軌跡〜ひとりからみんなへ〜   作:チモシー

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第三十六話『みんなと』

 

 

胡桃「…最後に網を乗せて……よしっ!準備オッケー!」

 

皆が川辺に集まった後、胡桃は美紀と協力してバーベキューコンロの準備を済ませる。並べられた炭がパチパチと音を発てながら所々を真っ赤に光らせ、微かな火柱をあげる中、胡桃は最後の仕上げにと銀色の焼き網を乗せた。

 

 

 

慈「お疲れさまでした。熱かったでしょう?少し休んでて」

 

胡桃「気持ちはありがたいけど…そういう訳にはいかないんだよな」

 

準備を済ませたコンロのそば、慈はトングを手にして用意した食材をその網の上に乗せていこうとする。彼女は少しの間胡桃を休ませようとしたが、胡桃は川辺に広がる小石の上をスタスタと歩き、三メートル程離れた所に用意しておいたもう一つのバーベキューコンロの前に立つ。それの中にある炭もまた火をつけておいたのだが、これには網ではなく、真っ黒い鉄板が乗せられている。

 

 

 

 

胡桃「ふふん…。おい、お前っ!あたしに対して、料理の出来る女子っていうイメージはあるか?」

 

「…へっ?いや、まったく…」

 

川辺にあった大きな岩の上に腰かけつつ、彼はあっさりとそう答えた。『料理の出来る、家庭的な女子』…。悠里ならともかく、胡桃には全くそんなイメージがない…。

 

 

 

胡桃「ぐっ…!待ってろ。お前の中でのあたしのイメージを一新してやるっ!」

 

胡桃は少しだけ悔しそうな表情を浮かべた後、そばにあったクーラーボックスからあれやこれやと様々な物を取り出していく。どうやら、とびきりの自信作を彼に…いや、皆にだろうか……とにかく、彼女は何かを作ってくれるようだ。しかし、胡桃が美味い料理を作ってくれるイメージがどうしても思い浮かばない為、彼のテンションは上がりも下がりもしない。

 

 

 

「まぁ……がんばって」

 

胡桃「なんだよその目っ!?ちょっとは期待しろって!!」

 

胡桃のそんな言葉を聞き流しつつ、彼は岩から腰を下ろす。そうして慈達がいる方のバーベキューコンロへと歩み寄ると、その上には肉はもちろん…ピーマン、ニンジンや椎茸などの野菜が綺麗に並べられており、ジュージューと音を鳴らしていた。

 

 

 

慈「まだ乗せたばかりで焼けてないから、もう少しだけ待ってね」

 

由紀「らじゃ~!」

 

と言いながら、用意していた肉をトングで更に並べていく由紀…。気づけば焼き網の上は大混雑しており、食材がギュウギュウ詰めだ。

 

 

 

慈「丈槍さん、乗せすぎっ!少しずつ焼いていかないと!」

 

由紀「え~っ!だってみんな食べるんだよ?いっぱい焼かないとすぐに無くなっちゃうよ!」

 

慈「大丈夫よ。そんなすぐには無くならないから」

 

由紀が雑に並べた肉達の位置を整え、慈は『ふうっ』とため息をつく。最初の頃と比べると日差しも落ち着いてきたし、川辺にいるおかげでいくらか涼しいが、やはりコンロのそばは暑い…。慈が額に流れた汗を手の甲で拭っていると、その背後から美紀と真冬が顔をピョコっと覗かせた。

 

 

 

 

美紀「私達がやっておきます。なので、佐倉先生にはおにぎり作りを任せても良いですか?本当は私達でやろうと思ったんですが…真冬がおにぎり握れなくて…」

 

真冬「何度やっても、何故か寿司みたいなカタチになる…。全然上手く出来なくて、もう泣きたい…」

 

慈「そんなことで泣いちゃダメよ…?じゃあ、おにぎり作りは私がやってくるから、ここは狭山さんと直樹さんに任せるわね」

 

その場を美紀、真冬に任せ、慈は少し離れた所に置かれていた折り畳み式のテーブルへ寄る。これもコテージにあった物で、美紀がここまで運んできてくれた。そしてそのテーブルの上には、電源コードが抜かれた状態の炊飯器が…。中には炊きあげて間もない白米が入っており、慈はそばにあったラップを手のひらに広げてから、しゃもじですくったその米を握っていく。

 

 

 

 

慈(…あれ?そういえばこの炊飯器、コテージにあったやつだよね?何でここにあるんだろ?)

