軌跡〜ひとりからみんなへ〜   作:チモシー

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今回の話ですが…またしてもかなり長めです!(汗)

本当はもう少しだけ長くしようかとも思いましたが、あまり長すぎると見ていて疲れてしまうかもと思い(ただでさえ見辛いですからね…)予定よりもほんの少し短めにしました(^_^;)


ギスギスし始めた未奈ちゃんと弦次君…そして主人公と由紀ちゃんの関係を元に戻すべく奮闘する誠さんや胡桃ちゃんの活躍…ごゆっくりとお楽しみ下さいm(__)m


九十四話『あたしだけは絶対に』

 

 

 

 

 

 

 

 

誠「よし、ここだな?」

 

屋敷内の廊下を歩いていった誠は弦次の案内の下、一階にある一つの扉の前に立つ。

 

弦次「はい。ここが白雪の部屋で…たぶん、今はお嬢も一緒に…」

 

誠「…さっきから気になってたんだが、『お嬢』ってのはミナの事か?」

 

弦次「え?まぁ…そうですけど…」

 

誠「へぇ…変わった呼び方だな…」

 

弦次「まぁ……」

 

改めてそれを『変わった呼び方』だと言われると何だか恥ずかしくなり、弦次は誠から目を背ける…。誠はそんな弦次を見てニヤリと微笑み、目前の扉を右手でノックした。

 

 

ドンドンッ!

 

誠「ミナ、いるか?入るぞ~?」

 

未奈「あっ!はい、どうぞです」

 

中から未奈が返事を返したが、誠はそれを聞き終えるよりも先にドアノブを捻る…。扉を開けた先にあるその部屋には動物を模した可愛らしいぬいぐるみがいくつも転がっており、その中心には床に腰を下ろしながら向かい合う未奈と白雪がいた…。

 

 

未奈「どうしまし……たか?」

 

振り向きながら誠へと尋ねる未奈だったが、誠の後ろにいる弦次を見て一瞬だけ言葉を詰まらせる…。一方、白雪は誠とは初対面だった為、未奈の肩に顔を埋めながら誠に対しての警戒心を(あらわ)にしていた。

 

 

白雪「だ……だれ?」

 

未奈「…あっ、大丈夫だよヒメちゃん。この人は誠さんっていって………」

 

白雪「……いって?」

 

誠の事をどう説明するべきかをまだ決めていなかった未奈は言葉の途中で固まってしまい、そんな彼女を見て白雪は首を傾げる…。少し待っても未奈は口を開かなかった為、みかねた誠は自ら白雪へ自己紹介した。

 

 

誠「俺は朝倉誠…。ミナとは昔からの知り合いだ。よろしくな、白雪」

 

当然嘘だが、こう言っておけば間違いないと誠は考える。

 

 

 

白雪「よ、よろしく…お願いします…」

 

誠「へぇ、中々できた娘だ」

 

未奈の肩に隠れたままとはいえ、丁寧に挨拶をする白雪に誠は感心する。誠はそのまま室内に足を踏み入れ、白雪の頭を撫でようと手を伸ばした。

 

 

白雪「ふ!?ぅぐっ!!」

 

白雪はその手から逃れるかのようにして未奈の胸に顔を埋め、チラチラと誠を見る。警戒心丸出しの白雪を見た誠は伸ばしていた手を引っ込め、おかしそうに笑った。

 

 

誠「ははっ、まぁ…こんくらいの警戒心は持っていた方がいいだろう。色々と危ない世界だしな…」

 

未奈「すっ、すいませんっ!ヒメちゃん…普段ここまで人見知りはしないんですけど…なんで誠さんのこと、こんなに警戒するのかなぁ?たしかに…顔は少しだけ怖いけど…」

 

誠「何気にショックな発言を…それがお前の俺に対する本音か」

 

ほんの少しだけ顔をしかめ、誠はため息をつく。

すると突然…未奈の様子に変化が起きた。

 

 

未奈「すっ、すいませんっ!!つい口が滑って…私ったら失礼な事を……ほんとすいません~っ!!」

 

誠の方へと体を向かせた直後に大粒の涙を溢れさせ、未奈は土下座をし始める。それがあまりに突然の出来事だった為に誠は驚き、ただそれを見つめていた…。

 

 

誠「お、おい…コイツは急にどうしたんだ?」

 

弦次「誰かにちょっと追いつめられると、こうやって泣きながら謝り続けるんです…」

 

誠「追いつめ…って、俺は別に追いつめたりなんざ…」

 

未奈「顔がすごく怖かったから怒ってるんだと思いましたぁ~!!ご、ごめんなさいぃ~!!」

 

誠と弦次の会話に泣きながら割り込み、未奈は土下座を続ける…。

彼女が言うには、先程ほんの一瞬だけ見せた誠のしかめっ面が死ぬほど怖かったらしい…。

 

