ちょっと長くなってしまいまして...
では、第二章敵の敵は敵...南西諸島海域、始まりです
宴
私は目を開けると白い天井...
あの後、曳航されて鎮守府に帰投出来たみたいですね
夜が明けたばかりなのか、薄暗い部屋を見渡す
左のベットには黒髪の女性...赤城さんが寝ている
右を見ると司令官が椅子で居眠りしていた
スースー
司令官はいつも私に壁を作っている
私に対して滅多に子供っぽい所を見せてくれない
子供っぽい所を見たいわけではない
けれど、他の子達からそのような話を聞くと壁を感じてしまう
私は司令官に手を伸ばす
躊躇しながらも司令官の髪を指で解かす
艶はあるが、ボサボサであまり手入れのされていない髪
私は明明後日には横須賀第一鎮守府に転属になる
転属すれば、もう司令官と会う機会すらほとんどなくなるだろう
無論、こうやって髪を解かすことも...
ん...
私は髪から手を離す
「翔鶴...起きたのか...!
本当に心配したんだぞ」
眠くて焦点の合っていなかったが、私を視認すると瞬く間に覚醒する
「すみません...」
「いや、別に謝る程じゃないよ!
俺は翔鶴に死んでほしくないだけなんだ
もう無茶はしないでくれよ?」
「はい
つg...無茶しないよう気を付けます...」
次はという言葉を飲み込む
もうこの鎮守府で次の攻略作戦に参加することはないだろう
コンコンとドアがノックされ、ドアが開く
「おはよう...ございます...」
吹雪ちゃんが目を擦りながら、入って来た
「おはよ、吹雪」
「おはようございます、吹雪ちゃん」
「で、吹雪大丈夫なのか?」
「え...何がですか?」
首を傾げる吹雪
「覚えてないのか...」
俺は昨日の宴会を思い出した
絶品の間宮と鳳翔の料理を堪能し、一息ついていると
「司令、お酒どうですか?」
「司令官よ
一度貴様とは一杯やりたかったんだ
いい酒もあるし、どうだ?」
千歳と那智に晩酌に誘われたのだ
「済まない...
俺はまだ酒が飲める年齢じゃないんだよ」
苦笑いしながら返事をする
「む...?
司令官は18と聞いたが...?」
「確かに18だけど、俺のいた世界では──」
「司令官のいた世界など関係ない
郷に入ったら郷に従えというだろう?」
自信満々にそう返事をする
困っていると思わぬ助け船が来た
「那智さん
司令官も嫌がっていますし、また今度しましょう
代わりに私が一緒に一杯呑みますから...」
「仕方がない、そうしよう」
「古鷹さん、焼酎にしますか?日本酒にしますか?」
千歳が早速二本の一升瓶を持ち上げる
「ありがとう、古鷹
本当に助かった!」
「大したことではありませんよ!
ただ、那智さん、出撃を楽しみにしていたので、今度の攻略作戦には参加させてあげてくださいね?」
微笑みながらそう言うと、古鷹は盃を持って那智と乾杯する
出来た子だな...
見習わないと...
そう思いつつ俺は駆逐艦娘達の所まで退避してきた
「何して遊んでいるんだ?」
「あ、司令官!
これから人狼ゲームやるんです
一緒にやりますか?」
吹雪が人狼ゲームのカードを取り出す
「おう、やるぜ
人狼ゲーム...腕がなるよ!!」
~二時間後~
「し、司令きゃん!」
顔が真っ赤で呂律の回らない吹雪が俺に話しかける
「はいはい、どうした吹雪」
酔っぱらって寝てしまった暁を介抱しながら返事をする
「私、司令官が大好きでしゅ
えっと、白雪ちゃんも深雪ちゃんも初雪ちゃんも翔鶴さんも──」
「お、おう、そうか...」
どうしてこうなったのかというと、人狼ゲームで負けた陣営は罰でお酒を呑もうとなったのだ
結果、俺、電、荒潮以外の駆逐艦娘が一度はお酒を呑むことになり、寝てしまう駆逐艦娘が続出した
妖孤陣営があったら、俺も呑まされる所だった...
「司令~」
後ろから陽炎が抱きついてくる
「ちょ、陽炎止め...」
陽炎の暖かさといい匂いを感じ、顔が火照る
「何か問題あるかしら...?」
眠そうにそう返事をするとそのまま眠ってしまう
「...全く...
吹雪、ちゃんと歩けるか?」
陽炎を背負い立ち上がる
「ふぁい...大丈夫れす」
フラフラしながら吹雪も立ち上がる
「川内、暁のことを頼むよ
神通は睦月達をよろしく」
軽巡洋艦娘のみんなや間宮や鳳翔にも協力して貰って駆逐艦娘を寮まで連れていく
外に出るためドアを開ける
冷たい外気が侵入してくる
「うぅ...さみぃ...」
吹雪も寒いのか震えている
俺は陽炎を落とさないように気を付けながら、ポケットから未開封の使い捨てカイロを取り出す
開けて軽く叩き、吹雪に手渡す
「これは...なんですか...?」
寒さで酔いが醒めたみたいで呂律が回り始めた
顔も頬が赤いくらいになった
「これはカイロだよ
もうちょっとすれば、暖かくなるはず」
それにしても、意外と陽炎重いな...
そういえば、妹が遊園地で寝ちまった時も背負って重いと思ったな......あいつ元気にしてるかな
「司令官?」
吹雪が俺の顔を覗きこむ
「ん...どうした吹雪?」
「司令官が悲しそうな顔をしていたから...」
心配そうに訊く吹雪...
「やっぱり、酒は止めておいた方が良かったって後悔していただけだよ」
艦娘寮に着き、ドアを開ける
誰もいないため勿論真っ暗だ
俺は手探りでボタンを探し電気をつける
他の艦娘達は、駆逐艦娘達を部屋に運び始めた
「あ、霞!」
「何のよう?」
睨み付けるように霞は俺を見た
「陽炎が寝ちゃってさ、部屋まで入るのは不味いかなって」
それにしても、霞って酒に強いんだな
頬は紅くなっているけど、フラフラしてないし
「わ、分かったわ」
「ん、じゃあよろしくね
おやすみ、霞」
「おやすみ」
霞は陽炎に肩を貸して部屋に入っていった
じゃあ、食堂に戻って片付けの手伝いしようかな
って吹雪、そこで寝たら駄目だって!
吹雪はキッチン付きのリビングの椅子に座って寝ていた
スースー
気持ち良さそうに寝ていて起きそうにない
はぁ...
俺は溜め息をつくと吹雪を部屋まで運んだ
うん、まあ色々あったな
「覚えてないならいいんだよ
で、どうしたんだ?」
「赤城さんと翔鶴さんが気になったので...
司令官もですか?」
「あ、ああ」
うっかりここで寝ちまったなんて知ったら怒るだろうな...
最後まで読んで下さりありがとうございます!
イベント海域は終了11時間前に完遂しました
サラトガの錬成楽しみです...