 

握っている内、ふとそんな事を思う…。元々おにぎりはコテージの中で作る予定だったのだが色々と準備している間に忘れてしまい、気付けば今、慈は屋外でそれを握っている…。疑問を抱きながらせっせと手を動かしていると、その答えを知っている人物が後ろから現れた。

 

 

 

由紀「それ、わたしがここまで運んできたんだよ。外でつくった方が、おにぎりもおいしくなると思って♪」

 

慈「あっ…そうだったのね」

 

まるで心を読んだかのようなタイミングでそれを告げられ、慈は苦い笑みを浮かべる。ただ、由紀の言ってる事も分からなくはない。こうして、川のせせらぎや炭のパチパチという音を聴きながら握るおにぎりは、やたらと美味しそうな出来に仕上がった。

 

 

 

慈「よし、まず一個…。もしよければ、丈槍さんも手伝ってくれる?」

 

由紀「うん!いいよ~♪」

 

笑顔で答える由紀を見て、慈もニッコリと微笑む。由紀は慈と同じようにラップを手に広げ、その上へ白米をドサリと乗せていった。

 

 

 

由紀「うわっ!あちちっ…!!」

 

慈「わっ!?い、一気に乗せすぎっ!!どれだけ大きなおにぎりを作る気なのっ!?」

 

慈はしゃもじを手に取り、由紀の手に乗っている白米の山を削り取る。彼女がそうして削った白米を炊飯器の中へ戻す一方、由紀はラップ越しに触れている白米の熱さに震える。

 

 

 

由紀「あちっ…!あちっ…!!め、めぐねえ…熱くないの…??」

 

慈「丈槍さんはたくさん乗せたから熱かったの!少しずつ乗せていけば平気です!」

 

由紀「う、う~ん…たしかに、めぐねえが減らしてくれたら少し楽になったかも」

 

少量になった白米をゆっくりと手で包み、ギュッ、ギュッと握っていく。しかしそれは慈のおにぎりとは違ってどこか不格好に見え、由紀は『む~っ』と唸り声をあげる。

 

 

 

 

由紀「む、むつかしい……」

 

慈「私の手、よく見てて?お米をこうやって持って……」

 

由紀「……こう?」

 

慈「うんっ。そうしたら次は…そのまま握って形を整えて……」

 

由紀に見やすいように手を動かし、慈はおにぎりの作り方を彼女に教えていく。作り方と言っても本当に簡単なものなのだが、それでも由紀は一生懸命に頑張って、目を輝かせていた。

 

 

 

 

由紀「……おおっ!?見てっ!うまくないっ!!?」

 

慈「うんっ!上手っ!!良くできました♪」

 

綺麗に握られたおにぎりを見せた直後慈に褒められ、由紀は満面の笑みを浮かべる。その光景はまるで、仲の良い母娘(おやこ)が並んで楽しげに料理をしている様のようだ。

 

 

由紀「りーさんっ!見て見てっ!わたしが握ったんだよ!」

 

由紀はそばに置かれていたもう一つのテーブルへと駆け寄り、そこにいた悠里に自分が握ったおにぎりを見せる。悠里はテーブルの上にまな板を置き、食材を程よい大きさに切っているところだった。

 

 

悠里「あら、上手く出来てるわね。すごいじゃない」

 

由紀「えへへっ、そうでしょ~!るーちゃんも見て見て~」

 

るー「おいしそう。食べてもいい?」

 

由紀「もっちろんだよ!!はい、どーぞ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……微笑ましい」

 

それを離れた所で見つめていた彼はポツリと呟き、ニコリと微笑む。一方、食材の焼き加減を見るのに夢中だった美紀は彼が何の事を言っているのか分かっていない。

 

 

美紀「何がですか??」

 

真冬「由紀達の事でしょ…。確かに、のほほんとする光景だよね…」

 

