今回は彼がみーくん&圭ちゃんコンビと共に遊んでいく様子をお送りします!
さて、何をして遊んでいこうか…。
美紀と圭、二人の後輩と共にゲームセンターの中をウロウロしながら楽しめそうなものを見定めていると、圭がとあるものを見付けて彼の服の袖を引く。
圭「あっ!先輩っ、私あれが欲しいですっ!」
キラキラと輝くその瞳が見つめていたのは、横一列にズラリと並んでいたクレーンゲームの一つ…。その中にはイヌとネコを模した二種類のぬいぐるみが並んでいたが、彼女が欲しいのは恐らく可愛らしいイヌのぬいぐるみの方だろう。
美紀「圭、こういうのやるの?」
圭「まぁね。けど、景品を取れたこと自体はあまり無いなぁ…。というわけで先輩っ!ここは一つ、カッコいいとこを見せて下さい!」
圭は肩から下げていたカバンから財布を取り出すと、五百円玉を手にしてそれをクレーンゲームに投入する。見たところ五百円で六回プレイ出来るようだが、圭自身は挑戦する気が無いようだ。彼に全てを任せるという事だろう。
「…ま、やれるだけやってみるよ」
圭「はいっ!期待してますよっ!!」
正直、彼もあまりクレーンゲームが得意では無い…。
圭が望む景品をたったの六回で獲得出来るのか怪しいところなのだが、可愛い後輩のキラキラとした期待の眼差しを向けられて断る訳にもいかないだろう。…彼は筐体の前に立つとボタンに手を添え、中にあるクレーンやぬいぐるみの位置を確認する。
「ええっと…圭ちゃんが欲しいのはあのイヌのぬいぐるみだよね?」
圭「えっ?いや、違います!私が欲しいのは、その横にいるネコのぬいぐるみです。すっごく可愛いなぁと思って、一目惚れしちゃいました♪」
「ああ、そう…」
事前に確認しておいて良かった…。
彼は一安心しつつ、そのネコのぬいぐるみを眺める。
圭はこのぬいぐるみが欲しいそうだが、彼にはその魅力がよく分からなかった。茶色と白の中間のような毛色をしたそのネコは確かに可愛らしいが、少し冷めたような目をしている気がする…。このぬいぐるみより、もう一方の茶色いイヌのぬいぐるみの方が愛嬌のある目をしていて可愛いと思うのだが…。
「さて……やってみますかね」
まぁ、その辺は好みの違いだろう…。
圭がこっちを欲しがっているのなら、その望み通りにするだけだ。
彼は狙いを定めてから筐体のボタンを押し、クレーンを横へ…そして奥の方へと移動させる。
圭「おっ?おおっ!?」
クレーンはネコの真上でピタリと止まり、ゆっくり下降していく…。
思っていたよりズレてしまったりという事もない、狙い通りの動きだ。
クレーンは両サイドに付いていた二本のアームを開いて下降すると、目当てのネコの頭をガッシリと掴む…。景品の獲得を確信したのか、圭も嬉しそうな声をあげていた。
しかし、一回目から全て上手くいったら何の苦労もない…。
クレーンのアームはネコの頭をしっかり掴んでいるように見えたが、力が足りなかったらしく上昇時にスルリと離してしまった。
圭「あぁ~っ!今のは惜しかったなぁ…。けど、一回目からこれならかなり期待出来ますよっ!ね、美紀ちゃんもそう思うでしょ?」
美紀「ん?あ…うん……そうだね」
「…では、二回目……」
今の調子でいけば、六回以内には取れるはず…!
