「暁、響、雷、電、任務を受けてくれない?」
俺は、ちょっと眠そうに目を擦っている暁達に話しかける
「任務...?」
暁はまだ眠いのか、ボーとしたながら聞き返す
「うん、横須賀第二鎮守府に配属されている大和と伊58の二人の艦娘を護衛してここに戻ってきて欲しいんだよね」
本当は俺が直接行きたかったのだが、今は正門が使えないということなので、仕方なく第六駆のみんなに頼むことにした
「ふーん...
ちなみに、横須賀第二は往復どれくらいなのかな...?」
「艤装の整備含め一時間半くらいだと思う」
「なるほど、分かった...
他はない...?」
「ないよ!
ああ、後、第二までは近いけどもしかしたらはぐれや潜水艦はいるかもしれないから気を付けてね」
「この雷にドーンと任せなさい!」
「なのです!」
雷と電が胸を張る、だがまだ暁は眠そうだ
「そうだ...司令官...
少しお願いがあるんだけど...」
ちょっと帽子を目深に被ると響はそう言う
「お願い?
何か欲しいの?」
「......一緒に朝食を食べたいんだ
いいかな...?」
「別にいいけど?
んじゃ、食堂に行こっか」
響が手を差し出す
その表情は窺えない
「?」
「司令官、せっかくだから食堂まで手を繋ごうよ
ちょっと、暁もフラフラしてるし」
理由になってないけど、ま、いいや
俺は響の手を取る
「あー、響だけズルい!
私も!」
「はいはい」
「これで仲良しなのです~」
初日は周りから結構避けられていたりしていたのだが、TRPGやお互いの艦娘達の交流で今ではすっかり仲良くなった
「おはよう、照月さん、摩耶さん!」
「おはようございます、護さん」
「おはよう、護!
つーか、本当仲いいのな」
「勿論、な響、雷、電?」
「「勿論よ(なのです)!」」
「конечно(勿論)...」
「何の話をしているの?」
欠伸を噛み殺しながら、暁が尋ねる
やっと起きたらしい
「あれだよ
暁は可愛いよな?って話!」
「も、もう、からかわないでよ!」
顔を真っ赤にする暁を見て、他の艦娘達も笑いだす
「一人前のレディに対する対応じゃないわ!」プンスカ
「ごめん...今日のおやつのプリンあげるから許して!」
「し、仕方ないわね
一人前のレディとして頂くわ」
暁はプリンが大好物なんだよな
まあ、どこぞの吸血鬼もプリンはレディの嗜好なスイーツと言っていたし、仕方ないね
「えっと...
後、もう少しで横須賀第二鎮守府よ
準備は出来ているかしら?」
『大丈夫...』
『問題ないわ!』
『なのです!』
横須賀第二鎮守府が見えてくる
横須賀第一とまでではないけど、
「到着ね
少し遅れちゃったけど、一人前のレディは少し遅れて来るものよね!」
勿論、道草していた訳ではなく
道中で潜水艦に遭遇したからだった
「それにしても、世界最強の戦艦、大和ってどんな艦娘かしら、凄く楽しみね!」
「優しい艦娘だといいのです...」
「じゃあ、みんなはちょっと待ってて
私はここの提督に報告してくるから」
私は執務室前まで案内なしで辿り着く
道中艦娘にはすれ違わず、妖精さんもあまり出会わなかった
豪華な執務室のドアをノックする
「入れ」
「失礼するわ」
中は豪華で戦艦娘が二人と横須賀第二の提督がいた
「私は呉第三鎮守府、第六駆逐隊、嚮導艦暁よ
横須賀第二鎮守府に一時的に転属になっている戦艦大和、潜水艦伊58を横須賀第一鎮守府に護送することになっているわ
この書類の処理と艦娘達の引き渡しをお願いするわね!」
私はピシッと敬礼する
ここの提督はいかにもエリートという雰囲気で、近寄りがたい
無言で書類を処理すると私に手渡す
私は執務室を出ようとするが止められる
「駆逐艦暁...だったな
呉第三なんかより
「ここに...?
