軌跡〜ひとりからみんなへ〜   作:チモシー

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出来れば全部見て欲しい。そんな全5話の短編の5話目です。この順番で読め!ってのは特にないので、好きな順番で見て下さい!


短編-それぞれの休息『由紀の場合』

 

胡桃「……で?何する?」

 

 

由紀「ん~…。キャッチボールでもしよ?たしかボールあったよね?」

 

 

胡桃「ああ、それなら野球でもしようぜ。バットもあるし。」

 

 

由紀「いいよ!沢山打った方の勝ちね!」

 

 

胡桃「よし!じゃあちょっと取ってくる。」スタスタ…

 

 

由紀「…そういえばこの間の掃除の時にボールとバットセットにして移動させちゃったけど。胡桃ちゃん見付けられるかな?…でもそんな見付けにくい場所じゃないから、まあ大丈夫か!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由紀「…お!帰ってきた!!」

 

 

 

由紀「お帰り~!早かったね?」

 

 

胡桃「両方ともセットでしまってあったからすぐに見付かった。…あたし達の中に野球する気満々なヤツがいるみたいだ。」

 

 

由紀「あ!それ私。」

 

 

胡桃「お前かよ!」

 

 

由紀「えへへ、ボールとバットはセットでしまった方が良いかな~って思って。」

 

 

胡桃「まあ良いけどさ……。んじゃあ三球交代の…えっと……十セットで良いか。…どっちから投げる?」

 

 

由紀「私から投げる!」

 

 

胡桃「りょーかい。じゃあほれ…ボール。…んでバットはそのままあたしが持つと。」

 

 

由紀「シャベルじゃなくて良いの?」

 

 

胡桃「野球の時までシャベルは使わねーよ!」

 

 

由紀「へぇ~。…じゃあ投げるよ~!」

 

 

胡桃「良し!来い!!」

 

 

 

 

 

由紀「えいっ!」シュッ!

 

 

 

 

 

 

胡桃「よっ!」カンッ!

 

 

由紀「うっ!いきなり~?」

 

 

胡桃「ああいきなりだ。まずあたし1点な?」

 

 

由紀「う~ん…まぁまだまだこれからだよ!」

 

 

 

 

__

____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由紀「とうっ!」シュッ!

 

 

胡桃「ほっ!」カキンッ!

 

 

 

由紀「あ~!結局3球全部打たれたぁ!」

 

 

 

胡桃「まあまあ、まだ始まってばかりなんだから…そんな落ち込むなよ。」

 

 

由紀「うーん、そうだね。とりあえずは攻守交代だよ!…バット貸して?」

 

 

胡桃「その前にボール拾ってこいよ。バットはそれからだ。」

 

 

由紀「ちぇっ!ごまかせると思ったのに…、もうボール拾い3回目だよ。」

 

 

胡桃「そりゃあ3回打たれてるからな。」

 

 

由紀「胡桃ちゃんのいじわる!」スタスタッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由紀「さあ!拾ってきたよ!バットちょうだい!!」

 

 

胡桃「オッケー。」

 

 

由紀「ふっふっふ…胡桃ちゃんにもボール拾いの辛さを味あわせてあげるよ。」

 

 

胡桃「やれるもんならな!いくぞ?」

 

 

由紀「うん!」

 

 

 

胡桃「そりゃ!」シュッ!

 

 

由紀「やっ!」ブンッ! スカッ…

 

 

 

 

胡桃「いよし!!」

 

 

由紀「何今の!速すぎだよ!!打てるわけ無いじゃん!」

 

 

胡桃「お前とは出来が違うのだよ!」

 

 

由紀「う~!次だよ!次!」

 

 

 

 

 

 

 

___

 

_____

 

 

 

 

十五分後。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「そりゃ!!」カキンッ!!

 

 

由紀「わわ!!また打たれた!!!」

 

 

胡桃「止まって見えるぜ!!」

 

 

由紀「もう16点目だよ!」

 

 

胡桃「今ちょうど7ゲーム終えて…あたしが16点、由紀が4点。」

 

 

由紀「もう勝つの無理じゃん!!それに21球中16球も打たれると嫌になるよ!」

 

 

胡桃「まあヒット性の当たりは点になるルールにしたからな、そんくらいいくだろ。」

 

 

由紀「もうボール拾い行くの疲れた!!」

 

 

胡桃「打たれるお前が悪いんだから、取ってこい!!」

 

 

由紀「もうやめようよ~!」

 

 

胡桃「ったく…。分かった、次あたしが投げる3球の内1球でも打てたらそのままお前の勝ちにしてやるよ。…だから探して来い!」

 

 

由紀「ほんとに?じゃあ探してくる!」スタスタ

 

 

胡桃「あ!あたしちょっとトイレだけ行ってくるな?」

 

 

由紀「うん分かった!」

 

 

由紀「さて…さっきの結構飛んでたから、探すの大変だよ…。」スタスタ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由紀「ボールやーい!」スタスタ

 

 

由紀「どこだろ…、もしかしてその草むらの中かな?…だとしたらメンドーだなぁ。……でももうこの辺しかないよね……。…仕方ない、探そ。」

 

 

由紀「う~。」ゴソゴソ

 

 

由紀「無いよぉ~。」ゴソゴソ

 

 

由紀「胡桃ちゃんが容赦しないから~。まったく!少しは手加減して欲しいよ!!」ゴソゴソ

 

 

由紀「……。」ゴソゴソ…ピタッ。

 

 

 

由紀「…胡桃ちゃん。本当に運動神経良いよね…。」

 

 

 

由紀「__くんも胡桃ちゃんと同じくらい強いし……。りーさんとみーくんは私達の身の回りの事全部やってくれる。」

 

 

 

由紀「私は……。」

 

 

 

由紀「何も出来ない…。この間も私、空彦君に捕まって皆に迷惑かけたし。……そのせいで__くんも少しの間元気無くなっちゃった…。」

 

 

由紀「………迷惑かけてばかりだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由紀「……落ち込んでても…強くなれないよね。」

 

 

 

由紀「がんばろう…いつか皆の役にたてるように」

 

 

由紀「そうと決まれば、まずは運動神経を良くしないと!」

 

 

由紀「その為の一歩として、私は胡桃ちゃんに勝つ!……野球でだけど。」

 

 

由紀「あ…そっか。ボール探してる途中だったね。」

 

 

由紀「ん?そこ?…。ゴソゴソ……あ!あった~!」

 

 

由紀「ちょっと遅くなっちゃった。胡桃ちゃんもう待ってるよね?」スタスタ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由紀「あれ?まだいない。長いトイレだなぁ~。」

 

 

由紀「……。」

 

 

 

 

 

由紀(少しずつでも…皆の役にたてる私になっていこう。)

 

 

由紀(これからも…ずっと皆といれるように。)

 

 

 

由紀「……あ、胡桃ちゃんやっと戻ってきた。」

 

 

由紀「まったく!人を待たせてるのに歩いてるよあの人は!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタスタ…

 

 

由紀「遅いよ!胡桃ちゃん!!」

 

 




がんばれ由紀ちゃん!…そんな1話でした。ただ由紀ちゃんは笑顔でいるだけで皆の支えになっているのですが…本人はもう今一つ、自覚が出来ていないようです。
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