彼と圭が興奮した様子でクレーンと向かい合う中、美紀だけはどこか冷めたような視線でそれを見守っていた。
「ぐ…っっ…!」
圭「ううぅ~っ!中々取れませんねぇ……」
二回目…三回目…四回目…五回目……ここまで全てが失敗に終わったが、何度も何度もアームをぶつけた事でネコのぬいぐるみは少しずつ落とし口に近付いている。あと一回で取ることだって、不可能ではないだろう。
「……ラスト、六回目っ!」
圭「先輩っ!がんばって!」
すぐ隣で圭が見守る中、彼は最後の挑戦をしていく…。
これで取ることが出来なかったら、可愛い後輩の期待を裏切ってしまう…それだけは避けねばならない。彼はクレーンとぬいぐるみの位置をまたじっくりと見直し、ボタンを押していく…。
「いけ……いけっ……」
クレーンが狙い通りの場所へと移動し、ゆっくりと下降する…。
これが最後のチャンスだと思うと緊張してしまい、彼も…そして圭も額に汗を浮かべていた。二人は緊張した面持ちでクレーンの動きを見守っていくが、クレーンのアームはまたしても大事なところでぬいぐるみを離してしまい……
「っ…っ!!」
圭「あ~~っ…残念っ…。ま、仕方ないですよ。先輩、気にしないで下さいね」
圭は笑顔でそう言ってくれたが、ここで退くなど出来ない……出来るはずもない…。彼は自身の財布を素早く取り出すと、何の躊躇いも無く五百円玉を投入する。
圭「せ、先輩っ?」
「あと少し…あと少しでやれる…。やれるハズっ…!」
圭「いや、でも…あまり長引いちゃうと悪いですし……」
筐体の中にいるネコを真っ直ぐに見つめる彼の目を横から見て、圭は思った…。"この人はきっと、もうあのぬいぐるみを取るまで諦めない"と…。その気持ちはありがたいのだが、幾ら経っても獲得出来ずに千円、二千円とお金を使わせてしまったら申し訳ない。
圭は冷や汗を浮かべながら、暴走しかけている彼を止めようとしたが…彼は決して止まらない。一回…二回…三回…四回……またしても失敗を重ねていき、次の五百円玉を取り出した………その時だった。筐体の中から"ガコンッ!!"と、何かが落ちるような音がして…
「っ!?よしっ!!」
彼はすぐその場に屈むと、筐体の景品取り出し口に手を潜らせる。
そして凄まじい達成感を感じているのであろう笑みを浮かべながら、手にしたそのぬいぐるみを圭の胸元へと差し出した。
圭「えっ!?取れたんですかっ!?落ちるとこ見逃しちゃった…」
景品が取り出し口へ落ちていくのはクレーンゲーム最大の見せ場といっても過言では無いので、少し残念な気もする…。しかし、何はともあれお目当てのぬいぐるみを手に入れた。圭はそのネコのぬいぐるみを両手で掲げると真正面からジーッと見つめ、ニコニコと嬉しそうに微笑む。
美紀「ふふっ、よかったね」
圭「うんっ♪先輩、ありがとうございますっ!」
「いや、喜んでもらえたなら本当に良かった。正直、もっと長引くと思ってたんだよな…」
可愛い後輩の為、ある程度の散財は惜しまないつもりでいたが、思っていたよりもずっと早く景品を獲得する事が出来た。圭も喜んでくれているようだし、一応良い結果で終わったのだが……
美紀「あと一回分、残っちゃいましたね…」
美紀の指摘通り、あと一回分のクレジットが残っている。
五百円を投入して得た六回分のクレジットの五回目でお目当ての景品を取ってしまったので、一回分余ってしまった。
美紀「……ちょっとやってみて良いですか?」
「ああ、ご自由にどうぞ」
たった一回のプレイでは何も出来ないだろう…。
彼はそんな事を思いながら、次は何で遊ぼうかと辺りを見回す。
するとその直後、ついさっき聴いた覚えのある音がして…。
…ガコンッ!!!