 

誠(さっきまでもっと怖い状況に置かれてただろうが!!って言いたいが、この白雪って娘にはあの事を内緒にしてるんだったな…)

 

彼女が境野達に捕らわれていた時の事を思い返しながら、誠は不思議に思う。そういえば未奈はあの時も泣いてはいたが、今ほど激しく泣いていたりはしなかった…。

 

 

誠(今はこんなだけど、いざって時には強い娘なのかね…。まぁ、今はそんな事より……)

誠「…おい、俺の顔ってそんなに怖いか?」

 

土下座する未奈を放置して、堪らず弦次に尋ねる。

 

 

弦次「いやぁ、確かにちょっとだけ怖いかもですが…本当にちょっとだけですよ?」

 

誠「土下座しながら号泣する程ではないよな?」

 

弦次「ええ、まぁ」

 

誠「………」

 

自らの顔がそこまでは怖くない事を確認し、誠は未奈へと視線を移す。すると白雪が彼女の背中を撫で、それを落ち着かせようとしていた。

 

 

白雪「ミナ、大丈夫だから落ちついてって…。ほら…ゲンジと……」

 

誠を見つめながら、白雪が言葉を詰まらせる。どうやら、先程の自己紹介の時に誠の名をしっかりと聞いていなかったらしい。誠は困っている白雪の目を見ながら、改めて名前を名乗る。

 

 

誠「マコト」

 

白雪「マコト…さんが困ってるから。ね、泣き止もう?」

 

未奈「っぐ…!お、怒ってないか…聞いてみてくれる?」

 

白雪「…えっと、すいません。マコトさん、ミナのこと――」

 

誠「怒ってない。だから泣き止めって伝えてくれるか?」

 

呆れた顔をしながら誠が答えると未奈は涙を拭い、そばにいた白雪を抱き寄せる。白雪は迷惑そうな顔をしていたが、決して未奈を突き放したりはしなかった。

 

 

未奈「お見苦しいところをお見せしました……」

 

誠「まったくだ…」

 

未奈「………」

 

ようやく落ち着きを取り戻した未奈だが、それならそれで今度は弦次の事を意識し始める。やはり、まだ弦次の事を許してはいないようだ。

 

 

弦次「…お嬢、その……」

 

弦次は意を決して未奈に声をかけるが、彼女は白雪の手を掴みながら立ち上がって部屋を後にしようとする。弦次の言葉を無視して立ち上がる未奈を前にして、白雪は驚いているようだった。

 

 

未奈「ヒメちゃん、別のとこで遊ぼ?」

 

白雪「えっ?」

 

誠「…ちょっと待て」

 

未奈「は、はい…なんですか?」

 

部屋を出ようとした未奈だったが、誠の横を通りすぎようとしたその時に腕を掴まれる。未奈はそれに驚き、また泣き出しそうになるが、今度はなんとか堪えられた。誠はそんな彼女の耳元へと顔を寄せ、そっと耳打ちをする。

 

 

誠「…ゲンジを許せない気持ちも分かるが、今はギスギスしてる場合じゃない。お前だって分かってるだろ?」

 

未奈「…でも……でも…」

 

白雪「ミナ…大丈夫?」

 

未奈が俯きながら小声で呟くと、白雪が心配そうな顔をして彼女の顔を覗きこむ。未奈は白雪を不安にさせぬようににっこりと微笑み、その手をギュッと握った。

 

 

未奈「…大丈夫だよ」

 

白雪の顔を見つめながらそう答える未奈だったが白雪は相変わらず彼女の事を心配そうに見つめ、強く手を握り返した…。

 

 

白雪「大丈夫じゃないでしょ…。なんで…うそつくの?」

 

未奈「えっ?」

 

白雪が放った思いもよらぬ言葉に驚き、未奈は目を丸くする…。

笑顔で誤魔化せばどうにかなると思っていたが、そう簡単ではないらしい。

 

 

白雪「ミナ、さっきからずっと元気ない。それに…ゲンジもなんか変。二人とも、ケンカしてるの?」

 

弦次「……」

 

未奈「えっ…とね……その……」

 

白雪「してるの?してないの?」

 

問い詰めるようにして未奈を見つめる白雪。

幼いながらもしっかりとした彼女を見て誠はケラケラと笑い、未奈と弦次の肩を叩いた。

 

 

誠「はははっ!大した()だ。ミナ、ちゃんと答えてやれ」

 

未奈「…ケンカ、してるよ…。でもね、これはゲン君が悪くて――」

 

白雪「じゃあ…ゲンジ、ちゃんと謝った?」

 