 

 

「まぁ……のほほんとしてるのは、こっちも同じだけど…」

 

数メートル先の慈、由紀から目線を外し、そばにあるバーベキューコンロ…その前にいる美紀、真冬を見つめる。二人は焼けた肉や野菜を然り気無く食べていき、空いたスペースにトウモロコシを置いていた…。

 

 

 

美紀「…………」

 

真冬「…美紀、醤油とって」

 

美紀「はい、どうぞ……」

 

真冬「どうも………」

 

二人は互いの前にトウモロコシを丸々一本ずつ置き、それをトングで転がしていく…。少し焼けた表面に醤油をたらすとそれが網の下へと落ちて『ジュ~ッ!』という音が響いた。トングにつつかれて転がるトウモロコシを真顔で見つめつつ、美紀と真冬は焼けた物をつまみ食いしてリスのように口を動かしている…。その光景はやたらとシュールだが、どこかほのぼのもする。

 

 

 

(このトウモロコシ…どっちが用意したんだ?…というか、普通にいい匂いだな)

 

祭りなどで売られている焼きトウモロコシと同じような香ばしい匂いが辺りに広がり、余計に空腹感が増す。するとそんな彼の思いを察したのか、美紀が一枚の紙皿の上に焼けた肉や野菜を乗せ、それを手渡してきた。

 

 

 

美紀「はい。どうぞ」

 

「あ、あぁ…ありがとう」

 

同時に手渡された割りばしを使ってそれを口へと運び、モグモグと噛みしめる。持ってきた肉や野菜は高級な物などではなくどれも一般的な値段の物だが、炭火で焼いた事、外で食べているということが重なり、かなり美味しく感じた。

 

 

 

真冬「歌衣(うい)さんも…はい。こっちは胡桃に持っていってあげて」

 

歌衣「わぁ…ありがとうございます。じゃ、いただきますね」

 

焼き上がった食材の乗った二つの紙皿を手に、歌衣は胡桃の方へと向かう。胡桃も胡桃で何かを作っている最中だったのであまり手は離せないようだったが、それでも合間合間に紙皿の上の食べ物に手をつけて笑顔を見せていた。

 

 

 

胡桃「やっぱり外だと違うな」

 

歌衣「はいっ、そうですね♪」

 

大好きな胡桃が一緒だからなのだろう…。歌衣はこれまで見せたことのない、子供のような笑みを浮かべる。今まで遠くから見ていただけの彼女とこうして一緒に出掛け、バーベキューを出来るなんて……少し前の自分は夢にも思ってなかった。

 

 

 

 

胡桃「……よしっ!できたっ!」

 

少しして、胡桃がそう告げる。彼女は鉄板の上で焼き上げていたそれを紙皿へと盛ると、何よりも先に彼の元へ向かっていった。

 

 

 

胡桃「ほい、食ってみろ!絶対に美味いから♪」

 

「何を作ってたのかと思えば…焼きそばか…」

 

小さな紙皿からはみ出る程に盛られた麺。彼はそばにあった岩の上に腰掛け、割り箸でそれを口に運ぶ…。

 

 

 

胡桃「…どう?美味いだろ?」

 

「まぁ……美味しいけども」

 

キラキラとした期待の眼差しと共に尋ねられたら、そう答えることしか出来ない…。とは言え、この焼きそばは確かに美味しい。ソースの濃さ、焼き具合、色々なバランスが上手く取れている。

 

 

 

(ただ、自信満々に作ってくる料理が焼きそばとはね……)

 

そのチョイスがまた胡桃らしくて、彼はそっと微笑む。けど、もしかしたらこの焼きそばというチョイスもバーベキューに合わせた結果そうなってしまっただけで、彼女は元々料理が得意な娘だったのかも知れない。

 

 

 

「胡桃ちゃん、他にも得意な料理とかあるの?」

 

胡桃「えっ?………あははっ。ま、まぁ…その辺は…また今度…」

 

……というわけで、彼女が得意な料理は"焼きそば"のみだったようだ。彼は彼女の反応からそれを察し、深くは追及しないようにした。あまりしつこく言えば怒られるかも知れないし、少なくともこの焼きそばは美味しい。今はそれだけで良いと思った…。

