凄く久々の【いせかいぐらし!】です〜(汗)
こちらでどうしても書きたい話があってかなり前から構想自体はしてたのですが、中々書けないまま放置し続けてしまいました…(@_@;)
本当に久々なので軽いあらすじを………。
【ある日、学園生活部と彼、真冬の6人は異世界である“エテポロン”で目が覚める。剣や魔法、魔物が存在する世界で目覚めた6人は元いた場所とはまるで違うこの世界の様々な事に戸惑いつつも成長し、この世界に生きる人々の助けとなる存在…“学園生活部”という名の便利屋を開く。しかし彼はこの世界をもっと知るべく旅に出て、胡桃もそれに同行。そして真冬もまた、一人旅立つ事にした】
というところが前回までのあらすじです。今回のお話はそれから数日後が舞台であり、真冬ちゃんに焦点を当てた回となっています!少しでも楽しんでもらえたら幸いです!!
真冬「…ここに来るのも久しぶりだな…」
由紀達と別れた数日後、真冬は城下町から遠く遠く離れた場所にある森の中へ足を踏み入れ、その奥を目指していた…。大小様々な種類の樹木や植物がズラリと並ぶ森は空から降り注ぐ日差しを傘のように遮っているが、所々で木漏れ日が射して草の生い茂る地面を照らしている…。辺り一面を緑に囲まれているからか、やはり空気も美味しい気がした。
狂暴な魔物の気配も殆どなく、木々の陰から顔を覗かせるのは可愛らしいリスや小鳥ばかり…。真冬はその小動物らに笑みを向けながら奥へ奥へと進み、そして目的の場所にたどり着く。
広大な森の中、開けた場所にポツリと建つ小さな家……。
おとぎ話に出てくる妖精や小人が住んでいそうなその家は一見すると綺麗に見えるが、そばに寄ると窓や扉についている埃が目立つ。また、屋根から伸びている細い煙突からは少しの煙も出ていない…。これだけ見ると誰も住んでいない空き家のようだが、真冬はその扉を遠慮無く叩く。
…コンコン
数回ノックしたが、やはり返事は無い…。
ため息をつきながらドアノブに手をかけてみると、扉はあっさりと開いた…。鍵などかかっていなかったようだ。
真冬(無用心にも程がある……)
なんて事を思ったりもしたが、こんな森の奥に来る人間などいないだろうから別に良いのかも知れない。真冬はそのまま扉を開き中へ足を踏み入れると、ふわっと舞い散る埃に咳き込みながら奥へと進む…。
一歩進む毎に床板がギシギシと音を立て、積もっていた埃が宙を舞う。かなり汚れているようだが、いったいどれだけの間掃除をしていなかったのだろう…。身に纏っていた黒いローブの袖を口元に当てつつ呆れた表情を浮かべながら奥に進み、また一つの扉を開く…。
幾つかの本棚とクローゼット、そして一つのベッドがあるその部屋の隅には小窓があったがカーテンが閉められており、辺りがやたらと薄暗い。真冬はカーテンを開いて外の明かりを部屋に取り入れるとそばにあるベッドの膨らみを右手で叩き、その内に潜む人物の身を揺らす。
真冬「ねぇ、起きて………」
……………返事はない。
その後も引き続きその人物の身を揺らし、声をかけて起こそうとするが、聞こえるのは『すぅ…すぅ…』という心地よさそうな寝息だけ…。
真冬(まったくもう………)
頭から爪先までをシーツで覆ったまま起きる気配の無いその人物を見ている内に我慢の限界が訪れたので、真冬は強行手段をとる事にした…。ベッドシーツをガシッと掴んで勢いよくガバッ!と捲りあげ、内にいた人物を晒し出す。そこには真冬と同じくらいの背丈をした、長い銀髪の少女がいた…。少女はシーツを奪われた事で肌寒さを感じ少しだけ眉をしかめたが、ベッドの上で身を丸めたまま起きようとしない…。
真冬「お~い、起きて~……」
今度はさっきよりも強く身を揺さぶり、声をかける。
…が、少女は起きない。
かなり深い眠りについているようだ。
真冬「この…っ……」
ここまでしても起きてこないと、さすがに腹が立つ。
真冬はベッドの端から垂れている少女の銀髪を右手に掴み、それをグイグイと引っ張りながら耳元で名前を呼ぶ。少し痛いかも知れないが、このくらいしないと何時までも起きないだろう…。
真冬「朝だよ……ルルカ…」
グイッ!グイッ!!
