人が怖い少年のおかしな物語   作:fghjkiuyt

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一月 茜

あーだいぶ濡れたなー。

 

屋上にいた僕らは降ってきた雨にずぶ濡れにされた。

 

「本当にビショビショ…」

 

「大丈夫?」

 

僕は、隣で濡れている彼女の方を向く。

 

「ちょ!?見んなぁ!」

 

「フゴォ!」

 

僕は、全力でビンタされた…

え?今の僕が悪いの?

 

「あんたね!ビショビショになったら制服ってどうなると思ってんの!?」

 

え?制服…?

 

「えっと、重くなる?」

 

「ぐっ…確かにそうだけど!」

 

さっきからこの子が何を言いたいのかさっぱりだ。

 

「…え?本当にわかんないの?」

 

本当に分からない。事実重くなって冷たくなること以外に思い当たる節はない。

 

「え、えぇ…あ、あのね…その……るのょ…」

 

え?

 

「今なんて?」

 

「あぁ!もう!…す、透けるのよ!」

 

「透ける?」

 

それのどこが問題なのだろうか?

 

「はぁ!?女子の服が透けちゃうのよ!?」

 

あれ?本当にどこに問題点があるのか分からない。

透けたらからってどうという事はないだろう。

 

「じゃあ、今の私を見て見なさいよ!……あぁ!!」

 

え?

 

僕は振り向いた。

 

「ちょ…」///

 

そこには顔を真っ赤に染めて自分の発言した事を後悔している彼女と…ずぶ濡れになりスケスケとなってしまった彼女もいた…。

 

 

「!?」///

 

「わ、分かったら向こう向く!」///

 

 

な、なるほど…そういうことだったのか。

は、はじめて自分以外の人の体を見た気がする。

 

「ちょ、ちょっと、なんにも考えないで。恥ずかしい…から…」///

 

 

 

無心。

 

そう考えると逆に思考回路を張り巡らしてしまいそうだ。

 

別の話題に転換しよう。

 

「そうしましょう」

 

向こうも乗り気だしいっか。

 

「そういえば名前聞いてなかったね」

 

僕は先程思ったことを思い出す。

 

「そうだったわね。コホンッ、私は"一月 茜(ひとつき あかね)"よ」

 

一月 茜…

 

聞いたことないな…やっぱり転校生?

でも、転校生が屋上にいたりするもんか?

 

「ま、迷ったのよ…」

 

いや、どんな方向音痴だよ…普通屋上に出た時点で気付くだろ。

 

「う、うるさいわね」

 

でも、こんな面白い人は見た事無いかもな…

 

「何が面白いだ!」

 

後頭部を引っ叩かれた。

 

「あなたはなんて言うのよ!」

 

そうだ、教えてもらったからには教えてないといけないのか…。

 

…僕は、紫藤 響也だ。

 

ベシッ!

 

「声に出しなさいよ!」

 

また、後頭部を引っ叩かれた。

 

______

____

___

__

 

その後の事だが、先程の会話で気になった事の質問と言う名の尋問を行った。

 

「一月は、僕の心の声が聞き取りやすいって言っていたけどそれってどういうことなのかな?」

 

「なんていうのかしらね。普通は心の声って言う感じのものは籠った様な声で聞き取りずらいの。でもあなたの声は鮮明に聞こえるわ」

 

それがある意味僕を"異世界人"と判断する材料になったりしたのか…?

 

「そうね、それもあるわ」

 

でも…やっぱり、それだけじゃ十分な判断材料にはならないんじゃ…?

 

「決定打は"この世界の人間に恐怖する"事かしらね」

 

え…?

 

「それが関係してるの?」

 

「そう、関係しているの」

 

とてもじゃないが信じる事は難しい。

でも…この一月 茜と言う存在は僕の中にある恐怖心を呼び起こさない。

 

考えれば考える程"異世界人"がピッタリ当てはまってしまう気もする。

 

「でも、さっき五感が鋭いのが異世界人っていってなかった?僕には鋭い五感何てないよ?」

 

先程聞いた鋭い五感の事を聞いてみる。

 

「あなたは、五感じゃない、世間一般に通用する様に言うと"第六感"の様なものが鋭すぎるのよ」

 

 

…第六感。

別名 シックスセンス などなど…

 

つまりは何かを感じ取る事ができると言われる能力のひとつだ。

 

「はぁ…?どう言う事?」

 

頭が今の会話を整理し切れていない様だ。

 

「第六感が鋭いから、"人間の深い闇"を感じ取ってしまうのよ」

 

深い闇…

 

 

 

…実感が湧かな過ぎる。

 

 

 

じゃあなんだ?この一月さんは全く闇がないから怖くないというのか?

 

いや、絶対にあり得ない。

 

「失礼ね!?」

 

「そんな事言っても君にだって黒い部分くらいはあるだろう?」

 

そうだ、心に黒い部分を持ってない人なんていないんだ…

 

「私が純粋だからあなたはなにも感じないのよっ」

 

一月はエヘンッと言った感じで言い放った。

 

純粋…か…。

 

だったら僕は"赤ちゃん"とかだったら怖くないってことかな?

 

「さぁ?実験してみないとわからないわね…」

 

!!

僕の背後からなんだか電球のマークが飛び出るような効果音が聞こえた気がする。

 

「そうよ!実験すればいいじゃない!」

 

実験…?

マジ?本気と書いてマジ?

 

「そう、本気(マジ)

 

うーん…でも、赤ちゃん…かぁ…

もしダメで赤ちゃんから逃げだすってなるととてもじゃないが…気が進まない。

 

「そんなのやってみなきゃわからないじゃない!」

 

確かに、そうだな…。

 

第六感…僕が人間を恐怖する源かもしれないもの。

 

実感は湧かない。だが、試してみる価値はおおいにあると思う。

 

「それじゃ、早速行動よ!」

 

一月はバッ、と言わんばかりに勢い良く立ち上がった。

 

「…あ」///

 

「え…なに?…………イャャャァァァァア!?」///

 

ずっと何事もなかったかのように会話していたため忘れていたが。

僕たちはずぶ濡れで、一月に至ってはスケスケだったのだ。

 

背中合わせに座り込んで話していたが突然立ち上がった一月の方を僕は振り返ってしまった。

そうすると…まぁ…また、さっきの状態になっちゃうわけで…

 

「あ…」///

 

「みぃるなぁぁぁぁあ!!」///

 

 

 

僕は思い切りビンタされた。

 

 




これ…続くのかな?
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