 

 

 

その後、慈と由紀が作っていたおにぎりも出来上がり、皆はそれや胡桃が作った焼きそば…そして焼き網の上の食材を食べていく。少しすると買い出しに行っていたあの二人も到着し、また一層賑やかな雰囲気になっていった。

 

 

 

 

 

 

圭「ただいま~」

 

美紀「おかえり。長かったね?」

 

圭「つい色々見てきちゃってね。少し時間かかっちゃった。あっ、飲み物もたくさん買ってきたから、好きなの取ってね」

 

圭が地面へと置いたビニール袋の中には、様々な種類のドリンク缶が転がっている。美紀はまだ冷えているその缶を一つ手に取り、喉を潤してからため息をつく。

 

 

 

美紀「ふぅ…。おいしい…」

 

果夏「ほら、真冬ちゃんの分もあるからね♪」

 

真冬「あぁ…うん…。ありがと…」

 

手渡されたジュースを受け取り、真冬はそのお返しにと焼けた肉の乗った紙皿を果夏に渡す。圭、果夏も合流して勢揃いとなり、皆で外での食事を楽しむ…。すると突如、おにぎりを食べていた美紀が妙な声を発した。

 

 

 

 

美紀「む…んっ!?むえっ……な、なにこれ…?」

 

おにぎりを食べていた最中、おかしな食感を感じる…。ブニブニとした、甘い物体…。おにぎりに対してこんな庵治を初めて感じた美紀は舌を出し、少しだけ噛んでしまったそれを手の上へと出した。

 

 

 

美紀「…な、なんだろ…。おかしな物が混じっちゃってたのかな…」

 

真冬「うわ…なにそれ……」

 

果夏「なんか、気持ちわるいね……」

 

美紀の手に乗る、半透明の物体…。おにぎりの中にいたそれには今もいくらか米粒がついているが、こんな具は見たことがない。もしかしたら米に不純物が混じっていたのかも…少しだけそれを食べてしまった美紀の顔が、みるみる真っ青になっていく…。

 

 

 

 

由紀「あっ!みーくん当たりだ!」

 

美紀「へ…っ…?あたり…?」

 

由紀はその場に歩み寄り、彼女の手に乗っていた半透明の物体を見つめる。直後、由紀はニッコリと微笑んでそれの正体を告げた。

 

 

 

由紀「それは、わたしの作った『グミおにぎり』だよ!こういうのも意外とおいしいかな~と思って、作ってみたの~♪」

 

美紀「グ、グミ……?おにぎりに……グミ?」

 

果夏「なるほど…。本当に"お菓子な物"が混じってたわけですな!!」

 

と、どうしようもない事を言う果夏…。彼女は凄いのを決めてやった!と言わんばかりに得意気な顔を見せているが、今の美紀にそれを見ている余裕はない。

 

 

 

美紀「おにぎりにグミなんて、絶対に合わないって分かるじゃないですか…」

 

由紀「…やっぱりおいしくなかった?わたしもね、薄々気づいてはいたんだけど……くるみちゃんとかが食べたら面白いなって思って」

 

 

果夏「ねえねえ美紀ちゃん、わたしの言ったこと聞いてた?ほら、美紀ちゃんさっき『おかしな物が混じっちゃってたのかな』って言ってたでしょ?わたし、その『おかしな』と『お菓子』をかけた超高度な言葉遊びを決めたんだけど…」

 

美紀「ごめん、少し黙ってて…。今、ゆき先輩と話してるから」

 

視界にチラチラと現れる果夏を手で退かし、美紀は由紀の目を真っ直ぐに見つめる。この『グミおにぎり』のような恐ろしい物が、他にも存在するのか聞き出す為だ。

 

 

 

 

美紀「…一個だけですか?こういうおにぎりは…」

 

由紀「うん。一個だけだよ。もっと食べたいの?」

 

美紀「……いえ、もういりません。残った分はとりあえず、くるみ先輩に渡してこようかな」

 

由紀「お~っ!!みーくんもワルモノだね!」

 