美紀「あっ、取れた…」
「なっ!?」
思わず振り向くと、美紀が取り出し口から茶色いイヌのぬいぐるみを取り出していた…。たった一回では取れるはずもないと思っていたが、彼女の手に握られているそのぬいぐるみは間違いなくクレーンゲームの景品だ。彼は目を丸くしたまま驚き、圭は彼女の隣でピョンピョンと跳ねる。
圭「美紀ちゃんすごいすごいっ!!クレーンゲーム得意だったの!?」
美紀「ううん、あまりやったこと無い……今のは偶然だよ。このぬいぐるみも圭にあげようか?」
圭「いや、それは美紀ちゃんが持って帰ってあげなよ!先輩もそれが良いと思いますよね?」
「あ…ああ、うん……良いんじゃないの」
偶然とはいえ、美紀が一回でそれを取った事が未だに信じられない。
圭に先輩として良いところを見せようと頑張ったつもりだったが、彼女の注目は彼ではなく美紀に向いていた…。
圭「もっと喜びなって。一回でぬいぐるみ取れるなんて中々無いよ?」
美紀「うん…そうだね」
クレーンゲームが一段落したので、三人は側にあったベンチに座りながらそのぬいぐるみを眺める。圭はネコのぬいぐるみを見て嬉しそうにニコニコとしていたが、美紀はイヌのぬいぐるみを見てもそこまで表情を変えない。
圭「…ネコの方が良い?交換してあげようか?」
美紀「ううん、大丈夫だよ。ただ、私にはこういう可愛いぬいぐるみは似合わないんじゃないかなって……」
圭「そんな事ないよ!美紀ちゃんは可愛いんだから、ぬいぐるみだってよく似合う!!ほらほら、もっと笑って欲しいにゃ~♪」
圭はネコのぬいぐるみを美紀の頬へと擦り付け、楽しそうに微笑む。
自分には、可愛いものなど似合わない…。
美紀はそう思っていたようだが、そんな事は無い。確かに彼女は他の娘と比べると少し大人びた見た目、雰囲気をしているが、圭にネコのぬいぐるみを押し付けられ、自身もイヌのぬいぐるみを持って微笑む彼女はとても可愛らしかった…。
圭「さて、先輩っ!次は何で遊びましょうか?」
「ん~、そうだなぁ…」
三人は再び店内を歩き回り、次に遊ぶものを探す…。
と、そんな時、圭は手にしていたネコのぬいぐるみを見つめながらハッとしたような表情を浮かべ、横を歩いていた美紀とそのぬいぐるみを交互に見比べる。
圭「あっ!分かった!このネコちゃんどっかで見たことあるな~と思ってたけど、美紀ちゃんに似てない?ほら、目の感じとかっ!」
美紀「えっ?そう…?」
圭「うん、絶対に似てるって!よく見るとこの子、美紀ちゃんの髪の毛とほとんど同じ色してるし……あははっ、何から何まで美紀ちゃんみたい♪先輩もそう思いませんか?」
「ああ、似てるかも…」
確かに圭の言う通り、そのネコのぬいぐるみの目はどことなく美紀に似ている…。毛色も美紀の髪の毛とほとんど同じ色だし、圭がこのネコを美紀に似ていると思うのも納得だ。このぬいぐるみを最初に見た時は冷たくて可愛いげの無い目をしてると思ったが、美紀と似たような目だと言われるとこの目も少しだけ可愛く見えてしまうから不思議だ。
美紀「う~ん…似てるかなぁ…。それよりもさ、このワンコのぬいぐるみの方は圭に似てると思わない?こっちも毛色が同じだよ?目がクリクリしてて大きいところも圭にそっくり」
圭「そうかな?…へへ、こんなに可愛いぬいぐるみと似てるなんて言われるとなんか照れちゃうね」
二人は手にしたぬいぐるみをお互いの顔と見比べては楽しげに笑い、歩きながら仲良く肩を寄せる。彼はその微笑ましい光景を数歩下がった所で見つめていたが、そんな中でふと、圭があのネコのぬいぐるみを見て言っていた言葉を思い出す。
(…そう言えば、圭ちゃんはあのぬいぐるみを見て"凄く可愛い"とか"一目惚れした"とか言っていたな)
そして、そのぬいぐるみは美紀によく似ている…。
圭は本当に美紀の事が好きなようだし、美紀もまた、圭という友人の事を気に入っているように思えた。
圭ちゃんは彼よりもみーくんにメロメロ…?
いや、学園生活はまだ先が長いので、圭ちゃんとの距離を一気に縮めるイベントもきっとあるはずっ!!
次回も引き続きゲームセンター回をやっていきます。
次は由紀ちゃん達も登場する予定です!