未奈の手を離し、今度は弦次の前に立つ白雪…。

弦次は彼女の鋭い視線を受け、未奈の顔を見つめた。

思えばまだ、未奈に謝罪していない…。

 

 

弦次「…まだ」

 

白雪「じゃあ謝ってあげて」

 

それだけ言って白雪は弦次の腕を引き、未奈のすぐ目の前に立たせる。未奈はそれにあたふたとしていたが、弦次は落ち着いた様子で彼女の目を見つめていた。

 

 

弦次「お嬢…ごめん。謝って済むことじゃないって分かってるけど…本当にごめん。全部、二人を守るためにやってた事なんだよ…」

 

弦次は深々と頭を下げ、未奈の返事を待つ…。

しかし返ってきた未奈の言葉は弦次を許すという答えではなく、弦次を更に責めた。

 

 

未奈「私とヒメちゃんを守るため…?ふざけないでよ…ゲン君のせいで、由紀ちゃん達がどんな目にあったと思ってるの?私達を守るためなら、彼女達はどうなってもよかったの!?」

 

弦次「いや…違う…そんなつもりは…!」

 

未奈「私、ずっと信じてたのに…!」

 

弦次「…ごめん」

 

未奈「謝ったって…許せるわけ…」

 

弦次から目を逸らし、溢れてきた涙を拭う未奈…。

すると白雪が彼女の服の裾をギュッと掴み、その顔を覗く。

突然裾を引かれた事を不思議に思った未奈が自分の方へと顔を向けたその時、白雪は言った。

 

 

 

白雪「ミナ…ゲンジは謝ったよ?」

 

 

未奈「ぅ…」

 

白雪「なのに、ミナは許してあげないの?」

 

未奈「だって…本当にヒドイ事をしたんだよ!?簡単に許したり出来るわけ…」

 

白雪「じゃあどうするの?ずっとこうしてるの?」

 

未奈「そ、それは…」

 

白雪「わたしはなんでミナがそんなに怒ってるのかも知らないし、ゲンジが何をしたのかも知らない。でも…二人には仲良しでいてほしい…。もしこのままケンカしてるつもりなら、わたしはここから出てく…」

 

未奈「それはダメだよっ!危ないでしょ!?」

 

慌てた未奈がそう言い放つと、白雪はため息をつきながら答えた。

 

 

白雪「だって…ケンカしてる二人を見てるのイヤだもん…」

 

未奈「う……」

 

弦次「………」

 

その言葉を聞き、未奈と弦次は黙ってしまう。

白雪は微かに瞳を潤ませ、二人の手を握った。

 

 

白雪「仲直り…してくれる?」

 

未奈「……でも…」

 

白雪「しなきゃ出てく……」

 

白雪が脅しのように告げる。

すると未奈は慌てたような表情をし、弦次の手を強く握った。

 

 

未奈「わぁっ!?す、するする!!仲直りするからっ!間違っても一人で出てっちゃダメだよっ!?」

 

白雪「…うん、それでいい♪」

 

誠(おお…あっさりと終らせやがった)

 

にっこりと微笑む白雪を見て、誠は驚く。

大した娘だとは思っていたが、ここまでとは思っていなかったからだ。

 

 

弦次「…お嬢、本当に…ごめんな…」

 

未奈「……あ~っ、もういいよ!!まだ気持ちがモヤモヤするけど、私達がケンカしてるとヒメちゃんが出てっちゃうもん…」

 

弦次「……ありがとう。白雪も…ありがとな」

 

どうにか距離を縮めてくれた事を未奈に感謝し、そして白雪にも礼を告げる弦次。白雪はそんな弦次に笑顔を返し、満足そうに床へと座りこんだ。

 

 

白雪「もうケンカしちゃダメだよ?」

 

未奈「…わかった」

 

弦次「ああ、わかったよ」

 

 

仲直りした二人を見つめた後、誠は白雪の隣に腰を下ろす。

誠に対してはまだ警戒心を見せる白雪だったが、誠は気にしなかった。

 

 

誠「…白雪、お前スゴいな」

 

白雪「いえ…そんなことないです…」

 

誠「いや、大したもんだ。ついでに、由紀とあの少年の仲も元に戻してほしいもんだぜ…」

 

白雪「ゆき…あのお兄ちゃんとケンカしてるんですか?」

 

誠「ああ、してる。」

 

白雪「…ケンカばっか、ですね…」

 

誠「ああ、ケンカばっかだ」

 

誠と白雪…二人は同時にため息をつき、この状況を面倒に思う。

しかし、白雪のおかげで未奈と弦次の仲は修復出来た…。

これであとは、由紀と彼の仲を直すだけだが………

 

 

誠「まぁとりあえず、あの少年の事は胡桃に…由紀の事は悠里と美紀に任せたがな」

 

白雪「くるみが…あのお兄ちゃんのとこに?」

 

