスがオレに伝えた言葉」

「__全陣営、全勢力、全神話の敵」

「まぁそう言う事。安全面は保証できない。でもどうしても行きたいならいいよ? オレが全力で守るだけだし」

「……止めておきます。エイジさんを疑う訳ではありませんが、事の順序がありますので」

「っそ」

 

 まぁ安全が保証されていない場所行きたがる者はそういないだろう。安全が確認できたら、朱乃ちゃんを連れて行こう。……それを実現できるのは難しいかなぁー。厳しい!

 

「ごめん。話がそれちゃったね」

「無問題」

「ありがと。じゃあ続きを」

「……因子を残した後、爆発によって飛ばされた私、ドライバーとボトルは、どこかの惑星にも到達せず宇宙空間を漂っていました。……生き残りがいるか定かではありませんが、王や他のブラッド族に発見されずにいられた事は幸い。発見されれば取り込まれる可能性が十二分に……」

「取り込まれるねぇ。力を奪われるって事?」

「肯定。力だけでなく、存在そのものも取り込まれる。……そう。快楽主義のブラッド族ならば」

「……」

 

 一体一体の快楽の趣旨は違うと思うけど、中には同族を取り込む事で快楽を満たしてる者もいたんだろうな。

 

「途方もなく宇宙を漂う私は、あるモノを見つけました」

「あるモノ?」

「はい。本能なのか、直感なのか、それを認識した時点で悟りました。私はこれに、ゲートに導かれている……と」

「……」

 

 ……ゲート。ゲート? 門って意味のゲートだよな? そもそも文明に接触出来ず惑星にも到達していないんだろ? ……じゃあこういう事か?__

 

「そのゲートってのも同じく漂っていたのか?」

「肯定……し兼ねる。……漂っていると言う表現は否定する」

「じゃあどういう事よ」

「アレはそこに在るもの、何の前触れもなく気付けばそこに在るもの」

 

 ……意味不明すぎる。オレの頭では理解できないや。朱乃ちゃんは理解できたようで、アゴに指に乗せて首を縦に振っている。

 

「何もなく、何も刺激が無く、宇宙を漂っていた私は、自身の好奇心と快楽を満たすためそして、エネルギーを吸収し復活するため、私を通すゲートに触れゲートを理解しようとしました」

「うん。で快楽のままに理解したと」

「否定。様々な惑星と衛星を転々とし、記録・分析・狩るに足るかを選別してきた当方、その幾万を解析してきた私は、余りにも膨大な情報量とエネルギーに自壊寸前まで陥りました」

「なんかサラッと惑星ウンタラで凄い事言ってるけど、その自慢の解析力? を以っても無理だったと。……どんなトンでもなゲートなんだよ」

 

 なんだよそのゲート。要は宇宙人のチート解析力でも、処理しきれない程パンクする情報を有していたって事だろ? 謎すぎるゾ。

 

「当方の因子とアイズドライバー、並びにライダーアイズボトルが膨大なエネルギーに耐えきれず、自壊に陥ると思考し、一部の情報を記録してから一切の接触を止めました」

「……」

「そしてゲートを抜け、僅かに残るエネルギーでアイズドライバーを未確定因子から守るため、強固なボックスを作り閉じ籠りました」

「それがあの箱か。……強固って言う割には簡単に開いたんだけど__」

「当方が我が王たる資質を持つ者にのみ、開封出来る様に設定しました」

 

 あの空間のどこかにゲートがあるって事か。そしてでたよ王。……待てよ? クレイジーサイコ野郎が前の王なんだから、オレもクレイジーサイコって事? そう認定されたって事? マジかよ。

 

「__」

「お待ちを、我が王よ。どうやら言葉が足らなかった様子、粋な心を持ち、最初に当方の気配に気づく事が前提条件なのです。……お許しを」

「それを先に言ってよぉ」

「お許しを」

 

 別に怒ってないけどさ、驚くじゃん。自分がヤベー奴だったって事にさ。……つかオレって周りからどう思われてるんだろ。……まさかヤベー奴って思われてないよね……思われて、ないよね?

