外を歩いている人間を見つけた私はお腹も空いていたし初めて人間を食べてようとしている。
扱いが不慣れな電撃を出せる力を大きくして狙って放つ・・・というよりも周囲に広げた。
流石に当たって倒れ込んだ。
「ふっふっふ・・・どんな味なんだろう♪」
倒れ込んだその人に近づいた。すると何事も無かったかのように起き上がった。というか喰らった形跡が残っていない。
「『ん?』『誰?』」
「え、え〜っと私は・・・」
「『まあどうでもいいか』『そんなことより』『どこかから電気が飛んで来なかった?』」
「い、いや、わ、わた、私じゃないです!」
「『そう?』『ならいいや』『ところで君は誰?』」
(最初の質問はどうでも良くなかったのかよ!)
心の中でツッコミを入れるも答えることにした。
「私は
先ほどまで食べようとしていた人間相手にこんなことを聞くものなのか?と我ながら思う。しかしこうなってしまった以上は諦めよう・・・
「『僕?』『僕は雷電伝だよ?』」
「え!?同姓同名!?」
「『そうだね』
『って言うと思う?』」
「・・・(ジトーっ)」
「『冗談冗談』『僕は球磨川哿』『ただのしがない少年さ』」
「男の子!?今度も冗談とか!?」
「『反応面白いね〜』『でも今度こそ事実だよ』『まあ、疑われても仕方が無いかな』『それでどうして君はここに?』」
「う・・・お、お腹が空いていて・・・」
「『食べるものなら国の中にあるんじゃないの?』」
「で、でも私、国の中に入れないから・・・」
「『ということは妖怪?』」
「・・・・・・」
「『わー大変だー逃げなきゃ—(棒読み)』」
「怖く・・・ないの?」
「『逃げる理由は?』『殺されるから?食べられるから?』『下らないね』」
「・・・・・・」
「『それなら僕の兄の方がよっぽど怖いさ』『いや、安心院さんも怖いに分類されるかな?しかし禊兄の場合と違うしな・・・』」
一人ぶつぶつと言いだした。
「『とにかく』『兄は得体が知れなくてみんなに嫌われ恨まれやられ役で』『それでいて平然とした態度を貫く兄の方がよっぽど怖いね』『殺されるとか』『死ぬとか』『脅されるよりもよっぽど不可解な彼を毎日のように見てきているんだ』『自分が本当に死ぬことを覚悟した時だってせいぜい「これで終わりか」的なものさ』」
「そうなんだ・・・ねえ。友達になってもらえる?」
「『急だね』」
「急だけど・・・」
「『いいよ』『どうせ話し相手が少ないんだし』」
「ありがとう!ってさっきはごめんね・・・」
「『さっき?』『何かあったっけ?』」
「い・・・いやー・・・電気のこと・・・」
「『そんなことあったっけ?』『あーあったかも』『いや、無いね』『「なかったこと」だね』」
「へ?さっきお腹が空いていて食べようと・・・」
しまった、と言ってから思った。しかし言ってしまったことは取り戻せない。が、彼の反応は
「『電撃が当たらなくて良かったねー』『仮にも僕が食べられるとしても問題ないし怖くないからいいよー』『必要な栄養は「創る」ことだってできるから』」
「『国の外って綺麗なだけだねー』『自然はいいものだよ』」
「あなたがその調子で言うと本当に言ってるのかわからなくなるわね」
「『失敬な』『心の底から思ってますよ』『あ、鈴はどうされました?』」
「それならここに持ってるわよ」
手で持ち上げると「チリン♪」と音が鳴った。
「『それあげます』『何も持っていない僕からの形のお礼です』『返されても無理矢理押し付けます』」
「そう・・・でも綺麗だから頂くことにするわ」
その時は嬉しそうな顔をしていたが、どこか疲れている様子が見えた。
「『何か困ったことでも?』『どんなことでも相談に乗りますよ?』」
「なんでもないわ」
「『ストレスは溜め込むとよく無いですよ?』」
「それもそうね・・・」
