軌跡〜ひとりからみんなへ〜   作:チモシー

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今回は短編をそれぞれのメンバー分、5話連続掲載する事にしました。

タイトルの通り、彼らの休息時間を描いた内容になっています。

ちょっとした番外編なので本編との違いを出すために、全ての短編が殆どキャラのセリフと効果音のみで進行します。(ナレーションがありません。)


この短編の1話目は彼の話ですが、5話ともキャラの視点が違うだけで同じ日、同じ時間が舞台なので、読む順番は好きにしてくれて問題ないです。





第三章・きゅうそく
短編-それぞれの休息『彼の場合』


「………。」ペラッ

 

 

「………へへっ。」

 

 

「………。」ペラッ

 

 

「…………えへへっ。」

 

 

 

胡桃「…………。」

 

 

「…………。」ペラッ

 

 

「……へへへっ。」

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「気持ちわりーよ!!」

 

 

 

「うわっ!胡桃ちゃん!?いつの間に戻ったの?」

 

 

 

胡桃「2分くらい前からな、…てかさっきも一回来たぞ?気付けよ。」

 

 

 

「いや~。少し夢中になりすぎたね。」

 

 

 

胡桃「…それ、この間寄った本屋で見付けた漫画?」

 

 

 

「うん、由紀ちゃんにオススメを選んでもらったんだけど…中々面白いね。」

 

 

胡桃「ふーん……ギャグ漫画?」

 

 

「そう。胡桃ちゃんも見る?」

 

 

胡桃「あ~…今は由紀と遊んでる途中だから、また後で見せてよ。」

 

 

 

「うん。…(ちな)みに何して遊んでるの?」

 

 

胡桃「野球。」

 

 

「二人で?」

 

 

胡桃「って言ってもお互いバッターとピッチャーを交代でやっていって多く打てた方の勝ちってやつだけどな。」

 

 

「はぁ、なるほど。…胡桃ちゃんはなんで途中で車に戻ったの?」

 

 

胡桃「~~!…トイレだよ!!」

 

 

「ああ…これは失礼。」

 

 

胡桃「マジで……だいぶ失礼だぞ。」

 

 

「悪かったって…で、野球はどっちが勝ってるの?」

 

 

胡桃「どっちだと思う?」

 

 

「…胡桃ちゃんでしょ?」

 

 

胡桃「ふふん♪内緒だ!じゃああたしは由紀の所に戻るな。」スタスタ

 

 

バタン!

 

 

「……あの顔見せられたら内緒にする意味無い気がするけど…まぁいっか。」ペラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十分後。

 

 

 

「………。」パタン

 

 

「読み終えてしまった…面白い漫画だったな。」

 

 

「さて、片付けておくか…。」ガサゴソ

 

 

「………ん?この本は……あ!そういえばあの時胡桃ちゃんに渡そうと思って取ってきたんだった!忘れてた!」

 

 

「後で渡すか…。」

 

 

「さてさて…何をしようか。」

 

 

(車に一人残っていても暇だなぁ……そういえば車内でこんな長い時間一人で過ごしたの始めてかもな、今までの最長は5分くらいか?)

 

 

(今回はもう1時間は一人(途中で胡桃ちゃんが来たけど)でいるな。)

 

 

(まったく…警戒心の無い人達だ。……残っているのが僕だから良いものの、人が人なら今の内にあの人達の下着探したりするぞ、きっと……。)

 

 

(本当に僕で良かったよ…。)

 

 

 

(………。)

 

 

(……………。)

 

 

(…………………。)

 

 

(……………………あの人達って着替え何処にしまってたっけ?)スタスタ

 

 

(この引き出しだっけ?)ガラッ

 

 

(違うか……ここは医療品しかない。)パタン

 

 

(えっと…僕の着替えはいつも洗濯後にりーさんが手渡しで渡してくれるんだよな。そしてその後、僕自身の手で僕のカバンにしまわれる…。)

 

 

(ならば皆もそれぞれ自分のカバンに!?)スタスタ

 

 

(いや…。)ピタッ

 

 

(それは無いな、皆結構服持ってるみたいだし、カバンにしまっておくなんて僕のように少ない数しか服を持っていない人間しか出来ない。)

 

 

(……手当たり次第に棚開けるか。)スタスタ

 

 

バタン!

 

 

「!!」ビクッ!

 

 

美紀「?__さん何してるんですか?食品棚なんか開けて…お腹空いたんですか?」

 

 

(…そういえばここは食品棚だったな、いつもりーさんが開けるの見てるのに何で忘れてたんだろ……楽園を前に判断が鈍ったようだ。)パタン

 

 

「ううん、ちょっとその……在庫チェックしてました!」

 

 

美紀「ああ、そうですか。…まだ十分食糧ありますよね?」

 

 

「はい大丈夫!まったく問題無しです!!」

 

 

美紀「良かったです。」スタスタ

 

 

「りーさんは?」

 

 

美紀「洗濯物を干した後で由紀先輩達の所に行くみたいです。…私はこの本の続きを読みに戻ってきました。」ペラッ

 

 

「ああ、この間の……それホラー小説ですか?」

 

 

美紀「はい、よくわかりましたね?」

 

 

「表紙の感じで何となく……美紀さんホラー好きなんですか?それとも小説だけ?」

 

 

美紀「ホラーはわりと好きですよ、映画とかもよく見ました。」

 

 

「気が合いますね。…実は僕もホラー好きなんですよ、主に映画ですが。」

 

 

美紀「本当ですか?じゃああれ見ました?あの……」

 

 

(…今更ながら、僕はもう一人じゃないんだよな。)

 

 

 

(前までは一人が楽だと思ってた…一人なら誰に裏切られる事もない…あの時の僕はまた誰かに裏切られる事を心の底から恐れていた。)

 

 

(……のわりには、この人達の誘いは簡単にうけてしまったな。…雰囲気が良かったからか?)

 

 

(なんにせよ、今はこの人達の事を心から信頼している。……あ、もしかして皆も僕を信頼してるから車に一人残してたのかな?…でなきゃ車盗まれるかも知れないもんな、キー置きっぱなしだし。)

 

 

(まったく、下着を探していたさっきの自分が恥ずかしいよ。もう二度としない…バレたらまたりーさんに説教されるし。)

 

 

(………美紀さんの声が心地良い……眠くなってきた。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(…本当に……幸せな毎日だ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






彼も人間、あんな女の子達に囲まれてたらそりゃあ隙を見て下着くらい探しますよ。

…ですが、りーさんの説教が怖いので多分もうやらないと思います。
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