 

「__うふ」

「……」

 

 オレの視線に気付いた朱乃ちゃんが笑顔を向けてくる……。__きっと大丈夫だと思いたい。切に思いたい!

 

「ッズズ。……?」

 

 っつかさ、当たり前にさも当然の様にさ、会話してるじゃん。オレたちとこのキラキラ。……宇宙人なんだろ? なんで言語わかるの? おかしくね?

 

「最初に聞くべき事なんだろうけど、なんで言葉分かんの?」

「私も気になります」

「……僭越ながら、最初の接触の際、王の住まう世界がいか程のものか、交友関係並びに一般常識を一部ではありますがコピーさせて頂きました」

「……マジかよ」

 

 コピーってマジか。あれか? 手に取って光った時にコピーしたのか? 何でもアリだなブラッド族。

 

「……ふぅ。あんたの素性も何であそこに居たのかも、大体わかった。……同時に謎も増えたけどね」 

「ご理解、感謝します。王よ」

「……あのさぁ、オレの事王って呼ぶの止めてくんない? エイジって名前があるの」

「了解、王エイジ」

「ぇぇ……まぁ今までブラッド族の王に仕えていたのは分かるけど、オレはいらないよ? 従者は」

「当方は王エイジを必要とします」

「ぇぇ……」

 

 すげー頑固だな、このキラキラ。そういえば、仕える事でしか生きる事知らないって言ってたなぁ。……なんだか悲しいな。

 

「__せっかくここに流れ着いたんだ。仕える事以外で生きてみたいと思わない?」

「否定。まったく思いません」

「なんで。なんで? あんたが王って言ってるオレが、仕えなくていいって__」

「それが快楽の一つなのですよ、王エイジよ!」

「!」

 

 銀河模様のフェイスが勢いよく光灯る。そしてエコーが響く独特な低い声がオレに突き刺さる。

 

「ぁぁあ"あ……。どれだけ、いったいどれだけ待ち望んでいたか! 王エイジよ! かつてブラッド族の王、キルバス王に仕えていたのがどれだけ快感だったかぁ!」

「__!」

「短絡的思考? 良いではないか! 虚無的自己犠牲主義? 全くもって宜しい! 破滅型快楽主義者! 当方にとって何も問題ない! 王に仕える事ができれば! ナンデモイイ!!__」

「や、やべぇ……!」

 

 そうだった。目の前のコイツは自分が理性あるブラッド族なんて一言も言ってない! こいつも例に漏れず、快楽主義者か!

 

「なぜです王エイジ。なぜ当方を否定するのですか。仕えると言っているのです。さあ命令を! 当方に命令を!」

「エ、エイジさん……」

 

 朱乃ちゃんが声を震わせ不安がっている。オレは安心させる様にそっと包む様に手を握る。

 

「内包エネルギー純度の高い衛星がご所望ですか? それとも節足生物が栄えている星々をご所望か。甲殻類? 爬虫類? それともアメーバか__」 

「ま、まじかよ」

 

 何かを掲げる様に両手を仰がせ、額の星模様が目まぐるしく回っている。

 

「__それとも当方で戯れますか? キルバス王は暇があれば戦闘訓練と評して私や他の従者と戯れていましたが。……ああ。王エイジは当方ブラッド族と違い他の惑星に住まう者と同じ、繁栄に必要な生殖行為を強いられていますね。王エイジは経験がない様子。当方は雄に分類されますが、生殖訓練は可能です。いかがと」

「いかがもクソもねぇよ! 言ってる例えが無茶苦茶なんだよ! わかったから落ち着けって! ……はぁ。敵意が無いのが幸いだな。お前が快楽主義者ってのはよ~くわかった!」

 