少し驚いたような反応をして、白雪は誠を見つめる。

その反応を見た誠は何かやらかしてしまったのかと思い、白雪に尋ね返した。

 

 

誠「ああ、そうだが…マズイのか?」

 

白雪「…いえ、相手があのお兄ちゃんなら…くるみでよかったと思います」

 

誠「それは…どうして?」

 

白雪「内緒です。言ったらくるみが死んでしまいますから」

 

意味の分からない答えを返し、白雪は鼻唄を歌い出す。

誠は何一つ理解できず、ただじっとその鼻唄を聴いていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

胡桃「はぁ……なんであたしが……」

 

美紀「すいません…。私達は由紀先輩の方をどうにかしますので、そちらは任せます」

 

廊下を歩きながら悩ましい顔をする胡桃へとそう告げて、美紀と悠里は由紀のいる部屋の前へと立つ。彼女達は彼女達で、由紀と彼を元の関係に戻そうとしていた。

 

 

悠里「__君もかなり落ち込んじゃってると思うから、優しくしてあげてね」

 

胡桃「そう思うなら、りーさんが……」

 

悠里「そうしても良いけど…多分、胡桃が話してあげた方が良いわ。だって、私が『元気出して』って言ってもダメだったもの…」

 

少しだけ切なそうな表情をして悠里は俯く…。

そんな表情を見せられたらもう断れず、胡桃は覚悟を決めた。

 

 

 

胡桃「…わかったよ、アイツはあたしがどうにかする。その代わり、由紀の事は任せたぞ?」

 

悠里「うん、ありがとう…」

 

美紀「宮野さん、あなたはどうしますか?」

 

胡桃が彼の部屋に…そして悠里と美紀が由紀の部屋へ向かうと決めた一方、彼女達についてきた宮野だけは向かう先を決めておらず、頭を悩ませていた…。

 

 

宮野「…私は念のため、そこにある窓から外を見張ってるよ。そろそろ如月さん達が来るかも知れないからね」

 

廊下の突き当たりにある窓…そこからはちょうど屋敷の入り口の門が見えるので、宮野はそこに立って監視する事を決める。悠里達はそれを聞いた後、それぞれの部屋の中へと向かった。

 

 

悠里「わかりました。もし誰かが来た場合、急いで教えて下さい」

 

宮野「うん、任せて」

 

胡桃「…じゃ、少し行ってくる」

 

宮野は窓際に…悠里と美紀は由紀のいる部屋の扉を開けてその中に…そして、胡桃は彼の部屋へと向かう。悠里達と別れた胡桃は一人廊下を歩いていってその部屋の前に立ち、扉をノックした。

 

 

コンコン…

 

胡桃「今…ちょっといいか?」

 

ノックしてから室内の彼へと呼び掛けるが、少し待っても返事がない。

胡桃は深くため息をつき、ドアノブを捻った。

 

 

胡桃「入るぞ?」

 

ガチャッという音をたてながら扉を開き、中へと足を踏み入れる。外が暗くなり始めているというのに明かりをつけておらず、部屋の中は真っ暗だった…。

 

 

胡桃「…ったく」

 

薄暗いそこを慎重に歩いていき、ベッドの横…そこにあるタンスの上に置かれていた電池式のランプに手を伸ばす。それを掴んだ後はスイッチを入れて明かりをつけるだけなのだが、暗くてスイッチがどこなのか分からない…。胡桃はランプを隅々まで撫でて手探りでスイッチを探し、それらしき物を指先で押し込む。するとカチッという音と共に明かりがつき、その周囲を照らした。

 

胡桃「よし…」

 

ランプを元の場所に戻し、少し明るくなった室内を改めて見回す。

目的の彼はベッドに横たわりながら天井をじっと見つめていて、気だるそうに声をかけてきた。

 

 

「…どうかした?」

 

胡桃「まぁ、ちょっとな」

 

答えながら彼の横たわるベッドに腰を下ろし、その顔を覗く。

相当疲れているのか、彼はかなり弱りきった表情をしていた…。

 

 

 

胡桃「何があったのか、りーさん達から聞いたよ。本当に…大変だったな」

 

「………」

 

彼は返事を返さずに胡桃からそっと顔を背け、そのまま背を向けてしまう。だが胡桃はそれを気にせず、彼に言葉をかけ続けた。

 

 

胡桃「元気出せ。って言っても難しいと思うけどさ…せっかく皆無事に帰ってこれたんだ、少しは喜ぼうよ…」

 

「………」

 

またしても返事がない…。

彼の態度に、さすがの胡桃も少しだけ落ち込みそうになる。

 

 

胡桃「………」

 

「………」

 

お互いが口を閉ざし、重苦しい空気に包まれる。

胡桃は横たわる彼の背を見つめたまま小さくため息をつき、もう一度声をかけた。

 

