プロジェクト To Be   作:黒猫のくー

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前回のあらすじ。
戸部の恋路をネタにする為に、奉仕部一同の戦いは続く。しかし材木座はパクリが中途半端で致命傷を負ってしまった。



2つめのネタ。

「どうやら材木座くんは息をしていない様子ね」

「俺のカウンターが効き過ぎたか……。てかお前、検屍するならせめて手とか触ってやれよ」

「名前を呼んであげている時点で破格の対応なのだから、それ以上は勘弁して欲しいわ」

「てかヒッキーがやればいいじゃん」

「俺か……。まあいいや、このまま墓地に埋めちまおう」

 

 特に異論も出なかったので材木座を墓地に葬る。冷たい? いやいや、相手すんのが面倒だし、あいつも本望だろ。俺以外に知り合いとかいないし誰も心配しないだろうし。そう思っていた時期が俺にもありました。

 

「八幡! 材木座くんが可哀想だし助けてあげようよ」

「うん、そうだな。さすがに可哀想だよな! ただちに助けるぞ!」

「ヒッキー、変わり身が早すぎ」

「本当に戸塚くんには弱いのね……」

 

 何やらジト目で見られているが今の俺には気にならない。戸塚さえいればいい! そう戸塚至上主義を掲げる俺には冷たい視線などどこ吹く風である。

 

「じゃあ、ぼくが材木座くんを復活させてもいいかな?」

「お、任せた」

「うん。じゃあ行くよ! 『死者蘇生』で材木座くんを召還!」

「む? 我は何を……?」

「何だかよく分からないのだけれど、生き返ったみたいね」

「うん。ルールを守って楽しくデュエル!」

「さいちゃん何だか楽しそう。今のって魔法か何かなの?」

 

 天使が由比ヶ浜に遊戯王の何たるかを説明している(かわいい)その様子を見ているだけでご飯三杯ぐらい行けちゃうよな。大天使トツカエルは正義!

 

「そっか! 姫菜の趣味とか考えたら、魔法の呪文とか唱え合ったら仲良くなれるかも!」

「お、由比ヶ浜にしてはいい思い付きだな」

「発想が貧困谷くんとは雲泥の差ね」

「いやちょっと待て。俺の歌は完璧だったろ」

 

 なんでみんなして目を逸らすんですかね? まあいいや。

 

「とはいえ、私はアニメの呪文にあまり詳しくないのだけれど……。元のアニメは見た事がないのだけれど、『テクマクマヤコン』とかかしら?」

「あ、それあたしも知ってる! あと『シャランラ』とかもあったよね?」

「むう。我の前でその呪文を唱えるとは! 二つの胸の膨らみは……」

「何でもできる証拠ってか。恐ろしい破壊力だぜ……」

「ヒッキー、なんかキモい!」

「ちょっと待て。俺だけ有罪ってどういうことだよ」

「そうね。強いて言えばその存在が理由かしら?」

 

 さっきまで猫ノ下のぽにょだったくせに、今や猫の意趣返しになってね〜かおい。恩返しをしろとは言わんが……せっかくだしノリで対決してみるか。

 

「そこまで言われては我慢ならん。我が禁呪で消し炭にしてくれようぞ!」

「ふっ。貴方にそれができると思わない事ね」

 

 あれ? こいつ意外に中二病の素質あるんじゃね? 中二病のやつと一緒にしたら勝手に氷の女帝(アイス・エンプレス)とか呼ばれて仲良くしてるイメージしか湧かなくなって来たんだが。……って誰だよ俺の肩を叩くのは?

 

「……ふうん。比企谷くん、雪乃ちゃんを消し炭にするって……こんな風に? えいっ!」

「ま、まさか指先から放たれたあの炎は?!」

「ちっ! 材木座の想像通り、あれこそは炎系の最高位魔法!」

「今のはメラでは無い……メラゾーマだ!」

 

 ……俺とした事が思わずずっこけちまったぜ。ちょっとこっそり指摘しとこう。

 

「……あの、雪ノ下さん。それ逆です逆」

「あれ? そうだっけ? やっぱり原本を知らないのに聞きかじりで言っちゃうとダメだね〜」

「いや、聞きかじりのセリフを覚えていられる方が凄いでしょ……」

「どうして姉さんがこんなところにいるのかしら?」

「雪乃ちゃん、ひゃっはろ〜! 何だか面白い事をしている気配がしたからね」

 

 つまり暇人かよ。ゲーム好きのどこにでもいる大学生とか玩具にして遊んでてくれないですかね。

 

