東方群馬郷   作:根本

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ダース・レイムー卿のテーマ

霊夢さんがやってきた。

音速で空を飛ぶ大理石の柱に乗ってやってきた。

眉間に皴を寄せて、まゆ毛を太くして、口は「へ」の字。

というか、閉じすぎて「む」の字。

腕組みをして超睨んでいる。

 

「昼間から悪事を働く妖怪どもは、余すことなく即討伐。異変解決商売繁盛、濡れ手に、あーわー」

やたらめったら低い声のあーわーに合わせて、お祓い棒をぶんしゃかぶんしゃか。

 

出迎えるのはドタバタ―ズ。

フランちゃん、カリスマグンマーちゃん、豊胸メイドあんまんさんの三人である。

 

「出たなー。グンマーのマイナー赤白妖怪。サクサクっと退治してあげるんだからっ!」

フランちゃんが霊夢さんを指差しして挑発する。

「うるさいっ。妖怪はあんたでしょ!いろいろこっちのセリフだっちゅーの!」

だっちゅーので胸間アピールするのを忘れない霊夢さん。

 

機嫌がいい時はカメラ目線でウインクも入るけど、今日はなしです。

相当ご機嫌ナナメ、ということですね。

黒白と貧血さんの解説によると、つまりそういうことらしい。

「ちなみに大分寄せてます」

解説席の二人に、容赦ない往復お札ビンタが炸裂された。

 

(やべぇ。霊夢がきた。他人のフリして静かにしてるわ)

ご当地キャラグンマーちゃんも巫女には弱いらしい。

 

その横で、こっそり胸のあんまんのポジションを直して隙あらば自分もだっちゅーのしようとしている人がいる。

あんまんの下についている紙が見えちゃっているケドいいのかなぁ。

ちなみにあの紙はグラシン紙と言うそうです。

ほっぺたが腫れあがって真っ赤な、解説席のお二人からの情報。

 

 

「あんた達、グンマーに何をしにきたの? おとなしくお家に帰りなさい!」

霊夢さんはぶんしゃか棒をフランちゃんに向けて言い放つ。、

 

「買い物をしに来たんだよー。ケーキを買ったら帰るよーだ」

まったく気にもしてないフランちゃんは、余裕のべろべろばー。

両手の指をピロピロさせている。

その横でグンマーちゃんとあんまんさんは、フランちゃんの語尾の「よーだ」に反応して、どこからともなく取り出したライトセーバーで、じぇだいごっこをはじめている。

二人ともマスターじぇだいのつもりだが、重い頭のグンマーちゃんは、よろめく薪割り、重い胸に振り回されるあんまんさんは、暴走する水ヨーヨーといった具合だ。

 

「ふーん…そういう態度をとる訳ね…いいわよ。力づくで強制的にお帰り頂くわ」

悪人面でぶんしゃか棒二刀流の構えは、ダース・レイムー卿といったところか。

 

「やるのね。いいわよ。ばびゅーんっ!」

フランちゃんが霊夢さんとの間合いを、人参さんに連れていかれそうなかわいい赤い靴で地面をえぐりながら、一気に詰める。

風も音も置き去りにするフランちゃんパンチが霊夢さんを襲う。

対吸血鬼ということで、その圧倒的な身体能力は霊夢さん的には全然想定内。

ぶんしゃか棒で軽くいなす。

しかし彼女の能力は全然想定外。

霊夢さん御自慢のぶんしゃか棒が、粉々にぶっ壊されて消えてなくなって、目をどでかまん丸にして一瞬体が固まる。

「ちゃーんすっ!」

ニタり顔で綺麗な歯並び見せつけフランちゃん。

白くて細いキュートな左足を軸にして、上中下段、前側後蹴、無月三日月満月の右足による一瞬九撃。

轟音をあげる赤いキュロットスカート。

 

(白! what's up! 見えた! 白!)

グンマーちゃんとあんまんさんが向かいあって両手指を組みあって喜び合う。

あんまんさん鼻血ぶーナイアガラ。

空に虹が架かる。

キラキラ光っているのは、解説のいじわるーずの写メのフラッシュ。

「悪の親玉と戦うフラン。その横で頭のネジをめいいっぱい緩めたレミリアと咲夜。こいつぁ決定的だぜ」

黒白の魔法使いも大興奮。

「トリムっ! ぼかしっ! テロップっ! BGMっ!」

貧血魔法使いは2丁スマホで全力編集中。

 

「ちょっとタンマ! タンマ! ちょっとたーんまっ!」

霊夢さんはギリのギリでフランキックを躱して叫ぶ。

両の手のひらを前に突き出し、へっぴり腰でフランちゃんを止める。

「往生際が悪いぞ赤白妖怪。観念して食われろー。がるるー」

爪を立てて喉を鳴らすフランちゃん。

「あんたいきなり始めちゃうタイプ感じの娘? やばきのこはよくないわよ。対決って言ったらスペルカード対決が定番でしょ?」

自分こそぶんしゃか棒で全員殴り倒すつもりだったのに、フランちゃんのやヴぁい能力に怖気づき作戦変更する。

「弾幕ごっこがいいの? はいじゃーレーヴァテイn…」

「待てーっ! 待てゆーとる。一回座ろ? ね?」

霊夢さんは全力で地面に胡坐をかいて、フランちゃんに自制を促す。

フランちゃんもちょこんと体育座りする。

「ねえ、何をするの? 面白いこと? そうじゃなければ食べちゃうぞー」

体を揺らして起き上がりこぼしなフランちゃん。

「OK。面白いことOK。座ってできる面白いカード対決だからね。楽しいわよ」

 

霊夢さんはグンマーちゃん以下外野の4人にも座るよう促す。

「ほい」「はい」「ふぁさ」「おう」

「フランちゃんはちょっとだけ待っててね。順番だからね。楽しいカードゲームで遊ぶ前にどうしてもやっておかなくっちゃね」

キッと外野組を睨むダース・レイムー卿。

 

「妹のおパンツで興奮すなっ!」つっこみペシっ

「食べ物を粗末にするなっ」つっこみポカっ

「スマホの使い過ぎは睡眠障害をおこすぞっ!」つっこみパカっ

「だーれが悪の親玉じゃー!」全力げんこつボッコーン!

 

霊夢さんのお説教タイム完了。

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