 マジでヤベー奴拾っちまった。オレの返答にフェイスの光を止める辺り、仕える従者としてなら大人しくするんだろうな。……せっかく宇宙人と友達になれると思ったのに__

 

「っズズ……。__君の思う様に仕えたらいいよ。その方が暴走せずに安心できる」

「感謝の極み」

「……王って呼ぶのは止めてよ。むず痒いんだよなぁ。別のにして」

「別の? ……ならば、マスターと……」

「マス……ター?」

 

 なぜだろうか、鳥肌が浮き出る程に嬉しい! 本当は従者とか嫌だけど、マスターなんて言われた日には__

 

「要求。アイズ形態からの解除を申請」

「形態? アイズってそのコテコテな装甲の事だよな。それがブラッド族の体じゃないの?」

「否定」

「そうなの? じゃあアイア〇マンと同じって事か」

「……一部肯定」

「そう。いいよ解除して。それと、装着と解除はいつでもしていいから」

 

 オレの言葉を聞くと、装甲の輪郭が光る様に強調され、霧が晴れる様に装甲が露と消えた。そしてその中身が__

 

「ゲート情報による可能性の一部具現化。最適化……擬態完了」

「……あらあら」

 

 あ、あれ? 眼鏡かけたイケ……メン?

 

「だ、誰だお前えええええ!__」

 

 

 

 

 

 

「……自分が思っているより疲れているのかしら。……朱乃、もう一度言ってちょうだい」

「宇宙人と接触しましたわ」

「……」

 

 聞き間違いじゃなかった。確かに、朱乃は確かに宇宙人とその口で言った。……朱乃に限って嘘や絵空事は言わない。親友だから断言できる。でもコレは……正気なの……。

 

「……部長。信じられないのは私も同じですわ。でも事実なのです。エイジさんと一緒に会話しました」

「__可哀想に朱乃。おかしなエイジと一緒に暮らす中で、毒されてしまったのね。……ごめんなさい。親友なのに気付けなかった……」

「まぁまあ。本当の事ですよ?」

 

 レーティングゲームの勝利祝いにプレゼントされたゲーム。そのお祭りゲームのキャラクターに宇宙人が出てくる。……エイジは意気込んでプレイしているらしいし、きっと遊び過ぎで造語で言うゲーム脳になったのよ。

 

「はぁ。なんて事……」

 

 ゲーム脳がいいかダメなのかは問題じゃないの。その影響が家の主である朱乃にも発症しているのが問題。……ゲームを止めろとは言わないわ。正気に戻るまで、ゲームを控えて貰わないと。

 

「朱乃、エイジと一緒にゲームをする頻度を教えて」

「は、はぁ。週に数度ですわ。エイジさんは日課の如く遊んでいますが……」 

「今夜からエイジとのゲームは控えなさい」

「うふふ。いやですわぁ」

「あ、朱乃!」

 

 そ、そんな! 朱乃が注意を否定するなんて……。__拒んではいけないわ私。きっと朱乃にちゃんとした理由があるはずよ。そうじゃなきゃ……そうじゃなきゃ!

 

「……理由を聞いてもいいかしら」

「単純ですわ。だってエイジさんをゲームでいじめるのは楽しいですもの」

「ゲームでって、まさか持ち前のSっ気が!」

「うっふふふ__」

 

 心底嬉しそうに微笑む親友に、私はいったいどうすればいいの? ゲームは控えなさいと押し通すの? それともSっ気全快の朱乃を受け入れるべきなの? いったいどうすれば__

 

「部長。しっかりしてくださいな」

「__ぇ」

「なにも問題ありません。そう、なにも__」

「え、ええ。そ、そうよね」

 

 そうよ。朱乃の言う通り、なにも問題ない。だって朱乃の笑顔がそう思わせるもの。

 

「さて、報告の続きを」

「__なんの報告だったかしら」

「宇宙人です」

「…………」

「地球外知的生命体で、消滅してしまったブラッド星のブラッド族。名前にあまりこだわりがない種族らしく、呼称がないと不便、とエイジさんがそのブラッド族に名を付けました、ツダケンと」

