ユグドラシルのプレイヤーがまた冒険者をすることは間違っているだろうか 作:白だるま
次回神様視点の番外編となって本編になります
えっと…ヘルって?あの冥界の神様?
確かに見た目は納得だけど…
俺は少し考えていたら何故か急に謝罪されたけど…なんで?
理由を聞いてみると…どうやら自分が[死を司る神]なので…そのせいか自分の見た目が怖い事を理解している。
この見た目が関係して大体の人が悲鳴を上げたり気絶させたりする事が多く(本人は慣れたらしい)人から「目が合ったら呪われる」や「数日後に悲惨な死を遂げる」などのデマが広がってしまった
そのデマが原因で人から怖がられ神友以外話しかけてきたのは俺ぐらいらしい(人の中には理解がある人もいるらしい)
生計は町の清掃のバイトをしているらしく人前に立つ仕事は避けているそうだ(実際神友の誘いで酒場でバイトしていたらしいけど風評被害を恐れてやめたそうだ)
普通だったら天界(ヘルさんは冥界か?)帰っても良かったんじゃないかと思って聞いてみたけどここで働いている方が楽しいらしい
俺はヘルさんに地上に来た理由を聞いたみたけど…その理由は驚きの答えだった
彼女は冥界で仕事で多くの偉人や極悪人と話をしていた
彼女は人を蘇らせ転生させることが出来る数少ない神だった
その為か言葉巧みで生き返ろうとする死者がしつこかったらしく他の神様の苦情もあったらしい
だけど彼女は「生に執着するのは生あるものならすべて同じ」として死者たちと話し合い平等に接して蘇らすか転生か消滅かを決めていた
その時に冒険者であった死者と対話が面白く地上に興味が湧いた
その後も地上に行ったことがある神に話を聞いた彼女は地上に行くことを決意したが他の神様も心配はされたそうだが本人の決意は固く世界に来て今に至るそうだ
その時地上で会った人たちは多くは避けられてしまうが、他の神様との交流や俺のように話をしてくれる人がいて毎日が楽しいんだそうな…
しかし普段は一人でいる事が多く寂しい思いをしてはいるけどこうして俺と話していることが楽しいと言ってくれた
何?この神様…すげえ面白い神様じゃん
初見は怖かったけど…今笑って話してくれる目の前の神様に俺は何かしてあげたいと思っていた
俺は入団を希望してるかを聞いたところ「募集してない…殆ど話す前にいなくなっちゃうか…私の事をモンスター(亡霊系)と間違えて討伐に来た人たちに謝れるかだから」と苦笑して話してくれたけど…こんな不憫な目にあっても人間を嫌わないなんて…
俺は決意した…この神様とならこの先楽しくなりそうだと確信した
「会ってまだそれほど時間は経ってはいませんがヘル様…俺を入団させてください」
俺は彼女を見つめて言ったが…言われた言葉は…
「すみません…お断りします…」
凄く丁寧に即答された……俺は振られたようだ…
理由を聞いてはみたが、やはり「私がいる事で他のファミリアから酷いいじめがされるかもしれない」と言われたが「俺は気にしない」と言っても「あなたのような優しくて明るい人がこんな根暗女とは釣り合わない」と言われたが…ヘル様…そこまで自分を落とし入れるような事は言わんでもいいと思う。
逆に紹介してくれるという事なので名前を聞いてみたら…ロキさんの所だった
どうやら古い付き合いらしいけど…まあ…また後で説得してみるか…
俺はこの件は後回しにしてヘル様と雑談をすることにした
ユグドラシル時代のダンジョン攻略の話やリアル世界での暮らしなどネタは尽きなかったがヘル様は凄い楽しそうだった。
ヘル様も冥界で出会った偉人や冒険者の話をしてくれたが…彼女も笑顔で楽しそうに話している所を見てしまうとやっぱりこの神様のファミリアで冒険したいと思っていた
長い間話し込んでいたがヘル様がバイトの時間らしくここで別れる事になった
俺はまた来ることをヘル様に伝えた後宿に戻ることにした
その前にあの人から詳しく話聞いてみるか?
俺はロキさんに会いに行った
ロキさんは「入団決まったのか?」と明るく言ったくれたが別の相談があることを言った
始めはうぜえくらいにからかってきたが「ヘル様について」と聞いた時に表情が真剣なものに変わった
俺はなぜ入団をそんなに拒むのかを知りたかったのだ
ロキさんは詳しく話してくれたが…俺が思っていた以上に深刻だった
それは伝承で「ヘルが地上に降り立つときその地域の生命はすべて刈り取られる」と話をした人がいたが、それは全くのデマでたまたま伝染病や天災などが続いたからだ。
彼女は地上に降りた事は全くなかったのでその伝承が怪しかった
そして彼女が地上で暮らし始めた事で事件が起こる
始めは些細な事だった。
通り過ぎる時にぶつかった人がその後大けがをした。
目が数秒あった人が病気になった。
「ヘルに係わると不運を招く」
その噂が大きくなりすぎた為に彼女を恐れてしまう様になり今では恐怖の対象となっているだそうだ
なぜ彼女がそんな不憫な目にあっても帰らないのかを聞いたが…彼女は優しい神だった
それは他の国家の牽制の為の盾となる事で、彼女に危害があればその国は最悪滅ぶかもしれない…そんなリスクを冒してまで攻め込もうとは思わせないようにする為だった。
ロキさんはいざとなったらうちらでなんとかすると天界に帰るように説得したらしいが
「私はここの人達が好き…色々な事があって楽しい…ロキちゃんみたいな優しい神友もいるから…」
と笑顔で答えたそうだ。
話を聞いて絶句していた俺にロキさんは改めて聞いた…俺はどうしたいのかを…
俺はロキさんに礼を言った後「やっぱりあきらめられないので」と入団を断ったが
「ここでうちの所来るって言ってたら…どうなってたか分からんでぇ~」
と殺気のこもった笑顔で答えられた…おっかねぇ…
明日再チャレンジしてみるか…
しかしその数時間後に急展開を迎えた
明日どうしようか?考えていた俺の所にヘル様が来たのだ…
息を切らせて俺を見てるけど…何か腹ペコ状態で獲物を捕まえようとしている肉食獣みたいな目つきでなんか怖い…
どうしたのかを聞くとヘル様は俺の顔を見つめてこう言った
「ナナシさん…私のファミリアに…」
俺は軽く口をふさぎ最後まで言わせないようにした…その言葉は俺が言いたいのだ…
ヘル様は少しビックリしていたようだったが…俺が言った言葉に涙を流して「ありがとう」と言ってくれた
「ヘル様…俺をファミリアにしてください…この先一人ぼっちにはしません…俺が守ってあげますよ」
この日…[ヘル・ファミリア]が新たに誕生した…
その感動をぶち壊すように…ロキさんを含めた彼女の団員たちにニヤニヤされて見られていたのは後で知った
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