 

胡桃「りーさん、気にしてないってさ…。だから、そんなに落ち込まなくても…」

 

そこまで言ったその時、彼が顔を胡桃の方へと向ける。

彼がようやく反応した事に喜びかけた胡桃だったが、直後に放たれた彼の言葉は予想していないものだった…。

 

 

「もういいから…自分の部屋に戻りなよ…」

 

胡桃「え…っ…」

 

それだけ言って、彼はまた背中を向ける…。

思いもよらぬその言葉に胡桃はショックをうけ、放心状態になっていた…。

 

 

 

胡桃「………」

 

「………」

 

無言のまま、一分ほど彼の背中を見つめた…。

彼の寂しげな背中を見れば見るほど胸が締め付けられるが、何故か目を逸らせない…。

 

 

胡桃(あたし、邪魔だったかな…。余計なお世話…だったかな…)

 

そんな事を考えてしまうと自分まで落ち込んでしまい、今すぐにでもここから出ていきたくなる。ここから抜け出し、悠里達に謝ろう…。ただ一言『あたしには無理だった』と言い、そのまま広間に戻ればいい…。そう思って、胡桃は立ち上がろうとするが……

 

 

 

胡桃「ほんとに…大変だったよな…。疲れた…よな…」

 

無意識の内にそう言って、気づけば彼の頭に手を伸ばしていた。

胡桃は背中を向けながら横たわる彼の頭にそっと手を置き、優しく…ゆっくりと撫でた…。

 

 

「………」

 

胡桃「全部任せちゃって、ごめん…。お前はこんなになるまで頑張ったのに、あたしは何もしてやれなかった…」

 

「それこそ気にしなくていい…。僕一人で来るようにって言われてたから、仕方なかった…」

 

背中を胡桃に向けたまま、彼が返事を返す。

胡桃は彼の頭を優しく撫でながら、静かにその声を聞いていた。

 

 

 

「悠里さんには…本当に悪いことをした。凄く…怖かったと思う…」

 

胡桃「……気にしてないってさ」

 

「そんなわけないよ…。だって、あと少しで僕に殺されるところだったんだから…。口では『助ける』なんて言ってたクセに、実際は…何も出来なかった……。もしあそこにマコトさんが来なかったら、僕は由紀ちゃんの目の前で、りーさんを殺していた…」

 

胡桃「………」

 

「僕がここから出ていく前に、胡桃ちゃん言ったよね…『一人で上手くやるのなんか無理だ』って…本当にそのとおりだったよ…僕一人じゃ、みんなを助ける事なんか出来なかった」

 

小さな声でそう言う彼を見ているのが苦しくて、胡桃は何も言えない…。

ただ、どれだけ苦しくてもその頭だけは撫で続けていた。こうしていれば、彼が少しでも楽になるのではと思ったから。

 

 

「みんなと…会わなければよかった…。そうすれば、境野は由紀ちゃんと悠里さんに手を出したりしなかったのに…」

 

胡桃「会わなければよかった…か。それ、何気にショックだぞ」

 

冗談混じりに笑いながら告げる胡桃だったが、本当にショックだった。

一言『会わなければよかった』と言われるだけで、自分達と一緒にいた時間は退屈だったのだろうかとか、一人の方が気楽だったのだろうかとか、色々な事を考えてしまう…。

 

 

「由紀ちゃんも…僕なんかと会わなければよかったって思ってるハズだよ…」

 

胡桃「そんなわけないだろ…」

 

「由紀ちゃん、僕と目を合わさないんだ…。それもそうだよね、僕は彼女の目の前で…大好きな悠里さんを殺そうとした人間だから…」

 

胡桃「今はまだ気持ちの整理が出来てなくて、色々と戸惑ってるんだと思う…。だから、落ち着いたらまた由紀とも仲良くできるよ」

 

「…無理だよ。今回の事で、由紀ちゃんを完全に失望させた…。悠里さんも美紀さんも…それに胡桃ちゃんだって、僕にはガッカリしたハズだよ」

 

胡桃「そんなことない…。大丈夫だよ…」

 

「なにも…大丈夫じゃない……」

 

思っていたよりも彼の落ち込み具合は酷く、どうにも上手くいかない。

弱気な彼を前にして思わず泣きそうになる胡桃だったが、どうにか堪えて頭を撫で続けた…。

 

 

 

胡桃「本当に辛いなら…あたし達から離れていってもいいよ…」

 

「…うん、本当に…ごめん……」

 

謝る彼の背中がいつもより小さく見える…。

彼はきっと、今すぐにはいなくならない。ここに来るであろう境野の仲間達、それをどうにかした後で、一人ここから出ていくつもりなのだろう…。

 

