軌跡〜ひとりからみんなへ〜   作:チモシー

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前回から少し時間を戻した、悠里と由紀視点のストーリーです。


四話『ぼうし』

 

 

 

 

 

胡桃達と別れ、3階の衣料品売場へとやって来た悠里と由紀。

 

 

由紀「うわぁ!みてみてりーさん!可愛い服沢山あるよ!!」

 

悠里「そうね。随分久しぶりにこんなお店に来た気がするわ…美紀さんと出会ったショッピングモール以来ね。」

 

由紀「おお~、これも良いしあれも良いなぁ、迷うよ~…りーさんはこれとあれどっちが良いと思う?」

 

悠里「そっちのスカートは長すぎて動き辛そうだから、こっちの方が良いんじゃない?あんまり動き辛いのは大変だからオシャレも良いけどそれでいて動き易そうなのを選びましょ?」

 

由紀「うん!分かった~!」

 

悠里「さて…私も胡桃や美紀さんの分を選ばないと……」

 

悠里「…あ、このマネキンの格好可愛くて良いわね。動き易さも問題無さそうだし」

 

悠里(胡桃に似合いそうだけどこういう服好きかしら?…まぁとりあえず持って帰って皆で気に入った服を選べば良いわね。もらっていきましょう。)

 

由紀「あ!!」

 

悠里「!?…何?どうしたの由紀ちゃん?」

 

由紀「みて!りーさん!!この帽子!!」

 

悠里「あら。それ前よく由紀ちゃんが被ってた帽子ね?」

 

由紀「うん!……あの帽子、今は太郎丸が持ってるけどね。」

 

悠里「そうだったわね……」

 

 

 

由紀「……」

 

悠里「……」

 

 

 

 

 

悠里「それ…もらってく?」

 

由紀「…ん?あぁ、うん!」

 

悠里「良いの見つかって良かったわね。」

 

由紀「うん!」

 

悠里(…それにしても、あの帽子って普通のお店に売ってたのね…初めて知ったわ。)

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

20分後

 

 

悠里「さて…もうそろそろカバンに入らなくなっちゃうし、車に戻りましょうか?由紀ちゃん」

 

由紀「うん。くるみちゃん達もう戻ってるかな?」

 

悠里「どうかしら……荷物だけ置いたら1階の方に行って合流しても良いけど、すれ違いになったら怖いわね。」

 

悠里「食品売場は1階のどの辺りだったかしら…由紀ちゃん。ちょっと地図見るから待ってね。」

 

由紀「うん!」

 

悠里「ええと……食品売場はここで私達がいるのが3階のここだから…。」

 

由紀「…あれ?……何か聞こえる。」

 

悠里「ん?…そう?」

 

由紀「聞こえたよ!…子供の泣き声みたいな声だった!助けないと!!」

 

悠里「由紀ちゃん!待って!!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 

 

1階・通路裏 商品倉庫前

 

 

悠里「ハァハァ……由紀ちゃん!ダメでしょ!!急に走ったら!!」

 

由紀「ほらここ!この中から聞こえるよ!」

 

悠里(ここは……扉には倉庫と書いてあるわね。運ばれた商品を保管する場所みたいね…胡桃達のいる食品売場の真逆まできてしまったわ)

 

「ウワァーン…ウワァーン…ウァワーン」

 

悠里「本当だ!…子供の声!由紀ちゃんよく3階から聞こえたわね。」

 

由紀「開けるね?りーさん!」

 

ガタンッ!!

 

 

由紀達の後方…倉庫とは逆方向に位置する5m程離れた部屋からそれは聞こえた。

 

 

由紀・悠里「!?」

 

由紀「今の…」

 

悠里「後ろの部屋の中から聞こえたみたい…私見てくるから、由紀ちゃんは子供をお願い!」

 

由紀「うん…気を付けてね?」

 

悠里「ええ…大丈夫よ」

 

悠里(子供の声に奴らが反応したのかも…用心しましょう……)

 

ギィィー

 

悠里(スタッフ用のロッカールームかしら……ロッカーが何列にも並べられてる…暗いからロッカーの死角から襲われないよう警戒しながら部屋の中をチェックしないと…)

 

……スタッスタッ…

 

悠里(このロッカーの列はいない……あと3列ね……怖い…けど…注意して進めばきっと大丈夫!)

 

……スタスタ

 

悠里(…?最後の列まで来たけれど、何もいないわね…ただこの列の奥から2番目のロッカーが倒れてる、さっきのはこれが倒れた音?自然に倒れたの?)

 

ガシャン!

 

悠里「!?」

 

由紀が向かった倉庫の方角から大きな音が………更に…。

 

 

 

由紀「キャーーーー!」

 

悠里「由紀ちゃん!!?」

 

 

 

由紀の悲鳴に気をとられその方角に目を向けロッカーの列から目を離した…その直後。

 

 

 

バタン!!

 

 

悠里「えっ!?」

 

 

 

悠里の後方…倒れていたロッカーの更に奥…つまり一番奥のロッカーの扉が勢いよく開き…それは悠里の前に現れた。

 

 

 

悠里「!!!」

 

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 

 

 

 

 

 

1分程前

 

倉庫内

 

ギイー

 

 

「ウワァーンウワァーンウワァーン」

 

 

由紀(いた!あの机の上だ!)

 

スタスタッ

 

由紀「大丈夫?」

 

由紀(毛布にくるまれてる…小さいし赤ちゃんかも!)

 

「ウワァーンウワァーン」

 

由紀「もう大丈夫だよ!」

 

由紀は毛布にくるまれたその小さな身体を抱き上げ顔に位置するであろう部分の毛布をめくりその赤ん坊の顔を見た。

 

由紀「え?」

 

「ウワァーンウワァーン」

 

由紀「これ……人形だ!」

 

それは幼い女の子が遊ぶ為の赤ん坊の姿をした音声機能付の人形だった、そしてそれを確認した直後。

 

ガシャン!!ガシャン!!

 

由紀「うわ!?……あ!あぁ…あ…あ…」

 

先ほど由紀がこの倉庫に入る為に使った扉…つまり今の由紀の10m程後方、その扉を挟むようにして配置してあったのはフェンスによって作られた囲いようなもの二つ、先ほどの音はその一辺が倒れて開いた音だった。

 

そしてその中からは"かれら"が現れ、皆一斉に由紀に顔を向けた。

 

由紀「あ……あ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由紀「キャーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は地の文を入れないと状況が理解しにくい部分があったので、後半少しだけ入れました。


セリフだけでわかるシーンは最小限セリフだけで済ませていますが、地の文を入れないと周りの状況や風景が分からない時はちまちま入れて行こうと思います。

(序盤の由紀達が服を選んでいるシーンも、服の細かい解説を入れようと思いましたが、あまり服には詳しくないので断念しました…彼女達が選んでいた服は皆様のご想像にお任せします。)

ご覧いただきありがとうございました。
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