由紀の言葉にニヤリと微笑み、美紀は食べかけのおにぎりを胡桃の元へと運ぶ。食べかけていた断面からは小粒のグミ群が顔を覗かせていたので、それを塞ぐように握り直したのは言うまでもない。

 

 

 

美紀「先輩、これ…ゆき先輩がくるみ先輩にって」

 

胡桃「ゆきが?ふぅ~ん……中身って何?」

 

美紀「さ、さぁ…?イクラ…とかじゃないですかね?」

 

グミとイクラ…形だけなら似ていると、そんな事を思いながら答える。しかしその美紀のどこかぎこちない様子や、これが由紀からの贈り物だと言う点…。それらに罠めいた何かを感じ取り、おにぎりを受け取った胡桃はスタスタと移動する…。

 

 

 

 

胡桃「これ、ゆきがお前に食べて欲しいんだってよ」

 

「由紀ちゃんが?僕に…?」

 

聞き返す彼に対し、胡桃は頷く。胡桃は彼を毒味役として使う気なのだろう。彼女の勘の良さに驚いた美紀と由紀はただ唖然とした表情を浮かべ、冷や汗を流した。

 

 

 

「じゃあ、いただきますか…」

 

胡桃「ああ。ゆきがせっかく作ってくれたんだから、残さずに―――」

 

「うえっ!!?な、なんだこれっ!?ブニブニしたのが入ってるっ!!」

 

胡桃「あ~……やっぱりそういうのだったか…」

 

一口食べた後、彼はすぐ異様な具の存在に気が付く。本来のおにぎりにはないブニブニとしたその食感に怯える彼を見た胡桃は静かにこちらの様子を窺っている由紀に冷めた目線を向け、スタスタと歩み寄る。

 

 

 

 

由紀「わ、わぁっ!!」

 

胡桃「ゆ~~き~~…!!あたしに何を食わせようとしたっ!?」

 

由紀「お菓子っ!お菓子だよっ!!グミだよっ!くるみちゃん、グミとか好きでしょっ!?」

 

胡桃「おにぎりの中にあるグミなんか好きじゃないっ!!」

 

由紀は小石の上を駆けて必死に逃げるが、胡桃の足には敵わない。胡桃はすぐに彼女を捕まえ、右腕でそっと首を絞めながら髪の毛を左手でガシガシと雑に掻き回していった。

 

 

 

由紀「うわぁっ!?ボサボサになるっ!ボサボサになっちゃうっ!!」

 

胡桃「ああ、ボサボサにしてやるっ!食いもんを遊びに使った罰だ!!」

 

由紀「うぐぅ~っ!も、もうしないっ!もうしないから~っ!!」

 

髪を掻き回す胡桃も、掻き回されている由紀も、どちらも楽しそうに笑っている…。悠里は流れる川を背景にふざけ合う二人を眺めつつ、るーの頭を優しく撫でていった。

 

 

 

 

悠里「お姉ちゃんたち、楽しそうね。るーちゃんも楽しい?」

 

るー「うんっ!たのしいよ♪りーねーもたのしい?」

 

悠里「…うん。るーちゃんや、みんなと一緒だもの…楽しいわよ♪」

 

騒ぐ由紀と胡桃…。並んで食事を楽しむ美紀と慈…。美紀に冷たくされたと落ち込む果夏を慰める圭と歌衣…。落ち込む果夏を哀れな目で見つめながら、トウモロコシをかじる真冬…。そして、恐る恐る『グミおにぎり』を食べ進めていく彼…。悠里はそれらを眺めながら妹の頭を撫で、ニッコリと微笑んだ。

 

 

 

 

 

 




二人並んでおにぎりを握る由紀ちゃん…そしてめぐねえ…。母娘(おやこ)にも、姉妹にも見えて素敵だなぁと思うのは、私だけじゃないハズ…!


…ところで、由紀ちゃん作のグミおにぎりってどんな味でしょうね…。
お米の熱とかで表面が軽く溶けたりして、色々とやばそうです…(汗)

そんなグミおにぎりは、彼が美味しく(?)いただきました。
やはり、由紀ちゃんの手作りですからね…。残してはダメだと思ったのでしょう(笑)




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