 

胡桃「りーさんも美紀も、それに由紀だって…お前と会えてよかったって思ってるハズだよ。…でも、いくらあたしがそう言ったって、今のお前はそれを信じられないよな…」

 

「………」

 

彼は返事を返さなかったが、恐らくそれは当たっている。

いくら胡桃が言ったところで、自棄になっている彼はそれを信じられない…。

 

しかし、胡桃もまだ諦めてはいなかった。

彼女は一度彼の頭を撫でるのを止めてから自らの頭をそっと彼の背に埋め、小さな声で囁く…。

 

 

 

胡桃「実際、由紀や皆がお前の事をどう思ってるかなんて…あたしにだって分からない。多分そこまで悪いイメージは無いと思うけど、ハッキリと断言は出来ない。あたしは…皆の心を覗ける超能力者じゃないから…」

 

「………」

 

彼はただ、胡桃の声に耳をすます…。

胡桃は彼の背に頭を埋めたまま、自らも彼の横に寝そべった。

同じベッドに二人で寝そべる…。

いつもの彼ならこれに驚くだろうし、胡桃も顔を真っ赤にするだろう。

それほどの事をしているハズなのに、二人の心は不思議と落ち着いていた…。

 

 

 

胡桃「由紀達がどう思ってるかは分からないから、あたしに分かる範囲の事を教えてあげる…」

 

「………」

 

胡桃は彼の背中に額をつけたまま、その肩に手を乗せる。

そうして頭と手で彼に触れながら、彼女は小さく…けれども彼にはしっかりと聞こえるように囁いた…。

 

 

 

 

 

 

胡桃「あたしは…お前に会えて本当によかったって思ってるよ…」

 

「………」

 

胡桃「これは嘘やお世辞じゃなく、本心だから…。もし仮に由紀達がお前を信じられなくなったとしても…あたしは……あたしだけは絶対に、お前を信じ続けるから…」

 

彼はそっと振り返り、横に寝そべる胡桃の顔を見つめる。

胡桃はニッコリと微笑みながら、静かに起き上がった…。

 

 

胡桃「だからさ、出来れば…お前にはずっとそばにいてほしい。最期の時が来るまで…ずっと…」

 

「胡桃…ちゃん」

 

胡桃「お前がどうしてもあたし達から離れたいっていうなら、止めたりしないよ。お前が自分で決めたことなら、無理やりに止めたり出来ないから…。でもね、これだけはちゃんと伝えておく…。あたしはずっと…お前と一緒にいたい…」

 

彼もそっと起き上がり、胡桃と見つめ合う。

すると胡桃は突然彼の手を握り、その表情を曇らせた…。

 

 

胡桃「っ……あたしの手、ほんとに冷たいよね…?」

 

「…うん、そうだね…」

 

その体温が彼に伝わるようにしてから、静かに顔を俯ける…。

このタイミングで"あれ"を告げるべきか、胡桃は頭を悩ませた。

 

 

 

胡桃(今言うべき事じゃない気もする…。でも、ここで言わなきゃまた先伸ばしになって…余計に言い出せなくなる……)

 

一瞬乱れかけた呼吸を深呼吸して整え、胡桃は彼の目を見つめる。

右手は彼の左手を掴み、少しだけ震えていた…。

どんな反応をされるか怖くて仕方ないが、もう…隠してはいられなかった。

 

 

胡桃「…お前が由紀達を助けに行こうとした時、伝えなきゃいけない事があるってあたしが言ったの覚えてる?」

 

「…覚えてるよ」

 

胡桃「それ…今から言うから…。できるだけ、落ちついて聞いていてほしい…」

 

手はビクビクと震え、胸の鼓動がはやくなる…。

だがここまで言ったら退くわけにもいかず、胡桃は意を決した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「あたし…噛まれてるんだ……」

 

 

 

 

 

「…えっ?」

 

握っている彼の手がピクッと反応し、その表情がみるみる青ざめていく…。胡桃は彼が少しでも安心してくれるように、急いで薬の事を告げた。

 

 

胡桃「でもっ、あたしらのいた学校に薬があってさ…!あたし、ちゃんとそれ使ったんだよ」

 

「薬…?」

 

胡桃「そう、ワクチンみたいなヤツ…なのかな?それ使って、どうにか死なずに済んだんだ」

 

「…いつ、噛まれたの?」

 

胡桃「あたしらが学校にいた時だから、そこそこ前…」

 

「じゃあ、僕と会った時にはもう…」

 

少しずつ空気が重くなり、胡桃は不安になる。

隠していた事を怒られるかも知れない…。

また余計な心配をかけてしまうかも知れない…。

どんどん不安になり、早くも言い出さなければよかったと後悔しかけていた。

 

 

 