ぽつりぽつりと漏れだしていく言葉。天才故の苦しみを言われて僕は彼女の相談相手を請け負った。だんだんと話すようになっていった。
10日が経過した。2日に一回くらいは伝にも会いにいった。伝のことは永琳にも話していない。逆に伝には永琳のことを話している。
そんなある日だった。
「そろそろこの国の人みんなね、月に移り住むことになるの」
「『月に!?』『空気なんてないでしょうに?』」
「その点は問題ないんだけど・・・付近に済む妖怪が不安でね・・・ロケットを攻撃されたらひとたまりもないわ。あなたも見たことはあるでしょう?」
「『・・・ない』」
「嘘ね」
「『うん』『たった一人のやさしい妖怪と友達になった』『みんなそうだと良かったのにな・・・』」
「闘ったの?」
「『それなりに』『今のままだと厄介だっていうことはわかる』『能力使わないで倒すのは流石につらかった』」
「使わないでって・・・まあそれはさておきとして。その妖怪が来る前に月に行くの。言わなくてもわかるわよね?」
「『そうですか』『ならここに残りますね』『口は堅い方ですから』」
「そういうことじゃないわ!去り際にこの国とその付近丸ごと吹き飛ばすのよ!?」
「『耐えればいい話じゃないですか』」
「無理よ。とにかくあなたも一緒に来るの。わかったわね?」
「『はいはい・・・』」
そのあと移動にかかる時間を「なかったこと」にして国の外に出る。
しばらく歩いていると森の中から伝が出てきた。
「『久しぶりだね伝』」
「昨日あったばかりでしょ」
「『そーだっけ?』」
「それよりも他の妖怪の様子がおかしいの。何か殺気立っていると言うかなんというか・・・」
「『・・・・・・』」
「「月には行かせねえ」とか言う声も聞こえるんだけど・・・」
「『いつ頃に攻め込むとか聞いてる?』」
「5日後とか言う話は聞いてるけどいつでも準備はできてるみたい」
「『そっか・・・』」
「かなりも行っちゃうの?」
「『行かないし行きたくない』『伝』『君だけでもここから遠くに逃げてくれ』『少なくともこの森と国が全然見えない所まで』」
「え・・・?どういうこと?」
「『この国とその周り全てを滅ぼすらしいんだ』『だからそうなる前に逃げて欲しい』『あの国の科学力は知っているでしょ?』」
「・・・・・・」
「『どうかわかって欲しい』『また会えるから』」
それ以上は何も言わずに僕は永琳の部屋に戻った。
「『永琳』」
「どうしたの?」
「『ロケット発射って5日後?』」
「そうよ?話したっけ?」
「『言われてないし情報収集もしていない』『妖怪にバレている』」
「!!!」
「『早めないとまずいんじゃないのかな?』」
「それもそうね・・・どこから漏れたかわからないけど急がざるを得ないわ」
3日後、ロケットが出発することになった。あれから僕は伝に会っていない。僕は永琳の乗る時にこっそりと一緒に乗り込むらしい。
当日。
壁の外が大きく揺れた。
『急いで乗り込んでください!時間がないです!』
「かなり!急いで!」
「『悪いですけど』『時間ギリギリには間に合うので』『野暮用思い出したので行ってきます!』」
「かなり!」
人の間を瞬間的に通り抜けると一目散に国を守る壁へ目指す。
上に辿り着く。
「なんだてめぇーは!」
「あいつから殺すぞ!」
「壁ごと壊してしまえ!」
「『黙れ』『命が惜しい奴は逃げろ』『ここもただでは済まないことになる』」
よく響く声を「創る」ことで敵に通達する。
しかし敵の戦意はむしろ上がってしまった。
「上等だ!」
「その前に全て滅ぼしてくれるわ!」
ため息をつき、飛び道具が飛んで来るが軽くいなす。
城壁を飛び降り妖怪たちを一人で迎え撃つ。
「『悪いけど』『ここは通さない』」
死亡フラグ発言をしたかな。目的を達成できればいいんだ。