「さて、私は四話目ね。
比那名居 天子。天人よ、よろしく。
ね、阿求は天人の生活に興味ある?ある?あるの?むふふ、当然よね〜。
俗世の喧騒から離れ、歌に踊りに身をゆだねて楽しく過ごせる場所よ。憧れるでしょ?極楽だって話をする地上人をしょっちゅう見るわ。
でもねー、私はどうにも苦手。代わり映えしない日々って退屈で仕方ないの。穏やかで心が休まる。でもそれだけ。もっとこう、沸き立つような喜びが欲しいものだわ。
ああ、愚痴・・じゃない、前置きはここまで。私が天を手放しに誉められないのは、まだ理由があるの。
今回はその話をするとしましょうか・・・。
―
・・・一部の位の高い天人、まあ私みたいな連中はね、大抵が大きな屋敷に住んでいるの。広くて住むにはかえって不便だけど、手入れはいつも万全よ。大勢の使用人が、毎日お仕えしてくれているからね。それに関しては存分に利用しているわ。
・・・でもね、問題はその使用人なのよ。
最近、彼等は四六時中恐れを抱いている。床を拭くときも、料理を運ぶときも、それがいつ自分を今いる場所から消し去るか、そんな恐怖に苛まれているの。
・・・そいつは、独特の響きを持つ。いえ、そう感じさせるのよ。まるで無慈悲に閉じる鋏の刃のように、無機質な音を奏でる。
シャキーン、シャキーン・・・と。
そいつは使用人には、片時も消すことが出来ない。その存在は段々と大きくなり・・・
やがては、突然に使用人の誰かに襲い掛かる。仕事が遅いもの、失敗したもの、視線を逸らしたもの、或いは無作為に大人数が犠牲になるかもしれない。
誰でも良いのよ。だからこそ必死で、そしてどうにも出来ない。
出来ることは、毎日毎日肩を叩かれないよう祈るだけ・・・。そして、不幸にも選ばれれば・・・
首を、切られるのよ。スパッ・・・っとね。
何者かって?すぐに分かるわ。ほら、背中に段々と大きく聞こえてきたでしょう。奴が刃を鳴らす音・・・
シャキーン・・・シャキーン・・・シャッキーン・・・シャッキン・・・
・・・膨れ上がる、借金の恐怖が・・・
」
―
「・・・いえね、天が退屈だって話したじゃない?だからつい外界のものとか色んなルートで仕入れちゃったのよ。ぶら下がり健康機に、ファミコンに、あとはまだ集めるけどワンピの全巻とか、東方を旧作から最新作までとか・・・。とにかくそのせいでお金が苦しくなったらしくてね?
まあ要するに、リストラまで考慮され始めたって訳ね。うん、実際私のせいなんだけど・・・
要らないものはTS○TAYAに引き取ってもらって、おやつの量を減らして、ああ、家宝とかもいっそ要らないかなー・・・
ま、明日から頑張る。
さ、それはともかく次の話次の話!早くしてー!」