胡桃「内緒にしててごめんっ…!怖くて、中々言い出さなかった…」

 

「………」

 

胡桃「これを言ったら、またお前に心配をかけちゃうし…それに、薬の事なんか信じてもらえないかもって…ずっと不安で…」

 

「手が冷たいのは、そういう事だったのか…」

 

胡桃「ごめん…本当にごめんっ!」

 

瞳を潤ませながら、胡桃は頭を下げる。

彼の手を握る胡桃の手はビクビクと不安そうに震えていて、とても冷たかった…。

 

 

「なんで、言おうと思ったの…?」

 

胡桃「…言わなきゃダメだと思った…。いつまでも…隠し事してちゃダメだって…そう思って…」

 

「…そっか。でも、薬は効いてるんでしょ?」

 

胡桃「えっ…と……」

 

今の胡桃にとって、一番聞かれたくない質問だった…。

しかし同時に、一番伝えておかなくてはいけない事でもある。

胡桃自身もそれを理解していた…。

 

 

胡桃「最近、意識が薄れる時がある…。もしかしたらもう、ダメかも知れない……」

 

「………」

 

胡桃「だから…しっかりと伝えておきたかった…。あたしに何かあっても、お前になら由紀、りーさん、美紀…みんな任せられる。多分、あたしはもうダメだから…だからお前に全部…任せてもいいかな?大変だって分かってるけど、お前になら…」

 

「……無理だよ」

 

彼が突き放すようにして答える。

胡桃は彼の手をギュッと握りながら、力なく顔を俯けた…。

 

 

胡桃「そっ…か……。ごめん……」

 

俯けた胡桃の顔から、涙がポタポタと落ちていく…。

落ちた涙はシーツに染みをつくっていき、胡桃は肩を震わせていた。

 

 

胡桃「無理に止めたりしないよ…しないけどさ…。出来れば、あたしが死ぬまででも良いから、一緒にいてほしい…。そんな先の事じゃないと思うから…お願いっ…」

 

「………」

 

胡桃「あたしがああなったら、お前に終わらせて欲しい…だから、そばに……」

 

泣きながらそう言う胡桃を見た彼は深くため息をつき、彼女から離れてベッドから降りる…。胡桃は一人俯いたままベッドに座り、止めることの出来ない涙を流していた。

 

 

「もう、十分無理に引き止められてる気がする…」

 

胡桃「…ごめん」

 

「はぁ……いいよ、別に」

 

胡桃「………」

 

 

 

 

 

「まぁ、もし胡桃ちゃんが"かれら"と同じになったとして、それを放っておくのも…知らない人に仕止められるのも、なんか嫌だな…」

 

胡桃「!…じゃあ……!」

 

胡桃が期待を込めた眼差しで彼を見つめる。すると彼は少しの沈黙の後、観念したかのように答えた。

 

 

「……ああ、そばにいるよ…」

 

胡桃「っ……ありがとう…。ほんとに、ありがとう…」

 

より一層の涙を流しながら、胡桃はベッドに顔を埋める…。

彼はポケットから一枚のハンカチを取り出し、それを彼女へと手渡した。

 

 

「あんまり泣かれると気まずいんですが…」

 

胡桃「っ…ご、ごめん…。あたし、こんなに泣いたりしないタイプだったのに…」

 

ハンカチを受け取り、必死に涙を拭う。

彼が残ってくれるという事に安心したら涙も少しずつおさまり、胡桃はすぐに平常心を取り戻した。それに彼もまた、胡桃が部屋に訪れた当初よりも明るくなっている…。

 

 

「胡桃ちゃんが大変だって事も分かったし、一人で落ち込んでる場合じゃないか…。連中が攻めてくる前に由紀ちゃんと仲直りしたいけど、許してくれるかな…」

 

胡桃「多分、大丈夫だよ…。由紀は優しいヤツだから、きっと仲直りできる」

 

「…上手くいくと良いんですがね」

 

彼は扉の前へと歩みより、部屋をあとにしようとする。

それを見た胡桃もベッドから降り、彼の後ろへと立った。

彼はゆっくりとドアノブを捻りながら、背後に立つ胡桃へと声をかける…。

 

 

 

「胡桃ちゃん…ありがとね」

 

胡桃「…どういたしまして」

 

「もし君が"かれら"のようになったら、その時は僕が終わらせる。これは約束しておくけど、君がそうなるのをただ見ているつもりはない」

 

胡桃「えっ?」

 

「連中をどうにかしたら、僕も色々と探ってみるよ…。出来るなら、君の事を助けたい」

 

真面目な表情で言いながら、彼はそっと胡桃の事を見つめる。

思いもよらぬ発言を受けた胡桃は目を丸くし、彼の事を見つめ返した。

彼の言う『助けたい』とは、どういう事なのだろう…。

胡桃は思わず、彼にそれを尋ねた。

 