腰の辺りまで達するくらいはあろう長い髪の毛を遠慮なく引っ張り、何度も名前を呼ぶ。するとその少女…ルルカは『う~…ん……』と呻き声をあげながら右目だけを開き、相変わらずベッドに横たわったまま真冬を見つめる。
ルルカ「あの……朝が来たことを教えてくれるのは…ありがたいのだけど……あまり髪を引っ張らないでほしいわ…。少し…痛い……から…」
真冬「だって、こうでもしないと起きそうになかったから…」
掴んでいた髪を離し、ベッドから降り立ったルルカと向かい合う。
何度も髪を引っ張ったからか、ルルカはうっすらと開いた瞳に涙を浮かべていた…。眠たげに開いている瞼から覗く紫色の瞳も、腰まで伸びている長い銀髪もキラキラとして美しく、人形のような容姿をしているルルカだが…一度寝たら簡単には起きなかったり、片付けが出来なかったり、何を考えているか分からなかったり、女性として残念な所が多々ある。
ルルカ「…そう言えば、少し…久しぶり…?」
真冬「うん、久しぶりに会うね…」
ルルカ「例のお友達とは……会えたのかしら…?」
真冬「会えたよ。けどちょっと調べたい事が出来たから戻ってきた」
真冬がそう告げるとルルカは小さく首を傾げながら横を通り過ぎ、部屋の扉を開けてどこかへ向けて歩き出す。真冬はそのあとに続き、そのままルルカとの会話を続ける。
ルルカ「調べたい事……?」
真冬「うん…。実はこの前、みんなと一緒に焔の王を倒しに行ったの…。けど、目撃情報があった場所にヤツはいなかった。いたのは穂村っていう偽者。まぁその偽者は…前の世界でボクと一緒に行動していた知り合いだったんだけど」
ルルカ「へぇ……そう………。で、調べたい事というのは…何かしら…?」
トコトコと歩く内にキッチンへとたどり着き、ルルカは棚に手を伸ばす。
そしてその中をゴソゴソと漁って小さなパンを取り出すとそれを口に咥え、またトコトコと歩き出してから近くにあったソファーへと腰を下ろした。このソファーもまたかなり掃除していなかったらしく、ルルカが座った途端に埃が舞う…。
真冬「国の人達は今、やはり焔の王は復活してなどいなかったのではと考えている。けど、それは間違いだよね?」
ルルカ「……まぁ……そうね……。
半分間違い…半分正解……という感じ…?」
真冬「……どういう事?」
ルルカ「いえ……少し適当な事を言ってみただけ…。少なくとも、焔の王は……今もどこかに存在していると思うわよ…」
重たそうな
真冬「何でも良いから、焔の王について分かってる事とかない…?」
ルルカ「そう…ね………何か、あったかしら……」
『う~ん』と唸りながら顎に手を添え、ルルカはそっと目を閉じる…。
そして数十秒の時が経った頃にその目を再び開き、隣に座る真冬の方へと視線を向けて口を開く。
ルルカ「特に、無いわね……」
真冬「………役立たず」
ルルカ「あら……酷い……」
大して悲しくも無いだろうに、ルルカは両手の指を目元へ添えて『え~んえ~ん』とでも言うような泣きジェスチャーをとる。当然、瞳から涙なんて出ていないし、そもそも全く悲しそうな表情をしていない。いつも通り無表情なままだ。
彼女は少しの間泣き真似を続けたが、真冬の反応が薄いという事実に気付いてからそれを止め、今度は意味なく左右に揺れ出す…。ほんの数センチだけ、メトロノームのように身体を揺らし始めたルルカは真冬の方を見つめながら不思議そうに尋ねた。
ルルカ「焔の王……そんなに倒したいの……?」
真冬「早い内に倒した方が国の人が喜ぶからね…。出来るのならルルカにも手伝って欲しいんだけど…」
ルルカ「嫌よ…。私…戦うの苦手だもの………。戦いなんて、疲れるだけで良い事なんて何も無い……。ベッドの上で寝てる方がよっぽど楽だし…幸せよ……」
まったく、なんて無気力な女なのだろう…。少しでも多くの戦力が欲しかった真冬はルルカの発言を聞くなり、呆れたように頭を抱える。
ルルカ「……それに、"あれ"とは出来るだけ関わりたくないのよね…。役に立てなくて悪いとは思っているのだけど………真冬達だけでどうにかして欲しいかしら…」
真冬「……分かった。まぁ、みんなと一緒ならなんとかなるかな」
ルルカ「そうそう…なんとかなる…」
本気でそう思っているのか、それとも適当に返事をしてるだけなのか………ルルカとの付き合いはそれなりに長い真冬でも、彼女が何を考えてるのか理解出来ない。
真冬「ああ、そうだ。これからしばらくの間、ここに泊まっていい?」
ルルカ「え……お友達のとこ、戻らないの…?」
真冬「もちろんいつかは戻るよ。けど、今はしばらくここにいる。厄介なヤツと戦う前に色々準備しておきたいし、もっと戦えるようにもなりたい…」
ルルカ「…そう……じゃあ、好きなようにしたら良いわ……」
ここまではどうにかやってこれた…。
けど、この先どうなるかは分からない…。
これから先、どんな苦難が待っていようと皆を守る為……皆と一緒に幸せな時を過ごす為、真冬は更に努力をする。大好きな友達と、いつまでも一緒にいたいから…。
いせかいぐらし!の方は結構前から数話書き溜めていましたので、ある程度進むまでは週一くらいで更新出来たらなと思っています…!!
と、こちらは本編とは少し違う異世界編なので、その回の登場人物の特徴なんかをある程度紹介していこうと思います!!!
“狭山真冬”
学園生活部や彼よりも一足先にこの異世界へとやって来ていた。
少し待っていればみんなもきっとこの世界にやって来ると信じていた真冬はある人物のもとで魔法を習い、“大魔法使いウィンター”と呼ばれる程に成長する。“大魔法使い”というのは膨大な数の魔法を使いこなす者だけが名乗れる一種の称号であり、真冬ともう一人の人物しかその称号を持っていない。“ウィンター”というのはゲーム好きな真冬が自分で考え出したこの世界での名前。
“ルルカ”
ルルカというのは愛称、フルネームを知るのは真冬のみ。
真冬と同い年かそれ以下に見えるが年齢不詳。
とある森の中にある小屋でずっと一人暮らしをしている。
めんどくさがり。睡眠大好き。