艦隊これくしょん〜左遷提督、抜錨します!〜   作:なめろうP

3 / 4
毎度この物語にお付き合い頂きありがとうございます。3000文字足らずでこのペース…おのれ秋イベ!皆様はいかがでしょう?E2で長く足止めをくらった私はメンタルボロボロです。という訳で新話でござい!


異動

「あきつ丸!戦闘に参加出来ないなら下がってろ!いくらなんでもこの数ではお前を気にかけられん!」

いくらなんでも数が違いすぎる。先程から人間が乗る軍艦も砲撃を仕掛けているものの、やはり効果は薄い。

「新高殿、さすがにあの数は1人では無理であります!自分も戦うであります!」

『敵艦載機視認!敵航空母艦は発見出来ず!対空戦闘用意!』

戦艦だけではなく航空機までとは、これは敵も本気で潰しに来ているらしい。

『艦娘部隊が戦闘海域に到着!作戦行動を開始します!』

戦闘準備が整ったのであろう、続々と艦娘部隊が到着し、敵艦隊に集中砲火を浴びせる。

『艦娘だ!これで勝てる!』

『お前ら、あいつらにだけいい格好させるなよ!海軍魂を見せ____』

無線の音声が止まった。何があったのかと味方の船を見ても、特に異常はない。通信が途切れたわけでもないようだが...。

『嘘...だろ...。て、敵艦隊、損害なし!』

絶望したような声が無線から流れる。

『敵艦隊周辺に強力な重力磁場を確認!砲撃が無効化されています!』

「弱りましたね...緊急出撃できた艦娘は、軽巡洋艦と駆逐艦だけ 。彼女らの主砲では...。」

「新高殿!なぜ撃たないのでありますか!」

「艦娘が邪魔だ!ここから撃てば確実に巻き込む!」

あきつ丸が話し終わるのとほぼと同時に、深海棲艦の砲撃が始まった。砲弾はすべて、増援にかけつけた艦娘部隊に向けられている。一斉砲火をまともに受けた艦娘部隊は、ろくな抵抗もできずに砲火の前に倒れた。砲撃をくらった小さな艦娘が、吹き飛んで宙を舞う。深海棲艦は嘲笑うかのように、身動きがとれない彼女に砲撃を集中する。空中高く打ち上げられた彼女は、ぼろ雑巾のようになって海面に叩きつけられた。他の艦娘たちも、一方的な攻撃の前に撤退を開始する。しかし、敵もみすみす逃したりはしない。1隻、また1隻と、撤退する艦娘を砲弾が吹き飛ばす。

「新高殿!」

「新高少佐、艦娘部隊は撤退を開始しました。砲撃を開始してください。」

あきつ丸だけでなく、妖精からも攻撃を促される。

「よし...砲撃開始!」

敵艦隊の旗艦と思われる深海棲艦に、全砲門が一斉に火を吹く。着弾とともに、敵艦隊は爆煙に消えた。

「当たったようだが...。」

『煙が晴れます...敵艦隊旗艦、レ級大破!凄い...重力磁場を振り切った!』

敵艦隊旗艦が、煙の中から姿を見せる。80cm砲弾の雨に晒された彼女は、左腕がちぎれた状態で、信じられないような顔でこちらを見ている。

「次弾装填完了、発射!」

呆然と立ち尽くす彼女に、さらに追撃を浴びせかける。まともに直撃を喰らった彼女は、成すすべもなく沈んでいった。さて、次々いくぞ!

『敵艦隊旗艦レ級並びに戦艦ル級4隻、轟沈!残存艦艇、浮き足立っています!』

こちらが有利になったのを見てか、撤退していた艦娘たちが反転し、攻撃を仕掛ける。旗艦を沈められて混乱している深海棲艦達に、容赦なく魚雷が叩き込まれる。

「やったであります!大戦果であります新高殿!」

「お前は何もしてないがな...ッ!次!敵航空機接近!対空射撃!」

艤装についている対空兵装が展開し、敵航空隊に向けて攻撃を始める。

「無駄無駄無駄ァ!」

弾幕に突っ込んだ敵航空機が次々に墜ちる。なるほど、妖精が叫びたくなるのもわからなくもない。

『魚雷、戦艦ル級3隻に直撃!2隻轟沈を確認!...敵艦隊、撤退を開始!』

まさに命からがらといった様子で、深海棲艦が撤退を始める。敵航空機は、いつの間にか呉の空から消えていた。

『敵艦隊の撤退を確認。防衛部隊は負傷兵の撤収までその場で待機。繰り返す____』

恐らく司令部であろう場所から、戦闘終了の通信が入る。どうやら敵は完全に撤退したらしい。

「お疲れ様であります、新高殿。」

「全くだ。まさかいきなり実戦とは...。」

「お疲れ様でした、新高少佐。お陰で良いデータがとれましたよ。あ、早速なんですがね____」

「待ってくれ。戦闘終わりで俺も疲れてるんだ。...明日とかじゃ駄目?」

「何言ってるんですか、それとこれとは話が別です。今から試験再開ですよ。」

「ハッハッハ、ご冗談を...えっ、冗談だよね?」

「いいから行きますよ。まだとれてないデータがあるんですから。それとも反逆罪で捕まります?次はさすがに命の保証はないんじゃないですかね。」

「ひ、卑怯なり海軍!あきつ丸、なんとか言ってやってくれよ!」

「今晩...疲れた新高殿...癒す...ふむ。新高殿、さっさと試験再開であります。」

「ええい味方はいないのか!誰か、誰かぁぁぁ!」

俺の魂の叫びは、夕日に照らされた呉の空に虚しく消えた。

 

 

「ウオオオオオアアアーーーッ!」

「騒がしいであります。」

呉にも慣れてきた今日この頃。平穏な人生(モルモット)を謳歌している俺に届いた一通の手紙。それは...

『異動命令』

いやいや、落ち着け俺。確かに異動命令ではあるが、まだ行き先が前線と決まった訳では無い。むしろ俺のモルモットぶりを鑑みて、他の試験施設への異動とか____

「あ、新高殿の新しい任地でありますが、南国の島でバカンス(婉曲表現)だそうでありますよ。良かったでありますなぁ。」

「ノォォォォォーッ!」

よりによって南の島国である。何でこいつが知ってるのかはともかく、嘘だろおい...最前線じゃねえか...。

「まあ、これも仕方のないことであります。せいぜい頑張ってください。」

「いや、無関係みたいな顔してるけど、お前も来るんだぞ?その為にここにいるんだろ?」

「.........え?じゃあ...。」

あきつ丸が信じられないような顔でこちらを見ている。やれやれ...。

「一緒に南の島でバカンスしようぜ!」

「イヤァァァァーッ!」

こうして、俺とあきつ丸は南の島____『ラバウル』に向かうこととなった。




次回はいよいよ鎮守府へ(予定)!次回も一月後当たりを予定していますが、なにぶん年末ですので遅れてしまうかもしれません。それでは!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。