 

胡桃「それって、どう…すんの?」

 

「とりあえずは外に出て……」

 

胡桃「出て…?」

 

「…まぁ、その……え~……」

 

捻ったドアノブから手を離し、彼は頭を悩ませる…。

言ったはいいものの、どうすればいいのかは分かっていないらしい…。

 

 

胡桃「…特に作戦はナシと」

 

「……ごめん」

 

胡桃「いや、助けようとしてくれるその気持ちだけで十分だよ」

 

「………」

 

胡桃「もしかしたら、このまま悪化しないでいる可能性だってあるかもだし…」

 

彼の背をバシッと叩き、暗くなってきた空気を吹き飛すかのようにして胡桃は微笑む。しかし、そんな彼女を見つめる彼はどこか不安そうな表情をしていた…。

 

 

 

「先に言っておくけど…もし君がいなくなったら僕はまたさっきまでのダメな人間に戻ると思う。今の僕が落ち込まずに動けるのは…胡桃ちゃんがいるおかげだからね」

 

胡桃「あたしの…おかげ?」

 

「そ…。だからどうにか持ちこたえてよ。もし胡桃ちゃんが死んでしまったら…本当にどうすればいいのか分からなくなる…」

 

胡桃「…わかった、出来るだけ頑張るよ…。だからもう…『皆と会わなきゃよかった』なんて言うなよ。りーさん達が聞いたらショック受けるぞ…」

 

「……ごめん、もう言わないよ」

 

彼は申し訳なさそうに笑い、再びドアノブを捻る。

そうして胡桃と共に廊下へと出て、横に並びながら由紀の部屋へと向かっていった。

 

 

 

「…にしても…胡桃ちゃんの『伝えたいこと』ってのはかなりの衝撃だった…。ショック過ぎて死ぬかと思ったよ…」

 

胡桃「ご…ごめん…」

 

やはりかなりのショックだったらしく、彼は歩きながらまたため息をつく。それに対して胡桃が謝ると、彼はおかしそうに笑って言った。

 

 

「まったく…もしかしたら告白かな~とか期待してたのに、残念残念…」

 

胡桃「ずっと隠しててあんなタイミングで言ったあたしも悪いとは思うけど、あまり調子にのるなよ…。マジで怒るぞ…」

 

「ごめんごめん…冗談ですよ」

 

鋭い目付きで睨む胡桃を見て、彼が冷や汗をかきながら謝る。

でも…よく考えたら彼とこうしてふざけるのは久しぶりな気がして、胡桃はなんだか嬉しくなった。

 

 

胡桃(元気出してくれたみたいで…本当によかった…)

 

そんな事を思いながら彼を追い抜くと、その際に彼が小さく囁く…。

 

 

 

 

 

 

 

「絶対に……死なせないから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「ん?なに?」

 

ハッキリとそれを聞き取れず、振り返りながら聞き返す。

しかし彼はニヤリと笑っていて、それに答えてはくれなかった。

 

 

「…なんでもないよ」

 

胡桃「…そう」

 

そんなやり取りをして、二人はまた歩き出す…。

よく見れば廊下の奥…その突き当たりの窓際には宮野が立っており、こちらにそっと手を振っていた。

 

 

「あっ…、あの人は…」

 

胡桃「ああ、宮野さんか。あの人はあそこでああして、外を見張ってくれてんだよ。下手すりゃ、もうじき境野ってヤツの仲間が来るかもしんないからな」

 

「…そうだね。まずそれを切り抜けなきゃ、どうにもなんないか…」

 

歩きながら呟き、彼は由紀の部屋を目指す。

由紀との事に境野の仲間…どちらもとても不安なことだが、今の彼が最も頭を悩ませていたのは…胡桃の体の事だった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




未奈&弦次組は白雪ちゃんの活躍により…そして気持ちが沈んでいた彼は胡桃ちゃんの活躍により、どうにか元に近い状態になりました!

しかしながらまだ由紀ちゃんとは仲直り出来てませんし、何よりも主人公君は胡桃ちゃんの事が心配でなりません…。彼はかなり明るさを取り戻したように見えますが、実際はかなりキツい状況のハズです。胡桃ちゃんといつまで一緒にいられるのか…救う方法は無いのか…そんな事ばかり考えているのではないでしょうか…(-_-;)

次から次へと…悩みの種は尽きません…



因みに私…『胡桃ちゃんが完全にメインヒロインになってるよぉ…』などと思いながら今回の話を書いていました(^_^;)

一瞬とはいえ、彼と同じベッドに寝そべりましたからね…。
彼が落ち込んでいる状態だったからよかったものの、もし元気な状態だったらそのまま襲われてたかも分かりません…(汗)
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