「……」

「名前の由来は特に無く、閃いたから名付けたとエイジさんは言っています。__衰弱状態の時にエイジさんが救い、嫌々ではありますが、ツダケンさんの要望で従者として仕える事をエイジさんは許しています」

「……」

「種族の大半が快楽主義で、ブラッド族の王も快楽主義。王は破滅的な快楽主義で母星であるブラッド星をも破滅させました。その王に、ツダケンさんは仕えていたと」

「」

「それと戦闘も可能らしく、ライダーシステムと呼ばれる装甲を纏い__」

「もうやめて! 朱乃!」

「まだ続きが__」

「よくわかったわ朱乃! あなたはっ! あなたはゲーム能に、エイジに侵されてる!」

 

 こんな設定を当然の様に言うなんて……! 酷い! 酷いわ! こんなの朱乃じゃない!

 

「戻りなさい朱乃! ゲームの世界から戻ってきてよ! 朱乃!」

「リ、リア__」

 

 朱乃の肩を掴んで懇願する。肩を揺らして感情的に言ってしまう。 

 

「私の親友は妄言なんて言わない! 私の親友は! ゲームに負けないのよ!」

「リアス__」

「返して! 返しなさいよ! 私の親友を返して!__戻って__」

 

 ダメ。もう何が何だか……。涙が滲み出てくる。

 

「リアス__」

「っぁ」

 

 朱乃がそっと抱きしめて来た。彼女の優しい気持ちと香りが体を包む。

 

「そうよね、リアスの反応は当然だわ」

「……っ」

「いきなり突拍子もない事を報告されたら、誰だって動揺する」

 

 耳の後ろで朱乃が優しく綴る。

 

「私も配慮が足らなかった。っふふ。大丈夫よリアス、私はおかしくないわ」

「……」

「こういった話は実際に見た方が信じられる」

 

 そう言って体を離し、微笑む顔を向けてきた。……とても、本当にとても信じられない。ハッキリと堂々と報告する朱乃……。まさか本当に……。__目じりに浮かぶ涙を拭う。

 

「実際に見せてくれるのかしら。その宇宙人、ブラッド族」

「はい。ですが今、エイジさんと供にゲートの調査に行っています」

「ゲート?」

「ツダケンさんはそのゲートを通て来たらしく、なんでも謎が多いゲートらしくて」

「そう……」

 

 宇宙人が通って来たゲート。……私からすればゲートだけでなく宇宙人も謎だわ。

 

「__朱乃の顔を立てて、頭の隅に記憶するわ。……はぁ。これから教会関係者が来るって言うのに、変な報告を受けるなんて……何かの罰ゲームかしら」

「うふふ」

 

 さて、イッセー達もそろそろここに来るはず。先ずは目先の問題を片付けましょう。教会関係者の二人が会談を持ち掛けたの理由は、間違いなく厄介事よ。内容次第ではこちらも動かなければ……。

 

「部長。お二人が来られているか外を見回ってきますね」

「ええお願い。……会談をすると言っても、聖剣を持っている。……気を付けて」

「はい。ではいってきます」

 

 ……部屋から出ていく朱乃を見ていたら、私の中で朱乃の存在は大きいと再認識してしまう。自身の取り乱し様で余計にそう思う。

 

「しっかりしなさい私! あれ位で動揺しては眷属に示しがつかないわ!」

 

 自分に言い聞かせる。そう、眷属を思うとアレ位何ともないわ。朱乃が変な報告をしたからって__

 

「エイジ……そうよ、エイジ!」

 

 どうやら私はエイジとじっくり話し合わないといけないわね。朱乃のためにもエイジと話し合わなくては__

 

 

 

 

 




ツダケンの容姿は某FG〇の戦士の王ですはい。可能性の一つだから仕方ないね!(声的に)

感想まってま~す。

アディオス!
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