何故かしら?」
「そこそこ練度と戦果持っているんだ
呉第三など辺鄙で三流の鎮守府ではなく、我鎮守府のような一流の鎮守府の方がいいに決まっている」
「申し訳ないけど、辞退させて頂くわ
三流程度の鎮守府に所属している駆逐隊が一流の鎮守府に転属になっても足を引っ張るだけだもの」
「だ、だがな...
学生なんかの指揮より私の方がな」
諦めが悪いのか、そんなに私達が欲しいのか、提督はまだ説得を続けようとする
「それに...
私達の第六駆逐隊は曲者ばかりだから、エリート様には扱いきれないかもしれないわ」
やっと皮肉を言っていることに気が付いたのか、顔を真っ赤にする
「き、貴様...!」
「確かに書類は頂いたわ
私達は大和と伊58の護衛任務を遂行するわね」
私はお辞儀して部屋を退室する
ふぅ...緊張した
つい、鎮守府と司令官が馬鹿にされたからあんなこと言っちゃった...
俺は憲兵さんに軽く挨拶して裏口から横須賀第一鎮守府を出る
どうやら、正門はマスコミが凄いらしく
追い払おうにも、世論のことを考えると実行できなくて困っているらしい
暫く歩いていると声を掛けられる
「すみません」
「何ですか?」
振り向くといかにも記者ですという感じの男性が近づいてくる
「あの...貴方あの施設から出てきましたよね
少しお話を聞かせていただければと」
「......すみません
急ぎの用があるので」
俺は足早に記者から離れようとする
話すことなんてないし、マスコミは大嫌いだし
「ち、ちょっと
国民には知る権利が!」
「私にも守秘義務あります
訴えるなら大本営や政府にしたらどうですか?」
俺は記者を振り切った
「...彼なら若いし話をしてくれると思ったんだけどな...
帰りも狙ってみよう、なんとしてもネタを手に入れたいしな」
「あの...」
マフラーをした銀髪の少女が記者に話しかける
「どうかしました?」
「道に迷ってしまったんだ...」
「私もあまり土地勘はないのですが、分かりました
出来る限り案内します」
帰りは記者に捕まる事もなく無事に鎮守府に帰還できた
...比較的被害を免れた呉と違って横須賀は場所によっては焼け野原になっていた
俺がもし烈風や紫電改二を技術提供していればこんなことにはならなかったかもしれない...
それとデモ隊も結構大勢で行っていて、初めてみたからかなり驚いた
政府は事実を公開しろ!とかの意見は理解できるが
戦争を今すぐ止めろ!というのもあって理解に苦しんだ
決して戦争したくてしている訳ではないのに
「護くん、ちょっといいかな?」
「山口大将、どうかしましたか?」
「ちょっと、執務室まで来てくれないかな...」
山口大将は苦笑いする
「?
分かりました!」
執務室に行くと、暁と電さん、そして大和とゴーヤがいる
「あ、初めまして、俺は犬村 護です
呉第三鎮守府の司令官やってます
よろしくお願いいたします」
「戦艦大和です」
「伊58だよ
ゴーヤって呼んでもいいよ!」
大和はちょっとぶっきらぼうに返事する
対してゴーヤは元気良く答える
「ねえ
確か、呉第三って時雨が着任した鎮守府でち?」
「うん、時雨はここにも来てるよ」
やった!とはしゃぐゴーヤ
その時、暁が近くにやってきてペコリと頭を下げる
「司令官...ごめんなさい...」
いきなり謝られたので、なんのことか分からず首をかしげる
「俺、暁になんかされたっけ?」
「実は──」
暁から事情を聴く
「なるほど...
でもさ、暁が俺に謝ることないよ」
暁の頭を撫でる
大体事情は分かったし、呼ばれた理由も察しがついた
「山口大将、横須賀第二鎮守府の提督はなんと言っているのでしょうか?」
「演習を申し込むと言っていた
引き受けるのか?」
「勿論、呉第三が甘くないことを示してみせます!」
最後まで読んで下さりありがとうございます!
睦月改二がカッコいい...
妙高も改二になったので、主力重巡洋艦も増えてきました
次イベに備えて頑張って資源も貯めているし、甲クリアーしたいですね...