「おい材木座。なんか特大呪文とかね〜のかよ?」

「済まぬ。我は最近、無詠唱の『バルス』ばかり使っておるのでな」

「八幡、戦う気なの? 今のぼくたちだと勝てるイメージが……」

「大丈夫だ戸塚。お前は俺が守るから!」

「じゃあ、比企谷くんが相手をしてくれるんだね」

 

 怖い怖い怖い。逃げちゃダメだ逃げちゃいたい逃げちゃってもいいかな逃げちゃおう。

 

「戸塚、逃げるぞ!」

「残念(はーと)。……大魔王からは逃げられない!」

「姉さん、邪魔をしないで! ……言っておくのだけれど、比企谷くんは猫派なのよ。決して姉さんの犬になんてならないわ」

「あらお姫様? 女王様に逆らえる犬なんているのかな?」

 

 チャンスだ! 姉妹で争っている間にとっておきの秘策をお見舞いしてやるぜ! まずは呪文を……。

 

「ええい面倒だ! 二人まとめて始末してやる!」

「……比企谷くんが?」

「……わたしと雪乃ちゃんを?」

 

 俺だって自分で言いながら三下のセリフだと思ってますけどね。けど……カースト最下位の意地を見せてやるぜ!

 

『……天光満つる処に我は在り(I dwell amidst the abounding light of heaven,)黄泉の門開く処に汝在り(thou art at the gate to the underworld,)出でよ神の雷!(come forth, thunder of the gods!)……これで最後だ!(This ends here!)インディグネイション!!(Indignation!!)

 

 ゴゴゴゴゴ……。やったか?!

 

「……今のはちょっと痛かったわね。でも残念! わたしを倒せるほどではなかったみたいね」

「……さすがに無理だったか。でも大丈夫ですよ。この結果は想定内ですから」

「……どういうこと?」

「俺の狙いは……こんな風に、今なら楽しい呪文の打ち合いができますよ! 先生、お願いします!」

「比企谷、待たせたな!」

「ちょ、静ちゃん? 打ちひしがれて去って行ったんじゃなかったの?」

「さっきの呪文を触媒にして再召喚しました。平塚先生がこんな楽しい場面に参加しないわけがないと信じてましたから」

 

 まあ、物は言いようって事で。とりあえず作戦名「大魔王(デスタムーア)を倒すのが難しいなら破壊と殺戮の神(ダークドレアム)を呼べばいいじゃない」は成功だな。他力本願ともいうが。

 

「陽乃……今のお前では私には勝てんぞ?」

「静ちゃん……勝負はやってみないと分からないよ?」

「二人とも、凄い集中力だね」

「ああ戸塚。俺たちはこの戦いを見守ろう」

「八幡……ちょっと怖いから、手を繋いでもいいかな?」

「戸塚……いや彩加。喜んで!」

「……あの、もう始めちゃっていいかな?」

 

 やべ。戸塚に夢中になりすぎて他のこと忘れてたわ。お詫びに盛り上げるようなセリフでも言っとくか。

 

「くっ……来る! ふたりが呪文に入るぞ!」

 

『カイザード アルザード キ・スク・ハンセ グロス・シルク』

『黄昏よりも昏きもの 血の流れより紅きもの』

 

「陽乃……私が教えたその魔法ではお前に万に一つも勝ちは無い」

「静ちゃん……今のわたしの力を見せてあげるよ!」

「よかろう。ではタイミングを合わせてやるから全力で放つがいい!」

 

『時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において 我ここに闇に誓わん 我等が前に立ち塞がりし すべての愚かなるものに 我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを!』

『灰塵と化せ! 冥界の賢者 七つの鍵をもて 開け 地獄の門!!』

 

竜破斬(ドラグ・スレイブ)!!』

七鍵守護神(ハーロ・イーン)!!』

 

「陽乃……よくぞここまで!」

「静ちゃんこそ……くっ! 押し返せない」

「よし。ふたりが硬直している今こそ、お願いします先輩!」

「比企谷くん、了解だよ〜」

「な……」

「まさか……」

 

『黒より黒く闇より暗き漆黒に……』

 

「あの呪文は……まさか最新の?」

「知っているのか隼人!?」

「いつからいたんだ隼人?」

「これで出番は終わりだぞ隼人!」

「ああ……分かってるさ。雪乃ちゃんにこの解説はできないから仕方なく出しただけだって事は」

 

『これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン!!』

 

 

 続く。

 




はたして、謎の爆裂娘の正体は? 待て次回!
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